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虫が良すぎたドイツの目論見 〜トルコとの“難民取引”は破綻寸前、窮地に立つメルケル首相 難民の運命はいかに?
http://www.asyura2.com/16/kokusai13/msg/881.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 5 月 28 日 08:15:30: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

イスタンブールで開かれた「世界人道サミット」に参加し、トルコのエルドアン大統領との首脳会談に臨んだメルケル首相 〔PHOTO〕gettyimages


虫が良すぎたドイツの目論見 〜トルコとの“難民取引”は破綻寸前、窮地に立つメルケル首相 難民の運命はいかに?
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48752
2016年05月27日(金) 川口マーン惠美「シュトゥットガルト通信」 現代ビジネス


■難民問題は終わっていない


5月22日、メルケル首相が、こじれにこじれた難民問題を背負ってトルコへ飛んだ。彼女は、首相になって以来11年の間で、今、おそらく一番追い詰められている。トルコのエルドアン大統領に、こっぴどくやられているのだ。


ヨーロッパは、どの国も難民の波に弱り切っており、とくにイタリアとギリシャは経済的にも大きな打撃を受けている。そこで去年、メルケル首相は、イタリアやギリシャに溜まっている難民を、EU各国が人口や経済力に応じて平等に引き取ろうと提案した。


しかし、これは見事に失敗。皆、口では賛成したものの、本当に引き取る気でいるEU国はほとんど無い。


そもそも、EUの多くの政治家や国民は、難民がここまで急増したのは、ドイツの「ようこそ政策」のせいだと苦々しく思っている。


昨年の夏、メルケル首相はドイツ国内の難民施設を訪問し、ハッピーなシリア難民と、にこにこツーショットの写真を撮っていたではないか。そんなに難民が好きならドイツが引き取れば良い。難民だって皆、ドイツに行きたがっている。


もっとも、そうはっきり言う国がないのは、ドイツの経済力と政治力が強大だからだ。


そうこうするうちに、EUの多くの国は国境を閉じてしまった。だからギリシャまで来た難民はバルカン半島を北上できず、ここ4ヵ月、マケドニア国境で立ち往生している。想像を絶する悲惨な状況だが、EUは何もしない。国際人道グループが腹を立て、抗議のために援助活動を停止するという一幕さえあった。


そこで、困ったメルケル首相は、新たに「解決策の第二弾」を打ち出した。これが冒頭に書いたトルコとの摩擦の端緒となる。


その解決策とは、すでにトルコに入っている難民を、そのままトルコに留めておいてもらおうという画期的な(!)作戦だ。



■メルケル首相の提案


具体的には、こういうことだ。


1)トルコが、自国からギリシャに渡った不法難民全員を、もう一度引き取る(→ギリシャに来ても無駄だということを難民に知らしめる)


2)その代わり、トルコが引き取ったその不法難民と同じ数のシリア難民を、トルコの難民キャンプからEUが正式な難民として直接引き取る(→人道的義務の実行)


また、EUはトルコに30億ユーロの資金援助をして、トルコ国内の難民キャンプの改善を図る。つまりトルコは、EUのための難民保護地のような役目を果たすことになるわけだ。実はトルコは、すでに300万人もの難民を保護している。


その見返りとしてトルコが受けるのは、主に以下の2つ。


A)トルコ人のEU入国ビザの廃止(EU国民は以前からトルコにビザなしで入れるが、トルコ人がEUに入るにはビザが必要で、それも、ものすごく面倒な手続きと手数料がかかった)


B)EU加盟交渉の再開


ざっと言えば、以上がメルケル首相の提案した取引の内容で、いわゆる “難民ディール”である。


ただ、これはいくら何でもまずかった。メルケル首相は、エーゲ海での溺死者を減らせるとか、難民は故郷の近くで安全に保護されるなどとメリットを強調したが、国民は大反発。難民の運命をトルコに委ね、問題を遠ざけるやり方は、メルケル氏がどんなに美化しても、やはり、お金の力で臭いものに蓋をするようにしか見えない。


しかも、いくらトルコの協力が欠かせないとはいえ、それをビザの緩和や、EU加盟と結びつけたりすれば、弱みを握られる可能性大だ。


しかし、メルケル首相はEUを説得し、結局、3月18日に、EU28ヵ国とトルコの間でこのディールを成立させた。それでも反対意見は弱まらず、メルケル氏の人気も急下降。


普段からトルコのエルドアン批判に余念のないメディアがこぞって、「トルコは民主国家ではない」と大声で唱え始めた。そんな国と重要な取引をするなど、もっての他というわけだ。


■取引が破綻して困るのはドイツ


確かに、最近のトルコは、リベラル勢力の抑え込みに余念がない。政府の意に反することを書いたジャーナリストはしばしば拘束されるし、反政府デモは強権的に鎮圧される。


5月20日には、ついに国会議員の不逮捕特権を剥奪する憲法改正案が可決した。議会で与党の気に入らないことを言えば逮捕されるとなると、トルコは本当に独裁国家になりかねない。


ただ、ドイツメディアは取り上げないが、エルドアン大統領にも言い分はあるだろう。トルコは、クルド問題を抱えているし、「イスラム国」の跋扈するシリアやイラクと国境を接している。テロの危険は常に高いレベルにある。少しでも手綱を緩めれば、あっというまに治安が乱れることは間違いない。


そもそも、2010年以来、欧米の支援を受けて「アラブの春」運動に没頭した国々が、今、どうなってしまったかを見れば、エルドアン大統領が欧米の押し付けてくる「民主化」を警戒するのは当然だ。エルドアン大統領の思いはただ一つ、イラクやリビアやエジプトのようになっては元も子もないということである。


今頃になって慌てたEUは、トルコに向かって民主主義を守れとか、報道の自由を尊重しろ、「反テロ法」は廃止しろ、そうしないとビザの廃止はしないぞなどとやおら締め付けにかかったが、エルドアン大統領はそれほどヤワではない。


特に「反テロ法」は、反政府派を抑えるためには是非とも必要な法律だ。それに、エルドアン大統領は難民問題における自国の優位性をしっかりと自覚している。取引が破綻すれば、困るのはメルケル首相のほうなのだ。


しかし、メルケル首相も諦めない。今回のトルコ訪問は、この半年で5回目。どうにかしてエルドアン大統領を説得したいが、EUやドイツ国民の手前、彼の非民主的言動に抗議もしなければならない。


そこでメルケル氏は、エルドアン大統領との会談の前日に、クルド系野党、および人権派ジャーナリストや人権擁護団体と会うことにした。


これを聞いて思い出すのは、去年のメルケル首相の日本訪問だ。メルケル首相は、7年ぶりの安倍首相訪問の前に、朝日新聞が主催した集会で講演をし、日本人に報道の自由とは何かを教えてくれたのだった。


同じことを彼女はトルコでもやろうとしたのだが、事前に圧力がかかったのだろう、なんと、拘束や逮捕を恐れて誰も来なかったという。ドイツ人はこれで、日本にはいかにたっぷり言論や報道の自由があるかが分かったのではないか。



マケドニア国境付近に野営する難民たち 〔PHOTO〕gettyimages


■虫が良すぎたドイツの目論見


肝心のエルドアン大統領との会談は、激しく難航している。7月1日からのビザの廃止は実現しないことがほぼ確実。しかしトルコ側は、この約束が守られない限り、難民ディールを批准しないと言っている。つまり、すべてがひっくり返る危険も出てきた(5月25日現在)。


5月21日に流れたニュースには大変びっくり。ドイツは、トルコの難民キャンプからシリア難民の第一弾を受け入れたが(21日の時点で157人)、蓋を開けてみると、病人や教育程度の低い難民が多すぎると言って怒っている。


しかし、ドイツ人が、トルコにいる300万人の難民のうち、優秀な技術者や、質の良い労働力を受け入れ、雇用問題も少子化・高齢化の問題もうまく片付けようと思っていたのだとしたら、それはちょっと虫が良すぎるのではないか。健康で、教養があり、手に職を持った人間が国民全体に占める割合というのは、ドイツだってそれほど高くはない。


なお、エルドアンが24日に述べたところによると、EUが約束したお金はまったく支払われていないそうだ。 


24日には、ギリシャ警察が、マケドニア国境地帯で野宿していた8000人の難民を強制的に移送し始めた。難民がバスに乗り込むと、ブルドーザーが後に残された簡易テントをガンガン潰していく。ギリシャ政府は本気だ。10日もすれば、数ヵ月に亘った狂騒は収まり、この地は再び見渡す限りの静かな原っぱに戻ることになる。


では、保護された難民はどうなるのか? トルコに送り返されるのか? 彼らの運命は、まだわからない。


 

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