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高額薬の適正投与へ指針 厚労省、病院や医師に要件 医療費抑制めざす:↓の副作用もある3千5百万円/年のオプジーボ問題
http://www.asyura2.com/16/iryo5/msg/223.html
投稿者 あっしら 日時 2016 年 7 月 26 日 03:40:06: Mo7ApAlflbQ6s gqCCwYK1guc
 


高額薬の適正投与へ指針 厚労省、病院や医師に要件
医療費抑制めざす

 厚生労働省は抗がん剤などの高額な画期的新薬の適正使用に乗り出す。病院に一定の経験がある専門医を置き、緊急対応ができることなどを要件とする使用ガイドライン(指針)を作る。新薬は思わぬ副作用が出るほか、医療費も高騰しがちなため、医師や医療機関に対し投与の適正化を促す。指針の第1弾はがん免疫治療薬「オプジーボ」とし、指針を満たさない場合は公的医療保険(3面きょうのことば)を適用しない方針だ。(解説5面に)

 厚労省は近く開く中央社会保険医療協議会(中医協)で議論を始める。指針は各学会と共同で検討し、2016年度末までにまとめる。早ければ17年度中に適用する。

 画期的な新薬の中には1回あたりの価格が数万円以上になり、医薬品メーカーの年間売上高が1000億円規模になるようなものがある。こうした薬を使う場合、患者に対しては税金や保険料で賄う公的医療保険の適用などにより、実際の負担を抑えている。

 厚労省は今後、税金と保険料で患者負担を賄う部分が大きくなるとみており、医師や患者向けの指針を作って適正な投与を促す。病院と医師、患者向けに要件を設け、病院には入院設備があり24時間の診療が可能であること、医師には一定のがん化学療法の経験をそれぞれ求める方向だ。

 患者にも使用に一定の条件をつけるが、年齢で差別しないようにする。ただ投薬しても効き目がない場合もあり、どの患者に効果があるか調べ、一定の効果が期待できる患者に限ることも検討する。また地方などで治療が受けにくくならないよう目配りする方針だ。

 指針対象とする最初の新薬はオプジーボ。1人あたり年3500万円の超高額薬だが、手術のできない末期がん患者にも劇的な効果があると期待される。

 ただ患者5万人にオプジーボを1年間使うと薬代だけで1兆7500億円かかる。これは薬剤費全体の2割に相当する。日本医師会も「皆保険制度が維持できなくなる」との危機感を持ち、何らかの対策が必要とみる。

 厚労省は高コレステロール血症治療薬「レパーサ」の指針づくりも進める。今年4月に発売し、1キットあたりの価格は2万2948円。ただ繰り返し投与するため、患者負担は高くなりがち。厚労省は適正使用を促し、薬剤費の増加を抑えたい考えだ。

 12年度の薬剤費は8.5兆円と、この10年で2兆円増えた。近年はC型肝炎治療薬「ソバルディ」など、高額薬が相次ぎ登場。中小企業の社員が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)では高額薬剤の使用が増え、15年度の保険給付費が6.3%増えるなど保険財政にも影響が出つつある。

 厚労省は保険適用の対象とする病気を拡大する際に、価格も引き下げる案も検討する方針だ。医療費が膨張する中で、適用範囲が広くなりすぎているとの指摘もある。薬を使いたいという患者の希望に歯止めをかけるわけにはいかないため、医療費抑制とどう両立するかが課題になる。

[日経新聞7月21日朝刊P.1]

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公的医療保険 給付額は年々増加、効率化急務

▽…国が財政運営や給付の対象に関与している健康保険制度。日本ではすべての国民が会社員や公務員、自営業者などの属性ごとに健康保険への加入が義務付けられている。サラリーマンなどの「被保険者」から集めた保険料や税金から医療機関や薬局などに医療給付費が支払われる。医療費の患者負担割合は年齢などによって異なる。義務教育への就学前は2割、就学後から69歳までは3割、70歳から74歳は2割、75歳以上は1割負担となっている。70歳以上に関しては現役並みの所得がある場合は3割負担となる。

▽…がん治療などで最新の医療技術や薬を使うと医療費が高額になる場合がある。自己負担が過重にならないように、月ごとの自己負担限度額を上回った場合に超過分を支給する制度がある。高額療養費制度と呼ばれ、例えば年収370万〜770万円で70歳未満の人が月100万円のがん治療を受けると実際の負担は月額8.7万円となる。自己負担の限度額は所得に応じて異なる。

▽…日本の国民医療費はほぼ一貫して増加を続けている。2013年度の医療費は約40兆円と前の年度と比べて2%超増えた。人口1人当たりの国民医療費は31万4700円に上り、効率化が急務となっている。

[日経新聞7月21日朝刊P.3]

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効果の予測が課題に 高額薬投与に指針、開発費どう確保

 高額な新薬は患者への効き目を高める一方で、価格を適正水準に抑える取り組みが求められる。(1面参照)

 小野薬品工業の「オプジーボ」はこれまで救えなかった一部の重症がん患者にも高い効果を発揮するが、今後は薬が効きやすい患者を判別する技術の開発が急がれる。高価な薬だけに、患者を絞り効き目のない投薬を防ぐ必要もある。京都大学などが研究中だ。

 最近のがん治療薬には、特定の遺伝子を持つ患者によく効くものがある。遺伝子を調べれば、事前に効き目が分かる。オプジーボはがん細胞が体内の免疫細胞の攻撃を避ける仕組みを邪魔するが、投薬時の効き目を予測する技術は未確立。効き目が分かるまでに半年はかかるとされる。

 一方、薬の価格だけに焦点を当てる議論を問題とする向きもある。新薬開発の成功率は3万分の1とされ、長い研究期間を経て効果の高い物質が選ばれる。創薬研究には研究者の高い意欲と多額の研究費が必要だ。開発の対価次第では製薬企業は積極投資に慎重にならざるを得ない。

 日本発の画期的ながん治療薬が広く社会に受け入れられるためにも、研究者の意欲を保ち、薬を必要とする患者に適切に届ける体制づくりが欠かせない。

(草塩拓郎)

[日経新聞7月21日朝刊P.5]
 

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