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2017年に「トランプ大暴落」は起きるのか 「トランプショック」の本番はこれからだ(東洋経済)
http://www.asyura2.com/16/hasan115/msg/640.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 11 月 14 日 13:21:25: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

筆者はトランプ次期大統領はレーガン大統領ではなく、この写真の「右から2番目の人物」を目指すべきという。その人物とは誰か(写真:wonderboyuya/PIXTA)


2017年に「トランプ大暴落」は起きるのか 「トランプショック」の本番はこれからだ
http://toyokeizai.net/articles/-/144908
2016年11月14日 滝澤 伯文 :CBOT会員ストラテジスト 東洋経済


今年、大リーグ(MLB)で優勝したのはシカゴ・カブスである。なんと108年ぶりの優勝だった。優勝グッズのTシャツを着た若者が、米大統領選の翌日の11月9日、シカゴのトランプタワーの前で反トランプのデモに参加していたのを筆者はみた。

■「トランプ相場」の背景にある「レーガン再来」の期待

第2次世界大戦後に始まった東西冷戦後のリベラル化の中で育った大都会のミレニアル(米国で2000年代以降に成人になった世代)。この世代に共通するのは、実は「日本」を理想に感じていることだ。今、彼らには大統領選挙でのトランプ勝利は受け入れがたい現実だ。ただ彼らの親の代(ブーマー世代)までは、アメリカにはソ連という巨大な敵がいた。ブーマー世代も学生運動を起こしたが、国家の目標の前に、個人が自由な発想をある程度我慢するのは普通だった。

今回の大統領選において、総得票ではヒラリーが勝ったといっても、それはニューヨークなどの大都会の感覚だ。合衆国のデモクラシーのあり方を決めた建国の父は、そういう衆愚政治も恐れた。最終的には民主主義とは決して理想ではなく、形態はいろいろあり、そのどれも完璧ではないことを、ミレニアルはこれから学ぶしかない。

その喧騒をよそに、一瞬で衝撃をクリアした株式市場には、今度は過剰なトランプへの期待感が漂っている。テクニカルには、「ボラティリテイプレーヤー」に支配されているということだが、期待の背景には、”トランプはレーガン(第40代大統領、任期1981年1月〜1989年1月)になれる“という声がある。

レーガンは偉大なるアメリカの復活を掲げた。トランプがレーガンを真似するのは当然。だがトランプとレーガンでは、能力ではなく、アメリカが置かれている環境が違う。それが前述の今のミレニアルと、今のブーマーがミレニアルだった頃の違いだ。

ではこれからトランプはどうするのか。「トランプの最初の100日計画」で掲げた項目はどれもカッコいい。これは3回目のTV討論が終わった後、劣勢といわれた中でトランプがぶち上げた政策である。

例えば、オバマ大統領による大統領令すべての撤廃、中国の為替操作国認定などなど…。南北戦争で劣勢だった北軍が勝利する分岐点になったゲティスバーグの戦いにちなんで、トランプはゲティスバーグでこの100日計画を発表した。結果、南北戦争と同じく逆転に成功したが、今度は、今この計画が、トランプに重くのしかかる。

ただこれらの項目が実現できなくても、トランプは自分を支持した人が、一番何を求めているかを知っているはずだ。その希望さえ裏切らなければ、彼には時間が残される。その意味で、個人的に注目しているのは、聞こえてきた財務長官の人事だ。

金融市場では、JPモルガン会長のジェイミー・ダイモン氏やゴールドマンサックスの元パートナー、スティーブン・ムナチン氏などが候補になっている。一連の噂が金融株の上昇を後押した。だが、もし本当にトランプがダイモン氏のような金融関係者を据えるなら、のっけからトランプは期待を裏切ることになる。

なぜなら、それでは2008年のリーマンショック後に、ショックを起こした張本人の金融を真っ先に救済したオバマ政権とクリントンの取り巻きと同じだからだ。

■トランプはセオドア・ルーズベルトを目指すべき

はっきり言うと、トランプはレーガンではなく、歴代の大統領ではセオドア・ルーズベルト(第26代大統領、任期1901年〜1909年)を目指すべきだ。偶然だが、前回カブスが優勝した108年前、大統領はセオドア・ルーズベルトだった。

米国ではセオドア・ルーズベルトの人気は高い。サウスダコタ州のラシュモア山国立記念公園には、ワシントン、ジェファーソン、リンカーンと並んで、彼の顔が刻まれている。ただ残念ながら、同じルーズベルトでも、日本人にはフランクリン・ルーズベルト大統領に比べ、セオドア・ルーズベルトはなじみがない(日露戦争の仲介者になったことぐらいだ)。

そこで、セオドア・ルーズベルトのことを少し紹介しよう。一言でいうならセオドア・ルーズベルトは、リンカーン以降、隆盛となった「ギルド型資本主義(独占型の資本主義)」の歴史を終わらせた大統領だ。

彼は、若くしてニューヨークの州知事になり、早くから大統領候補と目されたが、この頃アメリカはGDPでイギリスを抜き、世界最大の経済大国になった(20世紀の初頭、1902年説)。一方で貧富の差は拡大。当時参政権のなかった女性も動き出し、アメリカの政治は激動期に入っていた。

その動きを受け、1896年の大統領選挙には、労働者の権利と金融の緩和(金本位制だけでなく銀本位制も主張)をかかげたリベラルのジェニングスが立候補する。民主党の予備選で、主流である「ブルボンデモクラッツ」とよばれた現職大統領のクリーブランドを破った。今回で言うなら、バーニー・サンダースが、ヒラリー・クリントンを破って正式候補になったようなものだ。

この民主党の流れに対し、危機感を感じたのが大富豪の共和党のパトロンたちだ。今でいうならコーク(KOCH)兄弟だが、当時の共和党の最大スポンサーは、ロックフェラー、JPモルガン、カーネギーの3人だった。この3人はビジネスでは仲が悪かったとされるが、ギルド型資本主義の危機に直面し、1896年の大統領選挙で協調した(3人で今のおカネで30億円程度の資金提供)。

そして彼らが選んだ大統領候補はオハイオ州のマッキンリーだった。今回でいうならオハイオ知事のケーシックのような候補だろう。激戦の末、マッキンリーが勝利した。ところが4年後の1900年、マッキンリーの再選に挑戦したのがセオドア・ルーズベルトだった。彼はニューヨーク州の知事を辞め、共和党の大統領候補になろうとしたのだ。

■大企業と人々との力関係を変えたルーズベルト

進歩的で庶民に人気のあるセオドア・ルーズベルトが、予備選で現職のマッキンリーを破ると困る。それでは民主党のクリーブランドがジェニングスに負けたのと同じだ。そこで前述の3人は、ルーズベルトを副大統領にする「飼い殺し策」を考えた。

思惑通り、1900年マッキンリーは再選され、ルーズベルが副大統領になった。ところが、なんと1901年にマッキンリーが2度目の任期も早々に暗殺されてしまう。犯人はJPモルガンが整理した工場の従業員だった。

そして同年年秋に大統領になったルーズベルトは、JPモルガンの解体に動く。反トラスト法でJPモルガンを訴えたのだ。これを基点にJPモルガンは力を失っていく。そしてルーズベルトが退いた後もこのうねりは続き、人々と大企業の関係が大きく変化した。1911年には、ロックフェラーのスタンダードオイルも最高裁の判断で解体された。

このように、前回シカゴ・カブスが優勝した頃のアメリカは、リンカーン以降、共和党の隆盛と共に発展したギルド型資本主義が、進歩主義に後押しされた共和党のセオドア・ルーズベルトによって終焉を迎えるころだった(この動きは民主党のウイルソン大統領に引き継がれる)。少々長くなったが、ここが、セオドア・ルーズベルトの顔がラシュモア山に刻まれた背景だ。

話をトランプに戻すと、トランプは元々共和党だったが2001年に民主党に登録を変えた。再び共和党に戻したのは2009年である。過去第3政党から大統領選出馬に2度挑戦しており、実は、彼にとっては共和党か民主党かはその程度のはなしなのである。

そして、セオドア・ルーズベルトをはじめ、共和党でありながら、民主党的な政策を取った大統領はみな評価が高い。例えば政治家ではなかったアイゼンハワーはイデオロギーにかかわらず、ケインジアン政策で戦後の中間層の構築に貢献した。

いまだに評価が分かれるニクソンも、外交ではソ連や中国と対話をはかり、経済では民主党の財務長官を任命、金本位政策を中断した(注:ニクソンは金本位政策の中断を発表しただけで、本当は廃止を宣言したわけでない)。

さらに、レーガンも元々は民主党だ。大恐慌でフランクリン・ルーズベルトが断行したニューデイール政策に感化され政治活動を始めたが、強烈な反共産主義が彼を共和党に変えさせた。

■トランプが「真に勝つ」なら金融市場は荒れる

選挙戦でトランプは強大な4つの敵に打ち勝った。1)ヒラリーを担いだ民主党2)保守派の共和党3)大手メデイア4)エスタブリッシュメント、である。

今の時点で、どうやら1)2)4)はまだ衝撃の中だ。ならば大統領としての最初の課題は、一緒に勝ってしまった共和党とどう向き合うかである。共和党と上手く迎合しながら、オバマ政権とヒラリーがやりのこした「Unfinished Business」、つまり大企業や金融の利益からこの国を取り返すことができるかどうか。それが彼の後世での評価になる。

一方で、その過程で起こるのは金融市場の衝撃だ。金利も上がる。オバマと民主党のエリート(グローバリストや中央銀行関係者)は、金融市場での痛みを嫌った。そのため、社会に生じた痛みによって、結局ヒラリーはトランプに負けた。ならば「真にトランプが勝つ」なら、金融市場は必ず荒れることを覚悟しなければならない。トランプショックの本番はその時だ。今の市場はその準備をしていない。

個人的には、12月のFED(米連邦準備制度)の利上げを見据え、年末から2017年は、1年を通して米国の株式市場は相当な下落になると予想している(個人的には米株の時価総額がGDPの70%程度まで調整すると読む。現在は約120%程度)。

ただし、そこを乗り越えれば、セオドア・ルーズベルトのあと、解体されたスタンダードオイル社の価値が、解体される前とくらべて6倍になった(解体されてできたエクソン、シェブロンなどの合計時価総額)という「新しい時代」も期待できると考える。

 

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