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井手英策 いかにして「分断社会」を終わらせるか
http://www.asyura2.com/16/senkyo215/msg/389.html
投稿者 世界精神 日時 2016 年 11 月 02 日 15:26:31: RitahJZV4EHKU kKKKRZC4kF8
 

 日本では格差が広がっているにもかかわらず、多くの人が格差に無関心である。その原因を探り、格差に無関心な人たちも納得する政策をとらなければ、実際に格差を是正することはできないだろう。
 ここでは、慶應大学教授の井手英策氏の格差問題に関する分析を紹介したい。


『月刊日本』11月号
井手英策「いかにして『分断社会』を終わらせるか」
http://gekkan-nippon.com/?p=9568


<日本は今や格差大国だ>

── 井手さんは『分断社会を終わらせる』(筑摩書房)などで、格差問題について分析されています。日本で格差が拡大した原因はどこにあると考えていますか。

【井手】 格差拡大の一番の要因は中間層の衰退だと思います。これは日本だけでなく先進国全体に見られる問題です。そのため、先進国に共通する原因と、日本の国内事情の両方を見る必要があります。

 まず、先進国に共通する原因について言えば、第一に持続的に都市化が進んだことです。都市化が進むとサービス業が都市に集中します。しかし、サービス業は労働生産性が低いので、賃金は低く抑えられます。都市に人が吸い寄せられ、同時に賃金が下がっていくという問題が世界的に見られるようになりました。

 第二に、IT技術の発展です。これにより、高度な技術や知識を必要とするために熟練労働とされてきた仕事が、例えばコンピューターを使えば簡単に代替できるようになりました。そのため、企業は熟練労働者を高い賃金で雇うのではなく、コンピューターを使える人を安い賃金で雇うようになっていきました。

 第三に、グローバル化の中で新興国から安い商品が入ってくるようになったことです。これにより、先進国では物価が下落し、企業の収益も減っていきました。また、先進国の企業は新興国と競争するために商品の価格を下げなければならなくなり、そのため賃金を削るようになりました。以上が先進国の賃金が下落した主な要因です。

 他方、日本国内の要因について言うと、第一にバランスシート不況と呼ばれる問題です。日本の企業はバブルの際、不動産を担保にして金融機関から多額のお金を借りました。しかし、バブルが弾けて不動産担保の価値が下がると、金融機関は次第に追加の担保を求めるようになりました。そのため、企業は銀行からお金を借りて投資するというスタイルをやめ、内部留保で投資を行うようになったのです。内部留保を増やすためには人件費を削るのが一番効率的なので、企業は賃金をどんどん下げていきました。

 第二に、BIS規制が導入されたことです。これにより、国際業務を行う銀行は自己資本比率を8%以上にしなければならなくなりました。自己資本比率は「自己資本÷総資産×100」で計算されるので、国際的に見て自己資本の少なかった日本の銀行は自己資本比率を高めるために総資産を小さくする、つまり貸付を減らすようになりました。結果、企業の銀行離れが加速し、内部留保への依存が強まって、賃金はさらに下落していきました。

 第三に、国際会計基準が導入されたことです。これにより、投資家たちは投資判断をする際に、キャッシュフローを重視するようになりました。そのため、企業はキャッシュフローを増やすべく、やはり人件費を削るという方法をとったのです。

 人件費が削られれば生活は苦しくなり、人々は将来の不安に怯えて消費を減らすようになります。そうなると企業の収益が上がらなくなるため、さらに賃金が削られます。日本はこのような悪循環に陥ってしまったのです。

 日本の平均世帯所得は1996年からほぼ一貫して下落し続け、この20年間で2割近く下落しました。現在では専業主婦世帯と共働き世帯が逆転しているので、共働きにもかかわらず世帯所得が2割近く落ちたということです。また、日本のジニ係数はOECDの中で9番目に悪く、相対的貧困率は6番目に悪いという状況にあります。ひとり親家庭の相対的貧困率に至ってはOECDの中で最悪です。日本は今や格差大国と言っても過言ではない状況にあるのです。

<日本人が格差問題に無関心な理由>

── これほど格差が拡大しているにもかかわらず、日本人の多くは格差を他人事と感じているように見えます。

【井手】 一つには左派やリベラルの責任が問われます。生活に困っている人たちを助けることを、一応「弱者救済」と言っておきますが、左派やリベラルは弱者救済を正義だと語り、人間として当然の行為だと主張してきました。

 確かに弱者救済は道徳的には正しいことです。しかし、人々の生活はどんどん苦しくなっており、他人を顧みる余裕がなくなっています。そうした時に弱者救済は正義だと押し付けられれば、反発を覚えるのは当然のことではないでしょうか。リベラルが善意に基づき弱者を救済しようと思えば思うほど、逆に人々は弱者救済に関心を失っていったというところがあったと思います。

 また、これは日本人のメンタリティとも関係しています。例えば、「自分の所得は平均所得と比べてどうか」と問われた時、「平均所得以下だ」と応える日本人の割合は、国際的に見ても高いことがわかっています。「子供の時と比べて家庭環境はどうなったか」という質問に対して、「悪くなった」と答える日本人の割合もかなり高く、「自分の仕事は父親の仕事と比べてどうか」という質問に対して、「父親以下だ」と答える人の割合は調査国の中で最も高くなっています。さらに、2011年に内閣府が行った調査では、「老後に不安を感じている」と答えた人の割合は85%に上っています。このように、日本人の多くは自分たちが貧しくなっているという実感を持っています。

 その一方で、日本人の中には依然として根強い中流意識があります。明らかに生活が苦しくなっているのに、なぜ自分たちを中流だと思うのか、その意識のズレはどこから生じるのかを考える必要があります。

 この問題を考える上で参考になる調査結果があります。「あなたの生活の程度は『中の上』か『中の中』か『中の下』か」という質問に対して、日本は他の先進国と比べて「中の下」と答える割合が最も高いことがわかっています。ここに見られるのは、自分はギリギリのところで踏ん張っているという意識です。これこそ日本人が格差問題に対して冷淡な理由だと思います。つまり、自分は誰からの支援も受けずに必死になって働き、何とか「中の下」で踏ん張っているのに、国から支援を受けている貧困層は一体なんだということで、貧困層に対して敵意を向けてしまうのです。(以下略)  

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コメント
 
1. 佐助[3951] jbKPlQ 2016年11月02日 16:58:51 : EPbzpPtFcg : JZu5dAhutnk[90]
この先生
アダムスミスの「神の見えざる手」とケインズの前提反転思考革命「朝四暮三」を全く理解していない。しかもサービス分野がなぜ日本で向上するのでしょうか?理解していない。

そして世界の基軸通貨変更はスムーズに移行しないのです。

この人はアダムスミスの「神の見えざる手」をチャント説明していない。それどころか、資本主義経済は国家が干渉せず自由放任しても「神の見えざる手」によって需要と供給の均衡が回復することに期待し続けている。

そして古典派経済学者たちは「経済学の目的は、貧しさから開放し、格差をなくし、失業をなくし、国と企業と個人を富ませるため」であるという理想を抱いていた。だが、ケインズの前提反転思考革命によって、理想や義務から解放されたのです。

ケインズの限界効用説の誤りが見えてくる。
(1)失 業について
▼外国労働者と輸入品で低賃金維持する
▼低賃金国と地域に生産加工を移転させる
▼農業や不況産業から雇用が移動
▼多重下請け臨時雇用でコスト削減
▼最低生活以下の人口増で格差拡大
(2)雇用について
▼外国労働者の制限的雇用
▼海外の事業所の拡大雇用
▼国内雇用の選択流動化
▼固定避け臨時雇用比上昇
▼職業の自由な選択と高賃金の追求

こうして今日、権力者の愚民操作の極意に採用され成功している,国家のエゴの論理「朝三暮四」の発想が統計指数がネジ曲げられたのです。

つまり、実態は変わらなくても、人間は、目先の結果を優先させて判断するために、改善されたと錯覚するのだ。無料の品物を最初に一杯くばり、高額契約させるサギ商法も「朝四暮三」の心理を利用している。架空の通貨をくばる高金利出資サギもネズミ講も、「朝四暮三」の発想を循環させることにより、永遠に富を得られると錯覚させる。

近代産業化は、各国の雇用・失業の歴史に、色々な「朝四暮三」を自然に発生させた。そのため、雇用・失業の統計はバラバラで、実態は反映されていない。

こうして「中間層の衰退と格差」「二年前から危ないと思っていた」というセリフと、「誰が予期できただろう」というセリフに騙されていく。


経済学も社会学も、個人のエゴの論理と企業や地方のエゴの論理と国家のエゴの論理を区別しない。全部一つにひっくるめて「最大幸福と利益の追求が、資本?義的自由経済社会の目的であり活力である」と?張する。そして、寡占生産と販売こそ近道と考える。

そしてサービス業がなぜ向上するのか,認識していない。
商品の世界的優位性は、「ルールの破壊/創造」周期によって、後進国が先進国に追い付き追い抜くことによって誕生する。後進国はルールの破壊期に、伝統慣習を破壊する度合いが、先進国よりも広く深いため、新しい流行を積極的に受け入れるために、商品の世界的優位性を獲得する。

後進国や東南アジアの工業国と工業都市は、日欧米に追いつき追い越すことができる,だが「日欧米に追いつき追い越すことはできない」と反論する。初期開発に時間がかかり大変ですが,物真似やコピーは簡単です。

後進国は2019年から徐々に「日欧米から学ぶものはなくなった」と発言することになる。日本商品の世界的優位性は2040年まで継続するが、次々と後進工業国にイニシアチブを奪われる。しかし、米国のようにサービス産業の優位は維持できる。

もしドル円ユーロ三極通貨による固定為替体制が安定すると、サービス分野での優位性は上昇する。

中国とインドと南アフリカとロシアは、溜め込んだドル・ユーロ・円の基軸通貨と保有キンのバスケットのペッグ制によって、間接的に為替レートに、自国通貨を固定化することができる。そうして、その輸出大国を維持することが可能となる

「最大利潤は寡占生産&販売から誕生する」とする循環論が正しければ、寡占化に成功した国家や企業が、後進国や後発企業に追い抜かれることは永遠にありえない。

たから,とりあえずドル・円・ユーロの三極基軸通貨体制を採用し、固定為替システムに戻し、通貨を安定させるべきだ。次に、次期産業革命へ大胆にシフトすることです。次期産業革命とは「放射能・CO2を発生させない動力」への転換革命です。すでに実用化されています。

すると地球を破壊させることが確実な第三次世界大戦を避けられる。


2. 2016年11月02日 17:11:29 : rTuWDSKUcE : xeWOlj7783M[9]
問題は「自分の生活も苦しいが、貧困者は他者であって自分ではない」という意識でしょう。
自分も近い将来貧困に落ちる、いや、正直にもはや貧困なのだと認める勇気が多くの人に必要です。
特に>>1氏なども、こんなところで高邁なお説を開陳されているところを見ると、私同様、お金にはあまり縁のないようにお見受けするが、w 少し考えなおされた方がいいかと。

3. 天橋立の愚痴人間[78] k1aLtJengsyL8JJzkGyK1A 2016年11月02日 20:54:12 : 7Irkby1bH6 : mUYSc3J3vKk[42]
佐助さん、またお会いしました。

「井手英策 いかにして「分断社会」を終わらせるか」と言うテーマに吊られてよって見たのですが、標題の文章は単なる現状分籍だけで退屈なものです。

また我が国の国民性を検討することなど経済の成り行きには全く無用のことであり必要もないことです。
それに対してあなたの

ケインズの前提反転思考革命とか、とりあえずドル・円・ユーロの三極基軸通貨体制を採用

など、あまり分からないのですが。
最後の方の
固定相場制に復帰とか、次期産業革命と言う言葉には興味があります。

グローバル化に対応し、その国にあった経済の施策を実行するためには固定相場制でなくてはならないでしょう。

次期産業革命と言う言葉で、新しい産業として、「放射能・CO2を発生させない動力」を上げられています。
確かに自動車、家電製品などは行き渡り、商品も生産力も全て飽和状態です。
その上に生産技術の発達で、ますます雇用の機会がなくなり、よほどの新しい産業が勃興しなければ多くの人が生活の糧を失うでしょう。

私は、新しい産業を興すだけでは不十分と見て、従来の産業の分野、特に第一義産業の分野での合理性(価格、生産システムなど)を少しコントロールすることも必要かと思います。
具体的には大規模営農は見送り、従来の3ちゃん農業をむしろ奨励する。
出来るだけの機械力は用いれば良いと思います。
エンゲル係数は少し上がるかもしれませんが、
これくらいの我慢はシステムとしてやればよいかと思います。
タバコを値上げしても私がやめないのと同じように?。

他にも考えていますが、まあ、要するに現行の経済理念の根本にメスを入れねばならないかと思っています。

それこそ第二次、産業革命でしょう。

時の学者たるもの、これくらいのスタンスで考えてものですね。



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