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イスラエル:シリア領空内での空爆とシリア軍の迎撃ミサイル発射
http://www.asyura2.com/17/kokusai18/msg/871.html
投稿者 手紙 日時 2017 年 4 月 08 日 19:56:36: ycTIENrc3gkSo juiOhg
 

(回答先: アメリカ軍がシリア軍基地を巡航ミサイル攻撃:二つの極 投稿者 手紙 日時 2017 年 4 月 08 日 19:51:45)

件名:イスラエル:シリア領空内での空爆とシリア軍の迎撃ミサイル発射
日時:20170322
媒体:中東かわら版
出所:https://www.meij.or.jp/kawara/2016_192.html
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192 イスラエル:シリア領空内での空爆とシリア軍の迎撃ミサイル発射


 2017年3月17日午前2時頃、シリア軍は、領空内に侵入し空爆を行なったイスラエル軍機に対して地対空ミサイルで迎撃した。イスラエル側の報道によれば、イスラエル軍機がシリア領内で作戦を行ったのは、16日深夜から17日未明にかけてで、シリア側の迎撃ミサイル発射は、イスラエル軍の攻撃終了後に実施され、イスラエル軍機に対する脅威にはならなかったようだ。イスラエル軍は、シリア国内の空爆については沈黙しているが、ホムス近郊の基地から発射された地対空ミサイル(S-200)が、西岸上空に飛来し、ヨルダン渓谷に落下する危険性があったためイスラエル製のアロー迎撃ミサイルで撃墜したと発表した。爆発音は、エルサレムでも聞かれたと報道されている。イスラエル軍は、落下したミサイルを調査した結果、弾頭に200キロの爆薬が搭載されていたと発表した。ヨルダンは、ミサイルの一部が同国領内に落下したことを確認している。

 19日、イスラエルのリバーマン国防相は、シリア軍がイスラエル軍機を攻撃するのであれば、イスラエル軍はシリア軍の防空施設を攻撃すると述べた。20日、アサド大統領は、ロシアのニュースサイトとの会見で、国内に侵入したイスラエル軍機を迎撃するのはシリア政府の権利であり義務だと述べた。また同大統領は、イスラエル軍のシリア国内での攻撃を、ロシアが阻止してくれることに期待を表明した。同日、シリアの国連大使は、ロシアはイスラエルに対して、ゲームのルールは変わったとの明確なメッセージを送ったと述べている。21日、中国を訪問しているイスラエルネタニヤフ首相は、ロシアには、必要であればシリア領内での攻撃を行うと伝えてあると述べた。

評価

 イスラエルは、シリア政府がヒズブッラーに最新兵器を供給することを実力で阻止すると明言してきたが、具体的な攻撃については沈黙している。最近では、2016年4月にネタニヤフ首相が、当時の時点で、過去に数十回、シリア国内での攻撃を行なったと曖昧な発言をしているだけである。今回の空爆についても、イスラエル軍の攻撃の詳細は不明である。

 シリア領内に侵入したイスラエル軍機を、シリア軍が迎撃するのは主権国家として当然の反応である。ここ数年、その行動が取れなかった/取らなかったとすれば、今回の出来事は、シリア側の対応が通常に戻りつつあることを示唆している。イスラエル側は、シリア軍が迎撃ミサイルを発射したのは、ロシア軍の支援を得たアサド政権が国内での勢力を回復させ、自信を深めているためだと分析している。イスラエルのメディアは、シリア軍が国内に侵入したイスラエル軍機に対して迎撃体制を取ったのは2016年9月頃からとしている。イスラエル軍は、ロシア軍がシリア国内での空爆を強化した2015年秋以降、ロシアのレーダーで自分たちの活動が探知されることを警戒して、シリア国内への攻撃を行う際には、レバノン領空や地中海沖からミサイル攻撃を行なっていたとの報道もある。同報道が正しいとすれば、今回、イスラエル軍は、あえてシリア領内に侵入して空爆を行う必要があったことになる。

 イスラエル軍が、今後もシリア国内での空爆を継続するのであれば、作戦を行う際の軍事的、政治的リスクが高まるため、イスラエル軍は作戦実行に慎重になる必要があるとしても、両国間にある軍事的なリスクは、シリア紛争激化前のレベルに戻るだけである。ただアサド政権のアラブ世界あるいはイスラーム世界での評価は、シリア紛争が激化する前と同じではない。アサド政権は、現在戦っている紛争を政治的、軍事的に戦い抜く過程で、あるいは紛争を生き延びた後に、新たな政治的正統性を確立する必要に迫られるかもしれない。これまでシリア政府は、イスラエルに対して強硬な姿勢を取りつつ、軍事的には極めて慎重だった。そのため1973年の第四次中東戦争以降、ゴラン高原では大きな軍事的衝突は一切おきていない。しかし、国民数十万人を殺害したと誹謗されるアサド政権が、対イスラエル闘争を新しい政治的正統性の確立に利用するなら、両者の関係はこれまでと違う展開を見せるかもしれない。


(中島主席研究員)

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