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<スクープ!>あの著名コメンテーターの会社を襲った「悪質な」乗っ取り!驚愕の手口(Business Journal)
http://www.asyura2.com/17/hasan119/msg/869.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 3 月 10 日 01:27:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

【スクープ!】あの著名コメンテーターの会社を襲った「悪質な」乗っ取り!驚愕の手口
http://biz-journal.jp/2017/03/post_18296.html
2017.03.10 文=松崎隆司/経済ジャーナリスト Business Journal


「昨年、株をあっと言う間に買い進められて何が何だかわからなかった。しかし、その後、これは計画された悪質な乗っ取りであると経営陣は考えています」

 ソフトブレーン(SB)の豊田浩文社長は筆者の取材に対してこう語った。昨年45%の筆頭株主として急浮上したスカラ(旧フュージョンパートナー)がSBの過半数の株式を取得し、敵対的な買収に動き出したからだ。

 SBはテレビのコメンテーターとしても知られる宋文洲氏が立ち上げた営業支援システムを提供する会社で、2000年12月に東証マザーズに株式公開し、その後05年6月には東証一部に指定替えした成長企業だ。16年12月期の決算でも売り上げが前期比30%増の77億円、経常利益が4.5%増の10億円、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いのある会社だ。

 そんなSBに経営の根幹を揺るがす想定外の事態が勃発したのは昨年6月。スカラの経営陣が宋氏に面談を求めてきた。スカラはもともとシステム開発を生業としていたが、15年には、販売支援ソフトを展開するエイジアの株式30%超を取得し、業務提携を申し入れていたがこれを拒否され、その株式を市場で売却した経緯がある。株価が急騰したことからスカラはエイジア株を売却して巨額の利益を得た。

 その手口は乗っ取り屋として名を馳せた光進グループの小谷光浩代表による蛇の目ミシン工業や国際航業の乗っ取りを彷彿とさせる。

■突然の面会申し入れ

 宋氏はスカラからの面会の打診を謝絶。その後スカラは豊田社長への面談を求めてきたという。豊田社長はこの申し入れを受け入れ、6月22日の面会日にはスカラの梛野憲克社長、新田英明取締役、M&A担当の鈴木事業部長がSBを訪問した。

 そこでスカラ側は(1)すでにSBの株式を2.27%取得していること、(2)持分法適用会社になるまで株式を買い進めることなどを表明。面談からわずか12日後の7月4日に突然大量保有報告書が提出され、スカラがSBの株式を発行済ベースで40%取得していることが明らかになった。

 市場外から3分の1超の株式を取得する場合にはTOB(株式公開買付け)を行うことが義務付けられているが、市場内で株式を買う場合はその必要がない。スカラはすべての株式を市場で取得していることから、法令に触れることはない。

「10日余りでそれだけの株式を購入することができるのか。実質的な共同保有者がいたのではないか。証券会社など金融機関は大量保有報告書の特例が認められており、大量保有報告書の提出は通常の5営業日以内ではなく2週間に1度に猶予されているので、そういった仕組みを利用したのではないか」(証券会社関係者)

 しかし、証券取引等監視委員会は動かなかった。 7月14日には梛野社長、木下朝太郎常務、新田取締役、鈴木事業部長がSBを訪問し、以下の報告をした。

(1)保有株式が議決権ベースで45%を超え、国際財務報告基準(IFRS)で連結子会社に該当すること
(2)SBが希釈化アクションを採らない限り、追加買い増しをしないこと
(3)役員派遣はせず、独立した運営を続けていくこと。

 この一連の買収劇でスカラはどのように資金調達したのか。7月30日付東洋経済オンラインの記事は、次のように報じている。

「ソフトブレーン株の取得に要した総額は43億円。・・・『総額の半分以上を、複数の銀行からの借り入れで調達した』(梛野社長)」と。 

 スカラの昨年の株主総会招集通知には、2016年6月30日時点の主要な借入先として、千葉銀行20億円、みずほ銀行5億円と記載されている。その前年の招集通知では、みずほ銀行2億円を含む合計3.5億円のみであり、千葉銀行とみずほ銀行からの借入れが買収資金に充てられたのは明らかだ。みずほ銀行はSBの経営陣に対しては「当時は敵対的買収だとは思わなかった現在では敵対的買収とみている」と説明したという。

 しかし、大量保有報告書では「自己資金」と書かれている。いったいこれはどういうことなのか。

 スカラは7月下旬に包括的な業務提携をSBに申し入れ、交渉がスタートするが、具体的な内容が出てこないことからSBは提携に躊躇した。

「スカラは8月15日の自分たちの決算発表に合わせて提携の発表を共同でやりたいという話を申し入れてきたのです。我々としては業務提携の話なんてしていないから、『そんなものにはサインなんてできない。そんなリリースなんて書けない』とお断りしたのです。そこを『なんとかならないか』と言って押し込んできたので、それなら『(両社による)業務提携等に向けた協議開始』のリリースを出すということで合意したのです」(同)

 しかし、提携の話は進まず、スカラは数回SBに来社して説明をしたという。

「向こうから言ってきた提携というのは、紙一枚に書かれた内容のないもの。どうやら本当に提携する意思があるわけではないようでした。」(同)

 つまり、対外的に友好的な買収をしたというポーズをとるために提携話を持ちかけたというのだ。

■敵対的な買収

 スカラは買収資金をかなりの部分を銀行から借り入れていた。そして、その後、スカラは社債発行などを通して、みずほ銀行と千葉銀行等から20億円ずつ調達している。

 しかしスカラの営業キャッシュフローは2016年8月期で5億7000万円程度。それをはるかに凌ぐ社債をなぜみずほ銀行が引き受けたのか。乗っ取りを前提とした資金調達だったのではないか。SBは現金だけでも約30億円あり、スカラは配当を支払うようSBに株主提案を求めて入ることから、それを社債などの償還原資に考えていたとみることもできないことはない。

 さらにSBには上場予定の子会社もあり、上場益も見込める。だとすれば、みずほ銀行や千葉銀行をはじめ資金提供した銀行団は乗っ取りの片棒を担いだと言っても過言ではないだろう。みずほ銀行や千葉銀行は「顧客情報なのでお話しできない」と頑なに口を閉ざす。

■業務提携協議を打ち切り

 そして牙を隠していたスカラが本性を現したのは年末に入ったからだ。

 12月21日に梛野社長から「お伝えしたい重要な話があるから12月26日に訪問したい。常勤役員全員揃えてほしい」という要請があり、豊田社長は面会した。梛野、木下、新田各氏以外に田村健三会長がSBを訪問した。

 そして(1)取締役6名と監査役2名を送りたいこと、(2)できれば会社提案にしてほしいこと、(3)SB役員からもスカラの役員になってほしいこと、などを提案した。6名の取締役とはスカラの田村会長、梛野社長、木下常務、新田取締役、呉裕紀経営管理本部長と渡辺昇一社外取締役だ。

 これに対してSBは、面談に先立って12月26日の朝に、業務提携協議の打ち切りについて発表した上で、27日には取締役・監査役選任に関する株主提案を受領。これに反対することを表明した。

 そして2月24日には、スカラは、SBの子会社であるソフトブレーン・フィールドとの協業について発表した。これについてはSBの了承のないスカラ側の一方的な発表だった。そして3月3日にはスカラがSBの追加の株式取得し、過半数を超える株主となった。

 一連の乗っ取り劇について創業者の宋文洲氏は自身のメルマガで「このような『潜水艦による奇襲攻撃』のような方式による企業買収に不信感を感じざるを得ません」「私が持っている知識と資力を使って現在の経営陣をサポートする」とコメントしている。宋氏はさらに自身でBSと同様の事業目的を持つ新会社を設立するなどの動きを見せている。

 一方で敵対的な買収を仕掛けたスカラは「シナジー効果を狙ったもの。敵対的な買収を仕掛けたつもりはない」(同社IR担当者)という。

 果たして今後どうなっていくのか、3月末の株主総会で大きな山場を迎えることになる。

(文=松崎隆司/経済ジャーナリスト)

 

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