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コラム:「バフェット信仰」はもうたくさん 中国軍は南シナ海で米軍を出し抜けるか
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投稿者 軽毛 日時 2017 年 3 月 04 日 07:08:21: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

Column | 2017年 03月 3日 20:05 JST 関連トピックス: トップニュース
コラム:「バフェット信仰」はもうたくさん

Edward Hadas

[ロンドン 1日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 著名投資家のウォーレン・バフェット氏はカルト的な崇拝の対象になっている。投資会社バークシャー・ハザウェイ(BRKa.N)の会長を務める86歳のバフェット氏は、膨大な投資リターンと処世訓、そして米国を応援し続ける姿勢によって尊敬を集めてきた。

だが、このオマハの賢人は、称賛と同じ程度に批判の対象ともなるべき人物だ。

歳月を経て、バフェット氏の輝かしい名声に少し陰りが出ている。2つの理由から、それも無理からぬ話だろう。

第1に、バークシャーの時価総額は4200億ドル(約47兆9300億円)まで膨らんでいるが、これに匹敵するほど印象的な投資リターンを維持する能力がないのは、どれほどユーモアたっぷりに自嘲してみせても隠せるものではない。

バフェット氏を中心とする小人数のチームは依然として優秀かもしれないが、彼らの奇跡の日々は終わっている。

2002年の時点で、バークシャー普通株の総利回りは、過去10年間にわたって年20%だった。S&P500に比べて10.6ポイントも高い、驚くべき数字だ。ただ2016年には、その差は1.3ポイントまで縮んだ。アクティブ運用するファンドマネジャーの大半に比べてはるかによい数字だが、バフェット氏の言葉を神のお告げのように扱うには十分ではない。

第2に、投資リターンが低下する一方で、バフェット氏の偽善ぶりは増大している。彼はデリバティブ商品を「金融市場の大量破壊兵器」と呼んでいるにもかかわらず、自身はデリバティブ市場での取引を続けている。

もっと重大なのは、バークシャーが株式の27%を保有する米食品大手クラフト・ハインツ(KHC.O)のブラジル人経営者たちの焼き畑的な経営スタイルを支持していることだ。これは、長期的な視点で投資する慎重な経営者を支援するという、バークシャーが築いた長年の評判を裏切るものだ。

ただ「バフェット信仰」の最大の問題は今に始まったことではない。そもそもの最初から、彼の関心は市場を上回る投資成績をあげることに集中しており、経済にはほとんど貢献していない。金融資本主義にとってはお粗末なモデルなのだ。

金融がなぜ経済の役に立つのかをエコノミストが説明しようとする場合、彼らが強調するのは、新規資本の重要性だ。企業は新製品開発や新工場建設、あるいは新規サービス提供のために、銀行から融資された、あるいは株主が投資した資金を使うことができる。投資の主要な源泉は既存事業からの留保利益だが、金融システムは、これを補完する重要な役割を果たすとされている。

こうした説明において金融に好意的なエコノミストが対処しなければならないのは、金融市場における活動の大半は、新たな生産資本の調達にはほとんど役に立っていないという不都合な現実である。特に確立された企業の株式をめぐる取引は、経済全体にとって新たな、もしくは価値のあるものを何一つ生み出すことはない。

こうした活動は実際、投資家にとって流動性を提供しており、簡単に株を売却できるなら、ひょっとしたら投資家はもっと多くの資本を提供する気になるかもしれない。あるいは、経営陣にプレッシャーをかける外部投資家の存在は、若干の価値があるのかもしれない。

だがこれらは、ゼロサム・ゲームを称賛する理由としては、いかにも根拠薄弱である。ある投資家が市場を1ポイント上回れば、誰か別の投資家が同じ1ポイントだけ下回ってしまう。経済にとって、これでは差し引きゼロである。

バフェット氏が非常に巧みにやってきたのは、まさにこのようなゲームだ。同氏は株主向けの最新の書簡のなかで、バークシャーが株式を永遠に保有し続ける意図をもっているというのは誤解であるとして、これを一掃しようと試みているものの、彼の投資戦術は、安値で買った株を大半の場合は保有し続けるというものだ。

バフェット氏はこれまでうまくチャンスを見つけてきたし、恐らく今でもそれは変わらない。だが、同氏にとっての相対的な利益は、必然的に他の投資家の相対的な損失なのである。

バフェット氏の名誉のために言っておくならば、彼はバークシャーが保有・支援する企業に圧力をかけて、可能な限り利益を搾り取るような真似はしてこなかった。同氏の不干渉主義のおかげで、他のプライベートエクイティ会社が容認する水準以上の比率で利益を投資に回すことのできた企業もあったかもしれない。

バフェット氏は25日に送付した公式書簡のなかで、バークシャーは「ドルベースの留保利益では米国企業のなかで首位」であると自慢している。昨年、彼の企業グループは約130億ドルもの資金を企業の設備投資に投じているが、それでも2015年に比べて5分の1近く減っている。

だが、バフェット氏が好むタイプの企業は、社会経済構造に恩恵をもたらすのと同じくらい、害悪をもたらす可能性がある。彼が好む企業は、価格決定力があるか、緩やかな規制のもとに置かれており、急速に変化するテクノロジーや移ろいやすい関心といった大きなリスクを取る必要のない企業である。つまり、彼が好むのは、非効率な市場で活動する効率的な企業なのだ。

その典型的な例が、クラフト・ハインツがバークシャーの手厚い支援のもとで進めたものの失敗に終わった、英蘭系日用品大手ユニリーバ(ULVR.L) (UNc.AS)買収の一件である。

買収に名乗りを上げたクラフト・ハインツは、買収価格を大幅に上回るコスト削減を予定していた。ユニリーバ―が慎重に築いてきた「開発途上国に優しく健康的な生活を支える企業」というイメージを、仮にクラフト・ハインツ側が維持したいと思っていたとしても、利益の最大の部分は投資家のポケットに入ることになっただろう。顧客は、優先リストの最下部に追いやられていくことになったはずだ。

バークシャーも、ときには新規資本を提供してきた。特にそれが顕著だったのは金融危機の時期だ。同社はゴールドマン・サックス(GS.N)や、ゼネラル・エレクトリック(GE)(GE.N)、バンク・オブ・アメリカ(BAC.N)から、法外ではないにせよ、非常に有利な条件を引き出した。

だが、後になって巨額の利益が得られたのは、米連邦準備理事会(FRB)と米国の納税者が、金融システムを自壊から救うために渋々ながら資金を出したからである。バフェット氏は米国の「経済ダイナミズム」を「奇跡的」と表現するが、彼自身は英雄的に振る舞うというよりは暴利を貪っているようにも見える。

投資家のあいだでの「バフェット信仰」は、彼が経済を支えているからではなく、市場との勝負に勝っているということに基づいている。

投資の社会的重要性が、たとえばサッカーと大差ないのであれば、こうした熱狂にも害はあるまい。しかし昨今では、成長の促進よりも内部関係者の富の蓄積に貢献するようなシステムに対して、ポピュリスト的な怒りが高まっている。もはやゲームを楽しんでいるときではない。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。(翻訳:エァクレーレン)

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイターのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

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Column | 2017年 03月 3日 20:04 JST 関連トピックス: トップニュース
コラム:中国軍は南シナ海で米軍を出し抜けるか

 3月1日、アジアにおける米国のアプローチが常に、中国の裏庭で空母を航行させることに重点を置いている一方、中国は仮想敵国に対して戦略的バランスを崩すためにできることを何でもやっている。写真手前は中国初の空母「遼寧」。南シナ海で昨年12月撮影。提供写真(2017年 ロイター/China Stringer Network)
 3月1日、アジアにおける米国のアプローチが常に、中国の裏庭で空母を航行させることに重点を置いている一方、中国は仮想敵国に対して戦略的バランスを崩すためにできることを何でもやっている。写真手前は中国初の空母「遼寧」。南シナ海で昨年12月撮影。提供写真(2017年 ロイター/China Stringer Network)
Peter Apps

[1日 ロイター] - 米空母カール・ビンソンは、先週ほぼずっと南シナ海で監視活動を行っていた。これはまさに、米国の影響力と、米海軍の優れた世界的到達能力を示すエピソードにほかならない。

その狙いは、同盟国を安心させるだけではなく、今回の場合は、仮想敵国にメッセージを送ることにある。

しかし米国がそのような活動を、抵抗を受けずにいつまで続けられるかは、ますます疑わしくなっている。

10年余りで、中国海軍が米国よりも多くの艦船を保有する可能性を一部の専門家は予想している。中国の軍備増強は、南シナ海の領有権問題で優位に立ち、米国に対抗する戦略の一環である。

米国が世界で軍事的優位を保持することは、国防費を約9%、540億ドル(約6兆1700億円)増やすというトランプ大統領の計画の中核だ。しかし、米国がアジア地域で軍事的優位を持続させるには、それだけでは十分ではないだろう。

中国の国防費の伸びは昨年やや減速したものの、過去20年にわたり、ほぼ毎年のように2ケタ増を繰り返してきた。さらに重要なのは、米国が効果的な対応が全くできないようなさまざまな戦術を導入していることだ。

アジアにおける米国のアプローチが常に、中国の裏庭で空母を航行させることに重点を置いている一方、中国は仮想敵国に対して戦略的バランスを崩すためにできることを何でもやっている。新たな兵器システムや海軍における相当な規模の従来型の戦力拡大といったことだけでなく、海軍基地や水上発電所、人工島の建設を含む多くの戦術から成る戦略だ。

アジアで衝突が起きるのは仮定の話ではなく時間の問題だと、一部の現旧米軍当局者は考えている。同様にあり得る話と思えるのは、実際に戦争の引き金となる何かが起きる一歩手前の状態で、概して血は流れないだろうが、数十年に及ぶ対立状態に陥る可能性だ。

それこそ中国の計画なのだろう。

それは中国が自国の一部とみなす台湾の海域周辺でミサイル発射試験や軍事演習を実施した1995年以降、ますます熱心に同国が取り組むゲームである。当時のクリントン大統領は、台湾海峡を監視するため空母2隻を派遣した。それは、中国が負け戦だと分っている戦争を始めることなしには阻止できない動きだった。

以来、中国は周辺地域から米軍、とりわけ空母を遠ざけるための能力獲得に専念している。多くの専門家は、米国の戦略立案者が再び中国の沿岸地域に空母を接近させるリスクを負いたくないと考えるに十分な、潜水艦やミサイルや戦闘機といった兵器技術を中国が手にしているとみている。

中国は、至近距離の艦船を破壊するための兵器のみならず、台湾に照準を定めた弾道ミサイル数千発を保有しているとみられる。一部の専門家は、中国が今後20年のうちに台湾を支配下に収めようとする可能性を指摘している。

中国の次なる目的は、豊富なエネルギー資源が眠っているかもしれない、フィリピンやベトナムやマレーシアが領有権を主張する多くの環礁や島にまで自国の軍事力を拡大することかもしれない。

南シナ海における中国の最も尊大な領有権主張は昨年、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所で却下された。だが中国は、特にフィリピンと領有権を争うスカボロー礁周辺での建設拡大を続行した。2012年に中国軍が足を踏み入れてからは、そこに軍事施設を築き上げている。

このような基地を根拠に、中国軍は自国の領土だとして空域や海域を主張し、他国の航空機や船舶に登録を求めている。米国やオーストラリアなど他国の軍は、比較的罰せられず、国際的な正当性もほとんどないこうしたルールを無視している。

しかし、中国を止める戦略を誰も持っていない。トランプ政権のティラーソン国務長官は指名承認公聴会で、米軍が中国に南シナ海にアクセスさせないようにする可能性を示唆して驚かせた。そうなれば戦争が始まることはほぼ間違いなく、これに関してはその後言及されてはいない。

南シナ海で起きていることは、多くの点で、2014年のロシアによるクリミア併合でプーチン大統領が成し遂げたことと似ているが、より漸進的である。クリミア併合では、ウクライナや同盟国が対処する前に、軍人ではない武装した親ロシア派を使って現実を変えてしまった。

ウクライナでは、今でもロシアは公式に認めないが、結局は公然と軍事力を使って東部のロシア語を話す地域を占拠する気のあったことが明らかとなった。

問題は、南シナ海で中国も同じようなことを考えているかどうかだ。そして、もしそうなら何が起きるか、ということだ。

中国は、かつて米国が自国に対して使用したハイレベルかつハイバリューの軍事資産を獲得することに一段と力を入れている。ソ連製の中国初の空母は、主に訓練での使用にとどまってはいるものの、かつてないほど活動している。昨年12月、同空母は中国の沿岸水域外で初の長距離パトロールを実施したとみられる。中国はまた、初となる国産空母を建造しており、報道によると、さらにもう1隻の建造も進めているという。

これら空母は中国の国際的なイメージにとって重要である。ロシアが昨年後半にシリアで空爆を実施するために唯一の空母を派遣したことで集めた注目を目の当たりにしたからだ。中国は、ロシアのように、弾道ミサイル搭載の潜水艦の建造を増やしている。これは、中国のいかなる仮想敵国にとっても、全面戦争によって大激変をもたらすリスクに対する明らかな警鐘となっている。

いくつかの予測データによると、向こう10年から15年で、中国は高性能のコルベット艦や巡視船、他の艦艇のみならず、最大4隻の空母や潜水艦100隻を含む、計500隻の艦隊を持つ可能性がある。一方、トランプ大統領は米海軍の艦船を350隻に増やし、より強力な艦船の割合を高め、全世界に展開させるという計画だ。

米空母カール・ビンソンは、南シナ海の領有権が争われている海域を通過することで、米国の軍事力を改めて誇示した。しかし実際に戦争が起きた場合、そのように巨大な艦船が撃沈されるまでどれくらい生き残れるかは全く分からない。

どちらにせよ、カール・ビンソンは来週、同地域を離れる。だが、米国の他の戦力は残されたままだ。そして中国も依然として軍備増強を進めるだろう。

*筆者はロイターのコラムニスト。元ロイターの防衛担当記者で、現在はシンクタンク「Project for Study of the 21st Century(PS21)」を立ち上げ、理事を務める。

*本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイターのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

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