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NATOアナコンダ: 飢餓時には自らを餌にする動物?(マスコミに載らない海外記事)
http://www.asyura2.com/16/warb17/msg/869.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 6 月 15 日 08:59:00: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

NATOアナコンダ: 飢餓時には自らを餌にする動物?
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2016/06/nato-17f2.html
2016年6月15日 マスコミに載らない海外記事



Finian CUNNINGHAM
2016年6月12日
Strategic Culture Foundation


作戦のコード名を考える役目をまかされたNATOの連中は、アナコンダ演習を巡って、フロイト的な失言をしたように見える。ポーランドで行われているNATO軍事演習は、四半世紀前の冷戦終焉以来、最大だ。この名前は、偶然、世界最大の蛇の種類、長さ8メートにまで成長し、沼地をはい回る動きの鈍い爬虫類も意味している。


アナコンダという蛇の生態を考えれば考えるほど、この名前、東ヨーロッパにおける最近のNATO軍事演習にふさわしいものに思えてくる。この爬虫類は、南アメリカの自然の生息環境が破壊されつつあり、絶滅の危機に瀕していると言われている。もし、こうした国々が、絶えざる軍事演習や、東方の隣国ロシアとの緊張を高める好戦的な言辞にうんざりして、ヨーロッパの“生息環境”が干上がれば、アメリカが率いる軍事同盟にも同じことがあてはまるかもしれない。


胴まわり30cm、体重200kgという特大サイズの巨大蛇は、犠牲者に巻きつき、胴で絞め、押しつぶし、魚、鳥、獏、クロコダイルやアメリカヒョウを捕食していることが知られている。この蛇は、実にしっくりするように思えるのだが、いつもの餌食が不足している場合には、同じ種を貪り喰って、共食いすることも知られている。


実にぴったりなことに、NATOのアナコンダ演習は今週初め、兵站問題でもだえ苦しんだ。24か国からの31,000人の兵士と、3,000輌を越える車両の全てをポーランド領に動員したことで、道路や橋梁や鉄道の利用を巡って混乱がおきたのだ。演習に参加している、NATOでなく、EUでないウクライナ、ジョージア、マケドニア、コソボやスウェーデンの軍隊の通過に関する予測できない法的問題もあった。動きの鈍い巨人の身体が、頭脳の力を超えた際には、そういう結果になるものだ。


しかし、巨大なNATO野獣が、自らによる危機状態にあることのより深刻な点はこれだ。フィナンシャル・タイムズが最近報じた通り、NATOのヨーロッパ加盟諸国は、長年削減してきた後、今や国家予算のずっと多くを、軍事支出に割いている。各国の脆弱な経済や、社会で益々不満が高まっている時期に、余裕などほとんどないのだ。


この方向転換は、アメリカ合州国が推進しているものだ。オバマ政権の主要外交政策題目は、NATO同盟に対する支出増大を確約するよう、ヨーロッパ同盟諸国を、うまく言いくるめることだ。28か国で構成される組織の総軍事支出中、アメリカが約70パーセントを占めている。アメリカ政府が、深刻に警戒したのは、ヨーロッパ諸国の多くが、体系的に軍事予算を削減してきたことだ。


今年早々、ヨーロッパの同盟諸国は、アメリカの軍事力に“ただ乗り”していると、オバマ大統領がたしなめた。このテーマを共和党大統領候補者のドナルド・トランプも取り上げて、ヨーロッパ諸国は、国防に、もっと責任を負うべきだと非難した。


もちろん、ここで、インチキな想定は、アメリカが、“自由世界を守るため”義務を遥かに超える額の金を使っているヨーロッパに対する善意の保護者として活動しているというものだ。アメリカの法外な軍事支出は、騎士道精神によるものではなく、アメリカ経済全ての基盤であるアメリカ軍産複合体を支えるためのものだ。NATOは、公的に助成を受ける大企業資本主義という、このアメリカの怪物のための手段だ。


同様に重要なのは、1949年の創設以来、NATO同盟が、アメリカに、ヨーロッパ同盟諸国に対する覇権という地政学的免許も与えていることだ。特に、ロシアと、ヨーロッパ諸国との、戦略的な経済的、政治的統合を防ぐという点において。


アメリカにとっての問題は、NATOが、維持するのに、継続不可能なほど金のかかる組織になってしまったことだった。特に2008年の世界的金融危機以来、フィナンシャル・タイムズが報じている通り、この軍事同盟の多くのヨーロッパ加盟国が国防予算を削減し始めた。


1980年代、ヨーロッパのNATO加盟諸国は、国内総生産 (GDP)の3パーセント以上を軍事予算に使っていた。2008年以来、ドイツ、ベルギーやオランダなどの主要なNATO加盟諸国で、この数値は約1パーセントに落ち込んだ。世界的な金融危機もその一因だが、冷戦終焉も大きな要因だった。ソ連がもはや存在しない地域で、それほど軍事支出をする必然性などあるだろうか?


これが、一体なアメリカが、ヨーロッパにとっての、安全保障上の脅威だとして、ロシアに対する冷戦憎悪を復活させ始めたかという理由だ。緊張を高め、ロシアとの関係を悪化させて、ヨーロッパの同盟諸国を動員し、軍事支出を増大させるというアメリカ政府の目論見の思うつぼにはまったわけだ。


二年前のウェールズでの前回NATOサミットで、ヨーロッパの同盟諸国に、GDPの2パーセントを軍事支出にあてると確約するよう、アメリカが長々説教した。


益々増大し続けるヨーロッパにおけるNATO軍事演習を伴った、アメリカが率いる、ヨーロッパに対するロシアの侵略なるものへの執拗な言辞は、希望通りの補正効果をもたらしたようだ。来月、ワルシャワでのNATOサミット前に、ヨーロッパ同盟諸国における長年の軍事予算減少が、劇的に方向転換したと報じられている。


“不確実性が高まるにつれNATOヨーロッパ各国による防衛支出増大”とフィナンシャル・タイムズは報じている。


“不確実性”というのは、アメリカが対ロシア政策“リセット”を突然取り消して以来、過去5年間、アメリカ政府と、従順な欧米主流マスコミが絶えず増幅してきた、ヨーロッパに対するロシアの脅威なるものだ。


FTはNATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長発言を載せている。“ 同盟諸国の数値に基づく2016年の予想は、2016年は、実に長い年月において、ヨーロッパ同盟諸国における国防費が増加する初めての年となることを示している。”


最も目ざましい増加をした国の一つがドイツだ。ドイツは25年間減らし続けた後、初めて軍事予算を増やした。


他の軍事支出が大きい国々はバルト諸国とポーランドだ。フィナンシャル・タイムズは報じている。“ロシアと国境を接するバルト諸国が一番大きく変化した。ラトビアの予算は今年約60パーセント増える。リトアニアは、35パーセント増で、エストニアは、9パーセント増だ。東ヨーロッパの主要軍事大国ポーランドも、国防費を9パーセント増やす”。


こうして、全般的な緊縮経済と記録的高失業の時期に、ヨーロッパ諸国はそれでも、NATO同盟に対する財政支出を増やす資源を探し出している。アメリカ大統領が熱心にそうするよう勧めてきた通りに。


フィナンシャル・タイムズすらも認めている。“ウェールズで[2年前]になされた確約にもかかわらず、ヨーロッパ諸国の予算増加は、NATO内部の多くの人々にとって驚きだった。多くの人々はヨーロッパの経済苦難と政治的不安定の時期に、支出が増えるとは予想していなかった。”


年間6000億ドルの軍産複合体に依存しているアメリカ資本主義にとって、軍国主義は極めて重要なエンジンだ。NATOとヨーロッパ同盟諸国の軍事支出は、アメリカ軍国主義にとって、それゆえアメリカ経済全体にとって、極めて重要な資金源だ。NATOは、アメリカ覇権にとって、極めて重要な地政学的な隠れ蓑でもある。それゆえ、1991年に冷戦が終焉した結果の、かつてのNATOと、それに対するヨーロッパの献身の衰退という進展は、アメリカ資本主義にとっての構造的脅威だった。アメリカ資本主義は、まず間違いなく、歴史的停滞に入っているのだから、なおさらだ。


アメリカの視点からすれば、修正策は、ヨーロッパ同盟諸国によるNATOネットワークを使って、軍国主義を強化することだった。そしてこの策略が効果を発揮するためには、ロシアという厄介者をどうしても復活させざるを得なかったのだ。アメリカのマスコミが主張するように、ソ連を復活させようとしているロシアのウラジーミル・プーチン大統領ではなく、アメリカ政府自身が自らの衰退を乗り切るために、ロシアの敵という亡霊を復活させているのは皮肉なことだ。更なる皮肉は、アメリカの騎士道精神に“ただ乗りをしている”のはヨーロッパというより、ヨーロッパの新たな軍事支出に、寄生的に、ただ乗りをしているのは、機能不全で、おんぼろのアメリカ経済だということだ。


そして、もちろん、ロシアの脅威なる言辞は、ポーランドでの現在のアナコンダ軍事演習のような巨大軍事演習によって、ようやく信憑性のうわべが得られるのだ。“防衛”のためだとされる、こうした挑発的軍事演習無しには、ロシアの悪魔化は萎びて、もとのウソに戻ってしまう。


だが、ヨーロッパ各国政府や、5億人の諸国民が、経済的に大変にもろくなっている時期に、問題は、NATOのような、にょろにょろする巨大動物を生かしておく余裕が、ヨーロッパ大陸に本当にあるのかだ。名前をもらった動きの鈍い蛇と同様、捕食する餌の動物がいないため、自らとぐろを巻いて、自分を粉砕してしまう本当の危険があるのだ。


記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/06/12/natos-anakonda-beast-that-preys-its-own-in-hungry-times.html
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