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コラム:「トランプ敗北」で道連れになる白人労働者階級 人民元安があおる海外投資、中国当局の「頭痛の種
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投稿者 軽毛 日時 2016 年 11 月 05 日 14:28:04: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

コラム:「トランプ敗北」で道連れになる白人労働者階級
 
 11月1日、やっと自分たちの時代が来た、と彼らは思った。ここ何十年にわたって政治的な疎外感を抱いていた、白人労働者階級に属する多くのアメリカ人は、ドナルド・トランプ氏(写真)を、長らく待ち望んだ自分たちの旗手だと考えた。写真は1日、米ウィスコンシン州での政治集会に登場した共和党大統領候補のトランプ氏(2016年 ロイター/Carlo Allegri)

Justin Gest

[1日 ロイター] - やっと自分たちの時代が来た、と彼らは思った。ここ何十年にわたって政治的な疎外感を抱いていた、白人労働者階級に属する多くのアメリカ人は、ドナルド・トランプ氏を、長らく待ち望んだ自分たちの旗手だと考えた。

トランプ氏には、確かに、その隠しようのない傲慢さを含め、不完全なところがあるが、自分たちの苦境や憤慨を理解してくれるように見えた。

だが、共和党の大統領候補トランプ氏が選挙戦で苦しい状況に追い込まれていく様子は、誰よりも苛立ちを感じている彼の支持者たちにとって、政治的な孤立が今後も続く予兆となっている。

「私はあなたたちの声だ」──。オハイオ州クリーブランドで開催された共和党全国大会におけるトランプ氏の言葉は記憶に刻まれている。彼が「サイレント・マジョリティ(声なき大衆)」と呼ぶ、米国民のかなりの部分を占める人々に直接語りかけたのだ。

この有権者層が「沈黙を強いられている」と感じる大きな理由の1つは、民主党・共和党とも、過去30年にわたり、国政選挙において白人労働者階級に直接アピールすることに慎重だったからである。

両党とも、トランプ氏のようなあからさまな移民排斥主義や偏見を見せようとしなかった。増加しつつある人種その他のマイノリティ有権者が離反してしまう可能性があるからだ。

また経済政策の面では、トランプ氏のような保護主義を直接支持することも避けていた。政治的には中道派のビジネス・ロビーを警戒させるからである。民主・共和両党とも、衰退過程にある有権者層を惹きつけようとして成長しつつある有権者層にそっぽを向かれるのでは割に合わないと計算していた。

考えてみれば、オバマ大統領は2008年・2012年の大統領選のどちらも50%以上の得票率で勝利したが、大学を出ていない白人有権者に関しては2桁以上の差をつけられていた。2016年の選挙戦が本格的に始まる前、両党の主流派は、白人労働者階級の有権者は、せいぜい広範囲の中道連合を形成しようという試みに対する不安定要因であり、最悪でも、消えゆく不可解な付け足し程度だと考えていた。

トランプ氏が予想に反して候補指名を獲得したことで、白人労働者階級の有権者の存在が改めて広く意識されるようになった。だが、筆者の近著においてこの層について研究したところ、トランプ氏の政策アジェンダ自体が現実にこうした有権者を彼の選挙運動に引きつけているとは言い切れないようだ。

むしろ支持者の多くにとって、トランプ氏は力強い「抗議票」を意味している。白人労働者階級を無視し、排除し、非難してきた、そして多年にわたり意味のある改革を怠ってきた二大政党の政治エリートに対して、中指を立ててやるのだ。

実際には、白人労働者階級の有権者がここ数十年のあいだに見出した最良の「声」が、自家用ジェットで飛び回る富豪で、特定の政党に所属しないマンハッタンの不動産デベロッパーだというのでは、白人労働者階級の境遇を政治的に代表するといっても高が知れているのではないか。

それでも、白人労働者階級の有権者の多くは、トランプ氏が想定外に台頭したことは、彼ら自身が政治的な存在感を取り戻したことの証左であると考えている。

だが、トランプ氏の選挙運動に陰りが見えていることによって、米政界では、トランプ氏のようなポピュリスト的な訴求をすれば、必ずやオバマ大統領の選出に繋がった「新しい米国」連合(独身女性、アフリカ系、ラテン系、アジア系の米国人、勤労女性、若年層、同性愛者)の反発を招いてしまうという認識が強まっている。

政界関係者がトランプ流ポピュリズムを拒絶すると、往々にしてそれは、広く流布している米国の白人労働者階級に関する情緒的なストーリーに収まってしまう。識者の多くは、こうした有権者を、過去に自分たちが得ていた不当な優位にしがみつく抵抗勢力として一括りにしてしまう。進歩的な変化に抵抗し、職場だけでなく私生活においても彼らに挑戦する女性やマイノリティを抑えつける力を維持しようとしているという役柄が押し付けられる。

従来、白人貧困層は、白人男性が職場や私生活における特権を与えられて当然と考えていた時代の最後の生き残りであり、トランプ氏はその最後のあがきであるとみなされてきた。白人労働者階級の人々は、文化的な逸脱者であり、道徳的な根拠が揺らぐなかで彼らの労働倫理も低下してきたとみなされることが多い。

白人エリート層の多くは、優遇された昇進システムのなかで成功を収めてきた人々の子孫だが、恐らく過去の自分自身と距離を置くために、今では白人貧困層を非難するようになっている。

一方、白人労働者階級の側では、過去を懐かしむことしかできない。20世紀半ばは、政治家がこの層の票を集めようとした最後の時期である。安定した高給の正規雇用があり、家族が一体であったのも、この時期が最後だった。

その後、白人労働者階級に属する人々は、非常に不安定な状態へと着実に滑り落ちていった。大卒の学歴を持たない米国民が安定した高給の正規雇用を得ることはどんどん難しくなっていった。雇用とともに、白人労働者階級の生活を規定していたそれ以外の関係性もますます不安定になっていった。離婚率は急上昇し、麻薬の使用が広まり、非嫡出子が増加した。

白人労働者階級が抱える問題は、過去の経済的な安定性と一体感が、時代遅れとなった製造業中心の経済、そしてトランプ氏が復活を約束している人種格差と切り離せなかったことにある。

「トランプ敗北」は、彼の主張する保護主義や偏見に対する拒絶として片付けられてしまう可能性が高い。しかしそれでは、白人・非白人を問わず、米国の貧困層が固定化されている構造的な要因が無視されてしまう。

世論調査での劣勢によって、トランプ氏はただ白人労働者階級という支持者の疎外状況をいっそう深めただけかもしれない。将来に向けた政治運動の基礎を築く代わりに、トランプ氏は、米国民主主義の誠実さに疑問を投げかけることにより、彼の言う「不正な」民主制に火を放とうとした。

意気消沈した白人労働者階級に属する有権者の多くが選挙への参加から遠ざかっているのは、こうした陰謀論を信じ込んでいるからである。民主主義そのものを批判することによって、トランプ氏は、有権者のかなりの部分を今後も政治から遠ざけてしまい、民主制そのものを弱体化しているのだ。

共和党員にとって希望の兆しがあるとすれば、そうすることによってトランプ氏が、共和党を2015年6月以前の状態で彼らに返してくれるかもしれない、という点だ。周辺で不平を言っていた白人労働者階級の人々で膨れ上がった部分が縮み、その影響をほぼ受けない状態で、ということである。

そうなれば、2016年はただの悪い夢で、トランプ氏の台頭を招いた構造的な要因など本当は存在しなかったということで済ませることもできるかもしれない。

*筆者はジョージ・メイソン大学シェアー政策・政治学部准教授(公共政策論)。近著に「The New Minority: White Working Class Politics in an Age of Immigration and Inequality(原題)」 がある。

*本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。(翻訳:エァクレーレン)

 

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焦点:人民元安があおる海外投資、中国当局の「頭痛の種」に

[上海 2日 ロイター] - 中国政府は近年、人民元が突然急落する事態を防ぐために一連の資金流出抑制策を打ち出してきた。地下銀行や投資手段としての側面が強い外国保険商品販売の取り締まり、中国企業による海外企業合併・買収(M&A)に対する審査強化、外貨購入制限などだ。

しかし資産運用各社は、依然として顧客の海外投資を合法的に実現する手段を見つけ出しており、人民元の安定に留意している当局には頭の痛い問題となっている。

中国富裕層の資産管理を手掛けるクレジットイースの上海駐在マネジャー、Huang Qing氏は「過去1年間、われわれは多くの顧客の資産をドル建てに移動させる手助けをしてきたが、最大のネックはどうやれば人民元を法律に則って海外に移せるかということだった」と話す。

顧客の欧米不動産購入を支援するクレジットイースは、最低投資額を15万ドルに設定している。だが当局は個人の外貨購入を年間5万ドルまでしか認めていない。

そこでHuang氏は「最低投資額達成のためには、顧客の家族すべての5万ドルの割り当て枠を利用しなければならなかった。このやり方こそ、われわれが知恵を絞ってひねり出したものだ」と胸を張った。

実際、そうした努力は実を結びつつある。今年4月以降、クレジットイースは2本のドル建て不動産ファンドに中国の投資家から集めた資金は3億ドルを超え、現在は3本目を立ち上げているところだ。

この手の動きがドル買い需要を拡大させて人民元の下げ圧力になっており、10月28日には人民元の対ドル相場が6年ぶりの安値に沈んだ。中国当局によると、1─9月の個人と企業の外貨購入額は、4659億ドルを記録した昨年からはペースダウンしているとはいえ、2434億ドルに達した。

金融機関は、最近の人民元安を顧客に海外投資を促す好機として利用している。資産運用会社ジュパイ・ホールディングス(JP.N)は、メッセージアプリ「微信」に掲載した広告で、「攻撃は最大の防御だ。ドル建て資産投資は、人民元安リスクに対する実効性のあるヘッジになり得る」とうたった。

中国政府は口先介入などを通じた人民元の先安観払しょくに躍起だ。国家外為管理局(SAFE)の報道官は10月21日の会見で、最近のドル高は夏の旅行需要といった季節要因が主導していると指摘。10月19日付の共産党機関紙、人民日報は、元安/ドル高は主にドルが強いためだが、元が一方的な下げ局面に突入していることは意味しないと強調した。実際の海外資金移動への締め付けも強化し、カード決済サービス最大手の中国銀聯(チャイナ・ユニオンペイ)は10月31日、本土の顧客がデビットカードやクレジットカードを使って香港の保険商品を購入する際のルールを厳格化した。

それでも市場はまだ深刻にはとらえておらず、今後中国当局の「本気度」が試されるとの見方が多い。

中国人の対米投資を支援するYuwo Capitalのある幹部は、足元で顧客からの問い合わせが増加しており、一部は人民元の下落懸念を理由に米国への投資計画を進めていると語った。

クレジットイースのHuang氏は、自身が外資系銀行で働いていた2006年と今では状況が正反対になっていると指摘。当時は人民元高が続く中で、顧客は資本規制のために人民元建て資産に100万ドルを投資するのに丸1年要していたという。

(Samuel Shen、John Ruwitch記者)
http://jp.reuters.com/article/china-yuan-outflows-idJPKBN12Z0B2


 

 

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