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FOMC後の株価、ツイッター分析で予測せよ 2017年の米株価、市場予想にはご用心 米国経済の真の問題イノベーション停滞
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投稿者 軽毛 日時 2016 年 12 月 13 日 02:09:18: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

FOMC後の株価、ツイッター分析で予測せよ
FOMC発表前のツイートを分析してトレーディング戦略を立てることは有益だと調査結果は示している

By STEVEN RUSSOLILLO
2016 年 12 月 12 日 14:55 JST

 ドナルド・トランプ次期米大統領は大統領選の前から、ツイッターへの投稿を通じて株式相場が動くのを楽しんでいる。つまり、少なくとも特定の日については、ツイッターが市場で次に何が起きるか投資家に伝える可能性があるということだ。

 ある調査では、米連邦準備制度理事会(FRB)が今週13・14日に開く今年最後の連邦公開市場委員会(FOMC)について、会合前にソーシャルメディアへの投稿をくまなくチェックして株式相場の反応を予測しておくことが有意義である可能性があることが明らかとなった。

 マサチューセッツ工科大学(MIT)の経営大学院スローンスクールのアンドリュー・ロー教授(金融論)が今年発表した論文によると、FOMC後の政策判断発表の約24時間前にFRBについてツイートされた内容を基にトレーディング戦略を立てることは有益だった。

 これは、いわゆるクオンツ投資家が取引のヒントを得ようとアルゴリズムを駆使してソーシャルメディアの情報をかき集める時代になってから明らかになった最新の調査結果の一つだ。

 ロー教授と博士課程の学生の共著「the wisdom of Twitter crowds(ツイッターに集まる人々の知恵)」と題した論文では、ツイッター投稿者の心理が投資リターンに与える影響は、FOMCの結果発表日には確認できたが、それ以外の期間はそうした現象が見られなかったと結論づけている。FOMCの発表は予定に沿って繰り返し行われる予測可能なものであるうえ、投資家にとって新たな情報を含んでいるため相場が動く傾向があるからだと説明している。

 両氏は2007年から14年までのFRB関連のツイート390万件に「極性(方向性)」スコアを割り当て、投稿者の心理を数値化した。ツイッターの心理がより極端な水準に達した場合に、トレーディング戦略が効果的になる傾向が見られた。言うまでもないが、この研究が行われた期間は金融政策が極めて重要だった時期と一致している。

 同様の結果は、FOMC発表前の株価変動を分析したこれ以外の多くの調査でも確かめられている。ニューヨーク連銀のエコノミストは「FOMC前の不可解な傾向」、つまりFOMCの結果発表直前に株式相場が急騰する傾向について調査した。その結果、1994年から2011年までの間、FOMCの結果発表前24時間でのS&P500種の投資リターンは年3.9%となる一方、それ以外の期間は0.9%にとどまっていたことが分かった。

 想定外の事態でもない限り、今回のFOMCは金融危機以来2回目の利上げで合意することがほぼ確実とみられる。17年以降の利上げペースは未知数だが、これについて示唆する何らかの情報が出てくれば、市場の反応は大きくなる可能性がある。

 ただ、FOMC前の株高はすでに前倒しで起きている可能性がある。S&P500種株価指数は6営業日連続で上昇して年初来11%高をつけ、過去最高値を更新している。

 それでも、「FRBに逆らうな」という格言はおそらくこれまでにないほど的を射たものとなるだろう。

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米国経済の真の問題:イノベーション停滞
米国はリスクを避けすぎか?
By GREG IP
2016 年 12 月 12 日 12:25 JST

 一見すると、私たちはイノベーションの黄金時代にいる。人工知能(AI)や遺伝子治療、ロボット工学、そしてソフトウエアのアプリは毎月のように新たな進展を遂げている。研究・開発費の対国内総生産(GDP)比率は史上最高に近い。米国にはかつてないほど多くの科学者や技術者がいる。


 しかし、これらはいずれも、米国民の生活水準の実りある前進はもたらしてこなかった。

 経済は、拡大する労働力により大きな資本(装置やソフト、建物など)を投下し、そのうえで資本と労働をより創造的に結合させることで成長する。この最後の要素は「全要素生産性(TFP)」と呼ばれ、技術革新の貢献度を示す。TFPの成長率は1950年代、電気や航空、抗生物質といったかつての画期的発明の効果が最大に達するなか、年3.4%でピークをつけた。それ以降は一貫して鈍化し、2010年代は平均0.5%の低水準にとどまっている。

 パーソナルテクノロジーの分野を除くと、日々の生活の改善はこれまで、革新的にではなく漸進的に起きてきた。住宅、電化製品、自動車の外観は、一世代前とほとんど変わっていない。飛行機のスピードは60年代から伸びていない。米国で最も処方されている薬剤トップ20に、過去10年に発売された新製品は入っていない。

 米国の生活水準が2000年から停滞しているのは、イノベーションのスランプが主因だ。その流れが変わらない限り、今後も停滞は続くとみられ、中間層がこれほどの不満を抱く原因となった病を悪化させることになるだろう。

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 イノベーションがスランプに陥っている原因について、エコノミストは熱い議論を交わしているが、明らかな要因がいくつかある。まず、各種アイデアを売れる製品に変えるまでのハードルが高くなっている。科学、医療、技術の分野では簡単に得られる果実は収穫済みであり、新たな進歩は多くの費用がかかるうえに複雑で、失敗もしやすい。イノベーションは試行錯誤を通じて得られるものだが、社会のリスク許容度は低下している。

 規制当局は新たなアイデアを商業化する際の基準を引き上げる一方、大気浄化などGDPには寄与しづらい革新的取り組みへの誘導を強化している。また業界の一極集中傾向により、新興イノベーターが足がかりを得るのは以前より難しくなっているかもしれない。

 イノベーションの枯渇は解決不可能な問題ではない。資本は潤沢であり、伝統的企業も新興企業も自動車、宇宙旅行、ドローンにハイリスクな賭けをしており、一部当局はそれらの賭けを成功させるため、これまで以上のリスクを容認しようと努めている。

 楽観論に傾くエコノミストは、画期的なイノベーションが経済を変容させるには何年もかかると指摘している。1879年に電球が発明されてから、電気が国の成長に大きな影響を与えるまで約40年かかった。1970年代にパソコンが発売されてからITが生産性を引き上げるまでに約20年かかった。

 マサチューセッツ工科大学の経済学者エリック・ブリンジョルフソン氏は「最近、特にAIの分野で、向こう5年から15年に実を結びそうな技術革新が相次いでいる」と述べた。「それらが結実し、経済に行き渡る時、圧倒的な効果が得られることは想像に難くない」

医薬品

 それでも、ITは別として、イノベーションのハードルは低くなるどころか高くなっており、その傾向は医薬品で特に顕著だ。

 過去1世紀は、ワクチンや抗生物質、清潔な水が人類最大の敵の多くを消し去った。オックスフォード大学のジャック・スキャネル氏は「もはや商業的にも科学的にも、胃潰瘍の薬をこれ以上探す理由はない」とも述べた。

仏製薬大手サノフィは米ワープ・ドライブ・バイオと画期的な新薬開発を目指して提携する(写真はワープドライブの研究所) ENLARGE
仏製薬大手サノフィは米ワープ・ドライブ・バイオと画期的な新薬開発を目指して提携する(写真はワープドライブの研究所) PHOTO: TONY LUONG FOR THE WALL STREET JOURNAL
 残されたのは、科学者が有用な治療理論を得られていないアルツハイマーのような疾患だ。スキャンネル氏らの推計では、米国の新薬研究・開発費1ドル当たりの承認件数は、1950〜2010年には9年ごとに半減した。その後、承認件数は増加したが、その40%は、患者が20万人に満たない希少疾病用の医薬品、いわゆるオーファンドラッグだ。

 医療研究が報われる確率が低下していることは、スタンフォード大学のチャールズ・ジョーンズ教授と3人の共同執筆者による新たな研究論文で浮き彫りになっている。それによると、1985年以前には乳がん治療の生存年数は、研究の増加に伴い毎年着実に延びていた。しかし同年以降は、生存率の改善が鈍化している。ジョーンズ氏らは、農業や半導体についても、研究者1人当たりの生産性が一貫して低下するという同じパターンを発見した。

 豊かな社会では人命の価値が上昇していることがうかがえる。ジョーンズ教授の別の研究によると、1960年の米国では研究・開発費の7%が医療に充てられていたが、07年にはこれが25%になっていた。つまり、より一般的な消費財に向かっていたかもしれない研究・開発の代わりに、医療研究が行われているのだ。ジョーンズ氏は、人命の価値上昇が通常の消費財やサービスの成長を鈍化させると予想している。

自動車

 過去のイノベーション(化石燃料の燃焼など)が環境や健康に及ぼしてきたダメージを修復するための技術革新の取り組みも増えている。これは消費者の財布を直撃する。自動車研究センターのエコノミスト、ショーン・マカリンデン氏によれば、自動車価格のうち連邦政府の安全基準や燃費基準を満たすための割合は、67年にはゼロだったが現在は22%だ。2万5000ドルの車であれば5500ドルに相当する。

 それらは実際に恩恵をもたらした。ハイウエーでの死亡事故は60年代終盤から最近まで減少しており、大気の質は改善した。マカリンデン氏は、もし買わなくて済んだのであれば、消費者はそうした機能を購入していなかっただろうと指摘する。

 1990年に厳しい排ガス規制を導入したカリフォルニア州は現在、同州の自動車7台のうち1台を排ガスゼロ車にすることを目標にしている。これは、水素か電気をエネルギーにすることを意味する。大気汚染の緩和という規制の目標は広く共有されているが、一方で自動車メーカーは採算の取りやすい技術とは違う特定の技術に注力することを強いられる。

パリ自動車ショーで展示されたテスラ・モーターズの「モデルX」 ENLARGE
パリ自動車ショーで展示されたテスラ・モーターズの「モデルX」 PHOTO: REUTERS
 例えば電気自動車(EV)は、同等のガソリン車に比べてコストが高いが性能は劣る面がある。バッテリーは場所を取り、車重が増えるうえに、極端な温度下などでは航続距離が限られる。連邦政府の多額の補助金にもかかわらず、ガソリン安でEVの販売台数は伸び悩んでいる。エドムンズ・ドットコムによると、今年の米新車販売のうち、EVとハイブリッド車の割合は合わせて1.9%と、06年以来の低水準にとどまった。

 イノベーションは試行錯誤から生まれるが、過ちで人が死ぬこともある。飛行機の墜落、有毒廃棄物の流出、金融危機は決まって新たな規制をもたらし、それらによって世界の安全度は向上するが、将来のイノベーションに向けたハードルが高まる。

 ノースウエスタン大学の技術史家ジョエル・モキア氏はイノベーションについて、「何らかの反動がつきまとう面倒なプロセスだ。しかし、リスクを回避する傾向は強まっている気がする。失敗も起こり得るという事実が受け入れられにくくなっている」と述べた。

ドローン

 ドローンは何年も趣味や軍事に使われてきたが、商業面で従来の有人飛行機を超えるメリットはあまりなかった。だが過去10年に、機体を水平に保つ重要な部品ジャイロスコープの価格が、スマートフォン向けの開発のおかげで低下した。それでも商用ドローンの飛行が、いくつかの例を除けば違法であることに変わりはなかった。有人機用に策定され、免許を持ったパイロットの搭乗を義務付ける連邦航空局(FAA)の承認が必要だったためだ。

 FAAは議会の要請を受けて昨年新たな規則を導入したが、依然ドローンの操縦について制限を設けている。例えば操縦者の見える範囲や一定の高度を超えてドローンを飛ばしてはならない。

 商用ドローンへの規制が続くことで、アマゾン・ドット・コムなどによる配達目的だけでなく、人命に関わる活動への利用も制限されかねない。米国鉄道協会(AAR)によると、米国の鉄道は線路、トンネル、橋、信号を定期的に点検しなければならないが、遠隔地も多く、作業は通常は地上から行う。作業には人手がかかり、危険なこともある。ドローンはこの作業にうってつけだ。しかし、AARによれば、高度などの規制により利用は限定されているという。

それでも続くイノベーション

 こうしたハードルにもかかわらず、イノベーションは続いている。インターネットやスマホを筆頭に、驚くべきペースで革新が進む分野もある。

 アマゾンはほぼ単独で小売りの生産性を引き上げている。JPモルガンによると、業員1人当たりの売上高は、ネット販売業者が130万ドルであるのに対し、実店舗は27万9000ドルにとどまる。アマゾンの市場シェア拡大につれて、業界全体の生産性も高まっている。小売業界の1時間当たりの生産性は過去1年に3%上昇した。これに対し、産業全体の生産性は0.8%の上昇だった。

テキサスにあるアマゾンの倉庫で働く従業員 ENLARGE
テキサスにあるアマゾンの倉庫で働く従業員 PHOTO: ROBERT DAEMMRICH PHOTOGRAPHY INC/CORBIS VIA GETTY IMAGES
 この上昇にはそれほど有望でない面もある。経済協力開発機構(OECD)の研究論文によれば、生産性向上は最も効率的なプロセスと技術を使う「フロンティア」企業で加速する一方、それ以外の企業では鈍化している。つまり、アマゾン、フェイスブック、グーグルといった企業にライバルが追いつけないことが生産性を抑えているのだ。

 執筆者はその原因について、新たな技術が実際には、代替が難しく特許で保護されていることが多い技術や事業プロセスの集まりであるためだとみている。多くのデジタル企業は、顧客のニーズを効率的に満たすための独自アルゴリズムに多額を投じる「プラットフォーム」だ。グーグルの検索、ウーバーの配車、イーベイのオークションはいずれもそれに当てはまるだろう。プラットフォームにはネットワーク効果があるため、ユーザーが増えれば増えるほど、利用者にとって便利になる。

 フロンティア企業が技術革新を続ける限り、それが生産性を抑えることはない。リスクは、1社が市場を独占するようになると競合他社がそのネットワークに対抗できなくなるため、顧客を引き留めるために技術革新を続ける必要性が低下することだ。

 エール大学の経済学者で米独禁当局での勤務経験があるフィオナ・スコット・モートン氏は「市場での地位は早期の技術革新的な活動から来る」と述べた。「だがそれは、ネットワーク効果が非常に強ければ、続ける必要はない。皆がフェイスブック上にいる。私たちがフェイスブックをやめるとすれば何が原因か。劇的に悪化しなければやめない」と述べた。

 こうした障害に直面した際の解決策は何か。スタンフォード大のジョーンズ氏は、過去と同等の恩恵をもたらすイノベーションに、より多くの研究者が必要になっていると話す。つまり、同じ成長率を維持するだけでも、研究・開発に当たる人や資源の割合を増やす必要があるということだ。

 1つの方法として、他国の知識をより有効活用することがある。歴史的に、途上国はアイデアをまねることで先進国に追いついてきた。それを効率的に行っている例が中国だ。インドと中国の研究が爆発的に増えるなか、アイデアの流れは逆転する可能性がある。

 規制当局は、より多くのリスクを容認する必要があるかもしれない。自動運転車はそれを一部証明している。

 自動車メーカーは、自動運転技術の開発に躍起になっている。代替燃料技術と違い、自動運転技術は政府の命令でなく市場の需要にけん引されている。自動運転技術に関連する特許は2012年に突然増え、自動緊急ブレーキや車間距離制御装置といった機能は既に多くの車種で標準装備されている。本当の自動運転車はかなり遠い話だが、それでも多くの企業は開発への多額投資をやめない。

 今年5月、テスラ・モーターズの自動車が「オートパイロット」モードでの走行中にトレーラーと衝突し、乗車していた男性が亡くなった。これを受けて当局の規制強化が始まり、技術開発が停止していた可能性があった。だが運輸省道路交通安全局(NHTSA)は9月、メーカーが自社システムの安全をできるだけ確保する方法について、拘束力のない指針を示すにとどめた。

 アンソニー・フォックス運輸長官は「われわれの通常のモデルとはかなり違う」と述べた。自動車安全基準は通常、非常に規範的だという。それが今回は、「われわれが考えなかったかもしれない安全へのアプローチを業界が確立できる余地を残した」という。

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2017年の米株価、市場予想にはご用心
大手行は17年のS&P500種指数について、いずれも上昇を見込む(写真はニューヨーク証券取引所) ENLARGE
大手行は17年のS&P500種指数について、いずれも上昇を見込む(写真はニューヨーク証券取引所) PHOTO: BRYAN R. SMITH/AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES
By JAMES MACKINTOSH
2016 年 12 月 12 日 12:21 JST

 米金融業界のストラテジストにとって、部屋の奥から水晶玉を引っ張り出し、1年前に自分が何を語ったかは都合よく忘れた上で、来年の相場動向を占う時期がまたやってきた。

 金融業界には来年を楽観できる意外な理由がある。それは、このまま行けば今年の株価予想が過去最大級の的中度を記録することになるからだ。

 2016年末のS&P500種指数の水準は、年初時点では平均2216と予想されていた。同指数は12月7日に初めてこの水準に達し、さらに上値を伸ばした。足元の高値を維持すれば、同指数の予想値と実績値の差がわずか2ポイントにとどまった05年以来の的中度となる。

 大手銀行のストラテジストらは17年も株高を見込む。ドナルド・トランプ次期米大統領の減税や財政出動が景気を支えると想定し、いずれもS&P500が7日終値(2241.35)よりも上昇するとの予想を示している。

 とはいえ、投資家は冷静を保つべきだろう。今年の予想値が実績値に近いのは運が良かっただけの話で、ストラテジストの予測能力が急に高まったからではない。典型的なのがバンクオブアメリカ・メリルリンチだ。S&P500が2200を付けるという同行の予想は実際の水準にかなり近い。ただ同行は米連邦準備制度理事会(FRB)が16年中に3?4回利上げするとも予想していた。現在、今週の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げが広く予想されているが、今年はそれが最初で最後となりそうだ。重要なのは予想がただ当たることではなく、それがどのような経緯で実現したかである。

 米金融業界では来年の株価の推移について意見が割れている。ゴールドマン・サックスの米国株チーフストラテジスト、デービッド・コスティン氏は「トランプ氏への過剰な期待が高まるが、その後で現実を思い知らされる」と予想している。トランプ氏の就任当初100日間は減税や規制緩和、インフラ支出への期待が高まり、S&P500は3月末に2400まで上昇するが、これらの計画が議会を通過し始めた段階でS&P500は上昇勢いを失い、17年末までに2300へ反落する、というのがコスティン氏の見方だ。

 JPモルガンはこれよりも高い2400との予想を示しているが、同行のチーフ市場ストラテジストのジャン・ロイズ氏は、「トランプ効果」は主に法人税減税による企業収益の押し上げという形で株価を押し上げると予想している。ただ、経済全体への波及効果はほとんどないと言う。

 バンクオブアメリカ・メリルリンチは17年について、経済成長が加速しインフレも上昇する展開を予想しているが、相場が乱高下する可能性もあるとみる。クレディ・スイスは、10年物米国債利回りが3%を突破して株式相場に打撃を与える可能性を懸念し、S&P500が17年前半に上昇した後、2300まで反落すると予想している。

 予測にまつわる問題を浮き彫りにしたのはシティグループだ。同行の米国株チーフストラテジスト、トビアス・レブコビッチ氏は、1年後のS&P500の予想値を2325に設定した。だが、大手行ストラテジストの中で17年の予想を発表したのはレブコビッチ氏が一番早く(16年9月)、同氏はダウ工業株30種平均の17年末の水準について2万ドルという目標を掲げた数少ない1人だった。米大統領選後に急反発したダウ平均は今や2万ドルまであと数百ドルに迫っている。

 経験則から言えるのは、こうした「来年の予想」は無視した方がよいということだ。ブルームバーグのストラテジスト調査での予想平均では2000年以降、年初時点でその年の株価が下落するとされたことは1度もない。だが実際には、株価は3年に1回は下落した。大きな転機を迎えたときには、株価予想は上下どちらにも外れがちだ。リーマンショックに見舞われた08年は、もともと大幅な株高が予想されていたが、実際には歴史的な大暴落となった。これを受けてストラテジストらが警戒を強め、09年の予想株価は調査開始以降で最低となったが、最終的にその年の株価は23%もの急反発を演じた。

 ゴールドマンのコスティン氏は、予想がいかに正確かは自身のボーナスの査定基準の一つになっているが、顧客が重視しているのは、そうした予測値を導き出す根拠になった考え方だと述べた。

 JPモルガンのロイズ氏は、ストラテジストの多くが公の場では認めないこと、すなわち、相場水準の予想には「価値がない」との考えを示した。

 「われわれが株価水準を予想するのは、顧客から要請があるからであって、株価水準を予想することに何らかの大きなメリットがあるからではない」と述べた。

 投資家にとっては、ストラテジストらに同調していれば必ず安心していられるというわけではない。インベステック・アセット・マネジメントのマルチアセットチームの共同責任者を務めるフィリップ・ソーンダーズ氏は今年の夏以降、財政出動がインフレと経済成長を押し上げることを見込んだ「リフレトレード」を行ってきた。今ではどの銀行もこうした展開を予想するようになった。ほぼ全員が同じ意見というのは「あまりにも危険すぎる」と同氏は述べた。

 ヘッジファンドなど抜け目ない投資家は、経済成長が当初の見方よりも良好なことに気付いているが、ソーンダーズ氏は、もっと動きの遅い大手機関投資家は債券や債券代替株をまだ売却しておらず、より大きな動きが見込める持ち高への転換が遅れているとみている。

 ロイズ氏もこれに同調し、投資家の多くは「ようやく追い付こうとしているところだ」段階だと述べた。

 ストラテジストらの予想が正しければ、数年続いた債券買いが反転することで株式への大規模な資金流入が続き、この1カ月間の株高が裏付けられることになる。そうした動きが見られないようなら、少なくともストラテジストの予想は全て外れることになるだろう。

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