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誰が勝つ 「米大統領選」核心リポート ＜第33回＞「確定申告」公開要請を無視 カネをめぐるトランプの虚実
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/181660
2016年5月19日 堀田佳男 ジャーナリスト 日刊ゲンダイ 文字お越し
虚像なのか…（Ｃ）ＡＰ
自分を大きく見せるという点で、共和党ドナルド・トランプほど巧妙な大統領候補はいないかもしれない。
トランプの本当の年収や納税額は本人を含めて数人しか知らないといわれており、実際の数字はかなり少ないともいわれている。
そんな中、米メディアはトランプの確定申告の公開を求め続けている。
大統領選の慣例として、主要候補は確定申告を公開している。義務ではないが、米大統領になる人物は、私生活でも公明正大であるべきとの考えから公開するのが通例である。
民主党ヒラリー・クリントンは、０７年から１４年までの確定申告をウェブサイトで公開している。夫ビル・クリントンとの共同申告で、同時期の総所得は１億４１００万ドル（約１５３億円）。連邦税の納税額は４３８０万ドル（約４７億円）だ。クリントン夫妻がいかに稼いでいるかが如実にわかる数字である。
■本当の年収と納税額は？
それではトランプはどうなのか。５月１８日現在、確定申告の公開要請を無視したままだ。一度は公開すると約束したが、１３日のＡＢＣテレビとのインタビューで「（公開するかしないかは）おまえの知ったことではない」と言い放ってしまった。
自己申告によるトランプの総資産は１兆円超。昨年７月に発表した１４年の総収入は３億６２００万ドル（約４００億円）だが、同額はトランプの持つ関連会社を含めた経費込みの収入の可能性が高い。諸経費を引いた所得は３分の１ほどでしかないとの見方もある。
前述のＡＢＣテレビで、「税金はできるだけ支払わないように努力している」と節税を口にしたトランプ。確定申告を公表しないのは、本当の年収が明らかになって「意外に少ないんだ」と思われることへの恐怖があるのかもしれない。さらに、あらゆる手法を使って想像以上の低率でしか税金を支払っていない可能性もある。
自分を大きく見せることに長けたトランプにとって、確定申告を公表することは、これまでベールに覆われていた秘密を明かすことにもつながる。不正はないと信じたいが……。
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