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パリは騒然、フランスの労働者が労働法改正に激怒 最大の危機を迎えているオランド政権(JBpress)
http://www.asyura2.com/16/kokusai13/msg/761.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 5 月 16 日 01:10:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

仏西部ナントで行われた労働法改正法案の下院での強行通過に反対するデモで、警察の機動隊と衝突するデモ参加者ら(2016年5月10日撮影)。(c)AFP/JEAN-SEBASTIEN EVRARD〔AFPBB News〕


パリは騒然、フランスの労働者が労働法改正に激怒 最大の危機を迎えているオランド政権
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46836
2016.5.16 山口 昌子 JBpress


 フランスのオランド政権が最大の危機を迎えている。2017年春の大統領選を1年後に控え、労働法改正を巡って社会党が内部分裂に陥っているのだ。

 労働法改正の背景には、恒常的な約10%の高失業率問題がある。その要因として挙げられているのが、従業員に極めて有利に定められている現行の労働法だ。

■労働法で強固に守られている労働者

 日本でも正規の従業員を解雇するのは難しいが、フランスの場合は「1人を解雇するのに、労働法の専門家3人が弁護士とともに3年がかりでやっと成功する」と言われるくらい困難だ。そのため、企業は正規の従業員の雇用には慎重にならざるをえず、従って失業率も改善されない。

 また、現行の労働法では労働時間の「週35時間まで」という制限や「有給休暇5週間」の保障が規定されているほか、公共交通網や飲食業などを除いて、デパートをはじめブティックなどは原則的に「日曜閉店」とされている。こうした規定から、「フランス人は働ない」「労働者天国」などの批判も生んでいる。

 改正法案では、これまで極めて従業員側に有利だった内容が大きく変更される。

 例えば、「週35時間労働」は基本的に維持されるが、労使が合意すれば最長「週46時間労働」が可能になる。また、ほぼ無制限だった解雇者への賠償金に上限が設けられ、異動の拒否も制限される。禁止されていた病人の異動や解雇も緩和される。

 特に、これまで雇用者側の頭痛の種だった「解雇」が改正案では容易になる。

 現行法では、解雇の対象者にまず文書で解雇理由を事前に通告し、それから弁護士を交えて種々のやり取りを行う必要があった。解雇が決まっても、解雇を不服として労働裁判所(prud’homme)に訴えれば従業員側がほぼ100%勝訴し、雇用者側は多額の賠償金を支払わなければならなかった。

 それが改正法案では、労働裁判所に訴えた場合でも20年以上の勤務者は給料の15カ月分、10〜20年の場合が1年分、5〜10年は9カ月分と規定された。

 この解雇規制の緩和に、当初は仏版経団連の「フランス企業運動(MEDEF)」が賛意を表明した。

■警官隊とデモ隊が衝突し流血騒動に

 ところが2月中旬に、労働・雇用・職業訓練・社会対話相のミリアム・エル・コムリが準備中の改正法案の内容を一部メディアが報じるや、大きな反対運動が湧き起こる。「社会主義の理念に反する」「人間性に欠ける」として、お膝元の労働省の大臣官房の一員が辞任したほか、反対署名が3月中旬までの1カ月間に110万人以上に達した。

 労働総同盟(CGT)など7大労組をはじめ、高校生を含む若年層、野党・右派政党はもとより共産党、緑の党に加え与党・社会党の一部までが反対を表明。

 3月末からは学生らが中心になって、「夜、起きよ」の掛け声のもと、パリ市内の共和国広場では徹夜の反対集会も始まった。

 パリでは2015年11月13日の同時テロ以来「緊急事態宣言」が続いており、大規模集会などは禁止されているが、集会が毎夜、数万人が参集するなど人数が増えていくのを見て、当局は強制立ち退きに方向転換。警官隊とデモ隊が衝突して流血騒動にも発展した。

 4月末の反対デモは、ついに参加者が50万人(主要労組・労働総同盟=CGT発表、警察発表17万)に達した。100人前後の“破壊屋”と呼ばれるグループも混在した結果、4月28日には1日だけで警官隊側の負傷者が78人(3人重傷)に達し、喚問者は1カ月で961人(仏内務省発表)となった。

 これは1968年の「5月革命」を想起させる事態である。「5月革命」では大学の医学部改革に反対した学生のデモ、ストを機に、労働者らも社会不満を訴え、公共交通網や国営企業の工場などによるゼネストが約1カ月続いた。

 5月1日のメーデーでも「反労働法」が叫ばれた。パリでは、改定法案の提出者であるミリアム・エル・コムリ労相やヴァルス首相、オランド大統領を揶揄する絵看板などを掲げて、約10万人がバスチーユ広場から共和国広場までをデモした。

■ヴァルス首相は法案を強行採決したが・・・

 改正法案の提出者ミリアム・エル・コムリ労相は弱冠38歳のモロッコ系フランス人だ。9歳の時に両親とともにフランスに移住した。

 彼女が2015年9月に都市政策担当相から異例の昇格を果たし、労相に就任すると、社会党内からも「なぜだ!?」と驚きの声が上がった。まず政治家としての経験がゼロに近い。おまけに労相は労組との駆け引きやデモやストなどへの対応が求められ、ベテラン政治家でも手を焼くポストだからだ。彼女が抜擢された理由は、オランド大統領やヴァルス首相が実質的に労相を兼任して自由にやりたいからだ、との指摘も囁かれた。

 改正法案は3月中旬から国民議会(下院)での審議が開始される予定だった。だが、与野党から約5000の修正案が提出され、その整理などに手間取り、やっと5月9日から審議が始まった。修正案では解雇者への賠償金の上限が撤廃されるなど、現行に近い法案に逆戻りした条項も多く、MEDEFも今や反対側に鞍替えした。

 採決は5月中旬の予定だったが、野党だけでなく与党・社会党左派や共産党、緑の党も反対票を投じることが判明。議会での可決が困難とみたヴァルス首相は審議打ち切りを決め、5月10日には憲法49条3項という伝家の宝刀を抜いた。つまり、「首相は閣議の同意を得た後に自分自身の信任をかけて国民議会(下院)での採択なしで法案を成立できる」という条文を行使して、法案を強行採決したのだ。

 しかし首相の強行採決を受けて、野党右派政党・共和党(LR)や中道右派・民主独立連合(UDI)が5月12日に共同で内閣不信任案を提出。社会党左派も不信任案に賛成票を投じると表明した。こちらは賛成多数にならず、ヴァルス内閣は首の皮一枚でつながったが、与党・社会党はもはや崩壊寸前、ヴァルス内閣も危機的状況だ。

■左派陣営の自業自得?

 元々「週35時間労働」はジョスパン左派内閣時代の1998年に失業対策として導入された。それまでの「週39時間」を4時間短縮することで、労働者に仕事をシェアさせて雇用を増やす狙いだった。だが、単純労働者の場合は仕事のシェアが簡単にできるが、専門職や上級職などの場合はシェアできず、高失業率の解消に至らなかった。

「有給休暇5週間」など労働者に有利な現行の労働法も、ミッテラン左派政権時代(1981〜1995年)に確立されたものが大半だ。

 オランド左派政権は、かつての左派政権が打ち立てた労働法の呪縛に苦しめられている。ある意味「ブーメラン」に襲われているわけで、左派陣営の自業自得の事態とも言える。

 

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コメント
 
1. 2016年5月17日 23:43:08 : 9v734bvtUo : kSHS5A47D38[3]
>オランド左派政権は、かつての左派政権が打ち立てた労働法の呪縛に苦しめられている。ある意味「ブーメラン」に襲われているわけで、左派陣営の自業自得の事態とも言える。

現代の先進資本主義国の生産性であればそんなに長く働く必要はない。
何を売るかで頭を悩ましていることが多いのが実態だろう。

社会経済システムの方に問題があると考えるのが自然ではないか?


2. 2017年1月10日 12:34:09 : LY52bYZiZQ : i3tnm@WgHAM[-6528]
2017年1月10日(火)
労組・学生 賃金・雇用の悪化懸念
フランス 改定労働法抗議は続く

 〖パリ=島崎桂〗フランスで昨年、全国的な抗議行動を引き起こした改定労働法が順次施行されています。労働環境の悪化や不安定雇用の常態化、雇用者の権限拡大を懸念する労組・学生団体は同法の廃止を求め、引き続く行動を呼びかけています。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2017-01-10/2017011001_04_1.jpg
(写真)「(改定)労働法の廃止を」と書かれた横断幕を手に、同法の廃止を求めるデモ参加者ら=2016年9月15日、パリ(島崎桂撮影)

 同法は、解雇規制の緩和や、賃金・労働時間に関わる雇用者の裁量拡大を企図しています。同国の労働者や学生は法案内容が判明した昨年3月から、法案が成立した9月までに13度のゼネストと大規模デモを組織し、法案撤回を求めてきました。

 議会採決では与党議員からも反対意見が上がり、議会多数の賛成が見込めないバルス首相(当時)は憲法の規定を3度にわたり行使し、議会採決を行わずに強行成立させました。

 抗議行動を主導してきた6労組・学生団体は4日の声明で、青年雇用の拡大や労働環境の改善、賃金・労働時間に関わる「共同提案」を掲げ、「(改定)労働法に反対するたたかいを継続する」と表明。同法廃止に向けた合同機関を3月にも設立する方針を明らかにしました。

 一連の改定は、労働環境の改善を図る法律も含みますが、その効果は不透明です。

 今月施行された「通信機器に接続しない権利」を保障する法律は、従業員50人以上の企業に対し、勤務時間外のメール確認を強制しない環境づくりを求めています。法文は「休憩時間や休暇を尊重し、仕事と私生活のバランスを保障するため」としていますが、従業員へのメール禁止時間の詳細は定まっていません。

 人事の専門家は仏紙フィガロ(4日付電子版)に対し、同法により、勤務時間内の業務が過密化し、「労働者はより多くのストレスを抱え、昼食や休憩時間を削ることになる」と警告。問題は通信機器への接続時間ではなく、企業側の命令系統そのものにあるとの見方を示しました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2017-01-10/2017011001_04_1.html


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