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銀行の公平な競争を歪める、金融庁と菅官房長官の「圧力」(Business Journal)
http://www.asyura2.com/18/hasan126/msg/831.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 4 月 26 日 07:24:50: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

銀行の公平な競争を歪める、金融庁と菅官房長官の「圧力」
http://biz-journal.jp/2018/04/post_23127.html
2018.04.26 文=編集部 Business Journal




 金融庁の「金融仲介の改善に向けた検討会議」(座長は村本孜・成城大名誉教授)が暴走した。

 傘下に長崎県内2位の親和銀行を抱える、ふくおかフィナンシャルグループ(FG)と、長崎県でトップの十八銀行の合併に対して、公正取引委員会が難色を示していることに業を煮やし、「金融庁と公正取引委員会が連携する新たな統合審査の枠組みが必要」との提言を行った。

 いわば、「金融庁が銀行の合併を審査しろ」という暴論である。つまり、自動車メーカーの合併を経済産業省が、電力会社同士の合併を資源エネルギー庁に審査しろといっているのと同じだ。

 金融庁に合併を審査する権限を与えたら、まず「合併しないと経営が成り立ちませんよ」と、標的にしている金融機関の頭取を追い込んで、金融庁が良い“婿”と考えている銀行へ強引に嫁入りさせることができるようになる。

 2008年度以降の10年間に公表された地方銀行の経営統合計画は計16件。ふくおかFGと十八銀行のケースを除くすべての計画が認められている。公取委の山田昭典事務総長は4月11日の定例会見で、ふくおかFGと十八銀行の統合計画について「競争を制限することになるのか、きちんと判断していく」と述べた。

 公取委は「審査は世界各国と共通の考え方で実施している」としており、「長崎のケースについては、統合後の高いシェアに対する懸念を当初から抱いている」と説明した。

「金融仲介の改善に向けた検討会議」の提言は、「競争当局(公取委)が従来の枠組みで経営統合を判断するならば、地域金融インフラや金融仲介の負の影響が懸念される」と公取委を強く牽制する表現が並ぶ異例の内容となっている。

 2016年6月24日現在、有識者会議のメンバーは次の通り。小城武彦氏(日本人材機構代表取締役)、佐藤明夫氏(弁護士)、多胡秀人氏(一般社団法人地域の魅力研究所代表理事)、利根忠博氏(一般社団法人埼玉県法人会連合会会長)、冨山和彦氏(経営共創基盤代表取締役CEO)、増田寛也氏(東京大学公共政策大学院客員教授)、村本孜氏(成城大学名誉教授)、家森信善氏(神戸大学経済経営研究所教授)である。

■公取委に圧力をかける金融庁

 森信親金融庁長官は、7月には退任する。ふくおかFGと十八銀行の合併を、なんとしてでも実現して置き土産にするつもりだ。

「金融庁が銀行の経営統合について、事前の審査と事後の検証を担う枠組みをつくれ」という提言を受けて、金融庁は独自に審査する態勢を整え、公取委への反論材料にする考えだ。

 公取委が統合を認めず、金利競争を続けている地域銀行の体力が消耗すれば、地域経済にも悪影響を及ぼすことになるという懸念ももっともではある。日本銀行のマイナス金利導入政策が地銀の経営にダメージを与えているという前提を議論しないで、地域銀行の体力の消耗を語るのは不十分だろう。

 公取委が問題視しているのは、ふくおかFGと十八銀行の経営統合計画だけだ。「統合を認めなければ、町村によっては金融機関がひとつも存続できなくなる恐れがある」という検討会議の指摘は的外れだ。なぜなら、長崎県の離島のなかには、郵便局以外に金融関連機関がないところがすでにたくさんある。この統合を認めたら、新しくできる金融機関のシェアが、ほぼ100%になるところがいくつも出てくる。長崎県内における法人向け融資のシェアが7割に達するのは、市街地での実例。占有率が100%になる地域が多数出る合併には、やはり一定の歯止めをかけなければならない。

 どうしても経営統合を実現したいのであれば、ふくおかFGのドン・谷正明会長が、公取委の主張にもっと耳を傾けて、譲るべきところは譲らないとまとまらないだろう。

 金融庁や同庁の有識者会議の提言を錦の御旗にして公取委に圧力をかけるのは“北風”の論理であって、“太陽”路線が欠落している。

 菅義偉官房長官が金融庁の有識者会議の提言を尊重するような発言を記者会見でしていた。菅氏と森氏はツーカーの間柄だが、こうした“上から目線”で圧力をかけ続ける手法では、問題の根本的な解決は遠のくばかりだ。

■債権譲渡の可否を再調査

 ふくおかFGと十八銀行は取引先に対し、「ほかの銀行に債権の一部を移せるか」について再調査を行う。取引先に迷惑をかけない範囲での債権譲渡を検討するためだ。

 2017年春、県内シェアを下げる対策として、債権の一部譲渡が可能かどうか調査したが、全額にして数百億円規模にしかならなかった。再調査でどこまで譲渡額を上積みできるかは、両行の本気度にかかっている。

 両行は5月の大型連休明けに、西日本フィナンシャルホールディングス傘下の西日本シティ銀行や長崎銀行など、長崎県下に本支店を持つ銀行のほか、長崎県内に本店を置く信用金庫、信用組合の意向を打診する。

 債権譲渡は取引先(顧客)の同意が必要なことはいうまでもないが、最終的には十八銀行と親和銀行の担当者と、顧客の信頼関係がきちんと維持されているかどうかにかかっている。「ふくおかFGと十八銀行の経営統合が表面化して以降、メインバンクと顧客の信頼関係が薄れた」(長崎県内の他の金融機関の支店長)との指摘もある。

 公取委は両行の取引先に、「統合しても、ほかに借り先はあるか」などのアンケート調査を実施したが、この結果が連休前後にも明らかになる。

「店舗を譲渡するなどの抜本策を取らない限り、公取委の判断を動かすことはできないのではないか」(九州地区の有力地銀の役員)との見方が有力だったが、ようやく当事者が危機感を強め、動き出した。

 公取委は、債権譲渡が進まなければ統合計画を差し止める「排除措置命令」に踏み切る意向を示している。金融庁の有識者会議の暴走が、「事態をより悪化させた」(九州地区の別の有力地銀の幹部)とすれば、北風戦略は完全に裏目に出たことになる。

 公取委の山田昭典事務総長は4月18日の定例記者会見で、この提言に「(若干)疑問のある内容も含まれている」と反論した。提言に「地域における地銀のシェアと金利は関連がない」ことを示すデータが盛り込まれていたが、公取委は「金利は地域特性や地銀の戦略などさまざまな要因で左右されるのに、提言のデータはそうした事情を考慮していない」として、「分析手法が妥当ではない」と指摘した。公取委の反論をきちんと報じた全国紙は、なぜか少なかった。

 公取委は、統合によるシェアの高まりを注視するという、これまでの姿勢を堅持する方針を明確にしている。現状では統合を認めない方針だ。

(文=編集部)


 

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