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池上無双―テレ東の選挙特番はなぜ面白いのか 
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投稿者 軽毛 日時 2016 年 9 月 15 日 01:43:02: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

池上無双―テレ東の選挙特番はなぜ面白いのか

記者の眼

2016年9月15日(木)
林 英樹

池上彰氏がメーンキャスターを務めるテレビ東京の選挙特番
 今年7月の参院選開票速報を伝えた選挙特番。テレビ東京「池上彰の参院選ライブ」の視聴率は11.6%で、在京民放キー局各社を抑え、トップを獲得した。全国の系列局数で他の民放キー局に大きく劣り、開票の速報性で後手に回るテレ東だが、これで2013年の参院選、14年の衆院選に続いて視聴率3連覇を達成することになった。

 テレ東の選挙特番を特徴づけているのは、メーンキャスターを務めるジャーナリスト池上彰さんの圧倒的な存在だ。鋭い質問で大物政治家にも切りかかり、相手の本音を引き出すインタビューは、インターネット上で「池上無双」と呼ばれ、人気を不動のものにしている。


安倍首相にも鋭く切り込む池上彰氏。「池上無双」という言葉はネットから生まれた
 今回の参院選でも池上氏は無双ぶりをいかんなく発揮した。

 比例区で初当選した沖縄出身の元歌手、今井絵理子氏に対しては、選挙戦でほとんど言及がなかった基地問題について単刀直入に質問。「12歳から東京で活動していて…もっと足を運んで取り組んでいかなくてはいけない問題だなと感じた」との答えを引き出し、池上氏は「これから考えるということで、ちょっとびっくりしました」と感想を口にした。

 安倍晋三首相には応援演説で改憲について触れなかったことを問い、社民党の福島瑞穂副党首に進退を尋ねるなど、番組全編にわたり、池上氏の質問は冴え渡っていた。

池上彰を口説いた男

 「池上彰のニュースそうだったのか!!」(テレビ朝日系列)、「池上彰スペシャル!」(フジテレビ系列)など、キー局各社で多くの看板番組を持つ池上氏がなぜ、テレ東の選挙特番に出演し続けているのか。

 テレ東選挙特番の担当者で、報道局統括プロデューサーの福田裕昭氏はその理由を以下のように語る。福田氏は池上氏の活躍の場を広げるきっかけになったキーパーソンだ。


福田裕昭(ふくだ・ひろあき)
テレビ東京執行役員、報道局統括プロデューサー、解説委員。1984年立教大学経済学部卒、テレ東入社。政治記者、「ワールドビジネスサテライト」デスクなどを経て、「池上彰の選挙特番」を担当
 「池上さんはあちこちのキー局から選挙特番出演の声をかけられているが、うちを選んでくれる。色々な企画にチャレンジできる自由な雰囲気があることを好ましく思ってくれているようです」

 福田氏は2005年、NHKを退職したばかりの池上氏に面談を申し込んだ。NHK「週刊こどもニュース」のお父さん役として、難解なニュースを分かりやすく解説する池上氏の技量に惚れ込み、報道番組への出演を依頼するのが目的だった。

 2人のタッグはやがて報道番組から選挙特番へと発展。番組内の冷静かつ鋭い語り口から、池上氏はすぐにテレビで引っ張りだこの人気ジャーナリストになった。

 当時、池上氏を口説いた福田氏にはある考えがあった。

 「選挙特番は報道局にとってゴールデンタイムに放送枠を持てる数少ない番組。そこでの優劣は決して放送局の規模、開票速報のスピードだけで決まるものではないという想いがあった。政治の面白さを伝えるような家族で楽しめる新しい選挙特番を作れば、視聴者に受け入れられるのではないか。そのためにはどうしても池上さんの力が必要でした」

「中学生との野球で6失点」…誰の略歴?

 「池上さんはよくテレビで『それはいい質問ですね』と言います。選挙特番では池上さん自身が視聴者からそう言われるようにしようと。政治家にとっては時にきつい質問をぶつければ、インタビューから逃げる人、しどろもどろになる人もいる。そこに彼らの本性や本音が表れるのです」

 政治の面白さを伝えるため、テレ東の選挙特番には、さまざまな仕掛けが組み込まれている。例えば、当選確実と同時にテロップで流れる候補者のプロフィール。


テレ東の選挙特番では様々な仕掛けが用意される。権力トップに上り詰めるまでのステップを分かりやすく示した模型(写真上)と、政治家の票田を解説した模型(写真下)
 麻生太郎副総理は「総理が恐れる“失言癖” 洗礼名フランシスコ」。民主党の前原誠司元外務相だったら「今年、中学生と野球で対決 先発で1回6失点降板」など、政治活動とは直接関係のないユニークな内容が並ぶ。

 中には、「高校時代は『生物部』 水と間違えエーテルを飲む」「2年間“住所不定無職” 友人宅を転々」「中国旅行でバス転落事故」といったきわどいものから、果ては「最近身長が1センチ伸びた」「ヨネスケに“晩御飯”でタイカレーを振るまった」という、どうでもいい内容のものまで幅広い。

 福田氏はこれらのプロフィールを、「本人を傷つけないように注意しながらも、思わずニヤリと笑う結婚式の友人代表挨拶のような内容」にするよう気を配っている。プロフィールも政治への関心を持ってもらうひとつのきっかけだと考えているのだ。このアイデアは「オフシーズンにプロ野球選手が参加する大運動会」を観て思いついたという。

 もうひとつの目玉が、事前収録の特集だ。

 今回の参院選では「支える」をテーマに設定。日本会議や連合、日教組といった政治家の票田となっている組織の成り立ちを紹介するだけではなく、彼らの選挙活動にも密着。あまり知る機会のない選挙の舞台裏を詳しく解説した。特集では、これまでタブーとされてきた創価学会と公明党との関係にも踏み込んでいる。

 「池上さんを交えた議論で視聴者が知りたいことを徹底的に掘り下げたうえで、企画をまとめています。選挙は政治のことを学び、考える絶好の機会ですから」と福田氏は語る。


視聴者の目線に立った番組作りにこだわるテレ東の選挙特番
 なぜテレ東が斬新な選挙特番を作ることができるのか。福田氏はその答えが、他のキー局と比べ、テレ東の経営規模が小さい点にあると考えている。

 「在京キー局は昔から『3強1弱1番外地』と呼ばれてきた。3強1弱の順位は時代によって入れ替わるが、番外地であるテレ東の位置だけは不動です」

「番外地って悪くない」

 「でも番外地だから生き残れないというわけではない。むしろ番外地だからこそ新しいことに果敢に挑戦できます。失うものは少ないので、戦略を立てやすい。組織が小さく、意思決定も早い。番外地ってそんなに悪くないんですよ」

 日経ビジネスの9月12日号特集「テレビ地殻変動 ネットTVが作る新秩序」では、米ネットフリックスやアマゾンなどが手掛ける「ネットTV」の脅威を描いた。

 彼らはレビ局から視聴者を奪うだけではない。これまでテレビ局を支えてきた制作会社や広告主、ミュージシャン・タレントといった演者の“テレビ離れ”を誘発。広告収入で成り立つテレビ産業に大きな構造変化をもたらすことになった。

 ネットTVの浸透は、電波という形でほぼ独占的に映像を視聴者へ届けるテレビ局のインフラにも打撃を与えた。象徴的なのが、4月に起きた熊本地震だ。住民の多くは停電でテレビを視聴できず、スマートフォンを使い、緊急的にネット同時配信されたニュース番組から情報を集めた。

 様々な点で優位性が崩れる中、テレビ各局は新しい姿を模索している。そこでひとつのヒントとなるのが、福田氏が手掛けるテレ東の選挙特番だ。

 テレビ局には長年にわたり映像コンテンツを作り続けてきたノウハウと経験がある。それらを活用すれば、ネット事業者には真似できないような質の高いコンテンツを作り出すことができる。

 今回の参院選でそれを象徴するようなある出来事があった。

小沢一郎代表に再婚の質問は「NG」

 ニコニコ動画などネットメディア10社が共催した「ネット党首討論」で、司会を務めた社会学者の古市憲寿氏が、生活の党と山本太郎となかまたちの小沢一郎代表に「再婚相手は見つかったのか」と質問した。それに対し、小沢代表は「今日のテーマと関係ない」と猛抗議。古市氏がその後、謝罪に追い込まれる場面があった。

 一見すると池上氏の鋭い質問と似ているようだが、福田氏は「まったく違う」と指摘する。


池上彰氏は情報性が高く質の良い質問しかしない

 「あれは情報性が低く、意味がない質問。自民党の幹事長や野党第一党の党首に聞くならまだ分かる。将来の首相夫人、ファーストレディーになるかもしれない可能性があるから。だが、今の小沢代表に聞くのは下世話以外の何物でもない。だから我々はあのような質問はテレビで絶対にしません」

 「池上さんは今回の特番で、自民党の片山さつきさんに対し、元夫の舛添要一前東京知事について質問した。政治資金で問題になっていた舛添さんを『せこさや細かいところは全然変わらない』と批判していた点について、自身の選挙にプラスかマイナスのどちらに働くと考えているのか。その真意を知りたかったからです。これはプライバシーに近い話でも、情報性が高い質問だと考えました」

 テレビ局のコンテンツ製作力が落ちているとの批判が常套句になって久しい。ただ、電波という公共財を利用するテレビ局に対し、社会は厳しい目を向けてきた。広告主からのスポンサー料で成り立つ民放には、一定の表現上の制約、礼儀正しさも求められる。

「パクられたらしめたもの」

 そうした環境の中でいかに面白い番組を作るかをとことん突き詰めてきたテレビ局に対し、制約のほとんどないネット番組が一朝一夕に追いつくのが難しい部分もあるのは事実だろう。

 「他のテレビ局やネット番組に我々の手法がパクられたらしめたものだと思っている。長くやってきたことによる質の違いが視聴者に伝わりやすくなるのですから」。福田氏の言葉にはテレビマンとしての自信がみなぎっている。

 質の高いコンテンツを生み出せば、世間の評価は一変する。最近では、ネットの浸透で情報が伝わるスピードは飛躍的に上昇し、“いいもの”が瞬時に広がる土壌が整いつつある。「池上無双」はテレビ局の力を世間に示した好例と言える。


このコラムについて

記者の眼
日経ビジネスに在籍する30人以上の記者が、日々の取材で得た情報を基に、独自の視点で執筆するコラムです。原則平日毎日の公開になります。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/221102/091300310/

 

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コメント
 
1. 2016年9月15日 21:36:43 : gNM94mG1C2 : XuXldcAHKSA[91]
池上と 小池どちらも 「池」がつく
旬を迎えた トリックスター

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