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原子力機構で被曝事故 プルトニウム管理に疑問:「防げなかったのか?被ばく事故」
http://www.asyura2.com/17/genpatu48/msg/332.html
投稿者 あっしら 日時 2017 年 6 月 24 日 17:31:10: Mo7ApAlflbQ6s gqCCwYK1guc
 


[このNEWS]原子力機構で被曝事故
プルトニウム管理に疑問

 茨城県大洗町の日本原子力研究開発機構大洗研究開発センターで作業員5人が放射性物質によって被曝(ひばく)する事故があった。


中に収めていたビニールバッグが破裂して放射性物質が飛散した金属製貯蔵容器(中央、日本原子力研究開発機構機構提供)=7日、茨城県大洗町

 プルトニウムを含む放射性物質を入れた保管容器を開けた際に容器内のビニール袋が膨らみ破裂した。当初作業員の1人が大量のプルトニウムを吸い込んだ恐れがあるとされた。詳しい検査で測定の誤りとわかり、5人とも内部被曝の懸念は残しつつ、すでに医療施設を退院した。仮に健康被害は心配されたほどではなかったにしても、事故の重大性は変わらない。

 リスク管理に詳しい山口彰・東京大学教授は「(作業や作業環境の適切さに)常に疑いを持って問いかけ、過去の教訓から学ぶ姿勢が安全確保には大切だ」と話す。もし放射性物質が漏れたらどうするのか。作業手順書には「破裂の恐れ」をチェックする項目があったが、軽視された。しかも開封作業の途中で袋の膨張を示唆する兆候があったにもかかわらず、作業を進めたのは慎重さを欠いていたと言わざるをえない。

 さらに事故を作業員の不注意だけに帰結させることはできない。原子力機構はこれまで事故やトラブルを繰り返してきた。高速増殖炉「もんじゅ」の運営を機構に任せられないと、田中俊一・原子力規制委員長が「運営主体の変更」を求めたのは記憶に新しい。しかし機構の管理体制を問うた「もんじゅ騒動」も廃炉方針が決まると、たち消えになった。

 事故のたびに原子力機構に対し政治的、社会的な圧力がかかり、政府と機構は改革と称し組織の統合や再編を繰り返した。しかしその場しのぎの「改革」に終わり、経営陣と現場が危機意識を共有できていないのではないか。

 もんじゅは廃炉作業が控える。茨城県の東海村や大洗町に原子力機構は多数の原子力施設を持つ。管理体制をこのまま放置すればさらに重大な事故が起きかねない。「政府や規制当局、原子力機構も本質的に安全向上につながる取り組みを真摯に進めることが求められている」と、もんじゅ問題にも関わった宮野広・法政大学客員教授は指摘する。

 もうひとつ疑問がある。核兵器の材料になるプルトニウムは厳しく管理されている。保有国が秘密裏に核兵器開発に転用するのを防ぐため、保管場所や量を国際原子力機関(IAEA)の査察官が常にチェックできる態勢がとられる。「保障措置」と呼ばれるルールで、日本も加盟する核不拡散条約に基づく。

 鈴木達治郎・長崎大学教授は「プルトニウムを保管する容器は封印され、それを開ける際にはIAEAか原子力規制庁の査察官がその場にいるはずだ」と話す。しかし事故を起こした作業グループは査察官を帯同してない。

 「容器の蓋を開けて空き容量を確かめるだけの作業だったから」というのが原子力機構の説明だが、それで本当に問題がなかったのか。

 80本ある貯蔵容器のうち長期間にわたって一度も中身を確認していなかったものがあること自体も問題だ。田中規制委員長は14日の記者会見で「ブツ(放射性物質)を見ないで状態だけ確認していたのか」と管理状況に疑問を呈した。

 日本は使用済み核燃料からプルトニウムを回収して燃料に再利用する「核燃料サイクル」を国家的事業として進める。大量のプルトニウムの生産・貯蔵が国際社会から容認されているのはIAEAの査察を全面的に受け入れているからだ。「日本は保障措置の優等生」と原子力関係者は自負してきた。この前提が崩れると核燃サイクル政策に影響が及ぶ。

 原子力規制庁の発足まで、保障措置は文部科学省が担当した。この面でも同省に責任があるのではないか。

(編集委員 滝順一)

[日経新聞6月17日朝刊P.6]

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「防げなかったのか?被ばく事故」(時論公論)
2017年06月21日 (水)
水野 倫之 解説委員

原子力機構で起きたプルトニウムの被ばく事故は、安全管理のずさんさが次々と明らかに。核兵器の原料ともなるプルトニウムは人体にとって極めて危険な物質で、厳格な安全管理が求められていたのに、なぜ事故を防ぐことができなかったのか。原子力規制委員会もきょう、現場に立ち入り検査を行って調査を開始。
これまで明らかになった数々のずさんさ。そして事故は防ぐことができなかったのか。さらに今後求められる対応。以上3つの視点から今回の被ばく事故を水野倫之解説委員が検証。

5人の作業員、当初心配されたほどではないとはいえ、全員の内部被ばくが確定。今後も観察が必要であることに変わりない。
機構は当初、肺から最大で2万2,000ベクレルのプルトニウムが検出されたと発表。放射線医学総合研究所の測定では、検出限界値以下。
機構での除染が不十分で、からだの表面に残っていたプルトニウムを計測した可能性。

ただ今週、全員の尿からごく微量のプルトニウムが検出され、内部被ばくしていることが確定。薬によって排出されたと見られ、5人は再入院。
放医研では「すぐに健康に影響が出るとは考えていない」と説明も、今後も健康状態を注意深く見ていく必要。

被ばくは当初ほど重くはないにしても、事故が重大なものであることは変わらない。原子力機構のプルトニウム管理のずさんさが次々と明らかに。

まず、被ばく事故に対する想定の甘さ。
事故ではかなりのプルトニウムが飛び散った。

作業員が缶を開けたところ、中にあったプルトニウムなどを入れたビニール袋が破裂。作業台は密閉されてなく、全員が「もやもやしたもの」が漏洩するのを見たと証言。
床には飛散したプルトニウムとみられる塊も。

立ち入り制限値の10倍以上の放射能が検出されるなど部屋中がかなり汚染。
しかし、作業員は部屋に、3時間以上とどまることを余儀なくされた。
もっと早く外に出られていれば、被ばくは抑えられた可能性も。

機構がこうした規模のプルトニウムの被ばく事故が起きることを想定していなかった。
汚染された部屋から作業員を出すための小部屋を作らための資材を集めたり、作業員の確保に手間取り、設置に3時間あまりかかった。設置訓練もしてなかった。

またプルトニウム管理の甘さも。
プルトニウムを26年間点検していなかった上に、どんな状態で保管されているのかも把握していなかった。
缶の中にプルトニウムがあるのは確かだが、粉末なのか固形状態なのか、ほかにどんな物質が混じっているのかもわからない。

それは信じがたい話。
IAEAの査察もあるし、一定量集まっただけで、核分裂が連鎖的に起きて大事故につながるおそれもあり、どんな性状のものがどれだけあるのか厳重に管理するのは、原子力の基本。

しかし機構が把握していたのは量だけ。
このプルトニウムは新燃料の実験に使われたもので、当時はほかの物質も添加されたと見られるが、その実験記録が保管されているかどうかもわからないと。実験記録の保管は大学の研究室でもあたりまえ。
いつもやっているという慣れから管理が甘くなっていたのではないか、そう指摘する専門家も。

破裂した原因はまだ不明もその強い放射線によって添加された物質が分解してガスが出て事故につながった可能性も。

というのも、機構の別の施設で、同じようにプルトニウムを保管する袋が膨らんでいたという、今回の前兆とも言える事態が過去にあったことがわかった。
この施設では点検で膨らみを見つけ。原因究明の結果、プルトニウムの放射線で添加物が分解されてガスが発生したことがわかり、袋を新品に交換。

しかし問題はここからです。

機構はこの件を関係部署にメールで連絡はしたが、その危険性やどんな対策を採るべきかについては伝えていなかった。
この時のリスク情報が組織全体で共有されていれば、今回の事故を未然に防ぐことができたと思う。

このままの状態では、また大きな事故が起きかねない。
まずは早急に今回の事故を検証し、プルトニウムの安全管理体制を再構築しなければ。
規制委は立ち入り検査をして調査を始めまたが、専門家も交えた事故調査委員会を設けるなどして、第3者の目から徹底的に調べていかなければ。

その上で、あらためて原子力機構の組織や職員の安全意識についても政府が責任をもって改革を進め、リスクに敏感な組織にしていかなければならない。
今回の事故では「またか」という思い。
原子力機構はこれまでも、もんじゅなどで多くのトラブルや問題を。そのたびに組織改革が叫ばれ、職員の意識改革も行われてきたはず。
これまでの改革が、組織全体に浸透していない可能性。
この際、すべての部署が自分たちの問題と言う意識を強く持って改革に取り組まなければ。

(水野 倫之 解説委員)

http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/273801.html


 

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コメント
 
1. 4654改[206] NDY1NIn8 2017年6月24日 20:38:54 : NePjZrYUPA : WArJpc1IgEE[48]
>当時はほかの物質も添加されたと見られるが、
NHKの水野倫之氏の解説は、逆で、本当のところは、純度が高められたのでは?
こんなバレバレのお粗末さでは、核開発は無理でしょう。

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