「放影研　被爆者に謝罪へ　ＡＢＣＣ時代、治療せず研究」　（毎日新聞　2017/6/17）
https://mainichi.jp/articles/20170617/k00/00e/040/305000c

原爆による放射線被ばくの影響を追跡調査している日米共同研究機関「放射線影響研究所」（放影研、広島・長崎両市）の丹羽太貫（おおつら）理事長（７３）が、１９日に被爆者を招いて広島市で開く設立７０周年の記念式典で、前身の米原爆傷害調査委員会（ＡＢＣＣ）が治療を原則行わず研究対象として被爆者を扱ったことについて被爆者に謝罪することが分かった。放影研トップが公の場で直接謝罪するのは初めてとみられる。丹羽理事長は「人を対象に研究する場合は対象との関係を築くのが鉄則だが、２０世紀にはその概念がなかった。我々も被爆者との関係を良くしていかなければいけない」としている。

ＡＢＣＣでは被爆者への治療は原則行わず、多くの被爆者の検査データを集めた。被爆者たちは「強制的に連れてこられ、裸にして写真を撮られた」などと証言。「モルモット扱いされ、人権を侵害された」と反発心を抱く人が少なくなく、「調査はするが治療はしない」と長く批判を浴びてきた。

　丹羽理事長は取材に「オフィシャルには治療せず、多くの人に検査だけやって帰らせていた。被爆者がネガティブな印象を持って当然で、さまざまな書物からもそれははっきりしている」とし、「おわびを申さなければならない」と語った。歴代の理事長らトップが被爆者に直接謝罪した記録はなく、放影研は今回が初めての可能性が高いとしている。

　記念式典では、冒頭のあいさつで「原爆投下の当事者である米国が、被害者である被爆者を調べることに多くの批判や反発があった。不幸な時期があったことを申し訳なく思う」などと述べる方針。この内容は１９９５年に放影研作成の施設紹介の冊子で言及されているが、ほとんど知られていなかった。

　一方、被爆者を裸にして検査をしたり遺体の献体を求めたりしたことについて、丹羽理事長は「米国側が日本の習慣などを十分理解しておらず、文化摩擦があった。だがサイエンスとしては必要だった」との見方も示した。

　放影研歴史資料管理委員会委員の宇吹暁・元広島女学院大教授（被爆史）は謝罪について「放影研は被爆２世、３世の研究を今後も続けるには、組織として謝った方が協力を得られやすいと判断したのだろう」とみている。【竹下理子】

--------(引用ここまで)---------------------

丹羽太貫教授と言えば、2014年の環境省の専門家会議で、ホットスポットがあるのにも
かかわらず、「遠くなれば汚染レベルは下がる、福島県外の被曝量は低い」と
デタラメ発言をして、傍聴者と怒鳴り合いになったことで有名です。

福島では汚染をごまかし、住民をだましてモルモット代わりにしている御用学者が、
それもすでに当事者の大半は亡くなっている現時点で、かたちだけの謝罪したところで
全く信用は戻らないことは明らかでしょう。

今さら何を言っているのか。

ABCC/放影研の犯罪の本質は、被曝者をモルモットにし、治療をしなかったことだけではなく、
被ばくの影響を故意に過小評価してきたことにあります。

ABCCが本当の検査記録と問題点を改ざん隠ぺいした被爆者向け用の２つのカルテを作成したり、
やってもいない検査をでっちあげてカルテを捏造したという被曝者の証言があります。

黒い雨、残留放射能を極秘に調査し、その影響を認識していたのに、人体に影響はなしと
虚偽の発表もしています。

そういった不正やデタラメの数々をきちんと正し、人体に放射能の影響をつつみ隠さず
公表しないかぎり、いくら謝罪をしたところで何の意味もないし、ろくに治療も受けられず
苦しみながら亡くなった多くの被爆者も浮かばれません。

まあ、そういうまともなことを訴えたところで放影研には馬耳東風でしょう。
なぜなら、放影研の使命は原子力推進のため被ばくの影響を過小評価することだからです。

設立70周年を記念して、「放射線影響"過小評価"研究所」と改名すべきでしょう。

（関連情報）

「『委員と傍聴者が怒鳴り合い〜環境省専門家会議』 （OurPlanet-TV)」　（拙稿　2014/11/29）
http://www.asyura2.com/14/genpatu41/msg/336.html

「小野俊一氏との対談で広島被爆者・橋爪文さんが、ABCCの二重カルテ疑惑に言及」
（拙稿　2015/4/2）
http://www.asyura2.com/15/genpatu42/msg/458.html

「ABCC/放影研がゴールデン・スタンダードを確立？」　（拙稿　2016/8/17）
http://www.asyura2.com/16/genpatu46/msg/320.html

「残留放射能：米軍、極秘調査　広島・長崎で１９５０年　危険性否定後も　（毎日新聞）」 （拙稿　2015/8/7）
http://www.asyura2.com/15/genpatu43/msg/567.html

「知られざる放影研ABCC中沢啓治さん（内容書き出し）」 （みんな楽しくHappyがいい　2012/12/29）
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2672.html

「ABCCは何をしたか（『広島の視線』・原爆・広島・平和公園・ガイド・花・英語）
（既出かと思ってたらなかったので投稿。）」 (阿修羅・こーるてん 2013/8/22)
http://www.asyura2.com/13/genpatu33/msg/194.html

「ABCCは何をしたか」　（広島の視線　2011/9/20）
http://blogs.yahoo.co.jp/mitokosei/26276180.html

コメント
1. お天道様はお見通し[201] gqiTVpO5l2yCzYKojKmSyoK1 2017年6月19日 05:06:47 : FJMh06Uxjw : R_SEdi9TK7I[1] ▲△▽▼ 原子力行政が国民だけでなく、世界市民と他種、環境に対する国際的犯罪である事実は明瞭でしょう。
2. 2017年6月19日 12:41:49 : rwgORSmgTI : ySbarMWNCPU[101] ▲△▽▼ 「放影研は被爆２世、３世の研究を今後も続けるには、組織として謝った方が協力を得られやすいと判断したのだろう」 モルモットを手放したくないということですね。
3. 2017年9月14日 22:05:27 : rjLTKl4Eec : 3AeRUC_lyNs[2] ▲△▽▼ 「原爆ホロコースト」の実態 〜 「原爆」と「冷戦」の舞台裏 〜 http://inri.client.jp/hexagon/floorA4F_ha/a4fhc700.html

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