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苦戦続きの三菱重工、「国家」の看板を下ろしたら? 航空機、造船、宇宙事業・・・足を引っ張る三菱の顔(JBpress)
http://www.asyura2.com/16/hasan114/msg/223.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 10 月 10 日 00:38:20: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

米ワシントン州モーゼスレイク上空を飛行する小型ジェット旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)1号機。三菱航空機と三菱重工が公開した(2016年9月28日撮影)。(c)AFP/Mitsubishi Aircraft Corporation〔AFPBB News〕


苦戦続きの三菱重工、「国家」の看板を下ろしたら? 航空機、造船、宇宙事業・・・足を引っ張る三菱の顔
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48065
2016.10.10 加谷 珪一 JBpress


「国家と共に」という理念を掲げ、日本のもの作りを支えてきた三菱重工が、同社の顔ともいえる事業で苦戦続きとなっている。

 祖業でもある造船事業において巨額損失を計上したことに加え、初の国産ジェット旅客機MRJは5度目の納入延期が検討されており、後がない状況に追い込まれた。同社の兄弟会社で、燃費改ざん問題を起こした三菱自動車は日産の傘下に入った今も、三菱重工の足を引っ張っている。客船事業の損失については、火災事故も併発していたことから、技術力の低下を懸念する声も上がる。

 しかし、同社の事業全体を見渡してみると、問題となっている事業を除けば、思いのほか好調である。皮肉なことに「国家」という看板を下ろせば、同社の経営はかなりラクになるというのが現実だ。

■MRJは5度目の延期でもう後がない

 三菱重工の子会社で航空機の製造を担当する三菱航空機は、同社が開発中のジェット旅客機MRJについて、5度目となる納入延期の検討に入った。三菱航空機はこれまで4度、納入時期を延期しており、9月にはようやく試験拠点である米国の空港への移送に成功していた。しかし、量産にあたって設計の見直しが必要なことが明らかとなり、関係者には納入延期を通知したという。

 MRJは三菱重工グループが総力をあげて開発を行っている日本初の国産ジェット旅客機である。よく知られているように、日本は太平洋戦争の敗北によって、しばらくの間、航空機分野の研究・開発が禁止されていた。その後、政府主導で国産旅客機YS-11が開発され、約180機が生産されたが、残念ながらYS-11は事業としては成立しなかった。YS-11以降、日本の航空機産業は停滞したままの状態が続いてきたのである。

 日本の航空機産業の復活を掲げたMRJの開発には、政府も全面的な支援を行っていたが、開発は思いのほか難航。これまでに4回、スケジュールの延期が発表されており、初号機の納入は当初予定から5年遅れの2018年半ばとなっている。

 最大のライバルであるブラジルのエンブラエルが2020年に最新鋭機を投入する予定となっており、遅延がさらに1年を超える状況となった場合、エンブラエルと直接競争する形になる。エンブラエルは新規参入の三菱とは異なり、リージョナルジェットの分野で豊富な納入実績を持っている。これ以上、開発が遅延した場合、エンブラエルの存在がMRJの受注に影響してくることは確実だ。

 現在、MRJは400機ほどの受注を獲得しているが、そのうち半分はキャンセル可の契約といわれる。開発の遅延がなくても目標の1000機までには隔たりがあり、本格的に生産が始まっても、ビジネス的にはかなり苦しいだろう。

■航空機産業に押し寄せるコモディティ化の波

 見た目の派手さとは裏腹に、航空機製造のビジネスは、以前ほど儲かるビジネスではなくなっている。その理由は、他の産業と同様、この分野にもコモディティ化の波が押し寄せているからである。

 MRJは100万点以上の部品で構成されているが、自動車の部品点数が数万点であることを考えると、航空機というものの規模の大きさが分かる。かつては航空機を製造することができれば、その企業は高い付加価値を獲得することができた。しかし、航空機産業の分野は、近年、急速な勢いでコモディティ化が進んでおり、最終製品を作るメーカーの付加価値は低下している

 MRJは設計と組み立てを三菱が担当しているので、日の丸ジェットということになるが、使用されている部品のほとんどが外国製である。これは三菱特有の話ではなく、現在の航空機産業では、メガサプライヤーと呼ばれる大手の部品メーカーが、航空機の各ユニットを半完成品の状態まで作り上げ、完成機メーカーは最終組み立てだけを行うというのが主流となっている。

 完成機メーカーは、メガサプライヤーが提供するユニットを選択するだけになるので、独自の部品を使用する割合は低くなる。つまり、今の時代は、どのメーカーが航空機を作っても中身はほとんど同じであり、確保できる利益も限定的といえる。極論を言えば、パソコンメーカーに近い産業構造となりつつあるのだ。

■造船と航空機は三菱のプライド

 それでも三菱重工が航空機の製造に社運をかけているのは、同社は国家と共に歩むことを社是としてきた企業であり、かつてはゼロ戦(零式艦上戦闘機)を製造したというプライドがあるからに他ならない。同じようなメンタリティは造船部門にも見られる。

 三菱重工は三菱財閥創業者の岩崎弥太郎が、明治政府から長崎造船所を借り受け、造船事業を開始したことをその起源としている(正式な払い下げは、弥太郎が没した翌年、弟・弥之助によって行われた)。造船事業は、のちに三菱造船となり、現在の三菱重工へと発展した。長崎造船所は、大和型2番艦の戦艦武蔵や、豪華客船浅間丸を建造したことでも知られている。

 ところが、三菱重工はこの造船事業でも手痛い損失を被っている。同社は2011年に米国のクルーズ会社であるカーニバル社から2隻の客船を受注した。総トン数12万5000トン、3250人乗りの大型船で、本来であれば2015年3月に納入する予定だった。

 しかし、2014年10月にこれを2015年9月に延期すると発表。2015年9月に今度は12月に延期すると発表したものの、再び延期となり、最終的には2016年3月にようやく1番船が納入された。三菱は受注獲得を焦り、細部を詰めずに受注したともいわれている。結局、カーニバル側が求める内装を作れず、工事をやり直すという事態が頻発した。2隻の受注金額は1000億円だが、最終的には受注金額をはるかに上回る2300億円の損失を出している。

 今回の案件では、Wi-Fiなど最新のネット接続環境を想定せずに基本設計を進めるなど三菱側の不備が目立った。これに加え、船の建造中に火災を起こすという不祥事もあった。実は同社は2002年にも、建造中の大型客船を炎上させるという事故を起こしている。この時にも巨額損失を計上しており、大型客船事業における失敗はこれで2度目だ。

■防衛産業は集約が必要?

 こうした事情が重なり同社の決算は冴えない状況が続いている。2016年3月期の売上高は前年比マイナス4.5%の4兆4855億円、当期利益は客船事業の特別損失が影響し638億円にとどまった。さらに最新の決算(2016年4〜6月期)では、三菱自動車の特別損失や為替差損などで166億円の経常赤字に転落している。

 三菱自動車は三菱重工の自動車部門が独立した企業であり、身内同然だったが、軽自動車の燃費改ざん問題が表面化したことで経営が一気に悪化。最終的には日産自動車の傘下に入ることになった。同社は、2000年と2004年にもリコール隠しが発覚しており大問題となっている。日産の傘下に入った今でも、三菱重工を悩ませ続ける存在である。

 いわば三菱の顔ともいえる事業が足を引っ張っているわけだが、一連の低迷が同社の屋台骨を揺るがしているのかというと実はそうではない。航空機や造船、宇宙事業が同社の精神的な支柱であるのは事実だが、収益面での貢献はそれほど大きくないのが現実である。

 同社の収益の柱となっているのは、火力発電用タービンやプラントなどを手がけるエネルギー・環境部門と、業務用エアコンやターボ関連機器、物流機器などを手がける機械・設備システム部門である。

 エネルギー・環境部門の売上高と機械・設備システム部門の売上高で、実に全体の約7割を占めており、営業利益についても全体の7割以上を両部門が稼ぎ出している。つまり数字の上では、航空機や造船、宇宙事業はマイナーな事業でしかないのだ。

 日本は欧米と異なり、防衛産業に特化した企業なく、財閥系の企業がそれぞれ独自に取り組むという図式になっている。一方、欧米の防衛産業はM&Aを繰り返し、少数事業者の寡占市場へと移行している。専門的な分野は集中化した方が圧倒的に効率がよく、日本の場合にもそれが当てはまる可能性が高い。

 すでに原子力の分野では、三菱重工と日立製作所、東芝の核燃料事業を統合するというプランが急浮上している。防衛産業も含め、こうした流れは今後、さらに加速していく可能性が高いだろう。「国家」という看板を下ろせば、三菱重工の経営は非常に身軽になる。
 

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