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アメリカはシリアを失い、クルド人を見捨てる--元駐シリア米大使(ニューズウィーク)
http://www.asyura2.com/17/kokusai19/msg/693.html
投稿者 赤かぶ 日時 2017 年 6 月 21 日 19:26:25: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

       トルコとの国境の町、シリアのダルバシヤで米軍に合図を送るクルド人兵士(4月28日) Rodi Said-REUTERS
     


アメリカはシリアを失い、クルド人を見捨てる--元駐シリア米大使
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/06/---4.php
2017年6月20日(火)18時41分 トム・オコナー ニューズウィーク


<ISISが掃討されつつあるシリアでは、ロシアとイランの支援を受けたアサド政権が復活。シリアで影響力を死守しようとしたアメリカの努力はすべて徒労に終わる。代償を払わされるのは、アメリカを信じたクルド人だ>

シリア内戦はシリア政府とそれを支援するイランなどの外国勢力が勝利し、シリアで影響力を死守しようとしたアメリカにとってすべてが徒労に終わる。クルド人武装勢力は、ドナルド・トランプ米大統領に協力したことで今後大きな代償を払わされる──これが、アメリカの元シリア大使が描くシリア内戦の今後のシナリオだ。

バラク・オバマ政権下の2011〜2014年にアメリカのシリア大使を務めたロバート・フォードは月曜、ロンドンに拠点を置くアラブ紙「アッシャルク・アルアウサト」の取材に対し、米政府が掲げるISIS(自称イスラム国)の撲滅とシリアでのイランの台頭を抑え込むという目標の達成に関して「オバマはトランプ政権にわずかな選択肢しか残さなかった」と言った。

イランとロシアはシリアのバシャル・アサド大統領を支援し、アサドの退陣を求める反政府諸勢力やISISなどのジハーディスト(聖戦士)に徹底抗戦した。その間にアメリカは、クルド人主体だが他の少数民族やアラブ人なども寄せ集めた反政府勢力「シリア民主軍(SDF)」を支援してきた。SDFはここにきて、ISISが「首都」と称するシリア北部の都市ラッカの奪還で快進撃を続けている。それでもフォードは、アサドを退陣させ、シリアでのイランの台頭を阻止するというアメリカの当初の計画について、「もう勝算はなくなった」と言う。

【参考記事】独裁者アサドのシリア奪還を助けるロシアとイラン

レバノン駐留米軍と同じ運命

「今後はイランの存在感が増す」とみるフォードは、今から2、3年後のシリアの勢力図を予想した。それによれば、シリア西部はアサドが支配を続け、シリア東部ではイランがアサド軍を支援し、最終的にアメリカを撤退させる。1980年代のレバノンで、イランが支援するシーア派のイスラム武装組織ヒズボラがアメリカを追い出したのと同じシナリオだ。

「勝ったのはアサドだし、アサドもそう思っているはずだ」とフォードは言う。アサドは欧米が戦争犯罪と非難した行為で罪に問われる可能性も低い。「恐らく10年以内に、アサドはシリア全土を取り戻すだろう」

フォードによれば、シリア内戦が幕を開けた2011年の時点で、オバマ政権は1つ致命的な過ちを犯した。オバマと当時国務長官だったヒラリー・クリントンは、シリアで大規模な反政府運動が起きている最中に、公にアサドの退陣を求めたのだ。アメリカが味方になると思えば、イラクでサダム・フセインを引きずり下ろしたように米軍が軍事介入してくれると信じ、アサド打倒のために武器を取る者たちが表れるのは目に見えていた。だがフォードには、アメリカが反アサド勢力が望む本格介入を実行に移すとは思えなかった。

サウジアラビアやカタールなどの湾岸アラブ諸国やトルコの支援も受けた反政府勢力は、アサド政権に対し大規模な攻撃を開始した。アメリカはシリアには武力行使しない方針だったが、CIA(米中央情報局)も最後は、反政府武装勢力のうち厳選した世俗派への軍事訓練や武器の供与を決定した。

この方針転換が公になった2014年以降、アメリカは終始後手に回ることになった。ロシアとイランは、アメリカが反政府勢力に投じるよりはるかに大量の支援をアサドに行った。その結果、世俗派だったはずの反政府勢力の多くの戦闘員がISISや国際テロ組織アルカイダなどイスラム教スンニ派の最も過激思想に転向していった。

反政府勢力の中にジハーディストが台頭するにつれ、アメリカはISIS掃討を優先する政策に舵を切り、クルド人主体のSDFへの支援を開始した。シリア内戦が始まった当初、多くのクルド人は、反アサドの機運が高まったことを肯定的に受け止めた。イラク北部のクルド人自治区のように、シリア北部でクルド人自治区を作るチャンスと考えたからだ。

だがSDFの戦闘員たちは戦いが進むにつれ、敵はISISだけではなく、トルコの支援を受けた反政府武装組織もいると思い知った。国内にいる約1500万人のクルド人の独立を阻止したいトルコは、SDFを国家安全保障上の脅威とみなしているのだ。

【参考記事】【解説】トルコのシリア越境攻撃――クルドをめぐる米国との確執

アメリカはクルド人を守らない

そもそもSDFは、シリア政府軍と反政府勢力の戦いの中では、ほぼ一貫して中立の立場だった。だがISISの支配地域が縮小の一途をたどり、アメリカとアサド政権の緊張関係が高まった今、SDFはシリア政府軍との戦いの前線に立っている。シリア政府軍とSDFが衝突した後の今週月曜、アメリカは初めてシリア政府軍機を撃墜した。SDF部隊の上空を飛行したのが理由だった。

【参考記事】欧米で報道されない「シリア空爆」に、アメリカの思惑が見える

クルド人がアメリカと手を結んだのは重大な過ちだったと、フォードは言う。イラク侵攻後にイラクを見捨てたのと同様に、米軍はシリアからISISが一掃され次第、クルド人勢力への支援を打ち切るとみるからだ。

「アメリカには、アサド軍からクルド人を守るつもりがない」とフォードは言った。「クルド人を利用するアメリカは、政治的に愚かなだけでなく、反道徳的だ」

(翻訳:河原里香)


 

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コメント
 
1. 晴れ間[1335] kLCC6orU 2017年6月21日 21:16:57 : xni5yVaf3k : Fxfse0RTtHo[458]
クルド人と米国の同盟はしょせん一時的なもの。クルド人もバカでなければ、それは承知しているはずだ。そもそも、アメリカ帝国主義と中東の(貧しい国の)世俗派の利害は一致しない。

クルド人はロシアを頼ればいいのだ。ロシア(プーチン)は、ロジャヴァの独立を支持していた。最低でも自治権は得られるだろう。(ロシアがアサドに圧力をかけるだろう。)
クルド人の武装組織YPGとYPJ の母体はYPD(クルド民主統一党)。この党自体が、トルコのPKK(クルディスタン労働者党) の分派として出発したのが起源で、マルクス-レーニン主義とも無縁ではないれっきとした左翼。(※勿論、冷戦終結に伴い、例えば YPJはレーニン主義は捨て、今は「エコロジーとフェミニズム」を掲げている。)

私は中東にクルド人の独立国家が誕生することを望んでいる。
中東に「イスラムとは決別した世俗国家」が生まれることは、この地の民主化にとって非常に重要なことだ。人権と民生と産業の面で、進歩的な世俗国家が「範」を示せば、他の国々、社会にも、よい影響を与えるだろう。
イスラムの支配を逃れねば、人々が本当の意味で「自由」になることはできない。そしてこの「自由」とは、アメリカ流の「自由主義」や「新自由主義」の「自由」ではない。

以前、コメントで投稿したことがあるが、上記YPJ の戦いの記録である動画のリンクを再度貼る。
一つ目は、コバニの戦いを描いたもの。(アメリカ人の視点に基づくものではあるが。)
https://www.youtube.com/watch?v=NCBcoECG7GY&t=54s
KOBANI’s epic (Dastana Komara KOBANÎ) YPG-YPJ vs ISIS

二つ目は、YPG の女性兵士訓練学校の様子を記録したもの。(イスラム社会と世俗社会の違いも分かるだろう。クルド人は「左翼の世俗派」。だから、ISとも徹底して戦った。女も男と共に戦う。性奴隷にはならない。) (こちらはRTの制作。つまりロシア側。)
https://www.youtube.com/watch?v=uqI0a4VgEs8
Her War: Women vs. ISIS (RT Documentary)

いずれも英語字幕や英語ナレーション入り。

上記2本のビデオともやや長い(1時間程)ので、短いのがいい人はこちら。「ベラチャオ」の曲(反ファシズム・レジスタンスの歌) とともに女性兵士の映像が流れる。(6-7分)
https://www.youtube.com/watch?v=yh9hOxI8jbA
KOBANE - Bella Ciao (Çav Bella)


2. 2017年6月21日 21:36:36 : EAFPXT77y3 : q1IRD_JVooE[1]
>1
クルド人の扱いに反発してトルコが親露に舵を切ったのに?

滅茶苦茶言ってるな。


3. 2017年6月21日 23:16:23 : caDDyxuZVY : YCsvou154w4[5]

 US独自の中東政策はないと思ったほうが物事が透けて見える。イスラエルの中東政策がUSの中東政策を形成している。イスラエルからすれば、自国の外が不安定であればいいのであって、それ以外を望んだりはしない、或いは、それ以上を望む?戦いでかすめ取りった領土に住む限りは、そのこと以外を志向する方策なり、パラダイムの変更が可能ならば、そして、それをイスラエル国民が真に望むならば、ご教示願いたい。

 イスラエルの外の中東の脆弱な部分を嗅ぎ付けては不安定状態を加速させる、そんなものがなければ、作ってしまえばよい。単純極まりないスキームであればあるだけ、犬儒派的な思考を駆使する優秀な人士が世俗的な成功という蜜を求めて集まってきてしまう。そう、種々のUS内の政策立案ファンドで立派に働けば、次の有利な仕事が待っている。

 昨今のUSの中東政策は質の悪い紙芝居みたいなもんで、重なっている歴史の地層の現状を利用しようとしているのであろうが、返り血を浴びるのは目に見えている。

 シリアのクルドが掲げる政策はロシアの用意した憲法草案との差異はない。クルド支配地域のエスニック集団にしてみれば、クルドの支配下、即ち、この地域が対イラン攻略の前線基地となっての生活が良いのか、多数のアラブ人の中で、今までの融和的なシリア政府の国内政策を新憲法で保障され、ロシアによる安全保障下で生活するのがよいのかの選択となる。例として、ワッハーブ主義のイスラム国に住むシーア派の人々を想起した場合に、シリア政府の政策は融和的、世俗的と言って差しつかえなかろう、ISIL侵略以前のシリア国民の映像を見れば一目となる。そこには、黒い衣装を身に着け顔を覆っている女性達と西欧的ファッションを身に着けた女性達が混在している。

 USはクルドの独立とトルコのNATO離脱との選択に迫られる。それを回避せんとするならば、テロ攻撃でのトルコの弱体化か、もう一度の親US勢力によるクーデターかとなる。永久不安定化政策から評価すれば一つの到達点かもしれない。
 
 駒として、USはクルドを切りはしない、シリア、ロシアはUSの影響力の残らない形でのクルド融和を進める。シリア情勢は終局に向かっているが、最終の寄せ段階では、クルド支配地域での住民の反乱行動が多発するとみている。この過程でクルド内の過激派の駆逐、クルド住民は喧伝されるほど一枚岩ではない、が進行するように思っている。



4. 2017年6月22日 15:20:05 : MHvosas01E : p7VFiavgYew[19]
ユダヤ人以外のアメリカ人にとってはシリアはどうでもいいのだろう。
関わるなというのがトランプ支持勢力。

アメリカの投資対象は縮まり代わりに中国が入ってくる流れなのかもしれない。
国際金融資本は中国だよりになる、
副島隆彦が予想した時代が近付いているのかもしれない。

国際金融資本に奉仕してイラクまで行くのはもうこりごりがアメリカの市民感覚のような気がする。


5. 2017年6月22日 19:00:40 : 4YYrzdxdME : kL37DvJ@@K4[117]
不利ならば 便利な駒も 切って捨て

6. 2017年6月23日 20:47:18 : r6MbJ0xT76 : IxkYd34cZ@I[66]
クルドは湾岸戦争の時からアメリカに裏切られ続けてないか?

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