【イスラマバード＝共同】家族連れでにぎわう春の公園が血に染まった。パキスタン東部ラホール中心部の公園で27日に発生した自爆テロ。「目の前で遊んでいたわが子が消えてしまった」。パキスタン少数派のキリスト教徒が祝うイースター（復活祭）と日曜が重なった休日は一変、子供を失った母は泣き叫んだ。

　地元メディアなどによると、現場はブランコなどの遊具がある一帯で、犠牲者の大半は女性と子供。公園近くの男性は「激しい爆発音がして、煙が上がった。誰もが泣き叫んで逃げていた」と振り返る。

　この公園には、比較的貧しい人が集まるとされる。近所のジャベド・アリさん（35）は「公園には多くのキリスト教徒がいた」と話した。

　日没後も救急車のサイレンが鳴り響き、負傷者が担架で次々と搬送された。ラホールの病院には負傷した５歳の男児が運ばれたが、男児の両親やきょうだいは爆発で死亡した。病院職員は「男の子の親族と連絡が取れない」と頭を抱えた。

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO98942060Y6A320C1CC0000/

　【イスラマバード＝共同】パキスタン東部ラホールで二十七日起きた自爆テロで、イスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動（ＴＴＰ）」の一派が二十八日までに犯行声明を出した。「イースター（復活祭）のキリスト教徒を標的とした」と主張している。

　地元メディアなどによると、死者は少なくとも七十二人。負傷者は約三百人。パキスタンでのことし最大規模のテロ被害となった。

　イスラム教徒が大多数を占めるパキスタンでキリスト教は少数派。二十七日は日曜で多くのキリスト教徒が公園を訪れていた。声明はキリスト教徒に対するさらなる自爆テロを予告した。

　ラホールはシャリフ首相の出身地。声明はシャリフ氏に対し「われわれは（ラホールが位置する）パンジャブ州に到着した。おまえにも（攻撃の）手を届ける」と脅迫した。パキスタンではＴＴＰなどのイスラム系武装組織が反政府活動や自爆テロを繰り返し、キリスト教関連施設も標的となってきた。二〇一三年には北西部ペシャワルのキリスト教会での自爆テロで八十人以上が死亡している。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201603/CK2016032802000228.html