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トランプ経済の賞味期限 どうしてあと2年なのか〈AERA〉
http://www.asyura2.com/17/hasan119/msg/444.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 2 月 23 日 16:15:15: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

            日米首脳歓談の冒頭で、握手する2人 (c)朝日新聞社
 

トランプ経済の賞味期限 どうしてあと2年なのか〈AERA〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170222-00000092-sasahi-bus_all
AERA 2017年2月27日号


 ドナルド・トランプ氏がアメリカ大統領に就任して約1カ月。新大統領は意に沿わない企業やメディアをツイッターなどで厳しい言葉で恫喝してきた。グローバル企業は戦々恐々としている。トランプ政権で世界はどう変わるのか。AERA 2017年2月27日号では、「トランプに勝つ日本企業」を大特集している。

 大規模なインフラ投資や大型減税などで国内総生産(GDP)4%成長を目指すトランプ政策。期待感からダウ平均株価は史上初めて2万ドルを突破した。だが、現実化するためにはハードルも高い。

*  *  *
「アメリカは日本の安全保障にコミットメントしている」

 2月11日(日本時間)、初の日米首脳会談後の共同記者会見でこう語ったトランプ氏。その隣に立つ安倍首相は終始、上機嫌だったという。全国紙政治部の官邸キャップが話す。

「イヴァンカさんと昭恵夫人は間が持たず、ギクシャクした雰囲気だったのと対照的に、トランプ氏と安倍首相は終始、和やかムード。2日間を共にすごすという異例の厚遇を受けたうえに、友好関係を築くことに成功したので、野党議員からも評価する声があがっているほど。すでに官邸サイドには『トランプ政権について知りたい』とばかりに、各国首脳からオファーが相次いでいます」

 いわく、“外交資産”としては申し分ない成果をあげたと永田町で話題になっているのだ。

「政治・外交の素人のトランプ氏に対中政策の刷り込みができた点が大きかった。会談でも、安全保障や通商政策と絡めて中国に関する話に多くの時間を割いたと言われています」(同)

●いくつものほころび

 ただし、批判的な声も少なくはない。一つにはトランプ氏の難民・移民排斥政策。欧州各国首脳は公然とトランプ政権を批判しているのに対して、日本は黙認状態にある。「日本が難民・移民の受け入れを積極的に行っていないだけに、もともと批判する資格がない」(自民党議員)という意見もあるが、国際社会との軋轢を生んでいるトランプ氏との急接近を不安視する声もあがっている。

 そもそも不安材料は移民政策だけではない。トランプ政権そのものにもある。ケリーアン・コンウェイ大統領上級顧問はイヴァンカ氏が手掛けるファッションブランドの商品購入を呼び掛けたことが倫理規定に抵触するとして早くも懲戒処分が検討されている。さらに、マイケル・フリン大統領補佐官(国家安全保障担当)は政権発足前に駐米ロシア大使と対ロシア制裁について話し合っていた疑惑が浮上してわずか1カ月足らずで辞任する騒動に発展した。すでにトランプ政権にはいくつものほころびが見えているのだ。

●効果大のインフラ投資

 このようなトランプ政権の下でアメリカはどのように変わるのか? トランプ氏が掲げる政策から、今後のアメリカを占ってみよう。

「減税を柱とした大規模な財政政策に金融政策がかみ合えば、最短経路で低成長を終わらせ、目標に掲げる国内総生産(GDP)4%成長を達成する可能性もあります」

 こう話すのは三菱UFJリサーチ&コンサルティング上席主任研究員の片岡剛士氏だ。

 トランプ氏が掲げてきた財政政策は主に三つある。年間500億ドル規模の防衛支出拡大と所得税・法人税の大型減税、10年間で1兆ドルを予定しているインフラ投資だ。このうち、所得税減税は年間2500億ドル、法人税減税も同額の規模となる見込み。

 これらのなかで、最も直接的にGDPを押し上げる効果があるとされているのが、雇用創出効果も見込めるインフラ投資。乗数理論ではその投資額に対して最大で120%のGDP押し上げ効果があるとされている。年間投資額を1千億ドルとすると、米国GDPは0.5%押し上げられる計算となる。さらに、消費を呼び込む所得税減税は規模の大きさから、GDPを最大0.9%も押し上げる可能性があるという。法人税減税と防衛支出の効果を合わせると、トータルで「GDPを最大1.9%上振れさせるポテンシャルがある」(同)。2016年度の実質GDP成長率1.6%と単純に足し算すれば、これだけで3.5%。目標の4%達成は間近だ。

 日本では大規模な財政政策は、とかく「ばらまき」「効果薄」と批判されがちだが、アメリカでは別物。トランプ政権移行チームに複数のスタッフを送り込んできた保守系シンクタンク、ヘリテージ財団の元上級研究員で政治アナリストの横江公美氏は「アメリカは発展途上国の側面を持つ国だから」と言うのだ。

●財政余力は十分

「道路、橋などのインフラは1960〜70年代に造られたものが多く、日本とは比較にならないほど老朽化が深刻な問題となっています。だから、1月には民主党のサンダース上院議員らが先んじて10年間で1兆ドル規模のインフラ投資法案を提出している。アメリカにおけるインフラ投資は、雇用創出効果に加えて、低下する労働生産性を高める効果もあると考えられます」

 そもそも1兆ドルという規模は「決して大きな額ではない」という。経済評論家の加谷珪一氏が話す。

「アメリカのGDPは18兆ドルで日本の約4倍。日本に置き換えれば年間約2.5兆円規模の財政出動となります。財政悪化を懸念する声もありますが、オバマ政権では米国史上最大の軍事費削減を実施し、景気回復効果で税収が伸びたこともあって、財政赤字の対GDP比率はリーマン・ショック直後の10年の12.6%から15年には4.6%にまで低下している。政府債務のGDPも、日本と比較してはるかに健全であるだけに、財政余力は十分にあるのです」

●トランプ支持者は多い

 トランプの財政政策は大半のアメリカ国民も好意的に見ていると考えられる。

「イスラム圏7カ国からの入国禁止措置を打ち出したあとのロイターの世論調査では49%もの人がこの措置に賛成していると答えて、大きな話題を呼びました。世界各国から反発を呼んでいる移民政策で、これだけの支持率なのだから、トランプ氏の財政政策に対する支持率はどれだけ高いのか?という話です。大統領就任式後に真っ先に出したオバマケアの見直しに関する大統領令しかり。アメリカの健康保険料は昨年10月から平均29%も上がっています。中間層は保険料の高さにものすごい不満を抱えているんです。日本人が考える以上に、トランプ支持者は多いと考えて付き合っていくべきでしょう」(横江氏)

 財政政策がフルパッケージで実現した場合には、短期的に景気拡大局面を迎えると見ていいだろう。

●設備投資は未知数

 減税策を巡っては議会が紛糾する可能性もありそうだ。

「法人税を35%から15%まで引き下げることを公約に掲げているが、その下げ幅が大きすぎるうえに、それにより企業の設備投資がどれほど刺激されるかは未知数。共和党内でも反発を呼んで、段階的に引き下げる、ないしは25%程度に落ち着く可能性がある」(片岡氏)

 さらに、現在の所得税率を7段階から3段階に簡素化する減税策は、いつ国民の反発を呼んでもおかしくない内容だ。確かに、所得税を支払う必要のない最低所得層は拡大する。だが、最高税率が39.6%から33%に引き下げられるという点で、実際には富裕層ほど大きな減税効果を享受できるプランとなっているためだ。おまけに、トランプ氏は相続税の廃止も掲げている。「富裕層優遇策」という批判の声が上がれば、妥協案に着地する可能性もある。当然、減税幅が縮小するようならば、GDPの押し上げ効果は薄まる。

 中長期的には新たな不安材料もある。国債増発に伴う米金利の上昇だ。すでにそれを織り込むかたちで、債券市場では米国債の売り物が増加。長期金利(米10年債利回り)は大統領選前の1.6%台から2.5%にまで上昇。イエレンFRB議長はトランプ氏の不満をよそに、利上げに向けたタカ派発言を残している。

 急激な金利上昇圧力は企業活動の足かせになりうるという。世界最大の資産運用会社であるブラックロックでグローバルマクロ戦略投資に従事した経験を持つ英系投資顧問会社SPRING取締役の塚口直史氏は次のように話す。

「金利上昇は企業の設備投資の意欲を低下させるうえに、消費者に対しては住宅投資の阻害要因になりえます。さらに、株安圧力にもなる。経済の好循環が続くようであれば、金利高と株高が両立するが、減税プランの縮小で株の失望売りが生じたりすると、トランプ政権にとって大きなダメージとなります」

 前出の加谷氏曰く、アメリカ国民は日本と比較にならないほど株価に敏感。

「夕方のニュース番組の第一報で株価の動向を扱うことが少なくありません。アメリカの年金基金はほぼ半分を株で運用しているほか、中間層以上は株を運用しながら老後に備えている。株価が国民の生活に直結するため、株安は政権の支持率低下にも結び付きやすいのです」

●共和党内からも反発

 その意味で、最も注目を集めるのが予算教書演説を経て、今後本格化する予算審議だ。ご存じのとおり、上下両院で過半数を握る共和党の主流派は財政支出の拡大に消極的だ。党内には「小さな政府」を理念とする強硬な財政保守主義者もいる。身内である共和党からも反発を浴びて減税策で大幅な譲歩を余儀なくされると、「早ければ2年後の中間選挙、ないしは4年でトランプノミクスはピークを迎えてシュリンクしていくことも考えられる」(片岡氏)

 大規模な財政政策でどれだけ経済を活性させることができるか? 政策が骨抜きにされるようであれば、トランプ政権の寿命は短い。(ジャーナリスト・田茂井治)


 

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