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「良いトランプ」しか見ていない金融市場の危うさ(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/16/hasan115/msg/893.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 11 月 22 日 08:37:15: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

             現在は、トランプ氏の経済政策の光の部分が注目されている。いずれ影の部分が注目された際、どう変わるのか


「良いトランプ」しか見ていない金融市場の危うさ
http://diamond.jp/articles/-/108816
2016年11月22日 真壁昭夫 [信州大学教授] ダイヤモンド・オンライン


■“トランプノミクス”で
“いいとこどり”の市場参加者

 米国の大統領選挙後、“トランプノミクス”に期待し、世界経済の先行きに強気な投資家が増えている。米国の株式市場は、一時、毎日のように史上最高値を行使した。為替相場でも、ドルが一斉に買い込まれ主要通貨に対して大きく上昇する展開が続いた。

 ただ、こうした動きを見ると、市場参加者はトランプ次期米大統領の経済政策の“いいとこどり”をしているように見える。

 世界経済全体を見渡すと、中国の経済成長率の低下などを受けて需要の低迷が続き、デフレギャップが解消できない状況が続いてきた。その中で、多くの国が、積極的な金融政策によって低迷する景気を支えようとしてきた。

 一方、先進国を中心に財政悪化が懸念されてきたため、財政出動よりも財政再建が重視されてきた。金融の緩和は一時的な期待を支えはしたが、多くの中央銀行が想定したように、需要の回復を通したインフレ期待の上昇にはつながっていない。

 このような経済政策の手詰まり感があるだけに、トランプ氏が主張する財政出動を通した公共投資などへの期待は強い。トランプ氏が言うような、積極財政の政策が実現すれば、米国の経済成長率は一時的に高まるだろう。

 米国の労働市場は完全雇用に近づいており、賃金も緩やかに上昇している。経済活動の活発化を受けて労働市場の需給はさらにひっ迫し、インフレ期待も高まるだろう。それは、需要の低迷に直面してきた世界経済にとって、大きなプラス要因だ。

 ただ、トランプ氏の経済政策は米国国債の増発を伴い、金利には上昇圧力がかかりやすい。実際に金利が上昇すると、住宅ローンやオートローンの金利も上昇し、世界経済を支えてきた米国経済の下振れが意識されやすくなる。

 規制緩和に関しても、それが中長期的に、経済全体に大きな福音をもたらすか否かは見方が分れる。そして何よりも、トランプ氏は保護主義的な考えは無視できない。それが現実の通商政策に反映されると、米国のみならず世界経済の足を引っ張ることになりかねない。

 現在は、トランプ氏の経済政策の光の部分に目が行っているが、いずれ影の部分が注目されるようになるだろう。その時に、“悪いトランプ”から“良いトランプ”に変身できているだろうか。

 “悪いトランプ”のままだと、世界経済の先行き懸念は高まる。その際、金融市場は不安定に推移するだろう。トランプノミクスがそうしたリスクをはんでいることを念頭に、今後の世界経済の展開も冷静に考えるべきだ。

■予想される
トランプノミクスの骨子

 トランプノミクス=トランプ次期米大統領の経済政策の特徴は、財政出動を通した公共投資、富裕層や企業向けの大規模減税、そして、金融規制をはじめとする規制緩和だ。こうした政策を用いて、トランプ氏は米国の経済成長率を2%程度から4%程度に引き上げようとしている。それによってトランプ氏は米国を世界最強の経済にすると吹聴してきた。

 政府が財政出動を通して経済をけん引しようとする政策は“大きな政府”に向かっている。一方、伝統的に米国の共和党は、経済の営みは市場や民間の活力に任せるべきだという“小さな政府”の考えを重視してきた。大きな政府を志向するトランプ氏の考えは、共和党の基本的な考えと異なる。これは大統領と議会の関係を考える、重要なポイントだ。

 また、トランプ氏は保護主義的な考えを重視して通商政策を進めようとしている。トランプ氏は、米国の貿易赤字が累積されてきたのは、日本や中国などが過剰に安価なモノを米国に対して輸出してきたからだと考えている。そこで、同氏は中国などに対する関税率を引き上げることで、米国の産業を守り、貿易赤字を解消しようと考えている。

 一例として、トランプ次期大統領は北米自由貿易協定(NAFTA)に否定的だ。これまで同氏は条件の再交渉が認められないならNAFTAから離脱すると述べてきた。米国の自動車業界が生産拠点を置いてきたメキシコに対しても、トランプ氏はメキシコからの輸入車に35%の関税を課すと述べている。

 これに対して、既に米国の自動車業界から懸念の声が上がっている。また次期大統領は、日米が中心となってアジア太平洋地域の国々の合意を取り付けてきた環太平洋パートナーシップ(TPP)にも反対だ。それは長い目で見ると、アジア地域での中国の台頭を加速させることにもなりかねない。

 そして、トランプ氏はメキシコ国境に壁を作るというように、移民排斥の考えも持っている。米国は先進国の中でも人口の増加を達成してきた数少ない国だ。そして、人口の増加は労働力の供給、国内での消費の厚さなど、経済を支える重要な要素だ。

■トランプノミクスの
光と陰

 このようにトランプノミクスにはプラス、マイナス、はっきりとした特徴がある。それでも、大統領選挙後、市場参加者はトランプノミクスのいいところばかりを評価している。それは、米国などの株式市場が上昇基調で推移していることに表れている。

 市場が注目するトランプノミクスのいいところ=光の部分は、財政出動を通した公共工事などへの期待だ。この政策は1990年代、バブル崩壊後のわが国が行ったように、ハコモノの建設などを通して需要を刺激し、米国内での労働機会を生み出すことを目指している。インフラ投資は建機や鉄鋼など、重工業分野の需要を高めるだろう。それは重厚長大な産業の活性化を通したオールドエコノミーへの回帰といえる。

 トランプ氏は5000億ドル(約55兆円)程度のインフラ投資を考えているようだ。これが実行されれば、一時的に米国の景気が拡大し、雇用、賃金が増える可能性はある。それは物価の低迷に直面してきた世界経済にとっても大きな支えとなるはずだ。

 冷静に考えると、こうした光の部分よりもトランプノミクスの影の部分の方が気になる。まず、財政出動と大規模な減税が同時進行すると、米国の財政は着実に悪化する。トランプ氏はどのように財源を確保するかを明示しておらず、米国の債務リスクは高まりやすい。

 米国が保護主義に傾倒し、自国の利益を第一に据えた通商政策を進めれば、保護主義が世界に蔓延しやすい。それは、企業の海外進出にブレーキをかけ、米国企業の事業展開は停滞気味になる。

 また、90年代以降、米国経済は情報技術の革新によって生産性を高め、需要を創造することで成長してきた。これがイノベーションだ。トランプ氏の政策は伝統的な産業の下支えにはなるだろう。

 しかし、その効果は一時的なものに留まる可能性が高い。むしろ、人工知能の実用化など技術革新が進むかどうか不安が残る。オールドエコノミーの復活を強調して支持を取り付けることはできても、それだけで中長期的な米国の潜在成長率を引き上げることは難しいだろう。

■楽観できない
世界経済の展開

 トランプノミクスの光と影をもとに世界経済の展開を考えると、確かに、短期的にはインフラ投資が需要を刺激し、米国経済の底上げが期待できる。それは、世界経済全体のインフレ期待の上昇圧力を高め、わが国などのデフレ圧力の軽減につながるだろう。

 少し長めの目線で考えると楽観はできない。まず金利上昇に注意すべきだ。すでに国債増発観測から米金利は上昇している。金利上昇は米国の個人消費にはマイナスだ。自動車販売や住宅市場の悪化懸念から米国経済の減速リスクが顕在化すると、世界経済にも下押し圧力がかかる。ユーロ圏やわが国では低金利、カネ余りの影響から不動産市場に資金が流入してきた。金利上昇はこの動きの逆回転につながると考えるべきだ。

 最も注意すべきが米国が保護主義的な通商政策を実行することだ。米国は世界経済の基軸国家として、各国間の利害を調整して経済連携を進めてきた。特に、TPPは中国が進めてきたシルクロード経済圏構想への包囲網という側面も持つ。米国の調整能力があったからこそ、各国企業の海外進出の基盤が整備され、円滑な世界経済の運営が進んだのである。

 米国が保護主義に傾倒することは、貿易競争や通貨安競争のトリガーを引くことと考えるべきだ。世界経済全体が需給ギャップを抱える中で貿易競争が進むと、各国は自国優先の考えを強め、需要の囲い込みを図るだろう。そうした動きを調整する役割がいないだけに、世界経済の多極化、不安定化が進みやすい。このシナリオが現実味を帯びてくると、世界経済は1930年代のような混乱、長期低迷に陥る恐れがある。

 これまでトランプ氏の発言には一貫性がなく、閣僚人事、議会との関係など不透明な点は多い。それだけに、トランプ大統領の誕生が世界経済の不安定化、さらなる低迷につながるファクターの一つであることは冷静に考えるべきだ。
 

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コメント
 
1. 2016年11月22日 19:19:20 : 2LiKY8ftgY : PTfAaIrqs6s[170]
ポジティブに なれば陥る 無謬性

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