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インドのとっぴな現金撲滅作戦 「キャッシュレス社会」をめざす当局の失策 中国、ドル高が試練に−国債急落が伝える警告
http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/206.html
投稿者 軽毛 日時 2016 年 12 月 26 日 21:43:11: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

【社説】
インドのとっぴな現金撲滅作戦
「キャッシュレス社会」をめざす当局の失策
インドの10ルピー紙幣(12月8日)  
2016 年 12 月 26 日 17:59 JST

 インドのアルン・ジャイトリー財務相は「インドはキャッシュレス社会に向かわないといけない」と言う。キャッシュレス社会? インドが? 11月に発表された高額紙幣廃止を受けた経済の大混乱は続いているが、効率化と透明性拡大につながる電子決済システムを促すため長期的には報われるとしてこの措置を擁護する声も出てきた。だが現金に対して恣意的に権限を行使している当局者が、全取引を監視するようなシステムに干渉しないなどと国民が信じるべき根拠があるだろうか。

 キャッシュレス社会では国家が国民を害する手段がはるかに強大であり、不適切な政策と権力乱用によって害はもたらされる。そこまでいかなくても、ここ数週間はひどいものだ。まず、インドの通貨の約85%が法定通貨でなくなり、まだ印刷されていない新紙幣と交換しなければならないと突然の発表があった。市民が銀行に長い列を作り、流動性を失った会社が廃業するなか、当局者は新たな現金の扱いについて矛盾する指示を発表している。その同じ当局者が、今度は全ての交換について電子記録を求めている。

 インドには既に強力すぎるお役所があり、免許付与、労働、税金、その他について厳しい規制を課し、起業やイノベーションを抑え込んできた。主にこうした理由から、インドでは全ての取引の推定95%に現金が使われ、経済全体の約45%が記録のない「非公式」経済となっている。全ての規制を守るのにとてつもないコストがかかるとなれば、それ以外の面では合法な企業が地下に潜る。広範な規制緩和がなければ、デジタル化とキャッシュレス化で役人は力を強め、一段と押しつけがましく煩わしい存在になるだろう。

 お金を巡るプライバシーの喪失もある。現地紙タイムズ・オブ・インディアにアミット・バーマ記者が書いているように、「エイズ治療薬やポルノ雑誌を買ったり、恋人と会うのにホテルの部屋を予約したりすれば、その情報に政府やハッカーがアクセスし、悪用する可能性がある」。また、「現金は力をもたらす。アルコール依存症の夫に隠れてへそくりしている若い妻や、自立している感覚を得るために何年も前からマットレスの下にお札を隠している年老いた母親に聞けばわかる」という。

 ドイツでは、共産主義とナチスの記憶もあって匿名性が尊ばれており、取引の約80%が現金決済だ。米国では32%。日本とスイスではマイナス金利の影響もあってタンス預金が盛んだ。これは、超緩和的な金融政策への反応としてはしごく当然だが、ハーバード大学の経済学教授ケネス・ロゴフ氏やシティグループのウィレム・ブイター氏など、ケインズ派にとっては頭が痛い。両氏は、中央銀行が現金を限定すれば罰せられることなく預金者に圧力をかけられると主張している。

 スウェーデンはキャッシュレス社会の最高の見本かもしれない。現金が使われるのは取引のわずか2%だ。しかし、同国では政府の汚職が少なく、信頼できる法的保護があり、社会への信頼度が高く、金融・技術インフラが進んでいる。インドにはいずれも備わっていないが、その政府当局者は、人口の半分(約6億人)が銀行預金さえ持たない社会を作りかえるために極端な計画を立てている。

 インド国民は電子金融へのアクセスから恩恵を受けるだろう。手癖の悪い役人を介さなくなるため、取引コストが下がり、融資金利がより手頃になり、国の援助が直接市民に流れる可能性があるためだ。政府は、金融規制の緩和と通信インフラの改善で後押しできる。だが、少なくともいくらかの現金を手元に残したい市民も尊重すべきだ。「キャッシュレス社会」の押し付けは、経済的自由の対極にある。

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【社説】
ケインズ派がクドロー氏を嫌うわけ
トランプ政権に成長重視の声が加わる意味

https://si.wsj.net/public/resources/images/BN-RI333_3kudlo_IM_20161221180440.jpg

経済コメンテーターのラリー・クドロー氏 PHOTO: AFP/GETTY IMAGES
2016 年 12 月 23 日 10:52 JST

 ドナルド・トランプ次期米大統領が閣僚ポストを埋めていく中で、メディアはその顔ぶれの多くに対して警戒や否定的な声を上げている。しかし大統領経済諮問委員会(CEA)のトップにラリー・クドロー氏が就任濃厚であることについて、進歩派が見せている反応がなかなかおもしろい。逆にこれ以上に説得力のある是認などあるのだろうか?

 まずよく聞くのが、クドロー氏が経済学の博士号を取得していないことに対する批判だ。確かに同氏は博士号を持っていない。クドロー氏はプリンストン大学で大学院課程の授業を履修したあと、ニューヨーク連銀でエコノミストとして働いた。その後はレーガン政権の行政管理予算局で予算政策を担当し、その他にも多数の金融会社で働いた。今は主に経済評論家としてテレビに出演を続けている。

 経済諮問委員会のポストをわが物のように注意深く観測している業界人の間では、博士号がなければ資格不足なのだろう。しかしニクソン政権の時代から今のオバマ政権までを見ても分かる通り、学位があれば経済的知見も高いとは必ずしも限らない。少なくともクドロー氏は任務を遂行できるだけ経済に精通していると言えるだろう。

 クドロー氏は2008年の金融危機を予測できなかったではないか、という批判もある。しかし他にも予測できなかった人はたくさんおり、その中にはニューヨーク連銀の総裁であったティモシー・ガイトナー氏や、連邦準備制度理事会(FRB)のベン・バーナンキ元議長も含まれる。バーナンキ氏はマサチューセッツ工科大学(MIT)から博士号を取得しているにもかかわらず、今では金融危機前の的外れな発言が動画にまとめられ、ユーチューブで公開されている始末だ。

 2008年3月の連邦公開市場委員会(FOMC)で金融機関の資金不足を指摘する声が上がった際には、ガイトナー氏も力のこもった反論を展開した。市場がパニックに陥る時は大抵そうだが、2008年の金融危機の被害があそこまで拡大したのは、政府や金融機関がそれを全く予想していなかったからだ。

 ケインズ派を称する人たちがクドロー氏を嫌う本当の理由は、彼らの理論を同氏が否定しているからだ。クドロー氏は政府の移転支出ではなく、インセンティブを変える減税こそが経済成長につながると考えている。ケインズ派は「乗数」効果をとなえるが、クドロー氏は1ドルの消費が1ドル70セント分の成長をもたらすという主張をナンセンスだと考えている。MITやプリンストンから博士号を取得していないほとんどの人も、同じ意見だろう。

 これこそが、トランプ氏を囲む経済チームの中にクドロー氏が加わるべき理由だ。次期大統領に対して財政や金融についてアドバイスする顔ぶれは、政策に関する知識が真っさらな人物や、反貿易や移民政策に関して熱心である人物で固められてきている。トランプ氏は21日に国家通商会議を新設したが、そこでも経済学者のピーター・ナバロ氏をトップに指名した。ナバロ氏も保護主義を主張している人物だ。その中で、クドロー氏のように自由貿易をとなえている人物が1人ぐらいはホワイトハウスにいるべきだろう。

 トランプ氏を批判するリベラルな勢力は、貿易政策や政府の支出に関して自らと同じ考えを持つ人物にはかみつかない。しかし彼らはクドロー氏を嫌う。それは同氏の成長重視戦略が、レーガン政権の時のようにうまくいきすぎてしまうことを恐れているからだ。

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【社説】
中国、ドル高が試練に−国債急落が伝える警告
中国人民銀行は今年、信用引き締めに努めてきたが、その力には限界がある

2016 年 12 月 22 日 16:44 JST

 中国政府は債券自警団について学びつつある。15日の中国市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)が13・14日の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の引き上げを決定し、FOMCメンバーが2017年に見込む利上げ回数も増えたことを受け、債券相場が急落した。中国経済が影響を受けないよう政府が準備を施し、海外から隔離させようと最善を尽くしているにもかかわらず、中国が依然としてドル高による打撃を受けやすい状態にあることに投資家は気づき始めている。

 中国の国債市場では15日、利回りの急騰(価格の急落)を受けて先物取引が一時停止された。その後、中国人民銀行(中央銀行)が沈静化のため短期金融市場に約220億ドル(約2兆5800億円)の資金を供給したことを受け、取引は再開された。人民銀行は金融機関への緊急融資も行い、取引を続けるよう促した。15年6月の株価暴落後に株式取引を停止して余計に混乱を拡大させた当局が、当時の失態から教訓を学んだしるしだ。だが、社債の利回りは上がり続けており、起債は中止されている。

 中国の債券市場はここ2年間で政府の介入を背景にバブルの領域に入っていた。政府は銀行融資への依存を減らすために債券を発行するよう企業に促す一方、投資家には社債を買うよう推奨した。経営難の企業がデフォルト(債務不履行)に陥らないよう救済策も講じた。このため、市場は根本的にリスクを正しく評価していない状態となっており、これからの調整はいっそう痛みを伴うものとなるだろう。

 いつものことながら、バブルが破裂すれば、誰が裸で泳いでいたかが明らかになる。国海証券は先週、債券関連の取引でデフォルトに陥った。従業員の不正行為が原因とされている。投資家が債券ファンドから資金を引き上げているといったうわさも広がっている。約束したリターンを確保するために多額の資金を借りて投資していた企業は今やマージンコール(追加担保請求)に直面している。

 それよりも大きな問題は、中国の実体経済そのものがバブルなのかどうかだ。政府の統計によると、銀行融資を含む社会融資総量は国内総生産(GDP)の約2倍の速さで増加している。債務総額は現在、GDP比260%に達し、08年の同154%を大きく上回る。しかもこれには、銀行が「投資未収金」などと分類した数兆ドルもの融資が含まれていない。

 人民銀行は今年、信用引き締めに努めてきたが、その力には限界がある。人民銀行、中国銀行業監督管理委員会(CBRC)、中国証券監督管理委員会(CSRC)の3機関が金融機関の監督を担っているため、銀行などは資産をあちこち動かして当局の目を欺くことができる。また、政府内の強力な既得権益勢力は、経済成長目標を達成するために金融緩和を維持したいと考えている。

 だが、このような成長が持続可能なのかどうか、疑問が深まりつつある。金融緩和のせいで生産性は悪化した。企業は資本統制を巧みに回避し、資金を海外に持ち出してドルに転換する。中国の外貨準備は依然として巨額だが、月ごとに減少している。人民元の急落を防ぐには国内金利の引き上げが必要だろうが、利上げすれば経済成長が損なわれ、破綻する企業も出てくるだろう。

 中国の債券市場はリスクを正確に評価していないものの、金利見通しは反映している。先週の「ミニかんしゃく」から判断すると、FRBがこの先も見通し通りに利上げを遂行すれば、人民銀行は金利を低く維持できなくなることを投資家は理解しているようだ。ドル高が進む中、中国の金融機関と実体経済は試練にさらされることになる。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiUloyG8JHRAhXBmpQKHSHVBw0QFggcMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB11677208751388613819604582512252740541054&usg=AFQjCNFvLHtNPOYdXaxeA15o3w9iiTkWxA  

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