★阿修羅♪ > 経世済民128 > 130.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
高プロが本当に「残業代泥棒対策」にされる日(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/130.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 8 月 06 日 14:13:45: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

高プロが本当に「残業代泥棒対策」にされる日
https://diamond.jp/articles/-/176515
2018.8.6 ダイヤモンド・オンライン編集部




 年収が高い一部の専門職を労働時間規制からはずす「高度プロフェッショナル制度」(高プロ)が、働き方改革関連法の成立を受け来春スタートすることになった。

「ホワイトカラー・エグゼンプション」(WE)に始まる「労働時間規制外し」の制度化は経済界の悲願。20年越しの成就達成かに見える。だが「過労死を助長する」と猛反発する労働側の声を反映し、高プロ適用には高いハードルが課せられることになった。

 今のままであれば、高プロは企業にとってこの上なく使いにくい「無用の長物」に終わる可能性があるのだが、経済界の期待は強い。それには理由がある。

招かざる客の労基署が
必ずやって来る?


 6月28日、参院厚生労働委員会。働き方改革関連法案の採決の直前、47項目に及ぶ「付帯決議」が可決された。関連法案に野党が反対を唱える中で、主張を反映させるためには与党側との妥協も辞さない「現実路線」の国民民主党が、労働組合などの反発を少しでも抑える内容にということで事前調整を重ねて作ったものだった。

 そのうち13項目が高度プロフェッショナル制度への注文だった。

 中には、こんな項目もある。

「高プロを導入する全ての事業場に対して、労働準監督署は立ち入り調査を行い、法の趣旨に基づき、適用可否をきめ細かく確認し、必要な監督指導を行うこと」

 企業にとって労基署は、税務署と並ぶ「招かざる客」だろう。それが、高プロを導入したら必ず立ち入り調査に来てしまう可能性があるのだ。しかも「きめ細かく確認」するということは、労基署が調査したいときにいつでも入れるという事態になる。付帯決議の項目に法的な拘束力はないが、これだけ議論が続いてきた制度だけに、厚労省は調査を徹底すると見られている。

 そんなリスクを冒してまで、高プロを積極的に導入しようという企業があるのだろうか。「悪用をたくらむのなら別だが、普通に考えればないでしょう」(厚労省幹部)。制度創設を進めてきた厚労省の中ですらこうした声が上がる。

 高プロ制度は、労働者を保護するための労働時間規制を完全に外す、かつてない試みだ。「労働時間」という概念自体がなくなるため、「残業」も成立しなくなる。当然ながらどれだけ長時間働いても「残業代」は出なくなる。

 このため労働側は、「定額働かせ放題の制度」「過労死を助長する」と猛反発したが、安倍政権はそれを押し切って制度創設に踏み切った。

 それだけに、高プロにはさまざまな要件が課され、簡単には適用できない仕組みになった。

 まず、適用対象が狭い。年収は1075万円以上、業務は高度な専門職に限定される。さらに適用したとしても、高プロ社員に対して企業側が労働時間や仕事場所を指示することはできない。

 適用には、本人の同意が必要な上、同意した後に「やっぱりイヤ」と言われたら、企業は高プロの適用を外さなければならない。さまざまな健康確保措置を実施する義務も課せられる。こうしたルールを守らなければ、高プロ適用は無効になる。

「こんな制度を誰が使いますかね」と厚労省幹部が言い捨てるほど、厳しいハードルが課されているのである。

 高プロ制度についての政府の公式な説明はこうだ。

「高プロ制度は、時間ではなく成果で評価される働き方を自ら選択することができて、高い交渉力を有する高度専門職に限って、自立的な働き方を可能とする制度。健康確保しつつ、効率的に成果を出す働き方が可能となる」(4月27日、衆院本会議、加藤勝信厚労相の答弁、一部略)。

 政府の説明や制度の適用条件をそのまま受け止めれば、「高プロ社員」は、そんじょそこらの普通の社員ではない。極めて高度な専門技能を持ち、あらゆる企業が高給を支払ってでも雇いたいと思うプロフェッショナル人材ということになる。

「高い交渉力を有する」とは、上司から膨大な業務を振られたら、「こんな会社では働きたくない。自分のことを高給で雇ってくれる会社は他にいくらでもあるから」と、すぐにでも転職できる自信がある人のことだ。

 雇用する会社側も「働く時間も場所も自由にどうぞ。成果は出してくださいね、よろしく」と、認める人材のことだろう。

 社員と企業との間でこうした関係性が成り立つ特定の社員に対してだけ高プロは適用可能になる。つまり、高プロ社員とは普通のサラリーマンとは別世界の話なのである。

成果も上げずにだらだら働く人を
排除する狙いが「本音」か


 しかし、経済界には、高プロをあえて「曲解」し、あたかも普通のサラリーマンにも関係があるかのように説明する経営者や担当者らがいる。

 そんな経済界の声を“代弁”するかのような論陣を張っているのが、『日本経済新聞』だ。

 まず、典型的な「曲解」記事を見てみよう。ちなみに、日経は高プロ制度を「脱時間給制度」と呼び続けている。
 
「長時間、会社にはいるものの、目立った成果を上げていないAさんと、夕方になるとさっさと引き上げるが、いつも成果を出すBさん。この2人のうちAさんの方が給料が多いと言われると多くの人が違和感持つのではないだろうか。働いた時間ではなく、成果に着目して給料を支払う『脱時間給制度』が実現すれば、この違和感は払拭されるかもしれない」(2017年7月25日付朝刊5面)
 
 この記事の隠れたキーワードは「残業代泥棒対策」だ。成果も上げずにダラダラと会社に残るAさんを“残業代泥棒”と位置づけ、「高プロ=脱時間給」が実現すれば、こうした問題は解決する、というのが記事の趣旨だ。この後には、「日本人の働き方を効率的に変えなければならない」といった主張が続く。

 社員がだぶついているような企業では、こうした問題もあるのだろうが、高プロはこうした問題を解決するための制度ではない。

 成果も上げずにダラダラ残業するAさんのような社員は、制度が想定する「高度プロフェッショナル人材」とはかけ離れており、高プロを適用できないからだ。そもそも、こうした問題は、現行の労働時間規制の下でも人事異動で配置を変えたり、給与制度を見直して成果給を手厚くしたりといった対策が可能だ。

 日経新聞は少し前まで、高プロのことを「働いた時間ではなく成果に着目して支払う『脱時間給制度』」と説明してきたが、これも間違いだ。

 高プロは、労働基準法上の労働時間規制を外す制度であり、給与制度を変える話ではない。さすがに最近は、高プロを「高年収の一部専門職を労働時間規制から外す」と説明するようになったが、それでも「脱時間給制度」という言い換えは続けている。

「脱時間給」にこだわるのは、高プロを本音では“残業代泥棒対策”だと考えている経営者らと通じるものがある。

 高プロはそもそも、2014年に産業競争力会議で提言された「新たな労働時間制度」が原型だ。これが政府の「日本再興戦略」に盛り込まれ、その後、「高度プロフェッショナル制度」と名付けられた経緯がある。

 産業競争力会議の提言をまとめた中心人物が、経済同友会の代表幹事で同会議の民間議員を務めていた長谷川閑史氏。「多様で柔軟な働き方を可能にする」ことを目的に「労働時間と報酬のリンクを外す」といった内容だったが、年収要件を設けない方式も示されており、この時から、事実上の「残業代ゼロ」をめざす制度で、“残業代泥棒対策”の狙いがあった。

 仕組みを実際に考えたのは、経済同友会を中心とする財界と経産省だったとされる。

 財界の総本山である経団連はもともと年収要件を「400万円以上」として、対象を大幅に広げる主張をしていたし、中小企業の団体からも「(中小企業のために)もう少し多くの働き手が対象になる制度設計が必要だ」との意見が公然と出たりしたこともあった。

 高プロは2015年の国会に提出された労働基準法改正案に盛り込まれたものの、一度も審議されずにたなざらしにされた後、今国会に提出された働き方改革関連法案に再び盛り込まれた経緯がある。

 さすがに、今国会の議論では、経済界のこうした露骨な本音は影を潜めていたが、改革関連法案が国会で成立すると、本音を隠さない言動が目立ち始めた。

 その代表が、産業競争力会議で民間委員を務めた竹中平蔵氏(東洋大教授)だ。

 竹中氏は6月30日の『東京新聞』紙上で「時間内に仕事を終えられない生産性の低い人に残業代という補助金を出すのも一般論としておかしい」と主張。その上で、高プロの対象について「拡大していくことを期待している」と述べている。

「残業代=補助金」という考え方も露骨だが、残業代をもらう社員を「生産性が低い」と位置づけている点で、“残業代泥棒”と同様の発想が見える。

いずれは要件緩和される懸念
「なし崩し拡大」の歴史


 一方で労働側は、高プロ適用に高いハードルが課されたにもかかわらず、将来、対象が拡大していくことを懸念し続けている。

 その理由の1つは、具体的な対象業務を省令で決めるという仕組みになっているからだ。

 つまり、政府が国会審議を経ずに対象業務を広げることが可能なのだ。年収要件も、法律上は「平均給与の3倍の額を相当程度上回る水準」とされているが、こちらは法改正で「3倍」を「2倍」にすれば、年収要件は600万円台に下げられる。今の多数与党の体制では与党が強行採決すれば、すぐにも改正できる。

 何よりも大きいのは、「なし崩し的な対象拡大」を繰り返してきた日本の労働制度の歴史だ。

 典型が労働者派遣法だ。

 1985年の創設当時、派遣の対象業務は、通訳など13の業務だけだった。この時も、対象になるのは、企業に対して個人でも高い交渉能力を持ち専門技能を持った働き手に限るとされた。

 だが対象業務は、政令改正を数回繰り返して96年には26業務に拡大。99年には法改正で原則自由化され、さらに2003年改正では、経済界の要望で最後のとりでだった製造業派遣までもが解禁された。

 その後のリーマンショックを契機に起きたのが、大量の「派遣切り」である。日比谷公園に「派遣村」ができて、職を失った元派遣社員たちが年を越したあの日から、まだ10年ほどしかたっていない。

 実際の労働時間に関係なく、労働者側と企業側との間の協定で定めた時間だけ働いたとみなして賃金が支払われる裁量労働制も、対象拡大がなし崩し的に進んできた。

 対象となる「専門業務」は1987年の創設当時は5業務だったが、「大臣告示」によって今では19業務に増えた。

 さらに98年には、業務を限定しない「企画業務型」という新たな仕組みもできた。裁量労働制を大半の社員に違法適用していた野村不動産が使ったのも、企画業務型の方だ。

 外国人技能実習制度も、「企業の本音」によって「骨抜き」にされてきた。

 日本で学んだ技術を母国に持ち帰る、というのが実習制度の建前だ。制度が始まった93年は、実習の対象職種は17だったが、「安い労働力が欲しい」という経済界の本音に沿う形で、今では80職種近くまで拡大している。

 さらに、「安い労働力ではない」はずだった実習生の位置づけも、企業側の「人手不足」の訴えに押されて、徐々に変化。ついに政府は6月に決めた「骨太の方針」で新たな在留資格の創設を打ち出し、事実上、実習生の労働力としての活用に道を開いた。

 派遣法も裁量労働制も技能実習制度も、創設時点の理念が経済界の本音によって徐々に侵食され、結果として対象が拡大するという全く同じパターンをなぞっている。

 高プロを「残業代泥棒対策」と捉えるのは、現時点では間違いだが、労働法制のなし崩しの歴史を見れば、変質してしまう可能性がかなり高いと言わざるを得ない。

(ダイヤモンド・オンライン編集部)



 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
1. 2018年8月06日 19:18:11 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1143]

どんな制度も市場原理を無視しては機能しない


>対象が狭い。年収は1075万円以上、業務は高度な専門職 高プロ社員に対して企業側が労働時間や仕事場所を指示することはできない 適用には、本人の同意が必要な上、同意した後に「やっぱりイヤ」と言われたら、企業は高プロの適用を外さなければならない。さまざまな健康確保措置を実施する義務も課せられる


残業代泥棒になりうる一般職の昇給は低く抑え

一部の優秀な高プロ志望者の賃金を高く設定し

求人に活用するのであれば

特にIT系やAIの開発などで急速な成長を目指す企業にとってそう悪いことではない

と言うか、そうでなければAmazonやGoogleなどと太刀打ちなどできない


>「安い労働力ではない」はずだった実習生 新たな在留資格の創設を打ち出し、事実上、実習生の労働力としての活用に

需要があるのだから、本来は、移民法を成立して

きちんと対応するのが妥当なのは間違いない


派遣法も裁量労働制も技能実習制度も、

結局、安い労働力が、いつまでも得られるわけではなかったのは

既に、明らかなことだ


今後、国内産業の停滞が続き 一方で新興国の成長が続けば、

よほどの日本好きか、劣悪な人材以外は、誰も日本になど来なくなる


2. 2018年8月06日 19:34:35 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1144]

モンゴルを旅する欧米人は何を考えているのだろうか

モンゴル・内蒙古周遊 第7回 2018/08/05 高野凌 (定年バックパッカー)

(2017.9.5〜10.15 41日間 総費用18万9千円〈航空券含む〉)

ウランバートルのフランス人カップル「過労死は権威主義的組織の産物」

 9月8日。ゲストハウスにチェックイン。荷物を置く間もなく、リビングのソファでくつろいでいたフランス人カップルとおしゃべりを始めた。二人は東洋文化に興味があり、特に日本については相当に知識を持っていた。近い将来是非とも日本を数ヶ月かけて旅行したいと計画していた。

モンゴル北西部の町ホブド。ロシアの地方の町のような雰囲気である
 女性は社会学を専攻しており現代日本の抱える問題に言及。彼女曰く、英国やドイツでは被雇用者は自分の希望に応じて比較的自由に転職できる。つまり労働市場は開放されており流動性がある。他方で日本とフランスでは転職により満足できるような職を得ることは一般的に困難である。
 日本とフランスの職場は現在でも大半が権威主義的(authoritarian)管理組織である。特に官庁や大企業では、下から叩き上げて出世の階段を上がって行くことが慣例となっている。それゆえ被雇用者は自分の上位の管理職に認められなければ、将来のキャリア形成の道が閉ざされてしまう。既存のヒエラルキーを肯定して、そのヒエラルキーを登ることでしか未来を開けない。

ノモンハン事件の戦場に近いモンゴル東部のチョイバルサンの町外れの戦勝記念碑。近くに旧ソ連赤軍の司令部跡がある
 この権威主義的管理組織では、被雇用者は上位管理職に正当な異議申し立てができず、長時間労働や休日返上に表立って抗議できない構造になっている。これがサービス残業(unpaid overtime)、過労死(karoushi)問題の本質であると彼女は結論づけた。

 確かにフランスはエアバス、エール・フランス、トタール石油、フランス国鉄、ルノー、シトロエン・プジョーなどフランスを代表する企業は国家が出資して経営権を握っており、フランス国立行政学院(ENA)出身の超エリートが経営の舵取りをしている。フランスのお役所や企業が日本と類似しているという指摘はさもありなんと思った。
 それにしてもカロウシがそのまま外国語になっていることに驚いた。過労死は権利意識の強い欧米では日本の特異性を物語るショッキングなニュースなのであろう。

オラーンゴムの町で野菜を売る農民の老夫婦。このロシア製の旧式のミニバンは未だにモンゴルの田舎ではふつうに走っている
ドイツの教師と看護婦さんのカップル、「歴史の真実は共有できる」
 9月11日。前日深夜にチェックインしたドイツ南部のババリアから来た教師のミカエルとナースのリサのカップルと談笑。二人と一緒にモンゴル帝国初期の古都であるハラホリンに旅行することになった。

ウランバートルからバスで6時間の草原のゲルでドイツ人カップル、ミカエルとリサ。このゲルはゲスト用の居間
 彼らはババリアの旧市街地が世界遺産に登録されたレーゲンスブルグ在住。ミカエルは中学で政治・歴史・文学を教えている。ドイツでは学校の先生は待遇が良く特に一年の半分は休暇という羨望の職業であると聞いていたので、ミカエルに聞くと苦笑いして特段否定しなかった。今回は前もってリサと調整して二人で一年の長期休暇を取得してアジア全域を周遊する計画だ。
 趣味は読書で旅行中も本を持参している。なんと今回はドフトエフスキーの“カラマーゾフの兄弟”(独語版)を持参していた。私も邦訳を持参していたので偶然の一致に吃驚。彼が力を入れているのが歴史教育で、特に近現代史が重要という。第一次世界大戦から第二次世界大戦後のロシアを含む欧州全域の動きを俯瞰するような歴史観を持つことが子供たちにとり重要と強調。さもないと対立の歴史を繰り返すと現在の欧州各国の移民問題、排外主義的傾向に言及した。

オラーンゴムの廃墟となった社会主義時代の国営工場。モンゴル各地でこのような朽ち果てた社会主義の名残が散在している

 現在、彼はポーランドの学校と交流プログラムを推進していた。当日は十数人のドイツ人同僚教師一行がポーランドの学校の教員や生徒と交流する日であった。ドイツ人教師によりポーランドの子供たちにナチスドイツについて講義して意見交換会を開くという。ミカエルは同僚教師と事前確認するためにパソコンのスカイプを立ち上げ、ドイツ語でなにやら活発に意見交換していた。休暇中でもこのプログラムだけは人任せにできないようだ。
 ミカエルは過去数年間ドイツとポーランドの両国教師による第二次世界大戦を中心とする共通の欧州史副読本を編纂する作業をしてきた。まず両国教師が歴史認識を共有して、次に両国の生徒たちに共有させるというステップのようだ。こうした努力を不断に継続すること真の和解(reconciliation)に達することができると力説した。
 中国、韓国の歴史教育の現状を顧みて、我々日本人と両国民との“和解”は果てしなく遠い道程に思えた。
モンゴル帝国の古都で聞く「テロリストを識別するための尋問技術」

ハラホリンから車で草原を半日走るとモンゴル最大の滝があった。草原には道がなくドライバーは遠くの景色を見ながらひたすら飛ばす。ドライバーは コンパスも地図もカーナビもなく、経験と勘だけで何の目印もない草原を走る
 9月15日。草原のど真ん中の古都ハラホリンのゲストハウスで欧米人グループとおしゃべりしていた。オジサンが日本人と知ると一人旅をしている米国の若者、ジェームスが日本語で握手を求めてきた。彼は国際関係論を専攻して学生時代に2年間休学して九州で英語補助教員をしていたという。
 卒業後は米国国土安全保障省(Department of Homeland and Security)に入り入国審査を担当しているという。現在はテキサスで主としてメキシコからの移民やメキシコ経由の中南米移民を審査している。またシリアなど中東出身者やアフリカ出身者の難民申請、亡命申請も相当数あるという。
 やはりオバマ政権時代からトランプ政権になり合法的移民や難民受け入れ枠が大幅に削減されたようだ。同時に入国管理を厳格化したので仕事量が激増。職員も増やしているが追いつかない状況。
 彼の担当業務は窓口担当者では判断できない申請者の審査である。面談(interview)による尋問(interrogation)である。同じ項目を色々な角度から繰り返し聞いて矛盾点を探しだす(cross-examination)ことや、疑問点の裏取りをする作業である。対象者が虚偽内容を陳述している場合はテロリストや前科者(犯罪履歴者)の可能性が高い。

モンゴル服を着てバイクに乗ってオラーンゴムの町に買い物に来た中年夫婦
 例えば、イラク出身者の場合は兵役を確認する。イラクの兵役記録は書類として現存しているので照会可能だからだ。兵役記録と齟齬があればノーである。兵役記録で問題なければ出生地の戸籍照会。並行して過去10年どこで何をしていたかを詳述させる。些細な矛盾点から掘り出してゆくという緻密な作業である。
 その人物や家族の運命を決めることになるので神経が磨り減る毎日のようだ。九州で過ごした平和な日々が懐かしいと笑った。
フランス娘が語る“人間と馬の共生”
 9月16日。ゲストハウスで知り合ったフランス女子アンヌ25歳と、ハラホリンからウランバートル行きの長距離バスに乗った。彼女はフランスの真ん中のリオン在住。なんとリオンで二頭の馬を飼育して調教しているという。競走馬ではなく乗馬用の馬種という。
 アンヌは一年の計画で世界一周の途上である。留守中は二頭の馬は友人に世話を頼んだ。驚いたことに、この旅行の目的は、世界の国々で馬がどのように人間に飼われて、どのように人間と関わっているのか実地で学ぶためという。乗馬大国モンゴルはアンヌにとり憧れの国であった。
 馬の調教で有名なウィーンのスペイン馬術学校を最初に訪問した。馬の集団による群舞は圧巻である。次に米国のニューヨーク市の騎馬警官隊を訪問。ちなみに欧米では大観衆が集まるイベント警備や観光地の巡回警備に騎馬警官が活躍している。

モンゴル北東部のロシア国境の町エレンツァブ駅のシベリア鉄道支線。現在はチョイバルサンからエレンツァブまでの往復運転だけである。旅行者はここから国境を歩いて通過してロシア側の検問所からシベリア鉄道駅まで白タクで行く
 マンハッタンでは大観衆が集まるパレードが年中行事である。頻繁に出動するので、ニューヨーク市警では警察署のビルの地下に厩舎を設けているそうだ。そして、米国中西部の大牧場でカウボーイの仕事を体験。南米に飛んでアルゼンチン、ブラジルでもガウチョ(カウボーイ)と馬の係わりを学んだという。さらにアジアでは韓国の済州島の馬の放牧を見てきた。
 アンヌの話を聞いて、一つの事に集中して掘り下げて極めていくと、逆に自分の世界が広がっていくことに気づいた。
⇒第8回に続く


3. 2018年8月07日 15:36:22 : DgmgFF52bg : EPAnhlH_2qQ[1]
省令で決めるって事は、例のお馬鹿閣議決定で決めるいうことですよ。

ダイヤモンド記者は、いつまで馬鹿な提灯記事で援護するつもりですか?

対象はあなた自身ですよ。


4. 2018年8月07日 20:51:52 : mJ9TgNsRxk : Y@PB8mA62yk[95]
残業代泥棒対策を閣議決定する税金泥棒。

まずやらなければいけないのがグローバリストの手先である

背乗り政財界のリストラ。

順番間違えると地球が馬鹿だらけになる。


▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民128掲示板 次へ  前へ

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民128掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民128掲示板  
次へ