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「トランプvsトヨタ」で日本車のメキシコ生産はどうなるか(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/16/hasan117/msg/730.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 1 月 13 日 08:37:40: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

豊田章男・トヨタ自動車社長はデトロイトショーにおける新型カムリ発表の場で「今後、5年間で米国に100億ドル(約1兆1600億円)を投資する」ことを表明した Photo:REUTERS/AFLO


「トランプvsトヨタ」で日本車のメキシコ生産はどうなるか
http://diamond.jp/articles/-/114031
2017年1月13日 佃 義夫 [佃モビリティ総研代表] ダイヤモンド・オンライン


■トランプ流「恫喝戦術」に翻弄される
自動車メーカー各社は今後の動向に注視

 2017年の幕開けとともに、米国のラスベガスで5日から開催された世界最大の家電見本市(CES)と続く9日から開催のデトロイトの北米国際自動車ショー(デトロイトモーターショー)では、「自動車」が話題の中心だった。

 いまやCESは、家電ショーというよりも自動車が主役となってきており、今回もAI(人工知能)が搭載されたAI車が存在感を強めた。また、デトロイトモーターショーも各メーカーの新型車が披露され、米国復活の象徴的なモーターショーとなっている。

 だが、それ以上に日本と世界を困惑させたのが、今月20日に米大統領に就任する予定のドナルド・トランプ氏のツイッター投稿だった。大統領選の頃からSNSを活用する異色の次期米大統領は、今年に入ってからも就任前の自由な立場からブラフ(はったり)とも思える投稿を頻発し、ついに日本のトヨタを名指しでこう批判した。

「トヨタ自動車はメキシコのバハ・カリフォルニア州に新工場を建て、米国向けにカローラを生産すると言っている。あり得ない!米国に工場を建てろ。さもなければ高い国境税を払え」

 これが5日にツイッターから発したトランプ氏自身の全文である。

 トヨタはこれに対し、デトロイトショーが開幕した9日、現地での新型『カムリ』発表の席上で、豊田章男社長が「今後、5年間で米国に100億ドル(約1兆1600億円)を投資する」ことを表明した。同時にトヨタはこれまで米国で60年間に渡り220億ドルを投資してきており、米国でクルマの開発・生産・販売に携わる約13万6000名のトヨタのメンバーがいることも強調した。

 一方でメキシコ新工場は予定通りとする方針だ。名指しで批判したトランプ氏にトヨタの米国投資、雇用貢献をトップ自らデトロイトで発言したことの効果は大きいと言えるのではないか。

 いずれにせよ、20日のトランプ米政権誕生後の動向に注視していかなければならないが、11日の当選後初の記者会見でも従来の主張を強めていた。

 トランプ氏は「最も多くの雇用を作り出す大統領になる」と言う。彼のその極端な主張を本当に実行できるのかどうか。北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しも含めて「米国第一主義」が偏狭になれば、むしろ米国経済の足かせとなることについて米次期政権が自覚することを望みたい。

 トランプ氏がツイッター投稿でトヨタを名指しで批判した直後、筆者にニューヨークタイムズの記者から電話があった。

 昨年6月17日に掲載された本連載企画第32回「トランプ氏に敵視される日本自動車産業の命運」を読み、コメントを求めてきたのである。それは、「トヨタや他の日本車メーカーの反応はどうか、トランプ政権移行後、NAFTA見直しが実行されたらどうなるか」という問いかけで、私は次のように答えた。

「トランプ氏の本音は、米国への投資と雇用拡大を呼び込むことが狙いであると思うが、大統領就任前の立場と就任後は異なるのではないか。メキシコ生産進出は、日本各社と米各社に加え、欧州・韓国の各社が進出あるいは計画している。いわば、世界の自動車生産集積地になっており、発効から20年以上も経過し、定着しているNAFTAを見直すようなことは、米国が自らの首を絞めるもの。日本車各社は困惑と懸念しているものの、20日の政権移行後の動向を見極めていくのではないか」

 NAFTAは、米加自由貿易協定(米国とカナダ間の貿易や投資の自由化及び、紛争処理手続きに関する協定;1989年に発効)を後継拡大する形だ。1994年1月1日に米国・カナダ・メキシコの北米間自由貿易協定として発効して以来、23年が経過し定着している。メキシコに生産進出しているのは、日産・ホンダ・マツダ・トヨタに、トラックの日野・いすゞの計日本車6社であるが、米GM・米フォード・伊フィアットクライスラー(FCA)・独VWに韓国の起亜・独アウディ・独BMWと米車を含め、世界の自動車メーカーが進出あるいは計画している。

■公約通り高い関税を実施すれば
日産とマツダに影響が大きい

 日本車ではいち早く日産がメキシコに1966年進出したこともあり、メキシコでの自動車生産は3工場でトップの生産台数を誇る。メキシコ自動車生産のビッグ5は、日産をトップにGM・VW・フォード・フィアットクライスラーだ。志賀俊之日産副会長と懇談する機会があり、トランプ氏の発言を尋ねてみると「日産にとってメキシコはグローバル戦略で重要な生産・輸出基地になっている。トランプ政権誕生後の動向に注視せざるを得ない」と苦い表情を浮かべていた。

 マツダは、フォードとの資本提携解消により米生産基地がなくなったため、トヨタとの業務提携を生かし、2014年からメキシコ生産を開始した。ホンダは、メキシコで二輪・四輪車生産を展開し、2014年からフィット生産第二工場を稼働させている。トヨタは、従来メキシコでの生産は、ピックアップトラック「タコマ」専用工場で約5万6000台の生産能力にとどまっていた。これにカローラ生産の新工場計画で2019年の生産稼働を目指し、昨年11月に起工式を行ったばかりだ。

 日本車だけでなく、メキシコはGM、フォード、フィアットクライスラーが生産基地として確立しており、VWもメキシコ生産で米国供給体制を固めている。このほか、アウディと起亜は2016年からメキシコ工場を稼働、BMWはトヨタと同様、2019年からの生産稼動を計画中だ。

 このように、メキシコは北米自動車生産基地として世界の自動車メーカーが集積している。その理由は、メキシコの労働コストが低く、採算が厳しい小型車生産に適していることと、NAFTAの活用に加え、メキシコ政府がFTA(自由貿易協定)に積極的に取り組んできたことで、輸出基地としてのメリットが大きいことが挙げられる。

 NAFTAに関わるもう一方のカナダでの日本車生産は、現在トヨタとホンダだけとなっている。かつてはスズキがGMとの合弁CAMIで1989年から生産していたが、2009年のGMとの資本提携解消後に撤退し、北米事業から完全撤退している。

 日本車各社は日米貿易摩擦で日本車対米輸出自主規制が始まった1981年頃から、米国生産進出を積極展開するようになった。ホンダの1982年からの米オハイオ工場稼働を皮切りに日産、トヨタ、三菱自、マツダ、富士重工・いすゞにスズキ(カナダ)と生産進出し、以来30年余が経過する中でスズキの他いすゞが退き、三菱自はクライスラーとの合弁解消後、採算が悪化し生産撤退した。

 今回、トランプ氏から名指しでメキシコ新工場を批判されたトヨタは、当初米国生産進出には慎重だった。トヨタの米国生産進出は、当時ライバルだった米GMとの合弁生産(NUMMI;1984年設立)だった。トヨタはGMを「先生」として1984年からNUMMIで生産を開始した。これに次いで1986年より米ケンタッキー工場での単独進出に繋げたのである。現在ではインディアナ、テキサス、ミシシッピと米国4工場で生産している。

 豊田章男社長の言う「米国で30年以上にわたり、2500万台以上のクルマを生産・供給、雇用にも貢献し、米国の市民権を得てきた」ことになる。くしくも豊田章男社長は、NUMMI副社長として米駐在の経験を持つ。また、張富士夫名誉会長は、米ケンタッキー工場の稼働、現地化に腐心したことを、かつて筆者に語ってくれたことがある。

■トランプの言動は
産業や経済を混乱させるか

 トヨタは、米国とカナダ、メキシコを含む北米生産で米国に供給する比率は7割。トヨタにとって北米はグローバル販売の3割、営業利益の4割を占める稼ぎ頭だ。それだけに、今年6年ぶりに全面改良する最量販車の新型カムリに懸ける期待は大きい。今後5年間で米国に1兆1600億円を投資することを表明したのも、AI子会社であるTRIへの積極投資も含めたさらなる米現地化の投資計画の積み上げだろう。

 トランプ氏のツイートにデトロイトショーでいち早くアピール対応した豊田章男トヨタ社長に対し、戦々恐々としている自動車メーカーも多い。トヨタの対応の前に米フォードが新年早々の3日にメキシコ小型車新工場移管を撤回したのがそもそもの発端だ。マツダ帰りであるフォードのマーク・フィールズCEOは「我々はグローバル企業だが、母国はここ米国だ」とし、投資計画を修正してミシガン州への投資転換を表明した。空調機器メーカーのキャリアのメキシコ工場移転撤回に続くフォードの投資戦略の転換は、自動車業界に波紋を投げかけた。フィアットクライスラーも続いて米国工場への投資増強を表明した。

 だが、米自動車業界の雄として復活してきたGMは「生産計画は2〜4年先を見据えているもの。米国雇用には従来から尽くしてきている」(メアリー・バーラCEO)とトランプ発言にひるむ様子は微塵も感じられない。

 いずれにしても大国である米大統領が個別企業の経営戦略にまで介入することは、産業や経済を混乱に陥れる。単に米国への投資を呼び込むためだけであれば、政権誕生後は、しっかりと産業政策・経済政策を打ち出して「米国を再び偉大に」してほしいものである。

(佃モビリティ総研代表 佃 義夫)

 

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