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「来年1月、伊豆で大地震が起こるかもしれない」ある研究者の警告 経産官僚も注視している(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/17/jisin22/msg/335.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 12 月 13 日 12:08:15: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


「来年1月、伊豆で大地震が起こるかもしれない」ある研究者の警告 経産官僚も注視している
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53749
2017.12.13 藤 和彦 経済産業研究所上席研究員  現代ビジネス


どうか耳を傾けてほしい

「来年1月にも伊豆半島で大規模な直下型地震が起きる可能性が高い」

こう警鐘を鳴らす学者がいる。あと一月ほど未来の非常に忌まわしい予測で、ややもすればオカルトのように捉える人もいるかもしれない。しかし筆者はこの警鐘を、比較的可能性の高い情報としてとらえている。

彼の声はあまりに小さく、この情報を知っている人はごく少数だ。その理由は、彼が地震学の権威である東京大学地震研究所に籍を置かない「地質学」を専門とする学者だからだ。

地震学の門外漢であるこの学者の警鐘をなぜ筆者が信用しているかといえば、彼が長年培った地質学的見地に基づいて導き出した「地震発生メカニズム」を提唱しているからだ。

筆者は彼の書籍を読み、8年以上にわたる付き合いを続けてきたが、その間、彼の予測の正確さや妥当性を何度も見せつけられている。その経験から筆者は彼の警鐘を深刻に受け入れているのだ。

ただし「この予測が必ずあたる」とか、「今すぐ伊豆半島の警戒を強めるべきだ」といたずらに危機感をあおるような主張をするつもりは毛頭ない。予測はあくまで予測であり、100%はないからだ。そもそも、起こらないにこしたことはない。

筆者の目的は、彼の予測がなぜ筆者にとっては無視できないものなのか、その理由を説明すること。そして地震の予知や予測については旧来のやり方以外の新しい見識を取り入れる時期に来ていることを主張すること。そして、万一のために備えをしてほしい、ということだ。

経産官僚として伝えたい

まずは、筆者(私)が何者なのか、その経歴を紹介しておこう。

筆者は84年に通商産業省に入省し、主にエネルギー分野などを畑としてきた。03年には内閣官房に出向して、内閣情報調査室内閣参事官を務め国内外の経済情報を収集し、経済情勢の分析を担当した。

ここで経済インテリジェンスの手法を身につけ、エネルギー情勢や中国をはじめとする近隣諸国の経済情勢をつぶさにウォッチしていたが、一方で日本経済に破滅的なダメージを与える地震の発生メカニズムにも長年興味を持ち続けてきた。

日本は地震大国として長年、予知につながる地震研究に多額の予算を割いてきた。にもかかわらず、妥当性のある地震予知は実現できていない。地震研究の総本山である東大地震研究所は「地震予知研究センター」を備えているが、満足のいく成果があげられているとは言い難い。

そうした中で筆者が09年に知り合ったのが、世界の地質構造に詳しく、「地震発生メカニズム」の一つの考え方を提唱する角田史雄氏(埼玉大学名誉教授)である。この出会いから地震発生のメカニズムへの関心が高まった筆者は、彼の考え方を検証するようになった。

角田氏はこれまで、筆者にことあるごとに予測を披露してきたが、その都度その予測の範囲で地震が発生するさまを目の当たりにしてきたのである。

特に忘れられないのは、2011年に東日本大震災が起きたあの日に発した、角田氏の予測だった。筆者は地震発生後に角田氏に今後の余震について尋ねると、こんな答えが返ってきた。

「このあと、富士山付近で余震が起きそうだ」。

はたしてその4日後の3月15日の夜、静岡県東部で地震が発生(マグニチュード6.4)し、富士宮市では震度6を記録した。

また角田氏は熊本地震発生後の昨年7月の段階で「中国地方で地震発生の可能性が高まっている」と指摘していたが、やはり10月に鳥取県中部地震が発生(マグニチュード6.6)し、倉吉市などで震度6弱が観測されている。

「論より証拠」というが、何度も角田氏の予測の正確さを目の当たりにした筆者は、角田氏が提唱する地震発生メカニズムを信頼するようになった。その角田氏が、冒頭で紹介した「2018年1月・伊豆半島・大規模地震」の可能性を指摘していることは、筆者にとっては緊張の走る事態なのである。

プレート説ではない

角田氏が唱える地震発生メカニズムを我々は「熱移送説」と呼んでいるが、この説明をする前に、なぜ待望されながらもこれまで日本で地震予知が実現しなかったのか、筆者なりの解釈を披露しておきたい。結論から言えば、筆者は日本のほとんどの地震学者が採用する「プレートテクトニクス説」(以下「プレート説」)の限界に原因があるからだと考えている。

「プレート説」は1969年、米国から日本に上田誠也氏(東大名誉教授)らによって紹介され、やがて小松左京の小説「日本沈没」がベストセラーとなって、日本人にはなじみの深い学説となっていった。

NHKなどで繰り返し放送される地質や地震にまつわる番組は「プレート説」をもとに作られており、日本人の多くはこれをみな科学的な裏付けのある真理だと信じこんでいる。しかし「プレート説」はいまだ学説の段階であり、仮説の一つに過ぎない。

「プレート説」に基づく地震発生の考え方はこうだ。

地球上にある複数のプレートの移動により、プレート同士が衝突し、重い海洋プレートが軽い大陸プレートの下に沈み込む。その間にゆがみが生じてやがて解放されるとき、そのエネルギーが地震を起こす。その歪みが解放されるその時を事前に探知できれば地震予知は可能ということになる。もちろんこれは「プレート説」が正しければということが前提だ。

ところが昨今ではこの学説は揺らいでいる。

かつては「マントルは均一だと考えられていたことから外核から放出される高温の熱が地殻付近まで上昇し、大気と同じようにマントルが対流することでプレートが動く」とされてきたが、その後多くの研究者が計算を行った結果、「マントルが対流することで生じる摩擦力だけでは、重たいプレートを動かすことができない」という。

これを証明したのは、「プレート説」を日本に紹介した上田氏だった。

角田氏も「プレート説を構成する3原則(@海溝でプレートが誕生する、Aプレートは冷たく巨大で崩れない板状岩層である、Bプレートは遠距離移動する)は、これまでの様々な観測結果からも裏付けられない。よってこの学説は信じられない」とプレート説を否定する立場をとっている。

また地震学者であるロバート・ゲラー氏(東大名誉教授)は「地震はそもそも予知できない」と主張しており、こうした状況から筆者は少なくとも「プレート説に基づく地震予知」は実現が極めて困難だと考えている。

1970年代後半、プレート説に基づいて地震学者たちは「東海沖地震が近々発生する」と予測し、地震予知連絡会が東海地区や南関東を観測強化地域に指定。気象庁などは多額の予算を使い海底地震計を設置したが、それから40年近く経ったいまも東海沖で大地震はその兆候すらみられない(むろん、それは喜ばしいことではあるのだが)。

現在指摘されている南海トラフ地震についても角田氏は、同じような失敗を繰り返すだけだろう」と述べ、「地震予測には全く異なるアプローチが必要だ」と主張する。

角田氏は、日本で従来行われてきたプレート説に基づく地震予知や予測の方法論とは、全く別の手法で「地震発生メカニズム」の学説にたどり着き、それを応用した地震予測を行っているのである。その学説が前述した「熱移送説」である。

注目すべきは熱エネルギー

「熱移送説」の特徴は、地震を発生させるエネルギーを「熱」と考えていることだ。

「プレート説」をとる地震学者は、地震を発生させるエネルギーはプレートが移動してくる際の大きな圧力と考えているが、角田氏は地球の地核から発生してくる「熱」をエネルギーとする。熱エネルギーは火山の噴火を発生させるが、地震にも大きな影響を及ぼしているというわけだ。火山の多い日本で地震が発生するのも、そのエネルギーが「熱」だからだと考えれば分かりやすい。

火山の場合は、熱エネルギーが伝わると熱のたまり場が高温化し、そこにある岩石が溶けてマグマ(約1000度に溶けた地下の岩石)が発生する。この際に高まったガス圧によって噴火に至る。

一方、地震は地下の岩層が熱で膨張して割れることによって発生する。例えば鉄を溶接したものは大きな力をかけても剥がれにくいが、熱することで簡単にはがれるようになる。これと同じで、熱のエネルギー量が多ければ多いほど、大きな破壊=地震が発生するのである。

ではその熱はどこから来るのか。

大元のエネルギーとなる「熱」は、まず地球の中核から地球の表層に運ばれる。86年に米国地質調査所(USGS)でMRI(核磁気共鳴装置)の原理を応用した技術、マントルトモグラフィーを用いて地球内部の温度分布図が作成され、角田氏がこれを分析したところ、地下3000キロメートルから地球の表面に向って約6000度の熱エネルギーが上昇していることが分かった。

この熱エネルギーの表層での出口は、南太平洋(ニュージーランドからソロモン諸島にかけての海域)と東アフリカの2か所が確認されており、このうち南太平洋から表層に出た熱が日本の地震に大きく関わってくるという。

南太平洋で表層に出た熱は、そこから西側に移動し、インドネシア付近で3つのルートに分かれて北上する。一つはインドネシアのスマトラ島から中国につながるルート(@SCルート)、次にインドネシアからフィリピンに向い台湾を経由して日本に流れるルート(APJルート)、そしてフィリピンからマリアナ諸島へ向かい伊豆諸島を経由して伊豆方面と東北地方沿岸へ流れる(BMJルート)である。

この熱エネルギーは1年に約100キロメートルの速さで移動するため、「熱移送説」を用いれば、インドネシアやフィリピンで地震や火山の噴火が起きた場合、その何年後に日本で火山の噴火や地震が起きるかが推察できるようになる。また火山の噴火から地震発生の予兆を捉えることも可能となるのだ。これが角田氏の唱える「熱移送説」の概略である。

実際に角田氏が示す3つのルートでは確かに近年でも地震が頻発している。@SCルートでは、08年5月に中国の四川大地震が発生し、今年11月にもチベット自治区でマグニチュード6.3の地震が発生している。またAPJルートにおいても、16年2月の台湾南部地震や16年4月から熊本県を中心に群発地震が起きた。

地球規模での研究が必要

そして角田氏がいま最も警戒しているのが、BMJルートに係る伊豆半島。角田氏は「MJルート上にある伊豆・相模地域で、近々大規模な直下型地震が発生する」と見ているのだ。

BMJルートには、実際に小笠原・伊豆諸島のほぼ直線で約1700キロメートル続く火山列島が存在している。過去にも南から順番に火山が噴火するか、地震が発生しており、これは熱エネルギーの北上に伴ったものと考えられる。角田氏は「MJルートには約40年間隔で大規模な熱エネルギーが移送されており、4年前に起こった西之島の大規模噴火はその一環だ」としている。

小笠原諸島の西之島(東京都小笠原村・伊豆半島の南約1000キロ)は13年11月に海底火山の噴火により誕生した新しい島と、73年に誕生した旧島とが、一年以上にわたる噴火活動によって一体化した。この噴火活動によって旧来の西之島は面積が約12倍にも膨らんでおり、この噴火規模は国内では過去100年間で4番目の大規模なものだった。

その後、14年10月に伊豆諸島の八丈島(東京都八丈町・伊豆半島の南約280キロ)の東方沖でマグニチュード5.9の地震が発生したが、この二つの噴火と地震から分かるように、その大規模な熱エネルギーは着実に北上しており、伊豆・相模地域に迫っていると考えられるのだ。

伊豆半島周辺では1978年に伊豆大島近海地震(マグニチュード7.0、死者・行方不明者26人)、1930年に北伊豆地震(マグニチュード7.3 死者・行方不明者272人)が発生しており、その間隔は約40年だ。特に北伊豆地震は震度7の激しい揺れを伴い地震断層が採掘中のトンネルをふさいでしまうほど大規模なものだった。その痕跡は東海道新幹線の熱海―三島両駅間を繋ぐ丹那トンネルにいまも見ることができる。

12年に発生した青ヶ島(伊豆半島の南約360キロ)の火山活動と、13年に発生した箱根の大涌谷の小規模な噴火との関連に注目した角田氏は、青ヶ島と箱根の間の直線距離が約320キロであり、両地点の活動時期のずれが約20カ月であったことから、当該地域での熱エネルギーの移送速度は「1カ月あたり約16キロ」と測定している。

この移送速度を元に、角田氏は「2013年11月の西之島の火山噴火がもたらした大規模な熱エネルギーは、来年1月にも伊豆・相模地域に到達する」としている。

なお角田氏は今年中ごろまでは伊豆大島の火山噴火を懸念していたが、最近、伊豆大島の西側に小規模地震が多発していることから、「伊豆半島またはその近海で大規模な地震が発生する可能性が高い」との見解に至ったということである。以上が角田氏の警鐘だ。

筆者は角田氏のこの研究は、地震予測を可能にする一つの見方を示したものであり、大変貴重なものだと考えている。ただし現在、この「熱移送説」の研究は角田氏個人でしか行われておらず、今の段階では、数百年の期間の中で限られた地域で発生した火山・地震活動を追跡した結果に過ぎない。今後、角田氏は「地球規模で実証を続けて行く必要がある」としているが、当然、角田氏だけの力では限界がある。

角田氏はこれまで一般向けの解説書として『地震の癖―いつ、どこで起って、どこを通るのか?』『首都圏大震災 その予測と減災』を出版し、熱移送説を説明している。また今回の伊豆半島を警戒する角田氏の発言や日本の地震研究の問題点については、角田氏と筆者との対談書である『次の震度7はどこか?』に分かりやすく示している。

繰り返しとなるが、予測に絶対はなく、角田氏の研究もまだ途上ではある。いたずらに危機感や恐怖をあおるつもりは毛頭ない。地震は起こらないほうがいいに決まっているし、筆者もそう願っている。

それでも、その可能性を指摘する学者がいるのだから、念のために注意しておこう……それぐらいの心持ちでも構わないので、伊豆半島の方々には、家庭で出来得る限りの備えをしておいてほしいと思っている。



















 

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コメント
 
1. 2017年12月13日 20:22:04 : J0EfR5l7E6 : Pg8W7GUPCkg[801]

鬼が笑う伊豆大地震ということか。

寒いね hahahahahahahabaka!




[12初期非表示理由]:管理人:カルト宗教コメント多数により全部処理

2. 2017年12月13日 22:07:47 : rNofEp1yUM : KXOtAEOLaNk[6]
オカルトでしょう。

3. taked4700[6698] dGFrZWQ0NzAw 2017年12月14日 04:40:18 : M0Q78oBm06 : VzKJOYqaWE4[2]
>角田氏も「プレート説を構成する3原則(@海溝でプレートが誕生する、Aプレートは冷たく巨大で崩れない板状岩層である、Bプレートは遠距離移動する)は、これまでの様々な観測結果からも裏付けられない。よってこの学説は信じられない」とプレート説を否定する立場をとっている。

これ、とんでもですよ。

そもそも、海のプレートに限らず、プレートが生成するのは、海溝ではなく、海嶺です。「海溝でプレートが誕生する」と言っている時点で、全くプレート説を理解していないことが分かります。

また、「プレートは冷たく巨大で崩れない板状岩層である」というのも、何か、一面的な表現であり、「冷たい」と言われるのは、海のプレートの海嶺から遠く離れた部分です。つまり、海嶺でマグマが上昇してプレートが発生し、その後何万年とかまたは何億年という期間を年数cm程度の速度で移動して行く過程で、マグマからプレートになったときの熱が冷めていくので、海嶺から遠い部分ほど冷たくなるのです。

更に、「プレートは遠距離移動する」は様々な観測結果から確認されています。たとえば、海山群などは海のプレートが移動してきていることを明確に示しています。
同様に、伊豆半島により中央構造線が北側に捻じ曲げられていることなども、プレートが長距離を移動していることを明確に示しています。

この藤 和彦さん自身が書かれたことなのだろうか?あまりに、基礎的な部分で間違えが多いので、違和感があります。

なお、伊豆諸島というよりも、伊豆・小笠原海溝付近、つまり、伊豆諸島よりもより東によった地域で大地震が起こり易くなっていると思います。

1月という時期は確かに、そのぐらいで発生してしまう可能性が高いと自分も考えています。


4. taked4700[6699] dGFrZWQ0NzAw 2017年12月14日 05:16:27 : M0Q78oBm06 : VzKJOYqaWE4[3]
以下の記事の根幹部分である

>1)噴火の規模が大きければ、地下にたまったエネルギーが大量に使われるので、地震の規模は相対的に小さくなる。つまり、火山が噴火すれば、それが熱エネルギーの“ガス抜き”となり、巨大地震を発生させるエネルギーが減るのである。

自体に矛盾がありますね。熱が原因で噴火も地震も起こるというなら、巨大地震が起こることで熱エネルギーが消費され、噴火は起こらないことになる。しかし、現実は逆であり、2004年スマトラ島沖地震M9以降、スマトラ島付近では噴火が相次いでいる。

同様に、2011年の東北地方太平洋沖地震前後で日本でも噴火活動が活発化している。

更に、

>プレートテクトニクス説は、日本の周辺で起こる地震のメカニズムをおおむね以下のように説明する。1)徐々に北西に移動する太平洋プレートが、日本列島側のプレート(東日本は北米プレート、西日本はユーラシア大陸プレート)の下に沈み込んでいる。

と書いている点でも、プレート説を理解していないことが分かります。西日本の下へ沈み込んでいるのは太平洋プレートではなく、フィリピン海プレートです。非常に基礎的なことであり、出版社というか、編集者の方の間違えであるのでは???

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110321/219067/?P=1&prvArw

プレート説は地震の原因を十分には説明できない
M6〜7の余震に注意せよ!
森 永輔(日経ビジネスオンライン副編集長)

バックナンバー
2011年3月22日(火)

 埼玉大学の角田史雄名誉教授は、地震が起こるメカニズムを「熱移送説」で説明する。「地核で発生し地球の表面へと伝わる熱が、地震や火山の噴火を起こす」というものだ。この説に従えば、東日本では今後もマグニチュード6〜7程度の余震が起こる可能性がある。同氏は「警戒を怠ってはならない」と警鐘をならす。

 「熱移送説」はさらに、地震の世界で“常識”と考えられている「プレートテクトニクス説」は、地震の原因を十分に説明することはできないと指摘する。

(まとめは森 永輔=日経ビジネスオンライン副編集長)


埼玉大学 角田史雄名誉教授
 「熱移送説」は、地核で発生する「熱」が地殻に影響して、地震を起こしたり、火山を噴火させたりすると考える。その概要を説明しよう。

 熱移送説は、「熱で膨れた岩盤が割れる」という松澤武雄氏が説く「熱機関説」を理論的な根拠にして、深尾良夫氏らが作成した地球内の温度分布画像を基にして考えた仮説である。地核で発生した高温の熱が、その外側にあるマントル、さらに外側にある地殻などを貫いて、地球表層部に伝わる。

この熱が、環太平洋沿いに伝わって、噴火や地震のエネルギーになる。このエネルギーによって、環太平洋ゾーンの地殻の最も外側にある「花崗岩質岩層」と呼ばれる固くもろい層が膨らみ、曲がり、そして割れる。この時に生じる揺れが地震となる。これが、「熱移送説」の概要である。

 熱移送説は、この地殻から伝わる熱が火山の噴火の原因でもあると考える。地核からの熱が摂氏400度くらいになると岩石は溶け始める。1000度になると、岩石は完全に溶けてマグマができる。この過程で、大量の火山ガスが生まれる。ガス圧が高まると、マグマなどが地表へ噴出して、噴火が起きる。

 熱が伝わる経路に沿って、熱によって起きる地震と噴火も移動する。これらを、縦に発生場所の緯度、横に発生した日時を示す表に書き入れると、地震と噴火とは、1日に5kmずつ移動していることが突きとめられた。そうした移動が、1〜1.5年ごとに繰り返し発生することも分かった。

 つまり「熱移送説」は、地核からの熱が、地球表層部を伝わることで、次々に火山の噴火と地震とをペアで発生させていく、と見る。さらに、この熱エネルギーが引き起こす地震や噴火には、以下の関係があると考える。1)噴火の規模が大きければ、地下にたまったエネルギーが大量に使われるので、地震の規模は相対的に小さくなる。つまり、火山が噴火すれば、それが熱エネルギーの“ガス抜き”となり、巨大地震を発生させるエネルギーが減るのである。一方、2)熱移送量が多いのに、噴火がない、もしくは噴火の規模が小さければ、地震の規模は相対的に大きくなる。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110321/219067/?P=2&mds
森 永輔(日経ビジネスオンライン副編集長)

バックナンバー
2011年3月22日(火)
メールで送るメールで送る 印刷印刷 保存保存 EvernoteEvernote Facebook twitter
今後も地震が続く可能性がある
 こうした熱移送量には増減があって、1960年前後の10年間と、2000年前後の10年間とは、その量が最も多い時期であった。それを物語るように、M9クラスの超巨大地震は、これらの時期に集中している。熱移送説の観点から、火山と地震の動向を観察すると、今後も大きな地震の続く可能性がある。日本列島の周辺には、まだ、熱移送が行われている上に、岩盤には、多量の熱が残っているからだ。

 地球内部にたまった熱の状態は、マントルトモグラフィと呼ぶ技術で、可視化できるようになった。この技術は、病院の検査に使うMRI(核磁気共鳴画像法)の技術を地震の研究に応用したものだ。この技術を使って、地球の中の地震の速度状態を分析できる。それが速ければ冷たく硬い部分、遅ければ、温かく溶けた部分と読み換えられるから、熱の状態も画像化できる。その画像では、環太平洋地域の地下50〜200キロの部分に多くの熱がたまっていることが分かる。

 関東・東北では、今回の超巨大地震の前に、地震と噴火の移動が何回も繰り返えされた。これは熱移送が多かったことを示す。その状況で、大きな噴火は三宅島以外になかった。関東・東北の地下には、地震を起こすエネルギーがため込まれて、高圧釜状態だった。上に載る「花崗岩質岩層」は、真ん中が厚く、日本海沿岸と太平洋沿岸が薄い。高圧で押し曲げられたこの岩層は、その厚さが薄くなる太平洋沿岸域で大きく裂け、超巨大地震が起きた。

裂けた岩層ブロックには、大きな余震を次々に起こすだけのエネルギーが残っていて、西隣の関東・東北の岩層ブロックを突き動かしている。突き動かされた関東・東北の岩層ブロックは、その縁が激しく揺れ動く。そのため、縁に当たる南北海道、東北の日本海側沿岸、北陸、信越、南関東、東北の太平洋沿岸では、後続の地震の起こる可能性が高い。

実際、3月15日の夜、静岡県東部で“余震”が発生した。富士宮市で震度6を記録したものだ。さらに、この後、千葉や茨城でも余震 が発生している。こうした超巨大地震のエネルギーが弱まるには1年ちょっとの時間が必要だ。その意味では、この後の1年あまり、これらの地域では、マグニチュード6〜7程度の余震に要注意である。

 後続の地震を、引き続き警戒しなければならない。

「プレートテクトニクス説」では原因を十分には説明できない
 プレートテクトニクス説では、さまざまな地震の発生メカニズムを十分に説明したり、十分な対策を立てたりすることは難しい。

 プレートテクトニクス説は、日本の周辺で起こる地震のメカニズムをおおむね以下のように説明する。1)徐々に北西に移動する太平洋プレートが、日本列島側のプレート(東日本は北米プレート、西日本はユーラシア大陸プレート)の下に沈み込んでいる。2)太平洋プレートと日本列島側のプレートが接している部分に摩擦が生じるため、日本列島側のプレートは太平洋プレートの動きに引きずられて、たわむ。3)日本列島側のプレートが持つ「元に戻ろうする力」が摩擦の力を超えると、日本列島側のプレートが上向きにずれ動き、地震が発生する。

 こうしたプレートテクトニクス説では、地震の原因を十分に説明することができない、とする理由は3つある。第1は、プレートテクトニクス説に基づいて大規模な地震が警戒されている南関東において、30年にわたって大地震が起きていないことだ。測地学審議会は2004年、地震観測強化地域から同地方を外す決定をした。

 一方、南関東や東海地方ほど警戒していなかった東北地方において、マグニチュード9という超巨大地震が発生した。東北地方にこれほど大きなエネルギーがたまっていることに、なぜ今まで気づかなかったのか? 今の観測体制では、プレートとプレートの間にたまるエネルギー量を測定できないから、エネルギーがたまっているか否かを判断できない。従って、十分な対策を講じることができない。

 ちなみに、1933年3月に起きた三陸沖地震のM8.1だった。今回の超巨大地震はM9.0で、M8.1の約32倍に相当するエネルギーを持つ。M9はM8の32倍、M8.4はM8の4倍である。第二次世界大戦の時、広島に投下された原爆のエネルギーはM6.0相当で、M8の約1000分の1程度でしかなかった。今回の超巨大地震がどれだけ大きな破壊力を持っていたかが、これらの数字からうかがえる。

 第3の理由は、今回の超巨大地震が、太平洋プレートと北米プレートの境界面とは異なる面で裂けて生じていることだ。名古屋大学が管理する「地震学ノート」によると、北米プレートの中の裂け目が震源断層だという。そして、次々と起こる余震も、2つのプレートの境界面とは異なるところに集中している。これらのことから、今回の超巨大地震とプレート境界との関連がつかめないのである。

 プレートテクトニクス説は1960年代に登場した説だ。1970〜80年代にはその当否について、専門家が様々なかたちで検証作業を行った。そして、その提唱者の一人である上田誠也氏も、未確定なことが多く残されている、と述べている。この説を常識として無批判に受け入れるのではなく、事実ともっともよく合う説を、常に追い求める姿勢が大切だ。また、地震の気配を感じられる何か、あるいは、少しでも地震の被害を減らせる何かを、みんなで探すことが必要であろう。(談)

角田史雄(つのだ・ふみお)。
1942年、群馬県生まれ。埼玉大学名誉教授。埼玉大学文理学部卒業。東京教育大学大学院博士課程修了。理学博士。
1967年から40年間、南部フォッサマグナの山々を踏査し、火山・マグマが地核変動を引き起こしていることを実感する。1979年以来、地震動と地質の関係を研究。現在は「熱移送説」の検証に取り組んでいる。
近著に『地震の癖──いつ、どこで起こって、どこを通るのか?』(講談社+α新書)


5. 2017年12月14日 11:47:56 : qlgf8UifMR : GF8UV9yEFsg[10]
これをダシに人工地震にして、偽ユダヤ軍産が、再び緑の狸(伊豆大島は東京都だし)に脚光浴びさせるってシナリオなのか?

6. 2017年12月14日 20:44:25 : J0EfR5l7E6 : Pg8W7GUPCkg[811]

事前に安全な場所に避難すれば国民の命を一人も失うことがないでしょう。

メデタシメデタシ目出た目出た〜あ〜の〜haヨイヨイ! 御愁傷様で〜す

命がそんなに惜しいなら核ミサイル攻撃に備えて避難訓練でもやれよなZ~




[12初期非表示理由]:管理人:カルト宗教コメント多数により全部処理

7. 2017年12月14日 20:57:19 : t09dumgomc : _QSLFc9uuag[122]
産・学の コラボが望む 大地震

8. 2017年12月15日 16:36:08 : eR1OHdsunY : c9tIqsXIgy0[5]
こんなアホーでも大学教授になれる。ある意味日本は恐ろしい。

9. 2017年12月23日 21:22:34 : RCSucDLq66 : v_kjbmpWTTY[2]
下らねぇ

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