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ロシアの弱点は経済政策(マスコミに載らない海外記事)
http://www.asyura2.com/16/kokusai14/msg/847.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 8 月 12 日 09:40:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

ロシアの弱点は経済政策
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/post-b5de.html
2016年8月12日 マスコミに載らない海外記事


ポール・クレイグ・ロバーツとマイケル・ハドソン
2016年8月10日

様々な報告によると、ロシア政府は、ソ連崩壊以来、ロシアに対し実に有害だったネオリベラル政策を考え直している。もしロシアが聡明な経済政策を採用していれば、ロシア経済は現在より遥か先に進んでいたはずなのだ。自己金融に頼ることで、大半の欧米へ資本逃避を避けられていたはずなのだ。

ところがアメリカ政府は、ソ連後の時代、アメリカ政府の指導を期待した純朴で、だまされやすく、士気阻喪したロシア政府をだましたのだ。ロシア人は、両国のライバル関係はソ連崩壊で終わっていると考えて、欧米思想の最良のやり方で、ロシア経済を近代化するというアメリカの助言を信じた。ところがアメリカ政府は、この信頼につけこんで、ロシアの経済的資産を取り分け、所有権を外国人の手に移転させるように仕組まれた経済政策を、ロシアに背負い込ませたのだ。ロシアを、外国資本を受け入れandルーブルを通貨投機にさらすよう騙して、アメリカ政府は、資本流出と、ルーブル交換価値への攻撃で、アメリカがロシアをいつでも不安定化できるようにしたのだ。自国の経済体制を、そのような外国による操作にさらすなど、アメリカの世界覇権というネオコンの狙いを知らない政府以外は決してしない。

アメリカ政府が課し、ヨーロッパ諸国にも課すことを強いた対ロシア経済制裁が、ネオリベラル経済が、いかにロシアに不利に機能するかを示している。高金利と緊縮策を要求する政策がロシア経済を不必要に落ち込ませた。ルーブルは資本流出で破壊され、ネオリベラル中央銀行は、ルーブルを維持する取り組みで、ロシア外貨準備を浪費したが、実際には、資本の逃避を支援する結果になった。

ウラジーミル・プーチンでさえ、あらゆる国が平等に参入できるグローバル経済というのは魅力的で夢のような考え方だと思っていた。だがネオリベラル政策に由来する問題が、ロシア経済の輸入依存を減らすため、輸入に代わるものに向かうよう彼に強いた。プーチンは、もしロシアが片足を欧米の経済秩序に置くのであれば、もう一本の足は、中国、インドや中央アジアの旧ソ連共和国とともに建設中の新経済秩序に置く必要があることも理解した。

ネオリベラル経済は、外債や外国投資にたよる依存政策を処方する。この政策は、外国通貨債務とロシア企業への外国人持ち株をもたらす。こうしたものは、アメリカ政府により“アメリカにとって実存的脅威”と宣言されている国家にとって、危険な脆弱性だ。

アメリカ政府が、ロシアのために作り上げた経済支配層はネオリベラルだ。中央銀行総裁エリヴィラ・ナビウリナ、経済開発大臣アレクセイ・ウリュカエフや、現・元財務大臣アントン・シルアノフとアレクセイ・クドリンは教条的ネオリベラルだ。この連中は、公有資産を外国人に売って、ロシア財政赤字に対処することを望んでいる。もしこれが実行されれば、この政策で、アメリカ政府は、ロシア経済をより強力に支配できることになる。

この“ジャンク・エコノミスト”の群に立ち向かっているのがセルゲイ・グラジエフだ。ボリス・チトフとアンドレイ・クレパチは彼の同志だと報じられている。

ネオリベラル政策は、ロシア政府がアメリカ政府の外交政策に従わず、アメリカが懲罰したいと思った場合、アメリカ政府による不安定化の影響をロシア経済が受けやすくするものであるのを、この集団は理解している。彼らの狙いは、国の主権と、そうした権益を、アメリカ政府の権益に隷属させるのではなく、政府がロシアの国益のために動く能力を守るため、ロシアをより自給自足可能にすることだ。ネオリベラル・モデルは、発展モデルではなく、もっぱら採取だ。ロシアや他の属国を“まきを切り水をくむ者”にするのだとアメリカは描写している - ロシアの場合は、石油、ガス、プラチナとダイアモンドだ。

自給自足とは、輸入に依存しない、あるいはロシア中央銀行が資金提供可能なものを、投資、外国資本に依存しないことだけを意味するのではない。経済の戦略的部分が、民間ではなく、政府の手中に留まることも意味している。基本インフラ・サービスは、外国人所有者に引き渡し、連中が独占使用料を得られるようにするのではなく、助成を得た価格、あるいは無料で提供されるべきなのだ。グラジエフは、ルーブルの交換価値を、通貨市場での投機ではなく、中央銀行によって決定されるようにしたいと考えている。

ネオリベラル・エコノミストは、ロシアのように天然資源の財産を有する国が様々なプロジェクトを行うのに必要なお金を生み出す中央銀行から資金提供を受け、経済発展することを認めない。連中はそういうことをするとインフレになるという。お金が、中央銀行からのものであれ、融資による民間銀行や、外国からのものであれ、金の量という点で、違いは皆無だという長年認められている事実をネオリベラルは否定する。違いは、もしお金が民間銀行や外国からのものであれば、銀行に利子を払わねばならず、外国人投資家と利益を分け合わねばならないことで、結局彼らが経済に対し多少支配力を得ることになる。

どうやら、ロシアのネオリベラル連中は、アメリカ政府や、そのヨーロッパ傀儡諸国が、ロシアという国家に及ぼす脅威には鈍感なようだ。ウソを基に、アメリカ政府は、ロシアに経済制裁を課している。この政治的悪魔化は、ネオリベラル経済プロパガンダ同様、ウソだ。そのようなウソを基に、アメリカ政府は、ロシア国境やロシア領海で、軍隊やミサイル基地を強化している。アメリカ政府は、ウクライナやジョージアと同様に、旧ロシアや旧ソ連の国々の政権を打倒し、ロシアに敵対的な政権を据えようとしている。ロシアはアメリカ政府とNATOによって、絶えず悪魔化されている。アメリカ政府は、オリンピック大会さえ政治問題化して、多くのロシア選手の参加を阻止している。

ロシアに対する、これらのあからさまな敵対的行為にもかかわらず、ネオリベラル・ロシア人は、アメリカ政府がロシアに強いている経済政策はロシア経済の支配を狙っているのではなく、ロシアにとって有益だといまだに思い込んでいる。こうした条件の下で、ロシアの運命を、欧米の覇権と結びつければ、ロシア主権の破滅を決定付けることになる。

Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOST、The Neoconservative Threat to World Order.が購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2016/08/10/russias-weakness-is-its-economic-policy-paul-craig-roberts-and-michael-hudson/
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