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コラム:アレッポ停戦合意、シリア内戦の転機になるか
http://www.asyura2.com/16/warb17/msg/682.html
投稿者 軽毛 日時 2016 年 5 月 07 日 16:33:20: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

Column | 2016年 05月 7日 06:46 JST 関連トピックス: トップニュース
コラム:アレッポ停戦合意、シリア内戦の転機になるか
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[5日 ロイター] - シリア第2の都市アレッポで4日成立した停戦合意が保たれれば、近年最も悲惨で、おそらく地政学的に最も複雑な紛争は、本当の転機を迎えるかもしれない。

しかし、4年に及ぶ戦闘を経て(特にここ2週間は戦闘が激しかった)、停戦が維持されるかどうかは定かではない。アレッポでの戦況は依然として大部分がはっきりしない。シリア政府軍や、反政府軍、そしてそれらの国際的な支援国にとっても、アレッポで今後何が起きるかが、シリア全体の方向を決定づけると思われる。

目下の問題は、この停戦が、最終的にシリア情勢を安定回復に向かわせるための交渉による解決へとつながるのか、あるいは、単により多くの戦闘を始める前の一時的な中休みに過ぎないかだ。

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後者であれば、2012年7月19日にアレッポで戦闘が始まって以来、情勢悪化に苦しんできた地元住民にとって、さらに悪いニュースとなるだろう。病院をはじめとする市内公共サービスは、何度も標的にされており、援助活動家によると、多かれ少なかれ、今や完全に破綻している。

もともと人口210万人の都市だったアレッポに、現在どれほどの人々が残っているのかはまったく不明だ。停戦があれば、市内に留まっている人々の大半が脱出するための好機とみなして利用する可能性がある。少なくとも、彼らが停戦は長続きしないと考えている場合には、そうなるだろう。

シリアのアサド大統領や同大統領を支援するロシアの計画がどのようなものか、特に彼らが同じ計画を共有しているかを解明することはとても難しいと、西側の当局者やアナリストは話す。

アレッポを完全に取り戻すことは、アサド政権にとっては大きな勝利となるだろう。首都ダマスカスが比較的安定している一方、アレッポ同様、2011年の反政府勢力蜂起の発祥地の1つとなったホムスは2014年5月、反政府軍からの奪還を果たした。

仮に政府軍がアレッポを再び掌握すれば、ダルアーが、比較的穏健な反政府軍の支配下にある唯一の重要な人口居留区となる。

このため、アレッポ奪還は、アサド大統領に消え去って欲しいと望む、米政府の多くをはじめとする人々に対して、おそらく致命的な打撃を与えることになるだろう。

そして、ヒラリー・クリントン前国務長官であれ、不動産王ドナルド・トランプ氏であれ、次期米大統領がしぶしぶ交渉し、過激派組織「イスラム国(IS)」を攻撃するために事実上の同盟を構築する可能性を残すかもしれない。

しかし、シリアではいつもそうだが、現実はもう少し混乱しているかもしれない。アレッポを奪還して治安を維持し、さらにはシリアの他地域で戦える余力を有した十分な軍をアサド政権が持っているのかどうか、一部の専門家は疑問を呈している。

アレッポにいる反政府武装勢力のすべてが、アサド後のシリアで最大の希望とワシントンの多くの人々が期待するような穏健派ではない。

ISの敵で、イスラム過激派組織アルカイダのシリア支部とみられている「アル・ヌスラ戦線」も非常に活発に活動している。この組織は、先週末の病院の爆破攻撃を行った疑いがあり、もし確認されれば、事態はより一層複雑化する可能性がある。

米国と他の西側諸国にとって、優先されるのは今もなおISとの戦いだ。この意味においては、アレッポの重要性は小さく、二の次となっている。とはいえ、ISはアレッポの近郊で勢力を保ち、現在行われている戦闘で利益を得ていると一部でみられている。

ロシアのプーチン大統領が何を得たいのかによって多くが決まる。ロシア軍のシリア介入は、あらゆる意味で形勢を一変させるものだった。とはいえ、アレッポでの戦闘では、アサド軍はロシアの軍事力にそれほど依存していないようにみえた。

軍事支援を増減する決定権を持つプーチン大統領はアサド大統領の行動に対して非常に大きな影響力を有している、と西側の専門家はみている。しかし、結局のところは、彼らはどちらも、今もなお明確に違う利害を抱えた、独立した当事者である。

ロシア政府は、自らをシリアにおける米政府の主要な仲裁者と位置づけている。希望は、プーチン大統領が、イラクとアフガニスタンで西側が直面した泥沼の事態に自身も巻き込まれることを懸念して、何らかの合意に達することだ。特に欧州は、難民の流入鈍化につながるシリア情勢の改善に必死になっている。

このことは、シリア情勢をもっと大きなチェス盤の一部分へと変える。一部の西側当局者は、プーチン大統領のシリア戦略が欧州の不安定化を狙っているとみているが、そうした見方を疑う当局者もいる。

アレッポでは、地元で停戦をどう受け止めるかに、多くがかかっている。もし彼らが停戦は一時的であり、戦闘休止を国外脱出に利用するのであれば、最終的な戦闘の幕を開ける可能性がある。あるいは、アサド政権がさらなる流血を必要とすることなく、ある種の協定や和解に向けた地元合意への道を開いている可能性もある。

このことは、アサド政権と戦う勢力にとって、政権側と長期的な合意を得るための1つの活路を開くことを意味するかもしれない。とはいえ、その可能性は現時点ではとても低い。

どちらにせよ、ロシア政府が熟知している方法になるだろう。ロシア政府軍は、チェチェンで、分離独立派勢力を一掃するため、何年にもわたって都市を壊滅させた。今も抵抗している勢力に対する鎮圧に加え、経済開発や賄賂、その他の刺激策からなる「アメとムチ」を利用することによって、やがて再び統制できるようになった。

スリランカ政府も2009年、反政府ゲリラ「タミル・タイガー」に対して同じような方法をとった。

いずれの場合も、戦闘が終盤を迎える局面で、病院やその他の民間支援設備が意図的に標的にされている、と支援団体や人権団体は抗議する。戦闘終了前に、地元民を政府の管理している地区に逃げるよう促すことが1つの目的になっているという。

シリア政府とロシアが、アレッポでも同じような戦略をとるかどうか、今後数週間に手掛かりを得ることができるだろう。

米国とその同盟国は、チェチェンやスリランカで自らが採用した戦略を導入しているように思える。つまり、傍観者の立場で状況を眺めて抗議するが、実質的行動はとらないようにすることだ。もちろん米国や湾岸諸国も、武器を与えたり、増軍、シリア政府軍に対する空爆を行ったりして、アレッポの反政府勢力を支援するため断固とした行動をとることができる。

たが、それらは起こりそうにもない。たとえそれが起きたとしても、それは単にシリアの人々にとって恐怖と戦闘を長引かせるものに過ぎないだろう。アレッポでの戦闘はまだ終わっていないかもしれない。

*筆者はロイターのコラムニスト。元ロイターの防衛担当記者で、現在はシンクタンク「Project for Study of the 21st Century(PS21)」を立ち上げ、理事を務める。

*本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
 

出典:ロイター、ロイター/イプソス、共和党全国委員会、民主党全国委員会、THE GREEN PAPERS

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コメント
 
1. 2016年5月07日 16:51:04 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[457]

プーチン氏悩ます「チェチェンの呪縛」 モスクワ支局長・遠藤良介
2016.2.22 10:30

 ロシアの報道・言論界で最近、プーチン大統領に迫る“存在感”を見せている男がいる。ソ連崩壊後、ロシア連邦中央と2度の独立紛争を経た南部チェチェン共和国のカディロフ首長だ。紛争後のチェチェン統治を委ねられた独立派ゲリラ出身のカディロフ首長が今、広大なロシアを揺さぶり、プーチン氏を悩ませている。

 「ロシアの反体制派には『人民の敵』『裏切り者』として接しなくてはならない。その破壊的活動は厳重に裁くべきだ」。今年1月、カディロフ首長のこんな発言が波紋を広げた。「人民の敵」は旧ソ連スターリン期の大弾圧で多用されたレッテルであり、人権活動家や知識人が首長の解任を求める声明を出した。

 チェチェンはその後、プーチン氏と首長の批判は許さないとする100万人規模の官製集会を開催。首長はさらに、反体制派指導者、カシヤノフ元首相の映像に銃の照準を合わせ、暗殺を予告するような動画を映像共有サイトに投稿した。チェチェン上層部は昨年2月、反体制派のネムツォフ元第1副首相が射殺された事件への関与を疑われており、冗談では済まされない話だ。

 プーチン氏を上回る露骨な反体制派敵視は、いったいどこからくるのか。

 プーチン氏はエリツィン政権下で首相職にあった1999年、モスクワなどで相次いだアパート爆破をチェチェン独立派の犯行と断じ、第2次チェチェン紛争の火蓋を切った。戦争指揮で急激に人気を高めたプーチン氏は、翌年春の大統領選で圧勝。2002年の戦争終結宣言後、独立派ゲリラを率いて寝返ったカディロフ父子(父は04年に爆死)に現地の強権統治を任せ、巨額の資金を投下した。反カディロフ派は一掃され、共和国内のテロは大幅に減った。

 プーチン氏は、ソ連崩壊後の大混乱を収めて安定と成長をもたらした「救国者」を自任し、それが国民の支持も得てきた。カディロフ首長はこの意味で、チェチェンの独立と連邦の崩壊阻止に貢献した「恩人」だ。首長もそれを理解して「実利」を狙ってきた。チェチェン共和国予算の8割超は連邦中央からの交付金で、14年の交付額は569億ルーブル(約883億円)にのぼった。

 カディロフ首長がここにきて過激な言動を強めているのは、ロシアの経済危機が深まり、さらに首長の任期が3月上旬で切れるためだと考えられている。多くの地方が中央からの交付金減少にあえぐ中、プーチン氏への熱狂的支持を演出しつつ、「チェチェンの平穏が欲しければ、首長に再任し、カネを出し続けよ」とクレムリン(大統領府)に脅しをかけているのだ。

 カディロフ一派の専横とイスラム色のきわめて強い統治、中央からの破格の資金供与には、リベラル系の反体制派のみならず、プーチン氏がよって立つ治安・特務機関からも不満が強い。チェチェンはもはや連邦機関の権限が及ばない「独立状態」となっているためだ。一昨年以降、ロシア民族主義派の目はウクライナ問題に向けられてきたが、その熱が冷めれば、再びチェチェンなどカフカス地方敵視が強まることも疑いない。プーチン氏が首長を温存し続ければ、これら勢力の反発は必至だ。

 帝政ロシアがカフカス征服を本格化させた18世紀以降、ロシアとチェチェンの関係は常に対立と緊張をはらんできた。プーチン氏が首長を切り捨てれば、チェチェンの刃(やいば)が一転して中央に向けられるかもしれない。チェチェン内外に散らばる反カディロフ派がこれを機にのろしを上げ、カフカス地方が大混乱に陥る可能性もある。

 プーチン氏は「チェチェンの呪縛」を解くことができるのか−。チェチェンが再び流血の震源地となることを懸念する識者は少なくない。(えんどう りょうすけ)
http://www.sankei.com/world/news/160222/wor1602220019-n1.html


2016年02月28日 11:32短縮 URL
148531
チェチェン共和国のラムザン・カディロフ首長が自身の共和国統治時代は終わったと発言した。RIAノーボスチが伝えた。

チェチェンでロシアとの一体性を支持する100万人集会開催
© SPUTNIK/ SAID TSARNAEV
チェチェンでロシアとの一体性を支持する100万人集会開催
「正直に言うと、私はやるべきことを行い、今日に至るまでうまくやってきた。だが国民の意思に背いて首長職にあり続けるよりは、別の人物を首長にするべきだと考える。私はこう口にしてみる。私の時代は終わったのだと。我々には後任として非常に多くの、そして非常に素晴らしい専門家たちがいるのだから」とカディロフ首長はロシアのNTVテレビ局の番組「中央テレビ」の中でこのように発言した。
カディロフ首長はまた、人は全て自分の限界を持っていると強調した。

「これが私カディロフにとっての限界なんです」とカディロフ首長は語った。

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http://jp.sputniknews.com/politics/20160228/1690660.html
 
 


カディロフがチェチェン共和国首長の座から降りたいと発言
<イスラム国家>の北カフカス地方への浸透がロシア連邦にとって大きな脅威となっているなかで、存在感を強めつつあるチェチェン共和国首長ラムザン・カディロフですが、2月27日にNTB局中央テレビ番組のインタビューで、引退をにおわせる発言を繰り返したそうです。
この日、モスクワをはじめとする各都市では、野党政治家ボリス・ネムツォフ殺害1周年のデモ行進が繰り広げられていました。デモ参加者たちは様々なスローガンを掲げて行進しましたが、その中には<反カディロフ>のプラカードもありました。ネムツォフ氏暗殺の容疑者として数人のチェチェン人が逮捕されましたが、その中にチェチェン共和国首長カディロフの庇護下にある内務省特別エリート部隊<セーベル>連隊の旧将校たちも含まれていたからです。
「この日にへりくだった声明を出すことで、カディロフ氏は一つには自分に対する批判が過熱化するのを和らげ、もう一つには例のごとくクレムリンに対して自信の忠誠心をデモンストレーションして見せる狙いがあった」とカーネギーセンター研究員のアレクセイ・マラシェンコは指摘していますが、2007年からチェチェンを率い、2期目の首長任期が4月5日に切れるカディロフ氏の一度ならぬ引退発言は、様々な憶測を呼んでいるようです。

その発言内容について、2月27日付コメルサント紙電子版(http://www.kommersant.ru/)が次のように伝えていました。

「チェチェン共和国首長ラムザン・カディロフが、NTB局中央テレビ番組のインタビューで、『正直に言って、私はやるべきことをやっており、それが今日まではうまくいった。私の名前がわが共和国人民に敵対するような形で利用されないためには、国家首脳部はほかの人物を探したほうがいい。私の時代はすでに去った。人には限界というものがある。わがチームには後継者たちが大勢いる、きわめて優秀なスペシャリストたちがいる・・・今がピークだ。今が、カディロフにとってのピークなのだ』と語った。将来的に自分が連邦政府の大臣や国会議員になることは考えていない。『そんなことは考えられない。大臣や議員などは私のやることではない』『家族や私生活、イスラム教の研究の方に自分の居場所はある。必要となれば、鋤でも自動小銃でもリュックサックでも手に取る覚悟だ』
彼がこのポストにこれ以上とどまりたくないと発言したのはこれが初めてではない。2月23日のラジオ局<ロシアニュースサービス>のインタビューでも、『カディロフはこれ以上この職を続けたいか? 続けたくない。今は経済的・社会的視点からして時代が違う。我々のチームにはもっとプロフェッショナルな人材がいる。私は自分の任務を果たしたのではないかと思う。チームもあれば、国の大統領もいる。すべてはアラーの意志である。私は一兵卒だ。これからも務めよと言われればそうするし、さよならだと言われればさよならする』と述べていた。
カディロフ氏はまた、野党<パルナス>党副議長イリヤ・ヤシンのチェチェン共和国の状況に関する報告書<国家安全保障への脅威>を、公式発表の前にどうやって入手したかについても語った。『アラーがこの報告書の全文書を我々に渡してくれたのである。そして我々は、ヤシンより早くそれを公表した。彼は、まるでチェチェンにはソーシャルネットなど存在していないかのように、わが共和国でこの報告書を流布することは不可能だろうと懸念していたからである』と、チェチェン共和国首長は釈明した。」

チェチェン共和国の首長選挙は9月18日に前倒しされた下院選と同日に行われ、それまでは共和国首長代理が同共和国を指揮することになっています。2月29日付コメルサント紙は、政治家としてのキャリアを終える覚悟があるとするカディロフ氏の発言は選挙で共和国民の支持を得られないことを懸念しての発言ではまったくないとする見方を伝えていました。

「『その反対に、共和国民に支持されるだろうことを彼は完全に確信している。辞任を望むという言葉は、留任を求められるようにとクレムリンに向けられたものだ』とカーネギーセンター研究員のアレクセイ・マラシェンコは見ている。チェチェンではすでにそうした動きがあり、『我々は君を手放さない! 我々、苦難多き民族は、君の去る時が訪れたとは思っていない。これは最後の要求だと思ってくれ』と、共和国議会議長でラムザン・カディロフの側近の一人であるマゴメッド・ダウドフは、自身のインスタグラムでチェチェン共和国首長に訴えた。自分たちのリーダーを支援するために、側近たちは大衆行動を起こすことさえ約束したが、さすがにカディロフ自身がそんなことはしないようにと呼びかけた。
オブザーバーたちは、カデォロフ氏の思わせぶりな発言の背景にはチェチェン政権を交代させたいというクレムリンの現実的な意向が働いていた可能性も排除できない、としている。『信じがたいが、カディロフの他の使い道が見つかった、ということも排除できない。もしそうであれば、後継者候補を巡って駆け引きが行われている、と考えることもできる』と、政治学者のルスラン・マルタゴフは指摘する。その場合、共和国内の政治的安定を維持するために、後継者はカディロフ・チームから選ばれるだろう、という。
チェチェン共和国は首長の直接選挙が廃止されていない北カフカス地域で唯一の主体である。近隣の諸共和国で選挙廃止の決定が採択されたとき、ラムザン・カディロフはチェチェン首長の直接選挙存続を主張した。『もし私が選挙で90%以下の得票率しか挙げていられなかったら、決してこの椅子には座らなかっただろう! 住民たちが自分を支持しないというのに、どうして私がズボンをすり減らさなければならないんだ?』と彼は言ったのである。
9月18日には、もう一つの北カフカスの共和国カラチャエヴォーチェルケシーの首長も選ばれる。あらゆる点からみて、このポストは現首長のラシッド・テムゼロフが守るだろう。彼の任期は3月1日で切れるが、プーチン大統領令により同共和国首長代理に任命されている。」

クレムリンはこうした一連のカディロフ発言に対して即反応はしませんでしたが、2月29日にペスコフ大統領報道官が次のようにくぎを刺したそうです。
「(退任に関するカデォロフの)声明そのものに関していえば、一人の人物が辞職するかしないかは、本来我々が取り上げるべき問題ではまったくない。我々はそうした場合、国家元首が出す評価、国家元首が部下たちに出す提案を指針とするだけである・・・全体として、ロシア各地域の指導者たちの仕事振りの評価は多くの組織が行っている・・・一部こうした評価も取り入れて、ロシア連邦大統領の立場というものがある定程度固められ、それからすべての事柄をベースとしてロシア大統領自身が判断を下すのである。その時期を、つまりチェチェン共和国首長の任期満了と大統領の決定を待つべきだ。果たしてチェチェンの状況は他地域と何か異なっているとでもいうのか? あそこにはロシア連邦のいたるところとまさに同じく連邦政権の支脈があるだけである。チェチェンはロシア連邦の一地域であり、そこではロシア連邦のすべての法律が機能していることを忘れないようにしよう」

一方で3月3日付ウトラRU紙電子版(http://www.utro.ru/)によりますと、カディロフ氏は前出の<ロシアニュースサービス>のインタビューの中で、ロシア国内政治の現状についてこんな辛辣な発言もしていました。
「我々はチェチェンを養っている、チェチェンを、カフカスを養うのはもうたくさんだ、彼らを切り離してしまえ、といった愚かな発言がなされることがある。誰から切り離すのか? ここはロシアの土台であり、背骨だ。今日カフカスを引き渡してしまえば、明日はあっさりとモスクワが奪い取られる。賢い人々にはそれがわかっている。金次第の馬鹿者とシャイタン(イスラム教神話の悪魔)にはそれがわかっていない」

連邦政府との間にはかなりの緊張関係があるみたいですね。プーチン大統領が、チェチェン共和国首長代理に誰を任命するのか、注目されるところです。


2016-03-25 08:21 nice!(0) コメント(0) トラックバック(0)


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ロシアの影の戦争
IS参加チェチェン人を根絶
ロシア軍シリア空爆の狙い
2015年10月05日(月)佐々木伸 (星槎大学客員教授)
 ロシアのシリアでの空爆が続いている。ロシアが過激派組織「イスラム国」(IS)ではなく、アサド政権に敵対する反体制派への攻撃に重点を置いていることも鮮明になっており、米欧との対立が激化している。当のロシアはあくまでもテロとの戦いを強調しているが、チェチェン系過激派の根絶やしを狙ったプーチン大統領の“影の戦争”が浮かび上がってきた。


10月1日、モスクワで行われた市民社会発展・人民委員会で、ロシアのシリア空爆による市民への被害を否定した(Gettyimages)
チェチェン人2500人がIS合流

 ロシアが9月30日に空爆を開始して以来、連日のように作戦が展開されているが、標的のほとんどはアサド政権に敵対する北部や西部ホムス県の反体制派組織だ。空爆3日目の2日、やっとISの首都のあるラッカ周辺のキャンプなどを攻撃したが、西側専門家によると、ISなどの過激派を狙うのは20回のうち1回程度の割合だという。

 一連の作戦を見る限り、ロシアの当面の目標は、アサド政権に敵対する反体制派勢力をたたき、政権の延命を図ることにあるのは明らかだ。シリア空爆作戦を展開している有志国連合の米英仏など7カ国は「ロシアの攻撃は内戦をエスカレートさせ、過激主義に油を注ぐもの」と批判する声明を発表、オバマ大統領も「事態を泥沼化させるだけ」と非難した。

 これまでの情報によると、民間人約40人が犠牲になっており、今後も巻き添え被害が急増するのは必至。ロシアの攻撃を受けた米中央情報局(CIA)が支援する反体制派組織は、ロシア機を撃墜するための地対空ミサイルの供与を米国に要求している。しかしオバマ大統領は、シリアでロシアと代理戦争する考えはない、とロシアとの軍事的な衝突は避ける考えだ。

 こうした中で、プーチン大統領の軍事介入の影の意図も次第に明らかになってきている。ロシアとの関係が深いレバノンのドルーズ派の指導者、ワリド・ジュンブラッド氏によると、プーチン大統領は国内のチェチェンやダゲスタンなど北コーカサス地方の数千万人に上るスンニ派に脅威と強迫観念を持っており、今回の軍事作戦で、ISに加わっているチェチェン系の過激派の根絶やしを狙っているのだ、という。

 ISには現在、チェチェン人の過激派が約2500人も合流している。2013年にはISの前身の組織にいたチェチェン人は約200人だったといわれ、その勢力が急速にISに流入しているのだ。このチェチェン人軍団はその勇猛な戦いぶりにより、ISの内部で存在感と発言力を高めている。

 中でもISの軍事司令官の地位に就いているオマル・シシャニ(30)はチェチェン人軍団の頭領である。父はキリスト教徒、母がイスラム教徒で、グルジア軍の元軍曹。2012年にシリア入りした後、2013年半ばにISの指導者、アブバクル・バグダディに忠誠を誓った。ISの最高意思決定機関である「諮問評議会」のメンバーとされる。

ロシア軍シリア拠点への急襲も

 このチェチェン人軍団はISの特殊作戦を担う「突撃部隊」とされ、今年春にイラクの油田地帯、北部キルクークに奇襲攻撃を仕掛けたのもこのチェチェン人軍団だったという。一部の情報によると、この軍団がロシアへの報復のため、ロシア軍が基地とする地中海沿岸ラタキアの空軍基地を急襲するため、山岳地帯を基地に向かっている、という。

 ロシアではこれまで、第1次(1994〜同96年)、第2次(1999〜2009年)という2度に渡るチェチェン紛争が勃発、それに伴いモスクワの劇場占拠事件、旅客機同時爆破、地下鉄爆弾事件などのテロも続発した。旧ソ連時代の国家保安委員会(KGB)出身のプーチン氏はこれら紛争と過激派対策に取り組んできただけに過激派にはとりわけ過敏だ。トラウマになっているとも言える。

 最近では、ISの影響力が北コーカサス地方に浸透しており、国内的な過激派対策上からも、IS内のチェチェン人軍団を徹底的に叩いておこうという思惑があったのは間違いない。

 しかしプーチン氏にどんな思惑があったにせよ、ロシアの今回の軍事介入は同氏にとって危険な賭であることに変わりはない。米紙ニューヨーク・タイムズは「プーチン、大釜に突っ込む」という見出しで、同氏が火中に手を突っ込んだことを強調した。

 ロシアはすでにアフガニスタン侵攻(1979年)で手痛い敗北を喫し、イスラム過激派の恐さは十分過ぎるほど身に染みている。「ロシアも米国も同じだ。復讐する」(反体制派指導者)という声をプーチン氏はどう聞くのか。

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