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「自由貿易」は「保護貿易」の変形:南北戦争は保護貿易派による政治闘争:戦後日本は保護主義のもと経済発展
http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/494.html
投稿者 あっしら 日時 2017 年 2 月 10 日 16:27:29: Mo7ApAlflbQ6s gqCCwYK1guc
 


 戦後世代とりわけ70年代以降に高等教育を受けた人たちは、「民主主義」・「人権」「自由」・「平等」・「自由貿易」といった理念や概念が歴史や地域性を超越した“普遍的な善”と考える傾向にあるようだ。
 別に、それらが無用の考え方で害毒になるなどと言いたいわけではない。
 言いたいのは、それらが、ある歴史を超えてどのような国家社会でも普遍的・優先的に尊重されるべきものとは言えないということだ。

 ある時代のある国家にとっては大多数の人々の生存を優先するために「統制」を必要とするかもしれないし、10年後30年後の経済社会を考え「産業保護政策」や「統制経済政策」を採ったほうが合理的な歴史段階もある。
 統治的にも、外国勢力が内政干渉や混乱醸成を狙っているような場合、“政治活動の規制”を実施したとしてもやむを得ないことだと思う。

 日本では与野党が揃って「自由貿易」の重要性を訴え、中国の習国家主席も最近のダボス会議で同じ主張を展開したが、現在そしてこれからの世界(国際関係)を考えるとき、化“「自由貿易」は「保護貿易」の変形的主張”という観点を忘れてはならない。

 まず、生産費(国際競争力)で優位に立つ分野の事業主は、自己の利益のために「自由貿易」を主張する。
 そして、生産費で劣位にある分野の事業者は「保護貿易」政策を求めるが、保護下で競争力を高めることができたら、「自由貿易」政策を政府に求めることになる。

「自由貿易」は、とりわけ付加価値が大きい分野(製造業)で国際競争力的に優位に立った国家が自国産業を“保護”するために選択する通商政策なのである。

(むろん、日本の農家が主張する政策を考えればわかるように、あらゆる分野の事業者が「自由貿易」で利益を得られる国はない)


 戦後の日本は、保護的な高い関税を課すだけでなく“舶来品は贅沢”という価値観を国民に浸透させることで輸入を抑制し、今は昔だが当時は国内製造業が太刀打ちできない外資の対日直接投資を原則禁止としながら、産業育成とドル獲得のため輸出増進を国策として実施することで高度経済成長を達成した。
 そして、世界一とも言われる産業競争力を身につけたあと、80年代に「自由貿易」を国策としていく。

 これまでは自由主義経済の権化のように思われている米国(だからこそトランプ大統領の政策にショックを受けている)も、戦後日本と同じように保護貿易主義を政策にするなかで世界最強の産業国家に成り上がった。

(1970年からの「日米貿易摩擦」を考えれば、米国が自由貿易主義というのも虚構であることがわかる)

 日本人もだが世界の人々は、19世紀中盤の南北戦争を「奴隷解放戦争」と受け止めているが、内実は、合衆国統合維持・保護貿易政策・賃金労働者増加策を目的とした近代化戦争である。

 北部では近代産業が勃興していたが、未だ英国との競争に勝てる段階ではなく、保護主義的通商政策を必要とし、賃金労働者の不足にも悩んでいた。
 南部は、奴隷を所有する農園主によるプランテーション経営で、綿花を中心に英国などとの自由貿易を望んでいた。農園や生活で使う物資も、より安い英国製を低関税で輸入することに利益があった。

 このようななかで、リンカーン大統領が奴隷所有禁止=奴隷解放を政策にしたのだから、南部11州が独立(アメリカ連合国)を目指したのは自然の流れであり、北部にとっては、労働力が減少しマーケットも縮小する“分離独立”を認めることはできないから戦争でことを決しようとする。

 トランプ大統領もリンカーン大統領を尊敬しているようだが、私は、米国史上最悪の戦死者(WW2やベトナム戦争を上回る50万人超)を出した南北戦争を続けたリンカーン氏は、米国市場最悪の大統領だと評価している。

 だからといって、奴隷制を維持すべきだったと主張するわけではない。

 奴隷に限らず人は死ぬ存在である。
 私なら、そのときに所有されていた奴隷は、保護策を強化するにとどめ、新たな奴隷の輸入や新たに生まれた子どもの奴隷化を禁止する政策を行う。

 奴隷から解放された黒人は、奴隷主の“保護”から外れ、その多くが日雇いやパートで低賃金労働に就くようになった。
 高価な買い物であった奴隷は、所有者からそれなりに大事に扱われていたが、“解放”されてしまったことで、明日はどうなるかわからない「賃金奴隷」になったのである。

 奴隷解放後の米国では、過酷な労働に従事する人が不足するなか、受刑者を鉱山などで奴隷的な過酷労働に従事させた。


 トランプ大統領が刺激的な言動をすることで、人々は「世界の大変動」を感じるようになっている。
 今こそ、これまでの常識をいったん保留し、どういう国家社会、どういう国際関係が望ましいものかじっくり考えるときである。


※ 国際通商政策に関する参照投稿(15年近い昔のものだが)

「【経済学理論の虚妄】 「比較優位」というリカードの“詐欺的理論”が今なお生き延びている不可思議 − 「自由貿易主義」は「保護貿易主義」である −」http://www.asyura.com/2002/dispute3/msg/570.html
投稿者 あっしら 日時 2002 年 10 月 26 日 21:05:48:


※トランプ米国関連参照投稿

「トランプ米国の「20%国境税」 1:ウソを吹き込まれそれを信じてきたアタマでは判断が難しいその正当性と公平性」
http://www.asyura2.com/17/kokusai17/msg/596.html

「マティス国防長官訪日の意義:彼の日本・韓国訪問に誰よりも安堵し喜んだのは中国」
http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/451.html

「伝説の元通産官僚が語るトランプ対策:安倍首相とトランプ氏は国家運営で近い考え、会談を通じトランプ氏の真意を知ること」
http://www.asyura2.com/17/senkyo220/msg/468.html


 

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コメント
 
1. 2017年2月10日 19:20:33 : QS7O08zEsg : cej13H1Kp7g[4]
NAFTAもTPPも自由貿易ではない。ブロック経済です。

2. 2017年2月11日 00:50:48 : LY52bYZiZQ : i3tnm@WgHAM[-6122]
 トランプの保護主義と類似性のあるハーディングの保護主義と当時の日本に対する姿勢に関する言及はメディア上ではほとんどない。先にトランプの所謂「暴言王」の部分だけに過度にフォーカスして先住民を虐殺したジャクソンを引き合いにしているニュース番組があったがピントがずれている感が否めない。リンカーンにしても長州藩が下関戦争で米国に惨敗した時の大統領。その点から今の日米関係を分析するようなメディアもあまり見ない。だから外交で最後に失敗する破目になるんだろう。

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