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ゴーン社長「退任」は自動車業界"大再編"の号砲だ<内幕レポート> これから起きることをぜんぶ書く(週刊現代)
http://www.asyura2.com/17/hasan119/msg/876.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 3 月 10 日 11:34:10: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


ゴーン社長「退任」は自動車業界"大再編"の号砲だ【内幕レポート】 これから起きることをぜんぶ書く
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/51106
2017.03.10 井上 久男 ジャーナリスト 週刊現代  :現代ビジネス


日産のトップ人事は、動き出した再編劇場の序章。トヨタ−スズキ提携の本当の狙い、日産の三菱買収の裏事情、日立に接近するホンダの本音とは――これが自動車業界「仁義なき戦い」の全内幕だ。

■ゴーンはより大胆に動く

2月23日、日産自動車はカルロス・ゴーン社長兼CEO(最高経営責任者)が4月1日付で退任して、代表取締役会長に就くトップ人事を発表した。

後任の社長兼CEOには、「後継候補」とされていた西川廣人氏(現共同CEO)が順当に就くが、この人事にはゴーン氏の巧みな狙いが透けて見える。

「ゴーン氏は日産のほか、仏ルノーの社長兼CEOと三菱自動車の代表取締役会長も兼任しているが、3社の経営トップ、特に執行のトップであるCEOを2社で兼任することは利益相反につながる恐れがあると一部で指摘されていた。

特に三菱を買収以来そうした批判が高まる中、今回の人事ではその雑音をかわす狙いがあったのではないか」(競合他社の元役員)

一方、欧州と日本、米国に生活基盤があるゴーン氏は多忙を極めるが、今回の人事で日産の執行面を西川氏に譲ることで、負担を一部軽減できる。

「しかも、西川氏はゴーン氏に最も忠誠を誓った日本人。ゴーン氏の意向を忖度しながら動くタイプで、経営者というより秘書に近い。ゴーン氏には『傀儡』としてうってつけの後継者で、権力基盤の構造は実質的には変わらない」(日産OB)

詳しくは後述するが、ゴーン氏は世界1位の自動車メーカーになるという野望を持っている。

そのため、今回の人事で余裕ができたゴーン氏は、野望実現のためにこれまで以上に買収戦略に動き、大胆な業界再編を仕掛けてくるのでは――業界関係者の間ではさっそくそんな声が上がり出した。

実際、AI(人工知能)や自動運転技術の開発をめぐる競争が激化し、米グーグルなどの強敵も続々と新規参入してくる中、流れに乗り遅れれば巨大企業であっても淘汰されるのは必然。

巨大な恐竜が気候の変化に対応できずに絶滅したことにもたとえられるように、世界の自動車メーカーがいま、大再編「前夜」を迎えようとしている。



■「2000万台時代」の到来

2月11日、静岡県湖西市にスズキ会長の鈴木修氏の姿があった。この日は、トヨタグループの始祖、豊田佐吉翁生誕150年記念式典が開催。鈴木会長はこの式典に、「来賓」として招待されていた。

「何はともあれ、おめでとうございます」

当日は、トヨタの豊田章一郎名誉会長、豊田章男社長らも出席。鈴木会長はそんな豊田家の面々を前に登壇すると、祝辞を述べる役を務め、両社の「蜜月ぶり」をアピールして見せたのである。

この式典から遡ること5日前の2月6日、トヨタとスズキは、業務提携に向けた覚書を締結したと発表した。

すでに昨年10月、豊田章男社長と鈴木修会長が共同記者会見して提携する方針を表明していたが、これからは正式に交渉に入る――つまり、両社の「連携」を深化させることを明確に示した形である。

そもそも、この提携は世界販売台数が約287万台の規模では将来的に生き残りは厳しいと鈴木会長が判断して、豊田章一郎名誉会長に助けを求めて決まったもの。

87歳の鈴木会長と92歳の豊田名誉会長が話し合って決めたことから「遺言提携」とも呼ばれてきたが、今後はトヨタがスズキに出資するのが確実な流れになってきた。

「この提携はトヨタによるスズキ救済という側面だけではなく、トヨタにも大きなメリットがあるのがポイント。というのも、いま自動車業界では『2000万台』の事業規模がないと生き残れない時代が来ると指摘され始めている。

世界1、2位を争う独フォルクスワーゲン(VW)やトヨタは現在、グループを入れた全世界販売台数が1000万台程度あるが、それでも足りない。

トヨタは傘下にダイハツ工業、日野自動車を抱え、富士重工業、いすゞとは資本提携、'15年にはマツダとの業務提携も決めた。実は、この6社の販売台数にスズキの287万台を加えれば、約1800万台に到達する。つまり、2000万台が視野に入ってくる」(自動車メーカー元役員)

AI、自動運転、電気自動車(EV)など開発すべき先端技術が年々増える中、1社ですべてを賄うには莫大な研究開発資金が必要となるので、生き残りのために各社が寄り集まる。いま自動車業界で規模拡大が至上命題なのは、そうした背景事情がある。

日産自動車は2月8日、'16年の世界販売台数がグループで996万台に達したと発表したが、これにしても日産とルノーの計873万台に、昨年電撃買収した三菱自動車の93万台を加えてようやく積み上げた数字。

日産は積極的な買収攻勢を仕掛けることで、世界1位のVW(1031万台)、2位のトヨタ(1017万台)、3位米ゼネラルモーターズ(1000万台)から引き離されまいと必死になっているわけだ。

「実は日産のカルロス・ゴーン社長はスズキ買収を狙っていたが、ゴーン氏を嫌う鈴木会長がその動きを察知してトヨタを頼ったとの見方をする人もいる。

もし日産がスズキを傘下に収めれば、一気に世界1位に躍り出ることができた。実際、それがゴーン氏の野望でもある。ゴーン氏は次に、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)を狙うのではないかとも言われている」(業界担当記者)

こうしたトヨタ、日産の動きに比して、規模拡大競争で取り残されつつあるのがホンダである。

いま自動車業界で最も読まれているのが、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が昨年10月に出したレポート「非連続イノベーションが自動車産業に迫る100年ぶりの大変革」。

中でも、このレポート内で話題なのが、「ホンダの危機」を象徴するとされるグラフで、横軸に自動車販売台数、縦軸に純利益率を取り、国内外の主要メーカー各社をその実績値でプロットしているものである。

■ホンダの危機

     

グラフをみると、右端の1000万台前後に位置するトヨタやGMなど大衆車を主力とする企業は、利益率が6〜8%と高水準。

また、左端の200万台前後に位置する自動車メーカーも利益率が高く、ダイムラー、BMWなどのドイツ勢やマツダなどが並ぶ。いずれも、プレミアムブランドか、特徴ある車を造る会社である。

一方で、中央付近の400万〜500万台のメーカーは、利益率が0〜2%ほどと著しく低いが、そのボトム(底)にFCAとホンダがいる。

このグラフが意味するのは、ホンダはプレミアムブランドになれるわけでもないうえ、特徴のない会社になったことで、大衆からも見放され始めたという厳しい現実だ。

ホンダの中堅幹部も言う。

「うちはハイブリッド、燃料電池などトヨタの後追いをするばかりで、結局は『ミニ・トヨタ』になってしまい、マーケットでの存在感が低下している。今後7〜8年先くらいまでの商品戦略を見ても、これで熾烈な競争に勝てるのかと背筋が寒くなる」

ホンダにとって厳しいのは、これまで貫いてきた単独主義から脱しようにも、すでに多くのメーカーはトヨタ勢、日産勢の軍門に入り、いまさら手を組める目ぼしい相手がいない。

そうした中、ホンダの八郷隆弘社長は2月7日、日立と提携すると突如発表して業界を驚かせたが、これにしても「苦しい提携劇」と見る向きは少なくない。

今回の提携劇は、ホンダと日立オートモティブシステムズが、EVなどに使うモーターの合弁会社を設立するもの。ホンダは自前の開発に限界があると判断したわけだが、実は新しく作る合弁会社は51%を日立、49%をホンダが出資し、経営の主導権は日立側に握られることが決定している。

本来であれば自動車メーカーにとって部品メーカーにすぎない日立に主導権を握られるということの意味は、実は大きい。

なぜなら、いま世界の自動車業界の勢力地図を見渡すと、部品メーカーがかつてないほどに力をつけて、完成品メーカーを支配しかねない状況が生まれつつあるからだ。

実際、ドイツでは部品メーカーのボッシュなどが積極的なM&A戦略で拡大、特許の公開件数でも部品メーカーがVWやダイムラーなどの完成品メーカーを上回り、力関係ではすでに「逆転現象」が起こっている。

1兆円規模という巨額の買収も手掛けるようになった部品メーカーが、そのうち完成品メーカーを支配する日が来てもおかしくはないと言われているのである。



当然、同じことがこれから日本で起きても、なんら不思議ではない。「そうした観点から見た時、今後日本国内では系列部品メーカーを含めた業界再編の軸になるのがホンダになる」と、あるコンサルタントは指摘する。

「現在、自動車事業に積極的に乗りだそうとしているのが日本電産です。永守重信社長の強烈なリーダーシップのもとで買収攻勢を仕掛け、メーカーの元幹部らをスカウトして人材強化も図っている。

その日本電産がホンダ勢を狙ってくる可能性が十分にある。すでに'14年には、ホンダとNECの合弁会社で電動化技術に強いホンダエレシスを約500億円で買収。現在、ホンダ系で電子制御を得意とする上場企業のケーヒンが単独での勝ち残りが難しいという声が出ている中、永守社長がケーヒンをターゲットにしてもおかしくない」

つまり、日立や日本電産がホンダとの提携や買収で力をつけて、自動車業界で立場を急速に高めていくシナリオすらも考えられるわけだ。

こうした系列下請けや部品メーカーの動向は、地味な話題であるため主要メディアではあまり報じられないが、今後の業界再編の最も重要なキーとなる。

実はトヨタも危機感を強めていて、系列メーカーの再編に必死に動き出している。たとえばトヨタ系でブレーキ国内最大手のアドヴィックスという会社は昨年、トヨタ系のデンソーが出資比率を18%から一気に34%に高めたばかりなのである。

「アドヴィックスが得意とするブレーキ技術は、今後は電子技術と融合していき、自動運転時代には欠かせない重要技術の一つになる。

そんな未来を見越して、トヨタはグループとしてアドヴィックスへの『支配力』を強める狙いがある。2年前には『プリウス』の開発担当を務めた、開発のエースだった小木曽聡常務役員を社長に送り込んだほどです」(トヨタ系部品大手の幹部)

■自動運転で出遅れた日本勢

来たるべきAI・自動運転時代には、そのカギとなる技術を握った者が業界の覇者となる。

自動車業界の経営者たちはそれを痛感しているからこそ、規模を大きくして開発力を高めたり、部品メーカーを支配して技術力を確保したりと必死になっているわけだ。



では、その技術覇権を握るのは誰になるのかといえば、残念ながら、自動運転時代に核となる「4つの技術」について、日本勢はすでに海外勢の後手に回っている。

たとえば、1つ目の核となる、運転手の目の代わりとなる映像処理技術。この分野ではイスラエルに本社があるモービルアイ社が圧倒的。昨年、日産がミニバンのセレナで高速道路での一部自動運転を可能にする技術を搭載し、これが大衆車での世界初の自動運転と報じられたが、実はその技術の肝はモービルアイのものを採用していた。

2つ目のAIの技術にしても、米国が抜きん出ていて、「シリコンバレーなどにいる数十人のエンジニアが世界を支配している」とまで言われる。

そのAIを機能させるためには高性能なCPU(中央演算処理装置)が重要で、これが3つ目の核となる技術。これも米国のエヌビディアやインテルの独壇場で、'21年までに完全自動運転の市販を目論むBMWも昨年夏にインテルと提携した。

4つ目の技術の3次元地図では、独ヒアとグーグルが先行。デジタル地図情報会社のヒアは欧米のカーナビ市場で80%近いシェアを持つが、実はアウディ、BMW、ダイムラーの独勢3社がこのヒアを共同買収しており、自動運転で覇権を握ろうとするドイツの国家戦略も見え隠れしている。

自動運転などは、これまでの経験知が通じにくい世界。過去の成功体験は通用せず、新規参入組があっという間に市場を奪ってしまう。そんな厳しい時代に、どれだけの日本メーカーが生き残っていられるだろうか。

「週刊現代」2017年3月11日号より


 

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コメント
 
1. 2017年3月11日 18:50:27 : rXdsMFQkZM : b8vrQPgmHgU[130]
世界の自動車業界の動きを1960年代から見てきた当方としては、自動車業界の未来予測ほど「当てにならないものはない」と断言します。1960年代末期、世界の自動車メーカーは年産200万台ないと生き残れないと言う説が広まり、西欧の自動車メーカーの業界再編成が起こりましたが、合併や買収に積極的だったイタリアのフィアットやフランスのプジョーは、膨大な借金に苦しむことになったのです。

数の規模の論理で行くならば、メルセデスやBMWやスバルが成功している理由を見つけることはできません。

●今後、自動車を巡る動きとして、内燃機関の縮小と電気自動車の普及が始まると思いますが、これに伴い、部品点数の大幅削減と、自動車の長寿命化による買い替え需要の減少が起こり、自動車産業の縮小は避けられません。生産台数は今より少なくなり、車種の数も削減されるでしょう。


2. 2017年3月11日 20:02:53 : hUkJW5PNLO : vS5oQ06@H3c[273]
日本勢 ゴーン企む 総崩れ

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