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米大統領選、混迷の意味するもの 組織化された市井の不満 マイケル・ブルームバーグ氏 前ニューヨーク市長
http://www.asyura2.com/16/kokusai13/msg/414.html
投稿者 あっしら 日時 2016 年 4 月 19 日 02:48:45: Mo7ApAlflbQ6s gqCCwYK1guc
 


[時論]米大統領選、混迷の意味するもの 組織化された市井の不満 マイケル・ブルームバーグ氏 前ニューヨーク市長


 米大統領選挙の迷走が止まらない。共和党では実業家のドナルド・トランプ氏が常識を覆す発言で躍進。民主党でも「民主社会主義」を掲げるバーニー・サンダース上院議員が、本命のヒラリー・クリントン前国務長官を追い上げる。自ら第三党からの立候補を検討したマイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長に混迷の背景や格差問題の行方などを聞いた。

 ――トランプ氏、サンダース氏ら党内の異端者の躍進を受け、二大政党制が揺らいでいます。共和党が宗教右派と穏健派に分裂し、「三大政党制になるのでは」との懸念も出ていますが。

 「米国には二大政党制を堅持するため、多くの仕組みがある。それが第三党の創設を遠ざけている。一方で、確かに(共和党分裂の)可能性はあるだろう」

 「過去、それぞれの政党には多くの小グループが存在した。民主党にはブルー・ドッグ・デモクラッツ(保守を自認する民主党議員集団)もいれば、(白人至上主義の)州権民主党もいた。民主党は仲良くやっていたことはない。これまでも多くの分裂が起こり、そして再度集結してきたのが二大政党の歴史だ」

 ――あなた自身、ニューヨーク市長になる前、民主党から共和党に党派をくら替えしていますね。

 「私は(東部でリベラル派が多く)共和党員の少ないマサチューセッツ州で育ち、共和党員の少ないニューヨークで暮らした。もし知事や市長になる人間に何がしかの影響を与えようとしたら、民主党員にならなければならなかった。私はニューヨーク市長になりたかったが、民主党は私を支持しなかった。くら替えしたのは(後ろ盾となる)政党が必要だったからだ」

 「私に言わせれば、二つの政党にさしたる違いはない。現時点で、それぞれの支持者が望んでいることこそ、彼ら(二大政党)が信じていることなのだ。支持者が考えを変えれば、政党も一夜にして態度を翻すだろう。実際、ヒラリー(・クリントン氏)はかなり左寄りになっている。すべての共和党候補も皆、かなり右寄りだ」

 ――今年の大統領選に出馬を検討した動機は?

 「いずれの候補者も国家にとって正しいことをやるだけの気概を持っていなかった。私には二人の孫がいるが、彼らにより良い世界を残してやりたいのだ」

 ――共和党のジェブ・ブッシュ氏、民主党のヒラリー・クリントン氏らにも満足できなかった?

 「ジェブ・ブッシュは良い大統領になると思っていた。彼は私の財団の理事でもあった。保守過ぎたが、移民政策や教育問題には良い考えがあった。彼は賢明で、私の表現を使えば『(正しい)軌道の上を走れる』はずだった。(オハイオ州知事のジョン・)ケーシック氏もそれができた」

 「ヒラリーも軌道の上を走れる。この『軌道上を走る(Run the Railroad)』ことこそ、最も重要だ。私から見て候補者の多くは、軌道の上を走れない」

 ――それはヒラリー氏を支持するという意味?

 「そうは言っていない。まだ選挙まで7カ月もある。二大政党が誰を候補者に選ぶのかも分かっていない。もちろん、ヒラリーが勝つチャンスは十分あるだろうが、(共和党のドナルド・)トランプにも同じようにチャンスはある」

 ――大統領選への出馬を見送ったのは何故ですか。

 「(米国の政治)システムは二つの政党のために設計されている。そして、その二つの政党は第三政党を枠外に追いやることに利益を見出している」

 ――民主党では自称「民主社会主義者」のサンダース氏が健闘しています。

 「それはトランプ現象と全く同じだ。エスタブリッシュメントがこれまでやってきたことについて、多くの人が不満を感じている。それに対して、ストライキ行動を起こしている。彼らに明確な代替案があるわけではない。彼らが支持している候補は何の考えも持っていないか、できもしないことを約束しているだけだ。バーニーに会ったことはないが、彼は楽しい男であり、愚かでもないと思う」

 ――トランプ氏は個人的にお知り合いですか?

 「知っている。とはいえ、ゴルフコース(の開所式)でリボンを一緒に切った程度だ。二度ほど一緒にゴルフをしたこともある。彼も一緒にいると楽しい男だ。彼ら(サンダース、トランプ両氏)は二人ともエスタブリッシュメントではないから候補者でいられる。エスタブリッシュメントを支持してもいない」

 ――サンダース旋風もトランプ現象も米国の民主主義の衰退、あるいは危機を体現していませんか?

 「そうは思わない。そうではなく、エスタブリッシュメントが変わることを示すサインだと私は思う。あまりにも長い間、彼ら(エスタブリッシュメント)は一般の人々のことを考えないでいた。なぜなら、市井の人々は決して組織化されなかったからだ」

 「政治家という人種は自分たちを選び、再選してくれる人間にのみ反応する。そして、一般の平均的な人というのは(選挙対策のために)組織化されていない。今回の選挙で初めて、平均的な人々が(自らをインターネットなどで)組織化するチャンスを得たのだ」


格差根深く未来描けず


 ――米大統領選の混乱を見ると、米国がまず取り組むべき問題は格差の是正だと思うのですが。

 「いずれの時代にも上位の20%と下位の20%の層は存在する。最上部の5%、最下部の5%も同じだ。問題は格差の存在にあるのではなく、その程度にある。最も重要なのは人々が人生を楽しみ、未来に自信を持ち、彼らの子供たちがより良い人生を送れることだ」


 「『持たざる者』がいるから、より多く持つ者に視線が集まる。ある人が巨万の富を得ていることが悪い事なのかどうか、私にはわからない。本当の問題は『何故、その他の人々の生活が一向に改善しないのだ』ということではないか」


 ――米国を代表する富豪たち、デビッド・ロックフェラー氏やビル・ゲイツ氏、そして、あなた自身も手にした富を社会に還元しているのは何故ですか。


 「米国という国家を理解する上で一つ、重要なことがある。我々の社会は血縁の上に成り立っているのではなく、ビジネスとフィランソロピー(社会貢献)で成り立っているのだ。そして、ビジネスの世界では引き継がれるということはあまり起こらない。最も成功するビジネスマンはいつも第一世代(創業者)だ」


 「もちろん、父親が巨万の富を残し、あるいは父親が優秀で(その子供世代の)彼らも優秀というケースはあるだろう。だが、一般的に最も成功した人は彼らの一族で第一世代に属する人たちであり、その多くは富を慈善活動に投じる。ゲイツ氏も私もそうだ」


 ――それでも格差は引き継がれませんか?


 「ポピュリストの問題点は『結果の均等』に焦点を当てることだ。資本家たちは『機会の均等』を重視する。もちろん、今日の社会では、たとえば英国や日本など失敗がその後もついて回るような文化もあるだろう。だが、米国では『息子が三つのビジネスを始めて二つは破産したが、残る一つはまだやっているよ』ということが多々ある。それは決して悪い事ではない」


 ――もう一つの格差問題ともいえる女性の社会進出はどうですか。日本は女性の労働力を重視しようとしています。


 「米国でも同じことが起こっている。自国内で同じ言語を話し、文化も理解し教育も受けている労働力は豊富にある。そして、それをまだ活用しきれていない。彼らは偶然にも『女性』と呼ばれる存在なだけだ」


 「これは日米双方に言えることだが、現存する労働力市場に(女性の活用によって)より多くの競争が起こるだろう。その市場は基本的に男性によって占有されており、競争の結果、彼ら(男性)の給与が上がることもあれば、下がることもある。あるいは職を追われるかもしれない。日本でも米国でも、すべての人に機会を与えるべきだ。私は機会均等をこよなく支持している人間だ」


 ――米国で女性大統領の誕生を阻む「ガラスの天井」はもはや存在しない?


 「多くの女性は『ヒラリーが女性かどうかではなく、私はベストな人を求めたい』と言うだろう。同時に、女性(大統領)を選ぶべきだと感じている女性も数多く存在するだろう」


 「私自身は、もしヒラリーが女性であるが故に自分に投票すべきだと考えていたならば、彼女に一票は投じない。女性が大統領になることに何の問題も感じないが、私も最善の候補を求めている。彼女は戦争を決断し、平和を堅持し、人々の健康、教育、子供たちの生活について多くの決断を下すのだ。だから、私は『ベストな人』を選びたい」

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第3党を創り出馬を一時示唆


 Michael R. Bloomberg 米同時テロの衝撃が残る2001年11月、ニューヨーク市長選挙に共和党から立候補して当選。第108代ニューヨーク市長に就任し、13年末まで務めた。

 米証券大手で成功を収めた後、1981年に経済ニュースを中心とする通信社、ブルームバーグを創設。ウォール街などに専用の金融情報端末を販売するビジネスで巨万の富を得た。米国を代表する富豪の一人として知られる。

 今年の米大統領選で、第三党を創設して立候補する可能性を示唆した。最終的には自らの出馬が共和党のトランプ氏を利する結果になると判断して立候補を断念、話題を呼んだ。74歳。

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<聞き手から>理想と現実、米が苦悩

 「『核の傘』は要らない、と言っているトランプ氏が選ばれるとしたら、どうするのか」


 核の不拡散問題や、サウジアラビアとイランの緊張関係を話していた途中、唐突にブルームバーグ氏がそう尋ねてきた。

 「日本に核武装の意思など存在しない」と即答すると「それが正しい」と笑みを漏らした。一方、欧州を悩ます中東からの難民問題の解決には「米地上軍を派遣するべきだ」と断言。これらのやりとりを通じて「幻の大統領候補」のリアリズム(現実主義)は十分に感じ取れた。

 インタビュー全体を通じて支配していたのは、古き良き健全な米国人が醸し出す楽観論だった。世界経済の見通しや民主主義の将来を問うと「世界のどこでも欲しいものは買え、24時間以内に届けられる。その意味で世界は以前より悪くなっているのだろうか」という具合である。

 だが、難民やテロ、核拡散、地球温暖化などに話題が転じるにつれ、表情は暗い影に覆われた。そこに悩める超大国・米国の矛盾と限界を感じた。あらゆる意味で世界を主導してきた米国の理想と現実が大きくかい離しつつある今、次の指導者選びで迷走するのは当然とも思えた。

(編集委員 春原剛)

[日経新聞4月17日朝刊P.9]

 

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