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あなたは、 無人運転で 自分よりも他人の命を優先できるか?(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/18/hasan127/msg/127.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 5 月 05 日 14:49:30: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

あなたは、 無人運転で 自分よりも他人の命を優先できるか?
http://diamond.jp/articles/-/166431
2018.5.5 大村あつし ダイヤモンド・オンライン


東京オリンピックの喧騒が去った2020年、あなたはどんな生活をしているだろうか?
AIによってシンギュラリティは起きるか? ヒト以上にやさしいAIは登場するか? ヒトとAIはどう共存していくのか?
構想・執筆に2年、「愛」がテーマという注目のエンターテイメント小説『マルチナ、永遠のAI。』が話題となっている。ビットコイン、ブロックチェーン、ディープラーニング……正確な技術論と、その道の世界的権威の見解をもとに緻密に描いた作品で、SFではない、小説風の解説書というから注目だ。
実物通貨と仮想通貨、日常と非日常、ヒトとAIの境界線がどんどんなくなりつつある今、私たちはどうやって生きていけばいいのか?
AIは苦手というあなたも、これさえ覚えておけば、周囲から尊敬の眼差しを浴びるかもしれない。
2000年代中盤から「AI」と「IoT」を研究し続けてきた大村氏の特別寄稿をお送りする。
(構成・寺田庸二)


  

AIによる無人運転は、
技術的には十分可能


 AIというと、多くの人が期待するのが自動車の「無人運転」ではないでしょうか。

 もちろん、タクシードライバーのように、無人運転によって職が奪われる懸念がある一部の業種、職種には、逆に脅威でしかないのかもしれませんが。

 この「無人運転」ですが、実現は可能か否かとなったら、ほとんどのAI開発者が「可能」と答えるでしょう。

 その前に、「無人運転」というのは俗語で、厳密には「完全運転自動化」と呼びます。

 そこで、まずは「自動運転」と「無人運転」を明確に区別しておきましょう。

 ただし、米NPO、Society of Automotive Engineersによる定義を首相官邸が採用した、「官民ITS構想・ロードマップ2017」をご覧いただくとわかりますが、専門家の作るレジュメは非常に難解です。

 ですから、ここでは容易に理解できるように解説します。

 まず、自動車を運転するといっても、これを法律レベルで理解しようとすると、なにをもって、「自動車を運転する」と定義するのかで混乱してしまいます。

 そこで、ここでは便宜上、「自動車を運転するとは、ハンドル、アクセル、ブレーキを操作することである」と定義します。

 その上で、自動運転システムはレベル0〜5までの6段階に定義されていることを押さえておきましょう。

レベル0〜レベル5の内容

◎レベル0
 AIを搭載せずに、人間がハンドル、アクセル、ブレーキのすべてを操作する。

◎レベル1
 AIを搭載し、AIがハンドル、アクセル、ブレーキのどれか1つを操作する。

 このレベル1には、前方の自動車に追従する「クルーズコントロール」や、車線をはみ出さない「レーンキープアシスト」なども含まれ、もはや多くの市販車にそうしたAIが搭載されています。

◎レベル2
 AIを搭載し、AIがハンドル、アクセル、ブレーキのどれか2つを操作する。

 このレベル2には、「前の自動車を制限速度内で追い越す」「高速道路への合流を自動で行う」という、人間でも難しい高度な動きも含まれます。

 現実を見ると、日産自動車の「プロパイロット」にはレベル2の機能が一部導入されています。

◎レベル3
 AIを搭載し、AIがハンドル、アクセル、ブレーキの3つを操作する。

「東京モーターショー2017」で、アウディが量産車として初のレベル3対応の「A8」を出展しました。

 もはや、このレベル3は「無人運転」のような気もしますが、まだまだAIでは判断不能な例外的なケースでは人間の操作が必要になります。

 しかし、レベル3になると、運転の主役が人からAIに代わることは明白です。

 こうなりますと、自動車メーカーだけの問題ではなく、法律も整備しなければなりませんし、道路や信号、横断歩道などの「情報の信頼性の担保」も必須になり、また、万が一事故が起きたときの責任の所在の明確化など、一気に課題が増えます。
 ただし、重要なのは、2018年3月現在、AIの技術はすでにこのレベル3に到達していることです。

◎レベル4
 このレベルは、「高度運転自動化システム」と呼ばれ、基本的に自動車の運転に関わるすべての操作をAIが実行します。ただし、交通事情や天候が自動運転に適しているという限定条件が付きます。

◎レベル5
 そして、レベル5になって「完全運転自動化」が実現します。また、これが俗に言う「無人運転」になります。

 レベル5では、レベル4のような限定条件はなく、どのような環境でもAIがすべての運転に関わる操作を担い、目的地まで連れて行ってくれます。
 もはや、運転免許証など無用の長物になるかもしれません。

 では、仮にAIによってレベル5の技術が実現したとします。
 それでも、そうした自動車を量産し、いたるところで無人運転の自動車が走るようになるには、法律の整備や社会インフラなど、一朝一夕にはいかないことは容易に想像がつくと思います。

 それよりも、私個人は、無人運転は「人間の命の重み」という究極の倫理観を私たちに問うことになると考えています。

 では、『これからの「正義」の話をしよう』の著者で知られる、哲学者でありハーバード大学教授であるマイケル・サンデルのあまりに有名な哲学的な問いを、AIによる無人運転に当てはめて考察してみましょう。

哲学者マイケル・サンデルの講義は
AIによる無人運転と無関係ではない


 マイケル・サンデルの講義は、ある事態を想定します。

 まずレクチャー1があり、そのレクチャー1の条件を少し変えたレクチャー2があり、さらにレクチャー3、レクチャー4と続くもので、単一の話で終わるわけではありませんが、ここではレクチャー1だけを想定します。あまりに有名な問い掛けなのでご存知の人も多いかもしれません。

 まず、あなたは時速100kmで自動車を運転しています。

 すると、ブレーキが壊れていることに気付きました。

 前方には5人の人がいて、直進すれば5人をひき殺すことになります。

 しかし、横道にそれれば1人の労働者を巻き添えにしますが、前方の5人は助かります。

 さて、あなたはどちらの選択肢を取りますか?

 この問い掛けにはもちろん正解はありません。

 ちなみに、彼の授業を受けた大学生の大半は「横道にそれる」、すなわち、「5人を救うために1人を殺す」ことを選んだそうです。

 では、あるAIが、この選択こそが人間にとっての「正義」であると学習したとします。

 そして、そのAIが無人運転をしていたと仮定しましょう。

 すると、その自動車は前述した状況に陥ってしまいました。

 時速100kmで走る自動車のブレーキは故障し、前方には5人の人がいます。

 ただし、1つだけ状況が違うのは、今回は、横道はありません。

 横は強固な壁になっています。

 しかし、そこで急ハンドルを切って壁に激突すれば、自動車に乗っているあなたは死にますが、前方の5人は助かります。

 そして、「5人の命は1人の命よりも尊い」と学習したAIならば、壁に激突することを選ぶでしょう。

 さて、ここで問題です。

 あなたは、そのようなAIが無人運転をする自動車に乗れますか?

「5人の命は1人の命よりも尊い」としても、「5人の命は自分の命よりも尊い」と言い切ることができますか?

立ちはだかる
「命の価値」という根源的な問題


 私は、たとえ法整備が進み、社会インフラが整い、事故を起こしたときの責任の所在がAI開発企業なのか、自動車メーカーなのか、ロードマップなどの情報提供会社なのかが明白になっても、「完全運転自動化」、俗称、「無人運転」の前には、「命の価値」という根源的な問題が立ちはだかるように思えてなりません。

 今後、AIによる無人運転は、このもっとも重要な命題を提起し、世論が真っ二つに分かれて大論争が巻き起こる。決してありえない話ではないと感じます。

 また、事故を起こしたのが人間ならやむを得ないが、AIが事故を起こすなど論外だという意見も出てくるでしょう。

 いずれにしても、もはや技術的には無人運転はなんら夢物語ではない、そんなAIが開発されている時代に私たちは生きています。

 そして、このAIは、「ディープラーニング」と呼ばれる自力学習をする「子どものAI」と、人が一から教えて丸暗記させる「大人のAI」に分かれます。

 同じAIといえども、両者でどれほどの違いが出るのかは、第1回連載の中で「子どものAI」であるGoogle翻訳と、「大人のAI」である別の翻訳サービス(X翻訳)に同じ英文を日本語に翻訳させて、まったく異なる結果になるケースを紹介していますので、そちらを併せてお読みいただけたら幸いです。


大村あつし
IT書籍から小説まで幅広く手がける作家・ライター。エクセルのマクロ言語の解説書の売上部数は150万部を超えている。1997年に、その後国内最大規模となるマイクロソフト・オフィス製品のポータルサイト「moug」を一人で立ち上げる。2003年にはIT系資格試験の「VBAエキスパート」を中心メンバーとして創設。2007年に処女小説『エブリ リトル シング』が17万部のベストセラーとなり、中華圏や韓国での翻訳出版や2回の舞台化(2008年井上和香、2009年内山理名主演)。『エブリ リトル シング』は、第1話の「クワガタと少年」が多くの私立中学の入学試験に出題され、全国の予備校で話題となり、YouTubeで再生回数が18.5万回の人気動画に。第2弾小説の『無限ループ』も5万部に。2006年に、TOKYO MX(東京メトロポリタンテレビジョン)やテレビ神奈川など全国13の独立放送局で、AIとIoTをテーマとした90分の特別番組「IT その扉の向こうに」の司会に抜擢されたことでAIやIoTに傾倒する。著書に、ベストセラーとなった『かんたんプログラミングExcel VBA』シリーズ(全16冊)、『Excel VBA本格入門――日常業務の自動化からアプリケーション開発まで』『人生は数式で考えるとうまくいく』『仕事がうまくいく0.7の法則』など多数。静岡県富士市在住。



著者からのメッセージ 【AIは、神のギフトか? 破滅者か?】

 みなさま、はじめまして。

 今回、『マルチナ、永遠のAI。――AIと仮想通貨時代をどう生きるか』 を執筆した作家・ITライターの大村あつしと申します。

 私はこれまでに多くのIT書籍を出版しました。おかげさまで売上総計は150万部を超えていますので、もしかしたら、私のエクセルの解説書をお読みになった方もいらっしゃるかもしれません。

 一方で、2007年に出版した初の小説、『エブリ リトル シング』は、海外でも翻訳出版され、2回の舞台化(2008年井上和香さん、2009年内山理名さん主演)も実現しました。
『エブリ リトル シング』の第1話の「クワガタと少年」という作品は多くの小中学校で授業の教材になっていますので、私のことはご存知なくても「クワガタと少年」をご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

 IT書籍という仕事に直接役立つ即効性の高い本。
 小説のような楽しくて、時に読者の人生観までをも変えてしまう本。
 どちらも愛してやまない私は、2016年に大きなチャレンジをする決心を固めます。
 それは、ビジネス知識と小説を融合させるというものです。

 元々、2006年に地上波で「IT その扉の向こうに」というAIとIoTの番組の司会をさせていただいて以降、その方面に傾倒していた私は、テーマはAIと仮想通貨にしようと思い立ち、それからは自分の持てるすべてを1冊の本に注ぎ込みました。

 それが、『マルチナ、永遠のAI。――AIと仮想通貨時代をどう生きるか』 です。

『マルチナ、永遠のAI。』 は、東京オリンピックが開催される2020年に私たちはどのような生活を営んでいるのかを、正確な技術論と、その道の世界的権威の見解をもとに緻密に描いた作品であり、SFではありません。

 AIや仮想通貨が築くであろう近未来を先取りして体験し、知識として血肉にしていただけるように精一杯執筆いたしました。

 また、そうしたノウハウは完全に小説の一部として描かれていますので、純粋な「エンターテインメント作品」として楽しんでいただけたら、著者として身に余る光栄です。

 さて、IQ1万の美人AI「マルチナ」は、神のギフトか? それとも破滅者か?
 この答えをご自身で見つけていただけたら、これ以上の幸せはありません。

※PS.発売を記念し、本サイトをご覧いただいた特典としまして、「第一章」を期間限定で立ち読みできるようになりました。ぜひともご覧いただければと思います。


          
          大村あつし:著
          価格(本体):1400円+税
          発行年月:2018年4月 判型/造本:四六並製、296ページ
          ISBN:978-4-478-10518-4



 

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コメント
 
1. 2018年5月06日 10:50:19 : 7EqAyEVz7A : FiPAxQPOWoo[12]
>まず、あなたは時速100kmで自動車を運転しています。すると、ブレーキが壊れていることに気付きました。

いつでも議論には、設計者にとって都合の良い前提が使われていることが多い。これもまた、科学技術信仰者になりがちな産業本意の人にあるパターンである。つまり、最初から完全自動運転を非常によき物として決め付けたところから始まるわけです。事故が起こりそうのないものづくりをする前に、自己は必ずというよりも極めて頻繁に起こっても経済的に仕方のないことであるという前提です。
 AIがこれほど優れた技術に開発することができるのであれば、ハード技術の高度化に開発を向けて、多段じかけのブレーキで壊れることで機能を失うことをなくすることができるはずです。ご存知のようにNASAは既存技術で月への人間の往復を実現したわけです。
 あるいは、ブレーキ系統が故障する確率が大きくなった段階で、この車は最高速度を50km程度に抑える様にAIが働く技術展望もあるわけです。また、同時に減速性能を極めて高くすること、たとえばタイヤに変化やその他をさせることなども、もありそうです。
 このように、数多くの代替技術を考えずに、ただ現在実現しているものを最高に使うためにだけ、特定の課題に言及することは、本当の意味での科学の発展ではないのです。それはまさに特定のもの(資本や関連する利益者)に奉仕する考えでしかないのです。


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