★阿修羅♪ > 経世済民115 > 864.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
トランプノミクスの「熱狂」はいつまで続くか? その経済政策の光と影(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/16/hasan115/msg/864.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 11 月 21 日 09:49:45: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

トランプノミクスの「熱狂」はいつまで続くか? その経済政策の光と影
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50254
2016.11.21 真壁 昭夫 信州大学経済学部教授 現代ビジネス


11月8日の米国大統領選以降、トランプ次期大統領の経済政策への期待から主要株式市場が堅調な展開となり、ドルが主要通貨に対して堅調に推移している。

特に、ドル/円は9日の東京時間、トランプ大統領の誕生への懸念から101円20銭まで下落(ドル安、円高)したのち、18日には110円台後半まで円安が進んだ。これは6月初旬以来の円安水準だ。

こうした動きを見ていると、トランプノミクスは世界経済の福音になるとの期待が高まっているようだ。実際、エコノミストや市場参加者の間でも、トランプ氏の経済政策を評価する向きは増えている。それを受けて、米国の株式市場は史上最高値を更新し、強気ムードが漂っている。

ただ冷静にトランプ氏の経済政策の特徴を吟味すると、明確に、光(プラス)と影(マイナス)に分けることができる。

市場はトランプノミクスの光の部分ばかりに注目し、期待先行で、重厚長大産業を中心にトランプノミクスの恩恵を受ける企業の株価が上昇している。その流れがいつまで続くかは冷静に考えるべきだ。

■トランプノミクスの光と影

トランプ次期大統領の経済政策=トランプノミクスの光の部分は、財政出動や減税を通して米国経済の底上げが期待できることだ。

その一例としてトランプ氏は5000億ドル(55兆円)、あるいはそれ以上のインフラ投資を念頭においている。確かに、この取り組みが実現すると、金融緩和をもってしても需要が低迷してきた世界経済の成長期待は高まるだろう。

インフラ投資が実行されれば、完全雇用に近づく米国労働市場では需給が一段と逼迫するだろう。それが賃金上昇につながり、インフレ期待も高まると考えられる。そうした展開を見込んで、金利先高観からドル買が買われ、円やユーロは下げている。

そして、インフラ投資期待に支えられた米国の株価上昇は、主要先進国や新興国にも波及し、世界的にも株式市場は堅調だ。

一方、トランプ氏は保護主義的な通商政策を重視し、中国などからの輸入品に高関税をかけるとしている。これはメキシコで生産活動を行ってきた米自動車業界、中国でiPhoneの生産を行ってきたアップルなど、米国企業の経営に影響するだろう。

そうした動きが現実味を帯び始めると、グローバル化が進む中、米国を軸に進んできた経済連携や自由貿易協定も行き詰まるだろう。米国だけでなく世界経済の円滑な運営にも支障が出るはずだ。

やや長めに考えると、米国が保護主義に傾倒することは、世界経済の不安定感を高めるリスク要因の一つだ。各国も自国産業の保護や需要の囲い込みを重視して保護主義に傾くだろう。

そうなると、通貨切り下げ競争や貿易競争が激化し、金融市場に動揺が広がる可能性がある。トランプ氏の政治手腕や、議会、国際社会との関係構築に未知の部分が多いだけに、こうしたリスクには注意すべきだ。

■ユーフォリアからいつ目覚めるか

目先の政策期待以上に、トランプ次期政権下での米国と国際経済にはどうなるかわからない部分が多い。それでも、金融市場では先行きに楽観的なようだ。潜在的なリスクがあるにもかかわらず株価などが堅調に推移している状況を見ると、多くの投資家がトランプ氏の政策に陶酔し“ユーフォリア”というべき部分が市場に出始めているように見える。

そこで注目しておきたいのがドル高、金利上昇に米国が耐えられるかだ。

これまで米財務省、FRBの関係者はドル高を牽制し、暗に、緩やかなドル安が重要との考えを示してきた。ドル高が進めば、米国企業が海外で得た収益が圧迫され、業績の下ぶれリスクが高まる。米国の企業業績が回復基調にあるが、ドル一人勝ちの為替相場が続くと、ドル高による米国経済の圧迫が懸念されやすい。

また、長期・超長期の金利は、財政出動伴う国債供給の増加観測などを織り込んで、顕著に上昇している。

金利上昇は住宅ローン金利の上昇につながり、30年の固定住宅ローン金利は3.94%(平均)と、前週の3.57%から急上昇した。これは、住宅需要の後退につながる。すでに、11月11日までの週までに米抵当銀行協会が集計した住宅ローン申請指数は1月来の低水準に落ち込んでいる。

年初来のドル安、金利低下は米国企業の収益、個人消費や住宅市場の安定を支えてきた。足下ではそうした米国経済の下支え要因が徐々に後退している。12月の利上げもほぼ確実視され、インフレ期待の上昇が来年以降の利上げ予想をも高めている。それだけに、強気な動きがどの程度続くかは慎重に考えるべきだ。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民115掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民115掲示板  
次へ