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捏造事件に騒然! ネイチャー論文に画像加工疑惑  捏造を指摘した研究者コミュニティと素通りさせた当事者の構造 
http://www.asyura2.com/16/health18/msg/722.html
投稿者 うまき 日時 2019 年 3 月 06 日 14:53:38: ufjzQf6660gRM gqSC3IKr
 

捏造事件に騒然! ネイチャー論文に画像加工疑惑
捏造を指摘した研究者コミュニティと素通りさせた当事者の構造
2019.3.6(水) 小谷 太郎
なぜ論文の捏造は止まらないのか。
(小谷太郎:大学教員・サイエンスライター)

 先日2019年2月20日、科学誌『ネイチャー』が1篇の論文の撤回を発表しました。

 2018年9月5日に発表されたこの論文は、脳腫瘍(しゅよう)の免疫療法を開発したと主張するもので、これが本当なら何万もの患者を救う朗報です。開発の主役は、「エジプト小児がん病院57357」のヘバ・サマハ氏という女性研究者です。

http://jbpress.ismedia.jp/mwimgs/3/1/300/img_3156cc327c525118c8b338ed412af10512602.jpg
筆頭著者のヘバ・サマハ氏(左)と、共著者のひとりのナビル・アーメド博士(右)。 By courtesy of Baylor College of Medicine.

 しかし発表から6週間後、この論文への疑惑があるサイトに投稿されました。画像がコピペと加工で作られているというのです。加工の指摘はあちこちから相次ぎ、論文の画像のほとんどがフォトショップを駆使した「労作」であることが明らかになってしまいました。

 指摘を受けた共著者たちは論文の撤回に同意しましたが、ひとりヘバ・サマハ氏だけは同意しませんでした。

 この何だかどこかで見たような事件は終わったわけではなく、まだ調査が進行中です。

 小保方晴子元理研ユニットリーダーによるSTAP細胞事件から5年経った現在、科学という業界は捏造論文にどのように対処しているのでしょうか。STAP細胞騒動の教訓は果たして生かされているのでしょうか。

がんの免疫治療とは
「免疫治療」はがんの新しい治療法として期待されています。さまざまな手法が提案されていますが、その基本は、体内の免疫細胞(キラーT細胞など)にがん細胞を攻撃させる、というものです。

 異常をきたした細胞は、多くの場合、体内の免疫機構に感知され、攻撃を受けて殺されます。けれどもがん細胞は、免疫機構の攻撃を免れる何らかの術(すべ)を身につけています。そのため、体内でぬくぬくと増殖することができ、病変を引き起こします。体内で絶えず発生する無数の異常細胞のうち、そういう術を獲得した細胞だけががん細胞になれるのです。(がん細胞は、アポトーシス(細胞の自殺)機構を無効にするなど、他の条件もいくつか満たさなければなりません。)

 免疫機構を無効にするがん細胞の術を、さらに無効にするのが免疫治療です。

 その方法のひとつは、薬によって、がん細胞が免疫機構の抑制に利用する分子を阻害するというものです。この手法を開発した本庶佑・京都大学高等研究院特別教授とジェームズ・アリソン「アンダーソンがんセンター」教授は、2018年のノーベル医学・生理学賞を受賞しました。

ヘバ・サマハ氏の脳がん免疫治療法
 2018年9月5日、本庶特別教授とアリソン教授のノーベル賞受賞の少し前、また別の免疫治療法がヘバ・サマハ氏らによって発表されました。

 ネイチャー誌(9月20日号)に掲載された『治療用T細胞を標的の脳腫瘍に誘導する方法』という論文(現在は撤回)*1は、「グリア芽腫」などの脳腫瘍に有効だといいます。

*1:https://www.natureasia.com/ja-jp/nature/pr-highlights/12676

 脳腫瘍は免疫治療が困難な種類のがんです。

 脳は体内で特別厳重に守られている場所で、たとえ細菌やウイルスに体が冒されているときでも、たいていの細菌やウイルスは脳に侵入できません。血液に潜入した病原体が脳内に入ろうとしても、血管と脳細胞を隔てる「血液脳関門(blood-brain barrier)」というたいへん格好いい名前の壁に阻まれます。体内で細菌やウイルスが暴れまわり、体がせき込んだり腹を下したり発熱したりしていても、脳は(たいていの場合)無事です。

 このバリアーは細菌やウイルスを防ぐばかりでなく、キラーT細胞などの免疫細胞も普段は通しません。そのため、脳腫瘍に免疫細胞が到達できず、免疫治療が難しいのです。

 ところがサマハ氏の開発した「誘導攻撃システム(Homing System;HS)」は、脳腫瘍を攻略可能です。

 サマハ氏の手法では、キラーT細胞を取り出し、遺伝子操作を施して誘導攻撃用に改造し、体内に戻します。すると、改造キラーT細胞はHS-CD6という改造タンパク質分子を用いてバリアーにくっつき、自分の体をめりめりと変形してバリアーの隙間に押し入り、改造抗原レセプター分子を用いてがん細胞を捕まえ、攻撃します。なんだかどこかのキャメロン監督映画の戦闘シーンのようです。

 発表によれば、この誘導攻撃システムの改造キラーT細胞は、すでにマウスの脳腫瘍の治療に成功したといいます。これがヒトにも応用できれば、治療の難しい脳腫瘍に苦しむ何万もの患者が救われるでしょう。

画像加工発覚
 発表から6週間経った2018年10月18日、「PUBPEER」というインターネット掲示板に、この論文への告発*2が投稿されました。

*2:https://pubpeer.com/publications/D569C47E7BE09AD9D238BA526E06CA

 PUBPEERは科学論文を話題とする主に研究者向けの掲示板で、ここへは捏造の指摘が時おり投稿されます。(STAP細胞論文の際も、発表の1週間後にはこのサイトで図の加工が指摘されました。)

 しかし今回指摘された、サマハ氏の論文の画像加工は、実に驚くべき量です。百聞は一見にしかず、下のリンクをいくつかクリックして御覧ください。

https://images.pubpeer.com/qD7vz2qpJxgDhSDAZYDIUmGtxdXXJ1tC-bZyQJOcRh8/resize:fit:705:705:0/aHR0cHM6Ly9wdWJwZWVyLmNvbS9zdG9yYWdlL2ltYWdlLTE1Mzk2NjM0NjY1MTAuanBn.jpeg

https://images.pubpeer.com/XYc_HXDnnRV6KS2jrFP1hEmKJkrMTzloJBjxbkT7GKI/resize:fit:705:705:0/aHR0cHM6Ly9wdWJwZWVyLmNvbS9zdG9yYWdlL2ltYWdlLTE1Mzk2NjM0OTQyNDkuanBn.jpeg

https://images.pubpeer.com/VDRP2N6K-SP2idmzIYyVh-gRh4oRUvI7OHBij28Jn2k/resize:fit:705:705:0/aHR0cHM6Ly9wdWJwZWVyLmNvbS9zdG9yYWdlL2ltYWdlLTE1Mzk2NjM0OTY4NzYuanBn.jpeg

https://images.pubpeer.com/pY9wrjXFJ7TbT_LeZELtQ8hzI9NVhJlw79fOpiNTeXU/resize:fit:705:705:0/aHR0cHM6Ly9wdWJwZWVyLmNvbS9zdG9yYWdlL2ltYWdlLTE1Mzk2NjM0OTk1MjAuanBn.jpeg

https://images.pubpeer.com/awnu0xBTDXkqPAdOPcyWBJo8b8Pgr63EpSIVzq6Iiz0/resize:fit:705:705:0/aHR0cHM6Ly9wdWJwZWVyLmNvbS9zdG9yYWdlL2ltYWdlLTE1Mzk2NjM1MDI2NzAuanBn.jpeg

https://images.pubpeer.com/0glledLd6kKRu2isL9fNVslcF0DkeJX4THHR3rUSJ10/resize:fit:705:705:0/aHR0cHM6Ly9wdWJwZWVyLmNvbS9zdG9yYWdlL2ltYWdlLTE1Mzk2NjM1MDUyNTcuanBn.jpeg

https://images.pubpeer.com/8C-nAiLuASn9vSQw8sbHzOgEmIOfwYFkBm-DqyhkyHQ/resize:fit:705:705:0/aHR0cHM6Ly9wdWJwZWVyLmNvbS9zdG9yYWdlL2ltYWdlLTE1Mzk2NjM1MDc3MzEuanBn.jpeg

 御覧のとおり、誘導攻撃論文の図は、ほとんどがコピペと切り貼りでできています。それも、同じ論文中のすぐ隣の図からのコピペです。よく言えば大胆不敵、悪く言えば稚拙(ちせつ)で杜撰(ずさん)です。隠そうとする意志すら感じられません。(筆者は学生のレポートを採点して、写しやコピペを見つけたこともありますが、ここまでひどい例はちょっと思い出せません。)

 画像加工は上記で全部ではありません。この指摘を皮切りに、PUBPEERにはこの論文の画像加工の指摘がどんどん集まりました。もう無事な図はほとんど残ってないありさまです。

 騒動を受けて、ネイチャー編集部は2018年10月25日に、この論文のデータは批判を受けていて、現在調査中であると注意喚起しました。

 2019年2月20日、共著者の同意に基づいて、論文は撤回されました*3。共著者のうち、サマハ氏だけは撤回に反対しました。

*3:https://www.nature.com/articles/s41586-019-0967-z

まとめと提言
 この事件の全容はまだ解明されたわけではありませんが、この時点で推測できることを述べておきます。

1.これは高い確率で、ヘバ・サマハ氏による画像加工であり、科学論文における不正行為でしょう。画像の取り違えやデータ処理のミスは考えにくいです。

(発覚後、捏造者たちは口をそろえて、捏造ではなく単なる取り違えやミスであり実験結果は本物だと主張しますが、本物のデータや試料を提出することができません。)

2.科学論文の捏造のほとんど全てのケースは、「単独犯」によるものです。今回も、おそらく共著者や共同研究者や研究機関は「無罪」でしょう。

(もしも共著者が途中で不正行為に気づいたら、行為に荷担するよりも、共同研究をやめて別の論文の共著者になる方が、共著者にとっては合理的な選択です。)

3.このあからさまな画像加工について、共著者や論文査読者や編集部は「指摘されるまで気づかなかった」と答えるでしょう。そしておそらくそれは本音でしょう。

 多くの捏造事件で、共著者や共同研究者は、不正行為や画像加工に気づかなかったと述べます。それにはふたつの理由があります。

 ひとつは、当然のことながら、途中で気づかれたらその論文は発表されないからです。世の中には、共著者や共同研究者によって未然に防がれた捏造事件が多くあるものと推定されます。私たちの目に触れるのは、共著者や共同研究者が気づかなかった不正行為に限られます。

 あからさまな画像加工などに共著者や共同研究者が気づかないもうひとつの理由は、人間には幼稚で稚拙な嘘にころっと騙される性質があるからです。捏造者を天才研究者だと思い込んだ共同研究者や論文査読者は、ありえないような見事なグラフや画像を見せられても、それを疑うことができないのです。STAP細胞事件、ベル研事件、旧石器捏造事件などの数々の例がそれを示しています。

 ただし学術誌の編集部は、投稿論文の不正行為を見抜くことは可能であり、見抜く努力をすべきでしょう。画像加工の機械的なチェックを行なえば、不正行為の多くが検出できます。捏造論文の掲載は編集部の怠慢であり、掲載の責任を取らなければならない、と筆者は考えます。

 提言ですが、学術誌や学術出版社などの編集部は、投稿論文の学術的な査読とは別に、その論文の画像加工や文章の剽窃などの不正をチェックする仕組みを設けるべきでしょう。共著者や査読者は論文が学問的に確かかどうかを保証し、コピペの有無はコピペ発見の専門家が見る分業体制のほうが、捏造論文をリジェクトするのに有効です。学問の専門家に、同時に詐欺や不正についての専門家になるように期待するのは、無理というものです。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55654  

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