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もしもトランプと金正恩の首脳会談が実現したら? 米国にとっていいことは1つもない(JBpress)
http://www.asyura2.com/16/kokusai13/msg/833.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 5 月 25 日 00:12:00: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

米オレゴン州ユージンで行われた集会で演説するドナルト・トランプ氏(2016年5月6日撮影、資料写真)。(c)AFP/Rob Kerr〔AFPBB News〕


もしもトランプと金正恩の首脳会談が実現したら? 米国にとっていいことは1つもない
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46924
2016.5.25 古森 義久 JBpress


 米国大統領選挙で共和党側の指名獲得が確実なドナルド・トランプ候補の過激な発言が波紋を広げているが、今度は北朝鮮の金正恩委員長に「首脳会談」を求める用意があると言明した。

 金氏に核武装を思い留まらせるためだというのだが、この提案は即座に米側の専門家たちから猛反対された。先頭に立って反対したのは、日本でもなじみの深い元大統領補佐官で政治学者のマイケル・グリーン氏である。

 トランプ氏のこの新たな提案は、彼が米国大統領候補としていかに型破りであるかを改めて印象づけた。

■「北朝鮮の核兵器開発を止めさせる」

 5月17日、トランプ氏はロイター通信記者とのインタビューに応じ、この提案を明らかにした。金正恩氏との会談に関する発言の内容は以下の通りである。

「北朝鮮の核兵器開発を阻むために、私には金正恩氏と直接話をする用意がある。彼と会談をすることになんの問題もない」

「同時に私は中国にも圧力をかけて、北朝鮮が核兵器開発を止めるように圧力をかけさせる。なぜならアメリカは中国に対して、経済的に強い圧力をかけられる立場にあるからだ」

 以上、わずかこれだけの発言だったが、トランプ氏は候補者として、あるいは本番選挙に勝ったら新大統領として、北朝鮮の金正恩氏と直接首脳会談をする用意がある、と宣言したのである。

 トランプ氏のこれまでの言動を振り返っても、この発言は異例である。2016年1月の時点では、同氏は金正恩氏について「彼はマニアック(常軌を逸した人)のようだ。だが政敵を排除する容赦のなさはたいしたものだ」と述べていた。そこには金氏と1対1で会談しようなどという姿勢はまったくなかった。

 オバマ政権も北朝鮮に対しては厳しい経済制裁を実行し、北朝鮮側が核兵器開発の停止や放棄の実効措置をとらなければ北朝鮮政府代表との会談には応じないという政策をとっている。トランプ氏の言う「金正恩委員長との首脳会談」などは、まったくあり得ない選択肢なのだ。

■米朝首脳会談を行うべきではない6つの理由

 トランプ氏のこの発言に韓国政府は反発し、手厳しいコメントを寄せた。米国側の専門家たちも一様に反対した。その中で最も強硬かつ体系的な反対論を打ち出したのは、ブッシュ前政権で大統領補佐官や国家安全保障会議のアジア担当部長を歴任したマイケル・グリーン氏である。グリーン氏は日本問題や日米関係の権威として知られるが、朝鮮半島情勢にも長年関わってきた。

 グリーン氏は米国の大手外交雑誌「フォーリン・ポリシー」(5月18日付、オンライン版)に「トランプ氏と金正恩氏の会談はなぜ非常に悪いアイデアなのか、その6つの理由」と題する論説を発表した。骨子は以下の通りである。

(1)金委員長は決して核兵器を放棄しない

 北朝鮮はあらゆる犠牲を払って核兵器実験をこれまで4回も断行し、5回目を実施する構えを強めている。しかも北朝鮮は憲法を2012年に改正し、核兵器開発を新憲法で明記した。いかなる交渉もこの北朝鮮の姿勢を変えることはできない。

(2)北朝鮮の核兵器保有国としての要求を認めることになる

 北朝鮮は2002年以来、米国に核保有国同士の軍備管理交渉を提案し、なおかつ対北制裁の解除、日本と韓国への「核の傘」の保障の停止、北朝鮮の人権弾圧非難の停止を要求してきた。金正恩委員長と米国大統領の会談はこれらの要求に米側が応じるという解釈を生みかねない。

(3)米国の同盟諸国が米国の「核拡大抑止」への信頼を失う

 米国大統領と北朝鮮独裁者との首脳会談は、米国が同盟国である日本や韓国へ長年、誓約してきた「核拡大抑止」の実効力を骨抜きにする危険がある。日韓両国が米国の「拡大抑止」への信頼を失くし、自前の核武装を目指しかねない。

(4)金正恩委員長が自前の「リアリティー番組」を演出できる

 金委員長は首脳会談などの会合を自国内でしか開かない。北朝鮮当局はこれまで米国のマデレーン・オルブライト元国務長官、ジミー・カーター元大統領など外国要人たちが来訪した際、北朝鮮領内でプロパガンダ的な演出をして国威を発揚した。トランプ氏の来訪においても北側は米国のテレビの「リアリティー番組」のような演出で政治宣伝を図るだろう。

(5)米朝首脳会談は数百万の北朝鮮国民を絶望させる

 北朝鮮当局の非道な人権弾圧は、国連や米国議会だけでなくアジアや欧州の諸国からも圧力や制裁を受けるようになった。だがトランプ氏と金氏の会談の開催は「北朝鮮の政権がいつかは崩壊する」という希望を抱く数百万の北の国民たちを絶望させる。北朝鮮当局が、米朝首脳会談を自国政権の強固さの証しとして最大限に宣伝するからだ。

(6)米朝首脳会談は本来オバマ大統領の発想だった

 北朝鮮の独裁指導者と無条件で会談に応じると最初に述べた大統領候補は、2008年の選挙でのバラク・オバマ氏だった。だがオバマ氏は大統領に就任して、前任のブッシュ大統領からの情報や米国歴代政権の北朝鮮との接触の記録を精査して、この発想を放棄した。トランプ氏もできるだけ早く同様にすることが賢明だ。

*  *  *

 グリーン氏は以上のように、トランプ・金正恩会談が米国にとってマイナスばかりだということの根拠が山のようにあるという。それは、トランプ氏の対外政策の欠陥や未熟の例証だとも言えるだろう。


 

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