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医師の9割が救急車の有料化を支持 なぜ効くのかを説明できない製品は消えていく なぜ、正露丸は効くのですか
http://www.asyura2.com/16/health18/msg/192.html
投稿者 軽毛 日時 2016 年 11 月 17 日 00:13:29: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

医師の9割が救急車の有料化を支持

医論・異論 from 日経メディカル

医師3879人に聞く「救急車の有料化に賛成?反対?」
2016年11月17日(木)
大滝 隆行=日経メディカル

 救急車を要請した事案の多くが軽症患者だとして昨年、国の財政制度等審議会が救急車の一部有料化を検討するよう財務相に提言したことが話題になった。地域医療の第一線で日夜救急患者を受けている医師たちは、救急車の有料化についてどう思っているのだろうか。Webアンケートで聞いてみた。

 「軽症」をどう線引きし誰が判断するかは今後の課題だが、アンケートでは次の3つの選択肢を用意し、自身の考えに近いものを1つだけ選んでもらった。

(1)救急車を要請した事案全てに料金を請求すべき
(2)搬入後に軽症と診断された場合は料金を請求すべき
(3)救急車は有料化すべきではない

図1 救急車の有料化について、どう思いますか?

図2 救急車の利用1回当たりの患者負担額はいくらが妥当と思いますか?

 回答した3879人の医師のうち、47.6%の医師が「救急車を要請した事案全てを有料化すべき」と答え、「搬入後に軽症と診断された場合は料金を請求すべき」とした39.0%を合わせると、約9割の医師が救急車の有料化を支持している実態が明らかになった。(図1)。

 また次の設問では、救急車の有料化を支持している医師に対し、救急車の利用1回当たりの患者負担額はいくらが妥当か尋ねたところ、1万円以内とする回答が大半を占め、中でも5000〜1万円の負担が妥当とする意見が最も多かった(図2)。

●救急車の有料化に賛成

・不適切な利用は有料化以外には解決しないと考えます。(40代勤務医、呼吸器外科)

・安易にタクシー代わりに利用するケースが多い。(50代勤務医、代謝・内分泌内科)

・かぜ程度の病気であるのにタクシー代わりに救急車を頻繁に利用する患者がいるから。(60代勤務医、整形外科)

・以前からだが、簡単に救急車を呼び過ぎ。ひどい患者になると待つ時間がイヤで呼ぶケースも。有料にしないと改善しないでしょう。(40代勤務医、その他の診療科)

・タクシーと同程度の費用は請求してもいいのではないか(保険外で実費で)。1日に数回、毎日救急車でくるような患者も実在する。(50代勤務医、小児科)

・診察や治療を受けたら料金を支払うわけで、救急車にも料金が発生しても問題ない。(30代勤務医、麻酔科)

・救急車の不正利用があまりにも多いと現場で感じる。せめて100円でも請求すれば、不正利用を減らせるのではないか。(30代勤務医、精神科)

・1000円以下の負担ではタクシー料金よりも安くなるのでダメ。ほんとに生命のかかわるものであれば3000円でも安く感じるはず。「有料化すべきでない」という人の気が知れない。 (50代開業医、整形外科)

・実際に東京ルール病院で救急車を受け入れていたが、明らかに搬送不要な案件でも運ばれてきた以上診察義務が発生する。特に夜間は医療スタッフの数は限られており、本当に重症な患者の診療の妨げになっていた。どのようなときに救急車を呼べばいいか、繰り返し言っても理解できない患者がいる以上、このような現状に対処するには有料化は避けられないと思う。(20代勤務医、その他の診療科)

・必要なら有料でも利用するはず。(30代勤務医、神経内科)

・素人判断は困難なのかもしれないが、無料だからと安易に救急要請されている事例が多過ぎ、勤務医疲弊の一要因になっている。救急医療も含めて、なにかあると医療に責任を負わされるのであれば、しっかり体制づくりをして医療が大変な思いをしている分は、適性な対価を要求すべき。今のボランティア精神にたよる救急医療は先進国でまれにみる貧弱な体制で、善意だけに頼るのは医療崩壊の原因となりうる。(50代勤務医、消化器内科)
●救急要請全事案の有料化を

・ぜひ有料化してほしい。本当の急患からタクシー代わりに来る患者まで全てに請求すべき。世界的に見て、無料で搬送するのは時代に遅れているようだ。当直医夜間医師のストレスを分かってほしい。(50代勤務医、整形外科)

・安易な理由で救急車を要請する事案が多過ぎます。軽症と診断された場合に請求するとなると、現場に対する圧力や危害が及びかねないので、一律に有料とした上で後日返金可能かどうかを検討すべきだと思います。(30代勤務医、一般内科)

・救急車の搬送後の救急医療にお金が掛かるのですから、救急車による搬送が無料である必要はないと思います。軽症だけ有料というのは、軽症か重症かの判断を救急隊員もしくは医師にさせるものであり、誰かの負担が大きくなるのでやめてほしいです。(40代勤務医、呼吸器外科)

・確かに重症者・重傷者まで料金を徴収するのは申し訳ないような気もします。しかし、それが救急車が必要な病態であったか否かを誰が判断するのか? 受け付けた医者ということになればまた様々な圧力に悩まされることになります。であれば一旦は全症例で課金するしかないのではないでしょうか。(50代勤務医、一般内科)

・重軽症の判断はあくまで来院時のものであり、軽症のみを有料とすると重症化する疾患の早期受診を妨げ、係争の原因となることもあるため、一律に有料化するのがよい。(50代勤務医、小児科)

・救急車で受診しようが自力で受診しようが診療は有料である。区別する必要はない。搬入後に軽症と診断した場合に有料とすると医師が責任を問われるのは目に見えている。医師を矢面に立たせるべきではない。シンプルイズベストである。(50代開業医、総合診療科)

・諸外国では有料が当たり前。日本だけが無料を貫くべき理由などない。救急医療体制の制度設計には税金を投入すべきだが、1件1件については重症度に関係なく受益者負担の要素を取り入れてよいだろう。同時に諸外国と同様、救急車搬送費用をカバーする医療保険の販売も認可する必要がある。(40代勤務医、救急科)

・搬入後に軽症と診断された場合は料金を請求すべき、とした場合には、救急受診患者が医師に軽症でないと診断するように圧力を掛けたり、重症感を出すためになかなか帰宅しなかったりと、医師側の負担増大のリスクが高い。また、軽症と診断された場合とあるが診断の詳細は、きっと行政側から医師側に丸投げされて責任とともに押し付けられる可能性が高い。(50代勤務医、一般内科)

・ほとんどの救急搬送が医療の必要性よりも運ぶ手段、言い換えればタクシーとして利用されている。自分で来院している患者との差別化するためにも有料化は絶対に必要。重症度や緊急度は非常に曖昧であり、線引きが難しい。入院を基準にするとむやみに入院させるよう要望が来て、病院も診療報酬が増えるため抑制しなくなる。よって一律で料金を課すべき。(30代勤務医、総合診療科)

・救急の場で、軽症かそうでないか(救急車代が無料か否か)医者が決めることになると、必ず「どうして軽症といえるのか」と担当医に食って掛かる人が出てきます。全症例について一旦は料金を徴収し、(重症なら当然入院するので)退院時に清算できるようにすればよいと思います。乳幼児の医療費無料化についても同様で。夜間・休日だけは、いったん定額を徴収し、(時間外に受診するほどの病状なら当然再診させるので)その再診の会計時に清算させて、医療はただではないことを認識してもらった方がよいと思います。経済学分野から、「医療無料化がコンビニ受診を助長している」という論文が出ています。 (40代勤務医、小児科)

・軽症、重症の判断はいったい誰が行うのでしょうか。恐らく医師になると思いますが、トラブルに巻き込まれるため、反対です。全て有料化するしかないでしょう。救急車を使って、救急病院へ行っても、保険診療分がただになるわけではありません。(50代勤務医、一般内科)

・有料化を「軽症と診断された場合」にしたいですが、軽症の判断が難しく絶対に問題になるので、全部有料にした方がよい。(50代勤務医、小児科)

・無尽蔵に救急要請が増加する中、今後もさらにこの傾向は続くと予想されている。この制度を維持するため、重症、軽症を問わず料金を聴取することが望ましい。一刻も早く開始すべきだろう。このままではいずれパンクする。(60代開業医、一般内科)
●軽症など一部の救急車有料化に賛成

・入院した場合などは返金すればいいと思う。タクシーで来院するように指示しても無料だからと救急車をよく使用する患者が以前いた。ただ、返金を担当医師が判断するともめるので入院した場合に限り返金などルールが必要と思われる。(30代勤務医、その他の診療科)

・救急車は一時負担で、のちに申請して償還払いでよいので、必ず一度は財布からお金を出すようにするべき。無料のタクシー的な発想の利用者が少なからず存在する。個人的には「当該患者において適切な使用であり無料と判断する」権限を医師に持たせてもよいのではないかと思う。(30代勤務医、耳鼻咽喉科)

・遠方だと、タクシーで1万円することもあるので、救急車は1万円以上にして、高額療養費に充てられることにすれば、入院治療が必要な場合は問題なくなると思います。(30代勤務医、精神科)

・救急車利用が適切であったか否かの判断については、直接対応した人間に対する利用者からの圧力や逆恨みを避けるために、第三者が行うのが望ましい。重症度以外に、患者の障害度移動などの判断基準を設ける必要がある。生活保護の患者の中に、何をするにも無料であるからという考えが背景にあるかと思われる、目に余る行動をとる人間がいる。生活保護の患者からも等しく徴収することが重要である。(40代勤務医、神経内科)

・以前月曜日の朝、当院産婦人科に予約が入っている患者が救急車で搬送され、特に症状の訴えはありませんでした。大丈夫と言って、さっさと歩いて婦人科外来に行きました。まるで、救急車をタクシー代わりに使ったとしか言いようがありません。救急医療体制を維持する上で軽症例の有料化は必要です。(50代勤務医、一般外科)

・有料化となれば軽症であっても自家用車で無理矢理来院する症例も増えるはず。よって、ある程度の基準を作成し来院後軽症と判断された場合には有料とする方がよいと思われる。この場合、必要以上の“気軽な”救急要請を抑止することが目的であれば、ある程度の高額にしなくては意味がない。(50代勤務医、呼吸器外科)

・基本は例外なく課金すべきと考えます。重症であったり、DOAである場合は、後から返金するような形が望ましいかと思います。(40代勤務医、一般内科)

・支払い能力があって、タクシー代わり、あるいは「混まずに診てもらえる」などと考える人たちには大病院の紹介状なしの料金ぐらい払らってもらうのが妥当と思います。むしろ問題なのは、どういう制度にしても支払わない人々(結局未収になる)がいることです。医師法・医療法を盾に、結局正直者がバカをみるようなシステムになっているようにも思います。(60代勤務医、一般内科)

・救急搬送1回当たり実際には数万円の費用がかかっており、税金で支払われている。医療費でさえ原則3割負担であることから、少なくとも一定額の負担を原則とすべきである。(50代その他、一般内科)

・軽症患者の救急車使用を減らすために有料化は行った方がいいと思う。待ち時間が嫌で救急車を利用したり、タクシー代わりに使用することが増えていると実感しているので。(30代勤務医、小児科)

・タクシー代わりに使用する患者を排除すべきである。軽傷の定義は国が示すべきである。(50代勤務医、消化器外科)

・救急車を適切に利用されている方がほとんどなのかもしれませんが、最近、安易にタクシーより安いから利用しているように見受けられる方が急激に増えているように思います。公平性の観点からも有料化を考えるべきと思います。だたし、重症患者の受診をためらわすことがないように、実際の運用時に、料金を請求するのは確信犯的に軽症での利用を繰り返す方などに限定する方向で考えるべきと思います。(40代勤務医、眼科)

・実際、深夜の救急外来に来る患者は、救急車をタクシー代わりに使っている者がほとんど。緊急手術が必要になる症例は年1〜2例程度である。なので、昼間独歩で受診できるような軽傷者は有料にすべき。(50代勤務医、眼科)

・少なくとも移動手段としてのコストは請求すべき。(40代勤務医、呼吸器外科)

・不要不急に応じていた場合、緊急を要する患者さんに対応出来なくなり救急車の意味が無くなる。出来るだけ軽症・自家用車のある場合は控えてほしい。(70代以上勤務医、小児科)

・かかりつけ医が徹底されれば、救急車搬送の判断がまず主治医により検討されるので、その場合は有料化は考慮しなくてよい。それなしで救急車を呼び搬送された場合には、軽症であれば料金を要求する仕組みとなるのがよいのでは。軽症化否かの判断が難しいかもしれないが。(60代勤務医、脳神経外科)

・「結果として軽症であった」と「明らかに軽症である」の区別が問題と思いますが…。(50代勤務医、整形外科)

・単純に有料化すべきではないが、一部料金の負担や要請の必要度の検証など安易に呼ばないシステムが必要。(60代勤務医、消化器内科)

・中途半端に安ければ、田舎の深夜とかだとタクシー使うより安くて早いので抑止力にならない。軽症判断を基準にすれば、判定する医師に対する患者側からの要求や圧力、入院要請等、現場への負荷がさらに増える上、下手すれば軽症判定された患者からの恨みやこれに伴う危害等にも発展しかねない。あくまで、医療現場に判定根拠を求めるべきではなく、所得に応じての役所での全額か一部返還請求等で対応してもらいたい。(40代勤務医、放射線科)
●救急車の有料化に反対

・救急救命士の責任が重くなるので有料化すべきではない。(50代勤務医、救急科)

・有料化は医療に対するアクセス性の低下を招くことを意味する。財政のためにアクセス性を犠牲にするのも辞さない、という覚悟の下で導入するのであれば一つの方法論と言える。(40代勤務医、循環器内科)

・有料化することにより、どの程度不必要な救急車事例を減らすことになるか、疑問です。(60代勤務医、小児科)

・患者さんには軽症か重症かは判断できない。救急車の使用を制限する有料化は反対です。(60代勤務医、一般内科)

・医師の判断で、有料か否かが決まるような制度では、受付事務の方や更には医師にクレームがついて救急外来が回らなくなることは明白だと思います。(30代勤務医、その他の診療科)

・反対である。無駄な救急車依頼を減らすための教育こそなされてしかるべき。(50代勤務医、一般内科)

・救急の必要性が問われているが救急の減少で一番困るのは医者本人である。収益が減少するので。このことも及びつかずに目先の仕事の減らしを必要性にすり替えて論じると自分の首を絞めるだけ、単純な事すら分からない医師が多過ぎる。(50代勤務医、整形外科)

・有料化されたら、道で倒れている人を助けて救急車を呼んだ場合など支払いが問題になる。(40代開業医、循環器内科)

・非救急であるにもかかわらず救急車を利用する一部の不心得者を無駄に救急搬送する事例があったとしても、圧倒的多数の善意の救急車利用者に負担を求めるべきではない。(50代開業医、脳神経外科)

・救急車を要請した時点では軽症患者と判断・断定すること困難〜リスキーである。しかし「花粉症の症状がひどくで救急車を呼んだ」(自身が当直医であった時に経験)など明らかな救急搬送の非適応例は、救急要請の時点で搬送を断るべきと思う(救急搬送非適応例の明文化が必要)。(50代勤務医、一般内科)

・有料にすると安易にタクシー代わりに利用するケースが増える可能性が高いのでは? また、軽症と判断された症例が後に重症な病気の診断となる可能性もあり得るが、料金を課すとますます問題が大きくなる。(50代開業医、一般内科)

・救急は社会のsafety netであり、undertiageは限りなく減らすべきである。そういう意味で有料化はすべきではない。救急車で来た患者もきちんとtriageし、待てるようなら待たせることにすればよい。また緊急性はないが、高齢で動けないからといった理由での救急要請には救命士1人+消防隊員2人などのstep down ambulanceなどを作るのもよいのではないかと思う。車両も簡単化してコスト減を測れるであろう。(50代勤務医、救急科)

・基本的には有料化すべきでないと思うが、頻回に使う人については、有料化を考えてもよいと思う。(60代その他、整形外科)

・有料化すべき性質のものではない。ただし明らかに自分で病院に行けるような患者は搬送すべきではない。(60代勤務医、一般内科)

・それよりも一般市民の認識を変えるように、毎朝毎夕軽症で救急車を呼ぶなとマスコミが言えばいい。頭の中が変わらなければ何をしたって一緒。有料化したって結局呼ぶ人は呼ぶし、そういう人は平気で利用料を踏み倒す。(40代勤務医、一般外科)

・軽症と考えられて帰宅させたが死亡したなどの医療事故の問題が起きており、軽症と思ってもそうでない場合があり、安易な判断は危険だと思います。ただし、小さな切り傷で救急要請するなどの明らかな軽症の場合は、搬送を断ってもいいと思います。(40代勤務医、脳神経外科)

・救急車の半分以上は本人が要請していないケースである。これに対して負担を請求されたらトラブルになる可能性がある。最終判断を医師にゆだねると、医師に苦情が来る。(40代勤務医、救急科)

・本当は有料化してほしいところですが、金がない人が我慢して呼ばない問題と、金払っているからいいだろと開き直り乱用し続ける人が増える問題が予想されるので、無料化と啓蒙しかないかなと思う。担架対応(部屋から乗車の担送含む)介護タクシーの普及を期待したい。このためそれほど重症でなくても救急車を利用せざるを得ないケースも結構ある。(50代勤務医、消化器内科)
<調査概要> 日経メディカル Online医師会員を対象にウェブアンケートを実施。期間は2016年10月24〜30日、回答数は3879人。回答者の年代の内訳は、20歳代93人(2.4%)、30歳代653人(16.8%)、40歳代1105人(28.5%)、50歳代1424人(36.7%)、60歳代542人(14.0%)、70歳以上62人(1.6%)。
この記事は日経メディカルに2016年11月16日に掲載された記事を一部改編して転載したものです。内容は掲載時点での情報です。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/030200012/111600021/01.jpg
このコラムについて

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なぜ効くのかを説明できない製品は消えていく

トップリーダーかく語りき

大幸薬品社長 柴田高氏に聞く(前編)
2016年11月17日(木)
日経トップリーダー
ラッパのマークの胃腸薬「正露丸」でおなじみの大幸薬品。4代目社長の柴田高氏は外科医でもある。科学的な視点を持つ経営者が正露丸という伝統薬にどう向き合い、どのように会社を変えようとしたのかを聞いた。
柴田社長は外科医でもいらっしゃるそうですね。

柴田:私は向上心が旺盛な三男坊で、2人の兄を常にライバル視して、対等に、場合によっては追い抜くつもりでやってきました。ですから父に対して、私も家業の一翼を担いたいという話を、小学校のときにしたことがあります。

 すると、老舗企業に兄弟が多いのはもめ事のもとだから、おまえは別の道を行けというようなことを示唆され、では何になろうかと考えたときの選択肢の1つが外科医でした。小学校の卒業文集には「医者になって厚生大臣になって一生を終える」といったことを書いています。ですので、正露丸で稼いだ父のお金で、医学部を卒業したのです。

 そして外科医をしながら、山崎豊子さんの小説『白い巨塔』のモデルとなった大阪大学第二外科の神前(こうさき)五郎教授の門戸をたたいて入局しました。医学研究や臨床をしながら、父や兄の会社が未来永劫まで繁盛するために何らかの形で手伝えることがないかと、この頃は考えていました。


しばた・たかし 1981年、川崎医科大学卒業。医師免許取得後、大阪大学医学部第二外科に入局。大阪府立千里救命救急センター、市立吹田市民病院外科に勤務後、87年大阪大学医学博士号を取得。大阪府立成人病センター外科医員、市立豊中病院外科部長を経て、98年大幸薬品取締役に。副社長を経て10年6月、社長に就任。11年7月、日本二酸化塩素工業会会長に就任。(写真=大亀京助、以下同)
飢饉のエチオピアで“なぜか”正露丸が効いた

正露丸がなぜ効くのか、その解明にも柴田社長は関わっていますね。

柴田:大阪大学医学部で、私が最初に研修に行ったのは千里救命救急センターでした。1980年代半ばにエチオピアで飢饉が起きたとき、このセンターからは所長以下、医師や看護師が医療支援に出かけています。

 その所長さんが帰ってこられて「正露丸ってすごい薬や。何で効くんや」と質問されました。私はそれまで、正露丸がなぜ効くのか習ったことがありません。薬理の教科書にも載っていませんから、思いつきで「(正露丸の主成分である)木クレオソート(もくクレオソート)は消毒剤みたいなものだから、おなかを消毒するんじゃないですか」と答えました。すると次の質問は「消毒剤を飲んで、すぐに腹痛が治まるというのは説明がつくのか」というものでした。

 私はこのとき、この質問に答えられなければ、大幸薬品も正露丸も消えゆくと気付きました。

 もともと、正露丸には発がん性があるのではないかという疑義がありました。日本人に胃がんが多いのは、国民が正露丸を飲むからだと発表された大学の先生もいました。ただ、欧州でも米国でも、抗生物質が普及するまでは樹木を炭化させて作った木クレオソート剤が大ヒット商品として市場にありました。その木クレオソートと、石炭から作ったクレオソートが誤認混同され、クレオソートという1つの言葉で表現されてしまっていました。ですからそこをはっきり区別しなくてはならないのですが、欧米ではそれができず、その結果、薬局から木クレオソート剤は消えていきました。

 木クレオソートの安全性と有効性を明確にしない限り、日本でも正露丸は消えゆく薬になってしまいます。そこで、当時社長であった父に作用メカニズムを明確にすることを提案し、私の研究仲間でもあった緒方規男先生に大幸薬品の顧問になっていただいて、木クレオソートの作用メカニズム解明のプロジェクトを立ち上げていただきました。

なぜ、正露丸は効くのですか。

柴田:薬理効果としては、身体の中の塩を外に出さないというものがあります。コレラや赤痢にかかって下痢の原因となる物質や病原体が身体の中に入ると、過剰反応が起こり、身体から塩が出て、脱水になって死に至ります。木クレオソートには、その排出のバルブを閉める作用があります。下痢に効くというのは、腸の中の水分をよく吸収するからです。それで、便が硬くなる。

 歴史をひもとくと、日露戦争のとき、行軍に際して健康な大人に1日3回、1粒ずつ正露丸を飲ませています。こうすると、少ない水筒の水で何キロも歩けて、脱落者が少なかったのです。今でも、暑くなって汗をかいて水分を取りきれないと脱水になりますが、こういうときもちょっと飲んでいただければ、次に起こる病気を予防できる可能性があります。

 こういったことを示すデータを提出できていなかったので、日本薬局方でも化学物質扱いされて、誤解されていました。それは海外での販売の大きな障壁にもなっていたので、医薬品医療機器総合機構(PDMA)に出向いて、これは天然の木から採った生薬に近いものだとお話をして、書類を提出して、2年前の2014年に正式に生薬となりました。


正露丸は中国、台湾、マレーシアなど海外展開にも力を入れる
正露丸の海外展開にも力を入れる

 ただ、まだまだ正露丸には「飲むと腸内細菌が死ぬ」などという誤解があり、払拭されていませんので、今後も正露丸の価値を、科学的に検証して上乗せしていきます。情報を正確に伝えれば、市場活性化の可能性は十分にありますし、日本の人口が減っても、アジアや北米など、海外市場を伸ばすことはできます。

海外展開について教えてください。

柴田:現在、中国大陸、香港、台湾、マレーシア、ベトナム、タイ、韓国、それから米国とカナダでレギュレーション(規制)に則って輸出販売しており、中国大陸と香港でかなり売れています。ただ、本格的なマーケティングなどは始めていません。20年ほど前に挑戦したのですが、製品が高すぎるということで失敗しました。なのでもう一度優先順位を決めて、海外提携を進めていきたいと思っています。

大幸薬品は、伝統型の会社からサイエンス型の会社にシフトしているように見えます。

柴田:大幸薬品は、ないと困る製品を作り続け、ないと困る会社を目指しています。これは、オリジナリティーを追求すること、価値を追究すること、それから私の座右の銘でもある真理の探究を行うことです。

 なぜこうなるのかという疑問が生じたとき、見逃さずに目を向けて探究をする。そうすると、家庭薬や伝統薬に、薬効やエビデンスが見つかる可能性があります。

 今、科学的に設計図を書いて、これにはこの薬が効くだろうと合成し、いざ治験を行ったら副作用が強すぎるという例がいくつもあります。むしろ市場原理の中で消え去った過去の薬の中に、大きな宝があるように思います。

ところで、柴田社長が大幸薬品に入社した当時、社内の雰囲気はどのように目に映りましたか。


柴田:正露丸を作ってテレビコマーシャルさえすればどんどん売れる時代で、人の入れ替わりもない、安定的な会社でした。ですから、私が何か新しいことをしようとするとたいていの人は「ダメだろう」と言いました。何せ、正露丸以外で利益が出たことがなかったわけですから。そこで私が主体的に動いて、新しい商品が売れ出したら、みんな、目の色が変わりました。

 それから、会社を次のフェーズに持っていくには、上場が大きなベンチマークになります。

 病院は縦割りで、看護師は医師の直接の部下ではありません。ですから、いろいろな軋轢があります。ところが、病院機能評価という外部機関によるチェックがあると、急に協力的になります。

 企業が上場するのは、外部審査が入ることですから、意識が変わります。言ってみれば上場は、会社のお受験です。それを目指すようになれば受験勉強をするようになり、それまでの慣習はまかり通らなくなり、レベルが上がります。

医師になることはゴールではない

医師と経営者に共通点はありますか。

柴田:臨床は人の心と向き合いますし、我々の製品は最終的に顧客の心に訴えかけますし、いかにその心を察知して満足度を上げるかという点は、診療に似ています。また、経営判断は、研究開発の意思決定、問題解決のプロセスと同じです。

日本では医師による起業がまだまだ少ない状況です。

柴田:それは、勉強ができるから医者を目指すという人が多いからです。ゴールが医者になることで、その後、思考停止になる。臨床研修指導医をやっていた頃、研修医に「これから何をするんですか?」と聞いても、答えられる人はなかなかいませんでした。しかし、公務員であれば50歳前後で、自分で選択しなくてはならない場面がやってきます。ですからその前に、目指すのは教授なのか、院長なのか、開業医なのか、研究者なのか、起業なのか、考えておきなさいと話しました。

 私は幸いなことに、医者になる前から大幸薬品のことを考えていましたから、方向転換をしてもそこそこ回っているという感じです。(後編に続く)

(構成:片瀬京子、編集:日経トップリーダー)

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トップリーダーかく語りき
自ら事業を起こし数々の試練を乗り越えて一流企業に育て上げる。引き継いだ会社を果敢な経営改革で躍進させる――。 こうした成長企業のトップはどう戦略を立て、実行したのか。そして、そこにはどんな経営哲学があったのか。日経トップリーダー編集部が創業経営者やオーナー経営者に経営の神髄を聞く。
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