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『シン・ゴジラ』『エヴァ』の庵野秀明がアニメ業界の「ブラック労働」を嘆く…追いつめられた制作現場の悲惨な現状()
http://www.asyura2.com/16/hasan116/msg/599.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 12 月 11 日 18:43:45: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

                 「株式会社カラー」公式サイトより
 

『シン・ゴジラ』『エヴァ』の庵野秀明がアニメ業界の「ブラック労働」を嘆く…追いつめられた制作現場の悲惨な現状
http://lite-ra.com/2016/12/post-2763.html
2016.12.11. 庵野が語ったアニメ業界のブラック実態 


 今月2日、『シン・ゴジラ』や『新世紀エヴァンゲリオン』で知られる庵野秀明監督が経営するアニメ制作会社・カラーが、借入金1億円の返済を求め、庵野氏の古巣であるガイナックスを提訴したと報じられた。ガイナックスは庵野氏の作品で得た収入の一部をロイヤリティーとして支払う契約だったが、それが遅延していたうえ、それとはまた別にカラーからガイナックスに貸していた1億円の返済も滞っていたという。

『エヴァンゲリオン』だけでなく、古くは『トップをねらえ!』など日本のアニメ史に残る作品を多く手がけたアニメ制作会社が火の車になっていたことに驚いてしまうが、こういったアニメ業界の苦境はガイナックスだけの問題ではない。そして、制作会社が厳しい状況に立たされたとき、その影響をもっとも厳しいかたちで受けるのは、現場の末端で働くアニメーターたちである。


 庵野氏はこの訴訟が報道される直前、「週刊新潮」(新潮社)2016年11月24日号のロングインタビューに登場。アニメ・特撮監督としての自身のキャリアを振り返っているのだが、そのなかで現在の特撮やアニメ、とりわけアニメ業界が抱える問題について言及している。

 そもそも庵野氏は、06年にガイナックスを退社。カラーを設立し、この会社で映画『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズなどの制作を行っている。彼がカラーをつくった当初から、長時間労働かつ薄給であったり、保険すらきちんとしていなかったりというアニメ業界の労働問題に取り組んでいることはよく知られている。そして、前述の「週刊新潮」でも、こう語ったのだ。

〈設立当初から、カラーではスタッフになるべく利益を還元したいと考えています。儲かったときは利益を還元し、儲からなかったらみな貧乏になるわけですが、なるべくリクープする確率を上げたいと思っています。しかし、現状のビジネスモデルでは、アニメーションの制作現場はなかなか儲かりません。近年は制作印税のような仕組みもあるとはいえ、現場を受け持つ下請けスタジオにまでお金が回るのは難しいんです〉

 アニメ制作現場の末端で働くアニメーターたちのブラック労働問題がメディアで指摘されるようになって久しいが、その状況を変える手立てすらいまだ見つからないでいる。庵野氏は昨年にも「アニメ制作のシステムについて、あと5年くらいで寿命がくる」と発言し大きな話題となったが、現状はそれほどまでに深刻なのだろう。

 現場のアニメーターたちが置かれている状況は、本当に厳しい。日本アニメーター・演出協会が09年に行った調査では、動画アニメーターの5割が年収100万円未満だったという(「経済界」13年2月5日号)。

 これが若手のアニメ業界労働者ともなると現実はより悲惨だ。30分のアニメ番組ではカットごとのキーとなる原画が約300枚、その原画と原画の間のコマを埋める動画が3000〜4000枚ほど必要となる。この部分を担当するアニメーターたちは通常1枚あたりの歩合制でお金が支払われるという。しかし、その単価が安い。「週刊プレイボーイ」(集英社)13年9月2日号でコメントを寄せているアニメーターはこのように語っている。

「アニメの絵の根幹をなす『原画』は1枚描いて3000円から4000円。下請け制作会社からの発注だと2000円になることもあります。そして原画のキャラやメカを動かす『動画』は1枚描いて150円から200円。絵がうまいことはもちろん、描くのが速くないとまったく稼げない世界なんです」

 このアニメーターは新人の頃、毎日徹夜していたのにもかかわらず月給1万円にも届かなかったという。2年かかってもようやく月給10万円を超えるほどだったと証言している。

 これではとてもじゃないが食べていけない。なので、アニメーターたちは6カ月で半分、1年も経つと7割ほどが辞めていってしまうのだ(「週刊金曜日」07年11月30日号)。

 しかし、なぜアニメ制作会社ではこんな悲惨な状態が続くのか。前述「週刊新潮」で庵野氏は、アニメ業界のシステムそのものに問題があると嘆く。

〈アニメ制作現場で賃金がやすいのは、ひとつは利益を還元するシステムがほとんどないからだと思います。僕はそれを作りたいと思っていますが、既存のシステムを変えるのは簡単ではありません〉
〈映画やテレビの制作システムだと、出資者以外は儲からないんです。出資のリスクを負う以上、儲かったときの利益も総取りなんですね。たとえば、映画で興行収入がいくらになろうとも、監督のギャラは制作時のものだけで、成功報酬はなにもありません。ソフト化の際に印税が一定の割合で支払われる程度です〉

 アニメ制作現場でブラック労働が強いられるのは、作品をつくるために集められたお金が制作を請け負う会社まで行き届かないからだ。

〈経済産業省の文化情報関連産業課調査によると、四年前の資料だが、テレビアニメ番組制作のためスポンサーが支払った金額は、五〇〇〇万円。このうち、制作プロダクション(元請け)にまわってくるのが、十六%の八〇〇万円でしかない。残りの四二〇〇万円、八四%のうち、広告代理店が一〇〇〇万円、テレビ局(キー局が一二〇〇万円、残りの二〇〇〇万円を各地方局)が取る〉(前出「週刊金曜日」)

 このわずか800万円のなかから、まず元請けの制作プロダクションがマージンをとり、その後に下請けの作画会社や編集会社、声優のギャランティへと回っていく仕組みとなっている。これでは末端スタッフまでお金が行き渡らないのは当然だろう。

 そんななか収益を得るための頼みの綱は、放送や上映が終わった後に発売されるDVDなりブルーレイなりの映像ソフトの売り上げだった。しかし、最近ではそれすらダメになりはじめている。昨年7月に行われたイベントで庵野氏はこのように語っている。

「テレビシリーズでも劇場アニメでも作るのに結構お金がかかる。劇場アニメだと億単位でかかってくるので、資金を集めるのも大変ですが、元を取るのはもっとたいへん。今の製作委員会方式というのはソフトの売り上げを見込んで制作費を回収するようにできていたんですが、そのソフトが売れなくなってしまった」

 ソフトが売れなくなった理由はいくつかあるだろう。違法アップロードのかたちで動画がネット上に溢れていること、ダウンロードやストリーミングでの視聴に慣れた若い世代にはソフトを持ちたいという所有欲がそもそもないこと、単純にアニメ作品の本数が多くなり過ぎていることなどだ。

 先日、帝国データバンクが発表した、アニメ制作会社153社の経営実態調査によると、14億円超を記録した06年度をピークに平均収入高が大幅に減少しており、09年度には約10億円まで下落。14年度まで横ばいのまま続いている。急激な下落の要因には、やはりソフトの売上頼みだったビジネスモデルの崩壊などが挙げられている。

 日本のコンテンツ産業の主役はアニメであり、それはこれからも変わらないだろう。しかし、こういったブラック労働の常態化により、現在若手のアニメーターが育っていない問題が指摘されている。同時に、海外への外注による産業空洞化も危惧されはじめた。この状態がこれからも変わらなければ「クールジャパン」なる国策は間違いなく露と消えてしまうだろう。

(新田 樹)


 

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コメント
 
1. 2016年12月11日 23:24:45 : MC3Dtej4S2 : W0ZRVCO5ivU[223]
コンテンツそのものがカルトの洗脳であり、大した人気もないのにマスゴミが
扇動して戦争映画・アニメなどを若年世代に刷り込んでいる。
このコンテンツは何を刷り込もうとしているのか、何が面白いのかカルト国家
の国民洗脳ではないかと気付き、とくに戦争関連の映画・アニメは儲からなく
なっていくだろう。企業というより日本支配層がブラックだからね。

2. 2016年12月12日 03:47:22 : W1pvtC90qI : k7wHRB8o1PM[1]
プロパガンダは儲けがなくても
マンセーして数字弄って税金投入してやるもんなんだよ

ハリウッドなんかそもそも、超富豪層のお金で回ってるだけだよ
宣伝から配給から何から何まで
それ無しでは利益なんて出ないよ実際出てないし
最初に投入した巨大な資金を回収できてないのがほとんど

それでもやるんだよこの人達は衆目を集めるのが
三度の飯より好きだからねw


3. 2016年12月12日 13:00:43 : tsNCkySFQk : wdvBxE3ZSxA[57]
労力の程度が低いところに分配が異常に集中している
異常構造を修正しない限り、問題は解決しないだろう。

”〈経済産業省の文化情報関連産業課調査によると、
四年前の資料だが、テレビアニメ番組制作のため
スポンサーが支払った金額は、5000万円。
このうち、制作プロダクション(元請け)にまわってくるのが、

16%の800万円でしかない。

残りの4200万円、
84%のうち、広告代理店が1000万円、
テレビ局キー局が1200万円、
残りの2000万円を各地方局が取る
(前出「週刊金曜日」)”

白アリの取り分が84%で
働きアリが16%では異常だろう。
せめて半々、理想的には逆転させなければ事業は永続できない。
事業は逆三角構造では継続不可能だからだ。

アニメ業界ほど極端なことはないにしても、
リスクによる分配などという小汚いギャンブル経済から、
リーズナブルな分配を目指した生産経済に移行させていかない限り、
末端から壊死して全体が死んでいくというのは、
すべての業界に通じることかもしれない。


4. 2016年12月12日 13:13:53 : RsQ9npLWhk : wUDxzlieOSk[5]
>ソフトが売れなくなった理由はいくつかあるだろう。
>違法アップロードのかたちで動画がネット上に溢れていること、
>ダウンロードやストリーミングでの視聴に慣れた若い世代には
>ソフトを持ちたいという所有欲がそもそもないこと、
>単純にアニメ作品の本数が多くなり過ぎていることなどだ。

違法か合法かはともかくすでにTV放送で無料で全国配信しているのだから
コンテンツが売れなくなったこととネット視聴とは直接は関係ないだろう。
合法TV無料視聴によってDVD売り上げが減っていないのだから
直接の因果関係は考えられない。

むしろ違法化によって若者の所有欲を消す方向に
インセンティブをつけてしまった事が
その後の売り上げ減の最大の要因だろう。
違法化前は曲がりなりにも売れていたのだから。


5. 2016年12月12日 18:30:04 : MKXjFZVruo : PW4_eQSq@ts[7]
今は漫画もアニメもゲームも面白くない!この一言に尽きるんだよ。

庵野だってつまんねールアー作品しかつくってねーし、会社も回りもちゃんとした体制が出来ていない。就職どころかアルバイトすら入るのが難しい現状と、行き過ぎ資本主義が歪になっていくと、商品のグレードや売れ行きだって落ちる。

その当たり前の事が判らないのさ。今のアニメだって昔と違い、録画して保存しておこうという気にならないモンばっかり。

あとシン・ゴジラはハナから論外作品な。


6. 2016年12月12日 21:25:02 : YjLq0Xsg52 : Cp3xB_zA4Nw[164]
広告代理店はどうしてこんなに利益の取り分が多いんだい?
あいつらいらねーだろ。

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