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EU離脱にほぼすべての人が不満を覚える理由 英国の政治の混乱は始まったばかり(Financial Times)
http://www.asyura2.com/16/kokusai14/msg/538.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 7 月 12 日 01:04:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

英ロンドン中心部で行われた英国のEU離脱(ブレグジット)に抗議するデモ行進で、親EUのプラカードを掲げる参加者たち(2016年7月2日撮影)(c)AFP/Niklas HALLE'N〔AFPBB News〕


EU離脱にほぼすべての人が不満を覚える理由 英国の政治の混乱は始まったばかり
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47323
2016.7.12 Financial Times :JBpress


(英フィナンシャル・タイムズ紙 2016年7月8日付)

 国民は声を発した。しかし、果たして何と言ったのだろうか。なるほど、6月23日に行われた意見を聞くための国民投票では、過半数をわずかに超える国民が残留よりも離脱の方がいいと言った。ただ、残留がどういうことかは比較的はっきりしていたものの、離脱の方はそうではなかった。それどころか、離脱という可能性を定義するのは複雑で論争を呼ぶ作業だ。

 実は、離脱という選択肢には複数のバージョンが隠されている。そしてどのバージョンも、残留という選択肢に匹敵する支持は得られそうにない。その結果、離脱という決断を実行に移せば(今それが実際に試みられているのであれば)、残留した場合よりもはるかに多くの人々が不満を感じることは、ほぼ確実だ。

 多くの残留派が今、不満を覚えているだけではない。離脱派の多くも、まもなく不満を抱くことになる。国民投票は不満の終わりではない。さらに大きな、そしてもっと多くの人々の間に広がる不満の始まりなのだ。

 離脱派の人々は、かなり異なる3種類のカテゴリーに分けられるように思う。縛りのない自由な市場を望む人、主権を取り戻したい人、そして移民の流入にストップをかけたい人の3種類だ。2番目と3番目には、これまで労働党に投票してきた人が多い。彼らが毛嫌いするのは、保守党が恐らくこれから繰り出しそうな対応、すなわち資本への課税の軽減と、英国の資産や労働力のたたき売りだろう。

 ジョージ・オズボーン財務相のアドバイザーを以前務めたルパート・ハリソン氏は、自分にとって理想的な選択肢は「欧州経済地域マイナス(EEA−)」だと表現したことがある。同氏が的確に指摘しているように、ブレグジット(英国のEU離脱)が経済にどんな結果をもたらすかは、EUと新たに交わす取り決めの性質に左右される。

 しかし、離脱派の多くが望んでいるように、もし英国が移民の流入を何らかの形でコントロールすると決心したら、EUのほかの国々は、英国が単一市場へのフルアクセスを維持することを認めないだろう。問題は、このアクセスがどの程度失われるかだ。

 ハリソン氏が論じているように、「移民を少しばかりコントロールできるようになる代わりにあきらめなければならないことの細部にこそ、思わぬ落とし穴が潜むことになる。特に、金融サービスの単一市場にとって、これが何を意味するかが重要だ」。

 では、そのような交渉でもたらされる可能性がある結果を1つ想像してみよう。まず、移民をいくらかコントロールできるが、単一市場へのアクセスの条件は現在のそれとさほど変わらないという場合はどうなるか。

 これは残留派にとっては最も悪くない選択肢になるだろうが、離脱派については3カテゴリーのすべてから強い反発を招くことになる。流入する移民の数を差し引きで減らすことには、ほとんど貢献しないと見られるからだ(実際、どんな場合であろうと、EU諸国と疎遠にならない限り移民を減らすことは難しいだろう)。

 また、ハリソン氏や多くの人々が望んでいるように、単一市場へのアクセスが維持される限り、英国は関連する諸規制を受け続けることになるだろうが、その規制に直接的な影響力を行使することはできなくなる。欧州司法裁判所による規制の解釈にさえ従わなければならなくなるだろう。これは多くの離脱派にとって耐えがたい事態だ。

 従ってそのような結果には、流入する移民の削減を望む人々のみならず、規制の撤廃に関心がある人々や、国内問題に対する国の支配力を取り戻したいと願う人々も腹を立てるだろう。企業の大半は喜ぶかもしれないが、離脱派のほとんどにとっては完全な裏切りに見えるだろうし、仮に違いがあっても残留と大差ないように見えるだろう。

 では、離脱派がもう少し満足できそうな譲歩というものはあるのだろうか。すぐに思いつくのは、モノの自由貿易区域の設置だけを要求することだ。しかしこれでも、これまで通りのヒトの移動を認めなければ合意は困難かもしれない。もしこの合意ができれば、英国政府の自由度は高まるだろう。だがそれと同時にEUとの経済統合度は低下するだろうし、その分だけ大きな経済的コストがかかるようになる。

 この選択肢は、前述のEEA−よりは離脱派の支持を得られるだろうが、離脱派にとってもこのコストは無視できないだろう。政府支出に依存している離脱派にとっては特にそうだ。残留派の間ではまず間違いなく、EEA−よりもこちらの方がはるかに嫌われる。

 実際的ではないが、国民投票の選択肢を3つ以上にすることも考えられたかもしれない。恐らく1つ目の選択肢が残留で、2つ目以降の選択肢はいろいろなパターンの離脱だ。そしてこの場合、残留を第1希望とする票の数は、どの離脱の選択肢への票よりも圧倒的に多くなっていただろう。国民投票の投票権が譲渡可能だったとしても、特にEU離脱のコストとそれに伴う新協定の交渉コストのことがもっとはっきりと強調されていたら、やはり残留派が勝っていたかもしれない。

 この議論は、国の長期的な将来にかかわる複雑な選択の数々を、ある1日に下す二者択一の判断に還元してしまうことのばかさ加減を嘆くだけのものではない。英国がどんな窮状に陥っているかを指摘しているのだ。

 英国は再検討と再交渉という複雑なプロセスを始めることになり、その最終段階では、離脱に票を投じた有権者の多くが裏切られたと考えるに違いない。また、離脱のパターンが極端なものになればなるほど、残留派は恐怖感を覚えることになるだろう。EU離脱という決断は英国政治の混乱の終わりではない。混乱の始まりにすぎない。

 

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