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丸7年間「フルーツしか食べない男」が死ぬ覚悟で自らを実験台にした理由
[2016年09月21日]
フルーツを中心に果実だけしか口にしない男・フルーツ研究家の中野瑞樹氏(40)
自らの体を張る、話題のフルーツ研究家・中野瑞樹(みずき・40)氏をご存知だろうか…。
なんとフルーツを中心に果実だけしか口にしない男だ。この6年と11ヵ月の間、ごはんひとつぶも、パンひとかけらもお肉も魚も、水もお茶もお酒も一滴も口にしていないとのことで、それでいて健康体を維持しているという。
フルーツが総合栄養食であるとの仮説の下、たくさん食べた続けた結果、人間の体にどういう反応が起きるのかを自らを実験台にして挑んでいるのだ。なぜ、そのような極端な食生活を送るに至ったのか? その具体的な成果は? 奇人変人にも思える、中野氏の覚悟ある人生に迫ってみた。
−フルーツだけの生活をスタートしたのはいつからですか?
中野 2009年の9月28日です。やろうと決めたのは2009年の5月です。ですので、4ヵ月以上かけて準備をしました。
−準備とは?
中野 お肉はその前、2006年の3月に止めていたんですが、肉以外の魚介類とかは普通に食べていました。やきそばやお好み焼き、カレーとかも普通に食べていましたし、ビールも飲んでいました。フルーツだけの食生活に入るにあたって、その前にフルーツ以外の食べ物への欲求、執着を取らないといけないと思い、それに4ヵ月かかりました。
−具体的にはどうやって執着を無くしていったのですか?
中野 山にこもることができるなら、それでよいのですがそうはいかない。で、日本はちょっと歩くとあちこちからいい匂いがしてくる(笑)。これがきつい。なので、ひとつひとつ自分に言い聞かせるように食べ納めをしていきました。「今日でもう最後だぞ。いいな」って感じです。ビールやアイスクリームも好きで…。特に故郷の和歌山にしか売ってない、子供の頃に大好きだった抹茶ソフトクリーム(グリーンソフト、玉林園)。わざわざ帰って食べ納めをしてきました(笑)。
最後のほうでは、スーパーや飲食店街をまだ食べたいものが残ってないかをチェックして歩いたり…。三大珍味のトリュフをまだ食べてないことに気がついて、わざわざ専門のレストランに行って食べたこともありました。それが完全に無くなって、このフルーツだけを食べる生活をスタートしたのです。だから今では、目の前でステーキを食べられてもビールを飲まれても、全く我慢していないので平気です。
−つまり、その準備に4ヵ月もかかったわけですね…。
中野 いや、正確に言うと実際にはもっと長いですね。スタートする6年前の2003年から朝食はフルーツのみでした。徐々にフルーツだけで生活できるように体質を変えていったわけです。なので、いきなり明日から突然フルーツだけで生活するといったことは絶対にマネしないでほしいのです。
理由は、腸内環境がフルーツに順応したものでないと栄養が足りなくなりますので。牛や馬が牧草だけでも大丈夫なのはそんな食生活に適応した独自の消化機構 や腸内環境があるからなんです。時間をかけて少しずつ腸内環境を変えていく必要があるので要注意です!
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日本で最もきれいな体かもしれません
−誰もやったことのないことを確かめるために、自ら実験台になる気持ちはどうですか?
中野 私には師匠も指導してくれる先生もいません。全くの自己責任。ひょっとして、このことが原因で死ぬかもしれない。なので、死ぬ覚悟で始めたのは事実です。そうして、2009年の3月に、水やお茶も全く飲まず、ただ完全に果実だけを食べる生活を決意し、同年9月より実行に移して今に至っているわけです。完全果実生活を続けて、2500日を過ぎ、9月末で丸7年になります。
−具体的にフルーツしか食べない1日はどんな感じですか?
中野 朝起きて一番の食事は、お腹を膨らませるというよりは、水分を補給し、のどを潤(うるお)すことを目的に、水分が多く含まれるフルーツを取るようにしています。例えば、夏場だとスイカや梨や桃。冬場だとみかんなどです。在宅日か外出日かで、量はかなり変わります。忙しい日は、日中、仕事の合間にフルーツをつまんで食べるだけです。
ちなみに朝食、昼食、夕食という概念はないですね。喉が渇いたり、小腹が空いたら、こまめにフルーツを食べています。あとは、私が「キラフル丼」と呼んでいる、フルーツやトマトなどの果実野菜を細かく切った果実の盛り合わせを食べています。葉野菜や根野菜などは果実ではないので、一切食べません。忙しい日なら1回、終日在宅している時なら2回程度、この「キラフル丼」を食べています。
仕事で外出する時は、ペットボトルの代わりに水分が摂れるようにスイカをカットしたものとか、冬だとみかんを持って外出します。時間がない時はスーパーでカットフルーツを買うこともあります。
−水を全く飲まないのは大変じゃないですか?
中野 確かに大変ですけど、そもそも「純粋に果実だけを食べて、身体がどう変化するのか」を調べる実験をしているわけですから、水分も果実以外、極力入れたくないわけです。先ほどからフルーツと言っていますが、正確に言うと私が口にしているものは、フルーツだけでなはく果実と塩です。
果実というのは植物の実と種の部分のことです。日本では、果実のうち、水分が多めで甘いもの、あるいは甘酸っぱいものをフルーツと呼んでいます。りんご、みかん、柿、スイカ、メロン、いちごなど、スーパーのフルーツコーナーで見かけるものです。また樹木になる果実である、りんご、梅、栗、カシューナッツ、アボガドなどを果物と呼びます。野菜のうちで、トマト、きゅうり、なすびなど果実系野菜は果菜類と呼ばれます。
−そうだったんですね…。実際、その生活を6年間も続けられて、体にはどんな変化が?
中野 まず痩せてきました。フルーツを食べると、太るとか、中性脂肪が上昇するとか言われますが、全く逆です。どんどん痩せていきました。東大教員として勤務していた2003年頃は身長172p、体重が70kgありました。その後、朝食だけフルーツに変え、完全果実食を始めた09年9月28日には体重62.1kgだったので、6年間で8kgほど痩せました。現在は季節による変化はありますが、体重は50弱から54kg、ウエストは60から67cmの間です。ちなみに、血糖値も至って正常です。
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冬眠前の熊の気持がよくわかりました
−そもそも興味を持ったきっかけと、フルーツだけを食べて生活しようと思ったいきさつを教えてください。
中野 きっかけは、私が東京大学(経営工学系)に教員として勤務していた頃(2003年)に『FIT FOR LIFE』という本に出会ったことです。80年代にアメリカで出版された本で、健康のため野菜とフルーツをしっかり食べましょうという内容です。その中に「フルーツは完全食である」と書かれてあるんです。私はその言葉を見た時、雷が落ちたかのような衝撃を受けました。
学生時代(京都大学農学部)、砂漠緑化の研究していたんですが、それを食い止めるのにボランティアとか研究のレベルでは砂漠化や森林破壊のスピード(毎年、北海道と九州合わせた土地の緑が消失) が速すぎて追いつかない。そこに経済、お金が関わる仕組みを作らないと解決しないと思ったんです。
そこで、世界中の公的機関が勧めるように、健康増進のために毎日しっかりフルーツを食べれば儲(もう)かるので、世界中の生産者さんたちがもっと実のなる樹を植えてくれます。緑が増えれば、地球温暖化対策にもなります。70億人でフルーツを食べること、それが解決策だと確信しました。
−なるほど、それで周りにもフルーツを勧めようと思われたわけですね。
中野 はい、本を読んだ1年後には、こじんまりとフルーツのセミナーを始めました。初回スタートは2004年の10月でした。会場費だけいただいて、ほんの少人数で始めました。とにかく、ひとりでも多くの人にフルーツの良さを伝えたいという思いから、週に1回くらいのペースで。しかしこの時点での私の食生活は、朝食をフルーツにするぐらいで、昼、夜は普通の食事をしていました。
−では完全に全食フルーツに変えるようになったのはどういう経緯から?
中野 いくら私がセミナーで「フルーツがいいですよ」と言っても、自分がフルーツを人より少し多く食べているくらいでは、説得力が弱いなと思ったのがきっかけですね。また、健康に良いことは理解してもらえるんですが、食べ過ぎたらダメだと思われるてる人が大変多かったのも理由です。例えば、太る、糖分が多いので血糖値が高くなり糖尿病になる、身体が冷える…等です。
私は「健康な人なら、少々食べ過ぎても大丈夫ですよ!」と言いたいのはやまやまでしたが、実際のところ私自身、食べ過ぎて一体どうなるのかわからない(笑)。なぜなら、誰もそんな実験をしたことがないからです。つまりエビデンス(実証)がないんです。
他の物も食べていては、果実以外の影響かもしれない。また一体、フルーツをたくさん食べた場合、人間の体にどういう反応が起きるのかを誰かが調べないといけない。私も科学者、研究者のはしくれです。じゃあ私がやってやろう、自分の身体を実験台にしてやってみようと思ったたわけです。ちなみに7年間、添加物を摂っていないので、日本で最もきれいな体かもしれません(笑)。
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本当にどんどん痩せていきます!
−誰もやったことのないことを確かめるために、自ら実験台になる気持ちはどうですか?
中野 私には師匠も指導してくれる先生もいません。全くの自己責任。ひょっとして、このことが原因で死ぬかもしれない。なので、死ぬ覚悟で始めたのは事実です。そうして、2009年の3月に、水やお茶も全く飲まず、ただ完全に果実だけを食べる生活を決意し、同年9月より実行に移して今に至っているわけです。完全果実生活を続けて、2500日を過ぎ、9月末で丸7年になります。
−具体的にフルーツしか食べない1日はどんな感じですか?
中野 朝起きて一番の食事は、お腹を膨らませるというよりは、水分を補給し、のどを潤(うるお)すことを目的に、水分が多く含まれるフルーツを取るようにしています。例えば、夏場だとスイカや梨や桃。冬場だとみかんなどです。在宅日か外出日かで、量はかなり変わります。忙しい日は、日中、仕事の合間にフルーツをつまんで食べるだけです。
ちなみに朝食、昼食、夕食という概念はないですね。喉が渇いたり、小腹が空いたら、こまめにフルーツを食べています。あとは、私が「キラフル丼」と呼んでいる、フルーツやトマトなどの果実野菜を細かく切った果実の盛り合わせを食べています。葉野菜や根野菜などは果実ではないので、一切食べません。忙しい日なら1回、終日在宅している時なら2回程度、この「キラフル丼」を食べています。
仕事で外出する時は、ペットボトルの代わりに水分が摂れるようにスイカをカットしたものとか、冬だとみかんを持って外出します。時間がない時はスーパーでカットフルーツを買うこともあります。
−水を全く飲まないのは大変じゃないですか?
中野 確かに大変ですけど、そもそも「純粋に果実だけを食べて、身体がどう変化するのか」を調べる実験をしているわけですから、水分も果実以外、極力入れたくないわけです。先ほどからフルーツと言っていますが、正確に言うと私が口にしているものは、フルーツだけでなはく果実と塩です。
果実というのは植物の実と種の部分のことです。日本では、果実のうち、水分が多めで甘いもの、あるいは甘酸っぱいものをフルーツと呼んでいます。りんご、みかん、柿、スイカ、メロン、いちごなど、スーパーのフルーツコーナーで見かけるものです。また樹木になる果実である、りんご、梅、栗、カシューナッツ、アボガドなどを果物と呼びます。野菜のうちで、トマト、きゅうり、なすびなど果実系野菜は果菜類と呼ばれます。
−そうだったんですね…。実際、その生活を6年間も続けられて、体にはどんな変化が?
中野 まず痩せてきました。フルーツを食べると、太るとか、中性脂肪が上昇するとか言われますが、全く逆です。どんどん痩せていきました。東大教員として勤務していた2003年頃は身長172p、体重が70kgありました。その後、朝食だけフルーツに変え、完全果実食を始めた09年9月28日には体重62.1kgだったので、6年間で8kgほど痩せました。現在は季節による変化はありますが、体重は50弱から54kg、ウエストは60から67cmの間です。ちなみに、血糖値も至って正常です。
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冬眠前の熊の気持がよくわかりました
−特に冬、体重が減って大変だと聞きましたが…
中野 はい、日本の冬は寒すぎるので、体温維持のため体内の脂肪をいっぱい燃やすせいか、夏よりもうんと痩せます。ナッツ類を食べなかった一昨年の冬は、体重が45kgにまで減ってしまい、ウエストも60pを切ってしまいました。この時はさすがにやばいと思いました(笑)。
なので、冬場などはフルーツだけではダメ。栗などで補い、体重維持に努めないといけないことがわかりました。確かに、冬眠する前の熊もどんぐりや木の実をお腹いっぱい食べますよね。そんな熊の気持がよくわかりましたよ(笑)。
−ということは、フルーツを食べ過ぎて太るというのは間違いだと…。
中野 間違いです。私を見ておわかりのように、フルーツだけだと本当にどんどん痩せていきます(笑)。今まで誰もそれをやってなかったから、そんな誤った見方がみんなに広まってしまったんだと思います。あと、冬は痩せて大変なんですが、逆に夏の暑さには強くなりますね。こまめに水分の多いフルーツを食べているせいか、暑くて体の調子が悪くなるとか熱中症のような症状は一切ないです。
★この続き、さらなる完全フルーツ食の驚くべき効果は明日配信予定の後編にて!
(取材・文・撮影/日野和明)
■中野瑞樹(なかの・みずき)
和歌山県出身。子供の頃に観た『野生の王国』(TBS系列)がきっかけで砂漠緑化の研究者を目指し、京都大学農学部に進学。在学中にアメリカ国立海洋大気局にて客員研究員として従事。01年から4年間、東京大学工学部(経営工学系)で教員勤務。04年よりフルーツの魅力を伝えるべく、フルーツセミナーを開始。09年9月からフルーツ中心に果実だけの食生活実験を始める。現在、「身体を張るフルーツ研究家」「フルーツの伝道師」「現代の木食」として、講演や研修など多方面で活動中。最新情報はブログにて http://ameblo.jp/fruit-mizuki/
http://wpb.shueisha.co.jp/2016/09/21/72199/4
7年間「フルーツしか食べない男」が激痩せしても精力アップ、驚異の健康生活とは…
[2016年09月22日]
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フルーツを中心に果実だけしか口にしない男・フルーツ研究家の中野瑞樹氏(40)
自らの体を張る、話題のフルーツ研究家・中野瑞樹氏(40)をご存知だろうか…。
なんとフルーツを中心に果実だけしか口にしない男だ。この6年と11ヵ月の間、ごはんひとつぶも、パンひとかけらもお肉も魚も、水もお茶もお酒も一滴も口にしていないとのことで、それでいて健康体を維持しているという。
フルーツが総合栄養食 であるとの仮説の元、たくさん食べた続けた結果、人間の体にどういう反応が起きるのかを自らを実験台にして挑んでいるのだ。なぜ、そのような極端な食生活を送るに至ったのか? その後編!(前編記事「丸7年間“フルーツしか食べない男”が死ぬ覚悟で自らを実験台にした理由」参照)
−フルーツを食べすぎると糖尿病のリスクが上がると言われるのは…。
中野 フルーツが糖尿病の原因だとか、糖尿病を悪化させるというのも全くの間違いです。現在のところ、健康診断でも私の血糖値は正常です。 国連WHOも、糖尿病予防のために毎日のフルーツ摂取を勧めています。日本糖尿病学会も、糖尿病患者であってもフルーツはビタミン、ミネラル補給に大切な食品なので一定量(一日80kcal)を摂ることを推奨しています。
フルーツで糖尿病を治療されていたドクター(故、外園久芳医師)もいらっしゃいました。そもそもフルーツが糖質が多いと思われていることが誤解です。いちご7%、もも9%、メロン10%、みかん11%、りんご13%、バナナ21%、ご飯37%、食パン44%、チョコレート52%、ドーナッツ59%です。
また、食後の血糖値の上昇度合いを示す指標のひとつに「GI」というのがあるのですが、フランスパン95に対して、グレープフルーツ25、リンゴ38、バナナでも52しかありません。中でも、糖尿病に良いと分かっているのは温州みかんです。温州みかんを旬の時期に3〜4個(M寸)以上食べられている方は、糖尿病になるリスクが57%下がるという研究結果が今年3月、国立農研機構により発表されました。
−ちなみに、冬場に痩せすぎて困る他、大変なことは?
中野 先ほど、私が口にしているものは果実と塩だと言いましたが、フルーツに塩分は含まれていないので、フルーツのみの生活を始めて1ヵ月もすると、塩分が欲しくてたまらなくなりました。なので、途中から塩だけなめていました。よく野生動物のドキュメントなんかを見ていると、牛やカモシカが土や岩の中の塩をなめているシーンを見ることがあるんですが、草ばっかり食べている彼らが塩を欲しがる気持もものすごくわかりました(笑)。
−熊だけでなく、牛やカモシカの気持にも共感されたわけですね。塩分はどうやって摂取を?
中野 今は、スイカの皮の部分をぬか漬けにして食べるなどして塩分を摂るようにしています。スイカの外皮は、凍らせて解凍すれば柔らかくなります。とってもおいしいです。白いところは味はしませんが、しゃきしゃきして食感がたまりません。浅漬けなどもお勧めです。
−スイカの皮でぬか漬けという発想もスゴい(笑)。では、完全フルーツ食は体に良い変化をもたらしているんですね?
中野 いろんなことが起こりました。まず骨密度が一般の人よりも3割増しになっていて、検査した医師が驚愕されていました。そうなるメカニズムはよくわかっていませんが、フルーツにはクエン酸などが含まれます。クエン酸はカルシウムを水に溶けやすくする働きがあり、そのことが関わっているのではと推測しています。
あと、健康診断の時、腎臓の数値が良いと病院の先生がびっくりしていました。お肉などを摂ってないので老廃物が少なく、腎臓への負担が少ないからかもしれません。
その他には、肌がスベスベになりました。というのも、ボウボウだったすね毛も果実食に変えてから約2年ほどで抜けてしまったからです。また、嗅覚、味覚、触覚がとっても敏感になります。電車の中で、臭いをきつく感じることが増えたので、大概マスクを着けるようにしています。何か動物に近づいたような気分になれます(笑)。
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10代と変わらず「もうギンギンですわ」
−非常にスリムな体型なのですが、運動した時のスタミナはどうですか?
中野 体力がついて疲れにくくなっています。たまに知人と山に登りますが、他の人がゼーゼー言っているのに私は平気です。体が軽くなったこともあるんでしょうが、息切れはしなくなりましたね。また一度、ちゃんと運動ができるのかということを調べるため、あるTV番組から密着取材されたことがありました。
朝から何段もある階段を登ったり、山を歩いたり、30秒で腕立て伏せやスクワットが何回できるかとか、深夜にはフィットネスクラブでロードランナーやらバイクなどいろんなテストを受けましたが、普段は運動をほとんどしてないのにほとんど平均以上の点数が出ました。医師も驚いてましたね。1日中、こまめにみかんを食べていたためなのか、後日、ほとんど筋肉痛にもなりませんでした。
−意外な結果ですね。その一方で頭のほうの働きにはどんな影響が?
中野 すっきりして頭の回転も良くなります。これは当然で、脳の唯一のエネルギー源はブドウ糖。フルーツを食べることで、脳は速やかにブドウ糖を取り入れることができます。海外研究では、フルーツに含まれているポリフェノール類が脳機能を高めるという論文はいくつもあります。あと、アルツハイマーのリスクも下げる効果もあります。リンゴやイチゴがアルツハイマーのリスクも下げたり、進行を遅らせるといった研究論文もあります。
−確かに仕事や勉強している時、甘いものを食べると頭がすっきりする効果も…。
中野 とはいうものの、甘いものをケーキやお菓子で摂るのはカロリーが高すぎます。リンゴなんてチョコレートのカロリーの1/10ぼどです。イチゴなんてモヤシと一緒ですよ。だから、お菓子などをフルーツに置き換えることでカロリーを減らすことができて、健康につながるというわけです。
−ちなみに、大きな声では聞けませんが精力のほうはどうですか?
中野 精力はアップしていますね。そういう時になれば、(声を潜めて)もうギンギンですわ(笑)。10代の頃と変わりません。とにかくとても元気です(笑)。スイカをたくさん摂取している人は、シトルリンの効果で精力効果が期待できる血中アルギニン量が10%以上高いという研究報告があります。
またアメリカの研究では、オレンジやベリー類をしっかり食べるとEDに効果があるという研究報告もあります。私の知り合い(50代の男性)でも、毎日みかんを食べることでEDが治った方もいます。先ほど「味覚、臭覚、触覚がアップする」と言いましたが、言い換えると、敏感になって、あの時の感度も上がるということ。とにかく男性こそフルーツですよ(笑)。
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「人付き合い」よりも「研究」を取った男
−これも聞きづらいのですが、排便にも変化はあるんですか?
中野 フルーツは消化が早いので、食べたらすぐに出る感じですね。色は食べたフルーツ色に着色されます(笑)。例えばスイカなら赤っぽく、みかんなら黄色っぽくなります。フルーツだけなら臭いは全くありません。ただ、ナッツ類をたくさん食べると、ナッツの脂質を消化できず白くなりますし、臭いがします。消化が悪くおなかも張るので、ナッツ類は控えて栗に変えました。栗だとナッツほど臭いませんね。
−完全フルーツ食のコストについてはどうでしょうか? 結構な金額になりそうですが…。
中野 確かに高くつきます。食べたことがないフルーツを店頭で見かけると買います。しかし、日常食としては、安い時期だと1千円から1500円 くらい に収まります。一番安くつくのが、値段の割に重量のあるスイカが出回る夏場です。スイカやメロンは、種以外は全部食すのでかなり安上がりです(笑)。外食にも行かないし、お菓子やコーヒーも摂らないので、トータルでは安上がりです。1日の食費が1年間で最も高くつく季節は温州みかんが終わった後の2月、3月あたりです。とにかくあんまりフルーツがないんです。イチゴはまだ高いですし。なので、1日2千円ぐらいかかります。
−最後に、他の人とは随分変わった生活を送られているわけですが、飲み会に行った時やデートの時はどのように?
中野 だんだん誘われなくなりましたね(笑)。大半の飲食店にはフルーツがありませんから、行っても何も飲食できずただ座っているだけですから。まぁ、そんな私を見ていて悪いと思ったのか、みんなだんだん誘わなくなってきました。親戚の結婚披露宴にも呼んでもらえませんでした(笑)。つまり、私はそんな「人付き合い」よりも「研究」を取った男なんです。人生でどっちかを天秤にかけて「研究」を選んだんです。
私は食事の前にフルーツを摂る「先フル」を勧めています。食物繊維のお蔭で食べ過ぎを抑えてくれるし、整腸作用も期待できます。ビタミンやミネラルのお蔭で新陳代謝は上がるし、摂りすぎた塩分を排出してくれるカリウムも豊富です。私の影響で東京や大阪で先フルを始めたお店も出てきました。私が通えるフルーツを食べられる飲食店を増やしたいです(笑)。
−結局、中野さんにとってフルーツとは?
中野 ひと言でいうと「愛」です。フルーツは自ら食べごろになると、赤や黄色に色づき、香りを出し、柔らかく甘くして人や動物に食べて欲しいと訴えているんです。あらゆる食べ物の中で唯一食べさせたがっているのがフルーツです。私たちがもっとフルーツを食べれば儲かるので、生産者さんたちが実になる植物を植えてくれます。そうすることで地球の緑は増えます。木も増えるので地球温暖化対策にもなります。70億人の誰もが関わることができます。
きれいになりたい、おいしいものを食べ続けながら生涯健康でいたいという個人的な欲求(エゴ=EGO)を満たすために、毎日フルーツを取り入れるだけで、「EGO」の角がとれて「ECO」になります(笑)。「EGO」+「フルーツ」=「ECO」。フルーツは次の世代にきれいなバトンをつなぐ鍵です!
(取材・文・撮影/日野和明)
■中野瑞樹(なかの・みずき)
和歌山県出身。子供の頃に観た『野生の王国』(TBS系列)がきっかけで砂漠緑化の研究者を目指し、京都大学農学部に進学。在学中にアメリカ国立海洋大気局にて客員研究員として従事。01年から4年間、東京大学工学部(経営工学系)で教員勤務。04年よりフルーツの魅力を伝えるべく、フルーツセミナーを開始。09年9月からフルーツ中心に果実だけの食生活実験を始める。現在、「身体を張るフルーツ研究家」「フルーツの伝道師」「現代の木食」として、講演や研修など多方面で活動中。最新情報はブログにて http://ameblo.jp/fruit-mizuki/
http://wpb.shueisha.co.jp/2016/09/22/72200/
丸7年間「フルーツしか食べない男」が死ぬ覚悟で自らを実験台にした理由
[2016年09月21日]
フルーツを中心に果実だけしか口にしない男・フルーツ研究家の中野瑞樹氏(40)
自らの体を張る、話題のフルーツ研究家・中野瑞樹(みずき・40)氏をご存知だろうか…。
なんとフルーツを中心に果実だけしか口にしない男だ。この6年と11ヵ月の間、ごはんひとつぶも、パンひとかけらもお肉も魚も、水もお茶もお酒も一滴も口にしていないとのことで、それでいて健康体を維持しているという。
フルーツが総合栄養食であるとの仮説の下、たくさん食べた続けた結果、人間の体にどういう反応が起きるのかを自らを実験台にして挑んでいるのだ。なぜ、そのような極端な食生活を送るに至ったのか? その具体的な成果は? 奇人変人にも思える、中野氏の覚悟ある人生に迫ってみた。
−フルーツだけの生活をスタートしたのはいつからですか?
中野 2009年の9月28日です。やろうと決めたのは2009年の5月です。ですので、4ヵ月以上かけて準備をしました。
−準備とは?
中野 お肉はその前、2006年の3月に止めていたんですが、肉以外の魚介類とかは普通に食べていました。やきそばやお好み焼き、カレーとかも普通に食べていましたし、ビールも飲んでいました。フルーツだけの食生活に入るにあたって、その前にフルーツ以外の食べ物への欲求、執着を取らないといけないと思い、それに4ヵ月かかりました。
−具体的にはどうやって執着を無くしていったのですか?
中野 山にこもることができるなら、それでよいのですがそうはいかない。で、日本はちょっと歩くとあちこちからいい匂いがしてくる(笑)。これがきつい。なので、ひとつひとつ自分に言い聞かせるように食べ納めをしていきました。「今日でもう最後だぞ。いいな」って感じです。ビールやアイスクリームも好きで…。特に故郷の和歌山にしか売ってない、子供の頃に大好きだった抹茶ソフトクリーム(グリーンソフト、玉林園)。わざわざ帰って食べ納めをしてきました(笑)。
最後のほうでは、スーパーや飲食店街をまだ食べたいものが残ってないかをチェックして歩いたり…。三大珍味のトリュフをまだ食べてないことに気がついて、わざわざ専門のレストランに行って食べたこともありました。それが完全に無くなって、このフルーツだけを食べる生活をスタートしたのです。だから今では、目の前でステーキを食べられてもビールを飲まれても、全く我慢していないので平気です。
−つまり、その準備に4ヵ月もかかったわけですね…。
中野 いや、正確に言うと実際にはもっと長いですね。スタートする6年前の2003年から朝食はフルーツのみでした。徐々にフルーツだけで生活できるように体質を変えていったわけです。なので、いきなり明日から突然フルーツだけで生活するといったことは絶対にマネしないでほしいのです。
理由は、腸内環境がフルーツに順応したものでないと栄養が足りなくなりますので。牛や馬が牧草だけでも大丈夫なのはそんな食生活に適応した独自の消化機構 や腸内環境があるからなんです。時間をかけて少しずつ腸内環境を変えていく必要があるので要注意です!
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日本で最もきれいな体かもしれません
−誰もやったことのないことを確かめるために、自ら実験台になる気持ちはどうですか?
中野 私には師匠も指導してくれる先生もいません。全くの自己責任。ひょっとして、このことが原因で死ぬかもしれない。なので、死ぬ覚悟で始めたのは事実です。そうして、2009年の3月に、水やお茶も全く飲まず、ただ完全に果実だけを食べる生活を決意し、同年9月より実行に移して今に至っているわけです。完全果実生活を続けて、2500日を過ぎ、9月末で丸7年になります。
−具体的にフルーツしか食べない1日はどんな感じですか?
中野 朝起きて一番の食事は、お腹を膨らませるというよりは、水分を補給し、のどを潤(うるお)すことを目的に、水分が多く含まれるフルーツを取るようにしています。例えば、夏場だとスイカや梨や桃。冬場だとみかんなどです。在宅日か外出日かで、量はかなり変わります。忙しい日は、日中、仕事の合間にフルーツをつまんで食べるだけです。
ちなみに朝食、昼食、夕食という概念はないですね。喉が渇いたり、小腹が空いたら、こまめにフルーツを食べています。あとは、私が「キラフル丼」と呼んでいる、フルーツやトマトなどの果実野菜を細かく切った果実の盛り合わせを食べています。葉野菜や根野菜などは果実ではないので、一切食べません。忙しい日なら1回、終日在宅している時なら2回程度、この「キラフル丼」を食べています。
仕事で外出する時は、ペットボトルの代わりに水分が摂れるようにスイカをカットしたものとか、冬だとみかんを持って外出します。時間がない時はスーパーでカットフルーツを買うこともあります。
−水を全く飲まないのは大変じゃないですか?
中野 確かに大変ですけど、そもそも「純粋に果実だけを食べて、身体がどう変化するのか」を調べる実験をしているわけですから、水分も果実以外、極力入れたくないわけです。先ほどからフルーツと言っていますが、正確に言うと私が口にしているものは、フルーツだけでなはく果実と塩です。
果実というのは植物の実と種の部分のことです。日本では、果実のうち、水分が多めで甘いもの、あるいは甘酸っぱいものをフルーツと呼んでいます。りんご、みかん、柿、スイカ、メロン、いちごなど、スーパーのフルーツコーナーで見かけるものです。また樹木になる果実である、りんご、梅、栗、カシューナッツ、アボガドなどを果物と呼びます。野菜のうちで、トマト、きゅうり、なすびなど果実系野菜は果菜類と呼ばれます。
−そうだったんですね…。実際、その生活を6年間も続けられて、体にはどんな変化が?
中野 まず痩せてきました。フルーツを食べると、太るとか、中性脂肪が上昇するとか言われますが、全く逆です。どんどん痩せていきました。東大教員として勤務していた2003年頃は身長172p、体重が70kgありました。その後、朝食だけフルーツに変え、完全果実食を始めた09年9月28日には体重62.1kgだったので、6年間で8kgほど痩せました。現在は季節による変化はありますが、体重は50弱から54kg、ウエストは60から67cmの間です。ちなみに、血糖値も至って正常です。
次ページ
冬眠前の熊の気持がよくわかりました
−そもそも興味を持ったきっかけと、フルーツだけを食べて生活しようと思ったいきさつを教えてください。
中野 きっかけは、私が東京大学(経営工学系)に教員として勤務していた頃(2003年)に『FIT FOR LIFE』という本に出会ったことです。80年代にアメリカで出版された本で、健康のため野菜とフルーツをしっかり食べましょうという内容です。その中に「フルーツは完全食である」と書かれてあるんです。私はその言葉を見た時、雷が落ちたかのような衝撃を受けました。
学生時代(京都大学農学部)、砂漠緑化の研究していたんですが、それを食い止めるのにボランティアとか研究のレベルでは砂漠化や森林破壊のスピード(毎年、北海道と九州合わせた土地の緑が消失) が速すぎて追いつかない。そこに経済、お金が関わる仕組みを作らないと解決しないと思ったんです。
そこで、世界中の公的機関が勧めるように、健康増進のために毎日しっかりフルーツを食べれば儲(もう)かるので、世界中の生産者さんたちがもっと実のなる樹を植えてくれます。緑が増えれば、地球温暖化対策にもなります。70億人でフルーツを食べること、それが解決策だと確信しました。
−なるほど、それで周りにもフルーツを勧めようと思われたわけですね。
中野 はい、本を読んだ1年後には、こじんまりとフルーツのセミナーを始めました。初回スタートは2004年の10月でした。会場費だけいただいて、ほんの少人数で始めました。とにかく、ひとりでも多くの人にフルーツの良さを伝えたいという思いから、週に1回くらいのペースで。しかしこの時点での私の食生活は、朝食をフルーツにするぐらいで、昼、夜は普通の食事をしていました。
−では完全に全食フルーツに変えるようになったのはどういう経緯から?
中野 いくら私がセミナーで「フルーツがいいですよ」と言っても、自分がフルーツを人より少し多く食べているくらいでは、説得力が弱いなと思ったのがきっかけですね。また、健康に良いことは理解してもらえるんですが、食べ過ぎたらダメだと思われるてる人が大変多かったのも理由です。例えば、太る、糖分が多いので血糖値が高くなり糖尿病になる、身体が冷える…等です。
私は「健康な人なら、少々食べ過ぎても大丈夫ですよ!」と言いたいのはやまやまでしたが、実際のところ私自身、食べ過ぎて一体どうなるのかわからない(笑)。なぜなら、誰もそんな実験をしたことがないからです。つまりエビデンス(実証)がないんです。
他の物も食べていては、果実以外の影響かもしれない。また一体、フルーツをたくさん食べた場合、人間の体にどういう反応が起きるのかを誰かが調べないといけない。私も科学者、研究者のはしくれです。じゃあ私がやってやろう、自分の身体を実験台にしてやってみようと思ったたわけです。ちなみに7年間、添加物を摂っていないので、日本で最もきれいな体かもしれません(笑)。
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本当にどんどん痩せていきます!
−誰もやったことのないことを確かめるために、自ら実験台になる気持ちはどうですか?
中野 私には師匠も指導してくれる先生もいません。全くの自己責任。ひょっとして、このことが原因で死ぬかもしれない。なので、死ぬ覚悟で始めたのは事実です。そうして、2009年の3月に、水やお茶も全く飲まず、ただ完全に果実だけを食べる生活を決意し、同年9月より実行に移して今に至っているわけです。完全果実生活を続けて、2500日を過ぎ、9月末で丸7年になります。
−具体的にフルーツしか食べない1日はどんな感じですか?
中野 朝起きて一番の食事は、お腹を膨らませるというよりは、水分を補給し、のどを潤(うるお)すことを目的に、水分が多く含まれるフルーツを取るようにしています。例えば、夏場だとスイカや梨や桃。冬場だとみかんなどです。在宅日か外出日かで、量はかなり変わります。忙しい日は、日中、仕事の合間にフルーツをつまんで食べるだけです。
ちなみに朝食、昼食、夕食という概念はないですね。喉が渇いたり、小腹が空いたら、こまめにフルーツを食べています。あとは、私が「キラフル丼」と呼んでいる、フルーツやトマトなどの果実野菜を細かく切った果実の盛り合わせを食べています。葉野菜や根野菜などは果実ではないので、一切食べません。忙しい日なら1回、終日在宅している時なら2回程度、この「キラフル丼」を食べています。
仕事で外出する時は、ペットボトルの代わりに水分が摂れるようにスイカをカットしたものとか、冬だとみかんを持って外出します。時間がない時はスーパーでカットフルーツを買うこともあります。
−水を全く飲まないのは大変じゃないですか?
中野 確かに大変ですけど、そもそも「純粋に果実だけを食べて、身体がどう変化するのか」を調べる実験をしているわけですから、水分も果実以外、極力入れたくないわけです。先ほどからフルーツと言っていますが、正確に言うと私が口にしているものは、フルーツだけでなはく果実と塩です。
果実というのは植物の実と種の部分のことです。日本では、果実のうち、水分が多めで甘いもの、あるいは甘酸っぱいものをフルーツと呼んでいます。りんご、みかん、柿、スイカ、メロン、いちごなど、スーパーのフルーツコーナーで見かけるものです。また樹木になる果実である、りんご、梅、栗、カシューナッツ、アボガドなどを果物と呼びます。野菜のうちで、トマト、きゅうり、なすびなど果実系野菜は果菜類と呼ばれます。
−そうだったんですね…。実際、その生活を6年間も続けられて、体にはどんな変化が?
中野 まず痩せてきました。フルーツを食べると、太るとか、中性脂肪が上昇するとか言われますが、全く逆です。どんどん痩せていきました。東大教員として勤務していた2003年頃は身長172p、体重が70kgありました。その後、朝食だけフルーツに変え、完全果実食を始めた09年9月28日には体重62.1kgだったので、6年間で8kgほど痩せました。現在は季節による変化はありますが、体重は50弱から54kg、ウエストは60から67cmの間です。ちなみに、血糖値も至って正常です。
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冬眠前の熊の気持がよくわかりました
−特に冬、体重が減って大変だと聞きましたが…
中野 はい、日本の冬は寒すぎるので、体温維持のため体内の脂肪をいっぱい燃やすせいか、夏よりもうんと痩せます。ナッツ類を食べなかった一昨年の冬は、体重が45kgにまで減ってしまい、ウエストも60pを切ってしまいました。この時はさすがにやばいと思いました(笑)。
なので、冬場などはフルーツだけではダメ。栗などで補い、体重維持に努めないといけないことがわかりました。確かに、冬眠する前の熊もどんぐりや木の実をお腹いっぱい食べますよね。そんな熊の気持がよくわかりましたよ(笑)。
−ということは、フルーツを食べ過ぎて太るというのは間違いだと…。
中野 間違いです。私を見ておわかりのように、フルーツだけだと本当にどんどん痩せていきます(笑)。今まで誰もそれをやってなかったから、そんな誤った見方がみんなに広まってしまったんだと思います。あと、冬は痩せて大変なんですが、逆に夏の暑さには強くなりますね。こまめに水分の多いフルーツを食べているせいか、暑くて体の調子が悪くなるとか熱中症のような症状は一切ないです。
★この続き、さらなる完全フルーツ食の驚くべき効果は明日配信予定の後編にて!
(取材・文・撮影/日野和明)
■中野瑞樹(なかの・みずき)
和歌山県出身。子供の頃に観た『野生の王国』(TBS系列)がきっかけで砂漠緑化の研究者を目指し、京都大学農学部に進学。在学中にアメリカ国立海洋大気局にて客員研究員として従事。01年から4年間、東京大学工学部(経営工学系)で教員勤務。04年よりフルーツの魅力を伝えるべく、フルーツセミナーを開始。09年9月からフルーツ中心に果実だけの食生活実験を始める。現在、「身体を張るフルーツ研究家」「フルーツの伝道師」「現代の木食」として、講演や研修など多方面で活動中。最新情報はブログにて http://ameblo.jp/fruit-mizuki/
http://wpb.shueisha.co.jp/2016/09/21/72199/4
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