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しゃべりすぎるオバマ 8年の外交を総括(Wedge)
http://www.asyura2.com/16/kokusai13/msg/796.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 5 月 19 日 14:33:30: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

しゃべりすぎるオバマ 8年の外交を総括
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160519-00010001-wedge-int
Wedge 5月19日(木)12時10分配信


 ワシントンポスト紙コラムニストのイグネイシャスが、4月14日付同紙において、ゲーツ元国防長官がインタビューの中でオバマ外交の問題点を指摘するとともに次の大統領が過剰反応の大統領になることを心配すると述べた、と書いています。要旨は次の通り。

■オバマ外交は“言われる程悪くない”?

 ゲーツ元国防長官は、国防長官としてブッシュの力の展開欲望にも、オバマの懐疑姿勢にも理解を示している。アトランティック誌記事が触発したオバマ外交についての論議の中で、ゲーツは中間の立場を取っている。「オバマの外交は言われる程悪くはない。その響き方がその効果を減殺している」、「そのやり方のため米国の力の主張への躊躇いとして伝わっている。しばしば結果は良いところに落着しているのだが、時間がかかりすぎ、投入資金も不十分で、決定も小刻みであるために、渋々と引きずられ苦悩しながら動いているとのイメージを生み出している。それが政策実施の効果を減殺している」と述べた。

 ゲーツは、今の巨大な国家安全保障会議(NSC)による細部への介入がISや中国への対応を阻害していると批判する。ゲーツのNSC批判は良く知られている。今のスーザン・ライスのNSCには変革が必要だとする。

 ゲーツはシリアやイラクで特殊部隊を使用し、太平洋で航行の自由作戦を強化するなどオバマは「良く練り上げられた」政策をとろうとしているとして評価する。「武力を大きく振りかざす必要はない。重要なことは必要な時には武力行使を厭わないことを明確に示すことだ」と述べた。

 ゲーツはCSISでの講演で、賢明な戦略にはリアリズム、理想主義の双方が必要だと述べた。また、より大きな緊急を要する脅威に対抗するためには独裁者と一時的に共同戦線を組むことも偽善ではない旨述べている。

 ゲーツはIS戦略について明確さが必要だと主張した。イラクやシリアで最終的にいかなる国家が望ましいのか、政策の大目的について政権は決める必要があるとし、「イラクに統一国家が望ましいのか。連邦国家が望ましいのか。シリアに統一国家を望むのか。それぞれの民族に基づく国家が望ましいのか。我々にはそれが分かっていない」と述べた。大統領が指導力を発揮した例としてフランクリン・ルーズベルトが1944年に、戦争終結を待つことなく、IMF、世銀、国連など戦後の世界体制についての検討を開始させたことを挙げた。

 ゲーツは最後に忠告を述べた。「オバマは武力使用に否定的だとみられているため、次の大統領は却って不器用な過剰反応をする可能性がある。自分は過剰反応を心配している」と。

出典:David Ignatius,‘Bob Gates unpacks Obama’s foreign policy, and offers advice to the next president’(Washington Post, April 14, 2016)

*   *   *

 この記事は、イグネイシャスが4月13日にゲーツと会見し、書いたものです。この記事を読むとゲーツのオバマ批判が弱くなっているようにも見えます。「オバマの外交は思われるほど悪くはない。その響き方がその効果を減殺している」と述べるとともに、シリアやイラクで特殊部隊を使用し、太平洋で航行の自由作戦を強化するなど「良く練り上げられた」政策を取っているとオバマを評価しているからです。

■外交に求められる“二重性”

 しかし、ゲーツがオバマ外交批判から礼賛に変わったとは思われません。ゲーツは、昨年12月3日のワシントンポスト紙掲載の「我々が必要とする次期大統領」と題する寄稿の中で、2013年秋のオバマの対シリア対応(宣言していたレッドラインと違って不介入を決定)などを厳しく批判しました。さらに、オバマ政権下で国防長官を務めた時にホワイト・ハウス(NSCなど)と苦い軋轢を経験しています。この記事でも、政策のやり方等を厳しく具体的に批判しています。

 それにしても、オバマは政策の決定前にしゃべりすぎるのではないでしょうか。指導者が決断に迷うことは十分ありうることですが、政策決定過程では寡黙であるべきです。そして決定は果敢にすることが重要です。マスコミの執拗な問いかけがあるのかもしれませんが、「それへの戦略はまだ決まっていない」と発言したり、任期中にアトランティック誌会見のような「正直すぎる」内情を吐露したりするのは望ましくありません。

 目を引く第二の点は、ゲーツの忠告です。次の大統領はオバマ外交とは反対に過剰反応をする大統領になりはしないかとの心配は、ゲーツの平衡感覚からいうともっともなことです。しかし、オバマの対アジア、中東外交を見れば、正に一定の是正が必要なのではないでしょうか。オバマの8年の外交はミドルパワーの外交であればまだしも、グローバルな責任を持つ米国の外交としては、その正直な意図にもかかわらず、問題があると言わざるを得ません。

 ゲーツは広く尊敬されているバランス感覚のある人です。リアリズムと理想主義の双方が必要だとの発言にも表れています。それは一種の二重性です。実際の外交に当たっては、現実と理想、恐怖と希望、対話と圧力など、こうした「二重性」が非常に重要でしょう。1970年代のソ連のSS20に対するNATOの「二重決定」は、対ソ軍備制限交渉と西側の軍備増強の双方を計る戦略でしたが、それによって後のINF全廃合意が可能となった、という歴史的経緯もあります。

岡崎研究所
 

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