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テレビを熟知していたトランプの強さ 選挙におけるマーケティング戦略(WEDGE)
http://www.asyura2.com/16/kokusai16/msg/325.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 11 月 14 日 17:19:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

              トランプ当選を封じる各紙(GettyImages)


テレビを熟知していたトランプの強さ 選挙におけるマーケティング戦略
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/8218
2016年11月14日 WEDGE Infinity


 今回の米大統領選挙は「選挙におけるマーケティング戦略」を考える上で非常にエポック・メーキングな選挙だった。トランプ氏を勝利に導いたのは、終盤で多少のブレもあったが、やはり一貫したマーケティングと言える。

■トランプへのアクセスを増やす

 トランプの手法は明らかに「人々の怒り、不安、社会への不満を煽る」ことで最終的に自分への注目度を高めることだった。もちろんアンチ・トランプの動きも凄まじいものがあったが、それも結果的に「トランプへのアクセスを増やす」ことに役立った。

 「葛藤は特にソーシャルメディアでの大きな売りになる」と指摘するのはジョージワシントン大学准教授、マイケル・コーンフィールド氏(Politics Moves Online: Campaigning and the Internet)。同教授はヒラリー・クリントン、ドナルド・トランプ二人のツイッター、フェイスブック、ユーチューブなどのソーシャルメディアの発言内容を分析。その結果「トランプは自分の言葉で語り、過激発言が多く、ヒラリーはおそらくはキャンペーンスタッフが書き込みを行なったと思われる、政治的主張が中心だった」と言う。どちらがよりパーソナルか、というのは明らかだ。

 その結果、フェイスブック、ツイッター、インスタグラムを合わせたトランプへの「いいね!」は合計2270万、ヒラリーは1500万だった。ツイッターでは選挙前のトランプフォロワーは400万、現在は1060万。選挙期間中のトランプによるツイートは3万2800。一方のヒラリーは選挙前が100万、現在が810万、ツイート数は本人の名前のものが7260。フェイスブックでのトランプへの「いいね!」は1000万、ヒラリーは520万。インスタグラムでのフォロワーはトランプ220万に対しヒラリー180万。

 ただし、ユーチューブではヒラリー優勢で、ヒラリーチャンネルの登録者6万4000に対しトランプは4万5000。ビデオの視聴回数もヒラリー1600万に対しトランプは800万だった。

 これが何を意味するのかというと、ヒラリー支持者は演説や政策など、深いところで共鳴する人々が多く、一方のトランプは短くセンセーショナルなつぶやきなどにおいてリードしてきた。しかし、話題性やイメージの面ではより多くの露出がある方が人々の記憶に残りやすい。トランプのツイッターやフェイスブックはしばしば炎上したが、その炎上ぶりがメディアに取り上げられることでさらに視聴者を増やし、賛同も反対も合わせてより多くの注目を集める結果となった。

 トランプのツイッターのマメさは驚くばかりだった。例えばフロリダ州での予備選。地元上院議員であるマルコ・ルビオ有利が伝えられており、ルビオ自身も選挙前に「フロリダを制する者が予備選を制する」と演説した。ところが結果はトランプ勝利。そこでトランプはすかさず「サンキュー、マルコ、その通りだ」とルビオ発言にツイートするのである。

 また、トランプという人は自分のテレビ番組を持っていたりで、とにかく露出の多い人物だった。かねてから露悪的な発言が多く、批判も多い反面人気もあった。そういう自分の特徴を知り尽くしていたからこそ、暴言を繰り返しても自分のイメージが損なわれることはない、と知っていた。あまりの打たれ強さに「テフロン・ドン」というあだ名がついたほどだが、叩かれる=人気が増すことを知っていた。終盤になってややまともな態度を取り始めると途端に人気が下がったのを見て、路線変更を素早く行なった。

■家族の露出も利用

 次に、家族の露出。トランプのテレビ番組「アプレンティス」には審査員役で娘も出演していた。有名人の割に家族、孫に到るまで露出を惜しまなかったため、彼らが選挙応援に駆けつけると有名スターのように盛り上がった。もちろんヒラリー側も夫は元大統領、と抜群の露出はあるのだが、一家総出となるとトランプ側の迫力勝ちだろう。

 また、テレビへの出演が多いため、良くも悪くも「自分の見せ方」を知っていたのがトランプだ。ヘルメットのような髪型、年齢の割にシワがなく血色の良い顔。憮然とした表情でも笑顔でも、テレビ画面に映る自分を知り尽くしており、豊かな表情を駆使していた。

 対するヒラリーは、もちろん有名人であり誰もが顔を知っているが、どちらかというとニュースなどでスチール画面での登場が多かった。鉄仮面と評されるほどに無表情で強面。ところが今回の選挙戦で動画で登場すると、シワの多さや目の下のたるみなど、年齢を隠せない部分が多かった。相手が妙に生気に溢れているだけに、より劣化が目立ってしまった感がある。

 結局のところ自分自身を「商品」として見せることが得意だったトランプのイメージ戦略に翻弄されたのが今回の選挙だった。人々は政策ではなくトランプというブランドに投票したのだ。

 しかし、米国人が恐れるべきなのは現在起こっている抗議活動ではない。今の騒動は一種の怒りのはけ口を求めるもので、彼らの怒りは本来「トランプに投票した人々」に向けられるべきものだ。

 本当に怖いのは、トランプが確約したアメリカの明るい未来「中国などに奪われた製造業を取り戻し、移民を放逐し、アメリカをアメリカ人の手に取り戻す。ワーキングクラスが豊かな中流となる」が実現できなかった時だ。期待を寄せただけに、トランプ支持者が裏切られた、と感じた時の反動は凄まじいものになるだろう。そうなれば現在の抗議デモの比ではない、国を挙げての反政府運動に発展する恐れがある。

 現在抗議デモが起こっているのは、ほぼ全て「民主党が勝利した州」の都市部である。しかし期待が裏切られた人々が起こす抗議活動は全国に広がる、大規模なものとなるだろう。そうなれば大統領の罷免にも発展するかも知れず、トランプがどれだけの手腕を発揮できるかが国の安定という問題にも深く関わってくる。

 

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