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シャープ、ホンハイから中国企業へ転売との観測流れる(Business Journal)
http://www.asyura2.com/18/hasan128/msg/255.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 8 月 22 日 08:27:30: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

シャープ、ホンハイから中国企業へ転売との観測流れる
https://biz-journal.jp/2018/08/post_24497.html
2018.08.22 文=編集部 Business Journal


 シャープ本社(「Wikipedia」より)


 シャープは国内の生産体制を見直す。大阪府・八尾工場は冷蔵庫生産を9月までに中止。栃木工場は液晶テレビ生産を年内に打ち切り、海外に生産をシフトする。

 2年前に台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下に入って以降、ホンハイグループ出身の戴正呉会長兼社長が徹底したコスト削減などの事業改革を進めている。ホンハイの拠点を活用できる海外生産に切り替え、コスト競争力を高めてきた。白物家電も、成長が見込めるアジア地域に拠点を移し、国内生産から撤退することを決めた。2工場の雇用は、配置転換などで維持するとしている。

 八尾工場は1959年に操業を開始し、洗濯機など白物家電の生産や開発を担ってきた。シャープが大阪府・堺工場の液晶パネルへの過大投資により経営危機に陥った際も、白物家電事業は継続して黒字を叩き出してきた。エアコンや電子レンジなどの生産が海外に移管されるなか、輸送コストの高い冷蔵庫だけは国内で年間、数十万台の生産を続けてきた。

 栃木工場は1968年にカラーテレビの工場として稼働を始め、現在は超高精細映像の「8K」テレビなどを製造しているが、半世紀の歴史を閉じる。国内のテレビ生産は三重県・亀山工場に集約する。

 家電の海外生産への切り替えは進んでいる。2018年3月期決算の海外売上高比率は7割を超えた。さらに海外事業を強化して、20年3月期には8割の達成を目指している。

 シャープは中国東部の山東省煙台市に、電子部品などの生産や販売を手がける新会社、煙台夏業電子を現地の投資会社と合弁で8月中に設立する。シャープが約52億円を出資し、新会社の株式の7割を握る。

 煙台にはホンハイが液晶テレビや一部の白物家電、ゲーム機などを生産する大規模拠点を設けている。新会社を通じてシャープの消費者向け製品の生産委託や、電子デバイスの販売といったグループ間での取引を拡大する狙いがあるとみられる。

 代わって、国内は先端分野の研究開発に注力する。戴氏は6月の株主総会で「シャープは、もう液晶の会社ではない。ブランドの会社になる」と、革新的なアイデアを売る会社への転換を宣言。さらに、こうも付け加えた。

「1000万台以上生産しているトヨタ自動車が、なぜアリハバやテンセントの時価総額に負けるのか」

 消費者向けの商品を製造するだけでは、会社の価値は評価されない――。こう信じる戴氏の念頭にあるのは、シャープの最大の顧客である米アップルだ。アップルは生産をホンハイのような電子機器の受託製造サービス(EMS)に委託し、自社は企画開発に特化して高い収益を上げている。

 戴氏はシャープをアップルのような企画開発型企業に変身させることを考えている。高精細の映像技術「8K」や、あらゆるモノがネットでつながるIoT分野で輝くことが、当面の目標だ。人工知能(AI)を搭載し対話できる家電など、他社にまねできないユニークな商品を生み出し競争力を高めてゆく。

 戴氏は、シャープの研究開発や商品企画のレベルを上げ、EMSのホンハイと役割分担を明確にしながら、収益を最大にするビジネスモデルを心に描く。

■パソコン事業に再参入

 シャープは東芝のパソコン(PC)子会社、東芝クライアントソリューション(TCS)の株式80.1%を約40億円で取得する。子会社にするのは10月1日の予定。東芝はPC事業の保有株式の比率を19.9%に下げ、連結対象から外す。一方、シャープはPC事業に再参入する。

 かつてシャープは「メビウス」ブランドでノートPCを手がけていたが、10年に撤退した。戴社長は17年4月、「IT機器で再び市場に参入したい」と語り、PC事業への再参入を視野に入れてきた。

 戴氏は東芝のPC事業を買収した大きな理由のひとつとして、「400人のIT技術者が獲得できる」ことを挙げた。人工知能(AI)やIoTビジネスの部隊を強化するのが狙いだ。

 ホンハイ流のコストカットで、赤字事業は黒字に転換できる自信がある。しかし、IT技術者は促成栽培では育たない。世界の製造業はこれからの数年間で、AIとIoTを武器に新しい競争の局面を迎える。M&A(合併・買収)は「時間を買う」という言い方をされることが多いが、シャープによる東芝のPC事業買収は「人材を買った」ということだ。

■シャープは中国企業に売却されるのか?

 ここにきて、「ホンハイがシャープを売却するのではないか」との観測が駆け巡っている。会員制情報誌『選択』(2018年8月号)が「鴻海がシャープを売却する日」と報じたためだ。

 ホンハイはパソコン、スマートフォン、ゲーム機など、エレクトロニクス製品のEMSを行うメーカーであり、アップルを中心に世界に多数の顧客を持っている。顧客企業は独自ブランドで製品を販売しており、ホンハイが支えるシャープと市場でライバルとなるケースも少なくない。シャープを傘下に持つことが、長い目で見てマイナスになる恐れがあるということだ。

 過去5年以上、ホンハイの売上高の過半はアップルが占めた。

「鴻海は過度なアップル依存からの脱却のため、中国メーカーへの接近を改めて志向しており、小米科技(シャオミー)などからのスマートフォン(スマホ)生産の受託も増やしている。スマホ自体の需要の飽和化もみえており、鴻海としては顧客メーカーを増やし、受託製品の幅を広げたいところだ。そのためには中国の有力企業と『お近づき』になる必要があり、シャープを嫁入り(売却)させるのがベストの見方がある」(前出『選択』より)

 同誌は、中国ハイセンス・グループ(海洋集団)を最有力の受け皿候補として挙げた。ハイセンスは韓国サムスン電子に次ぐ世界2位の液晶テレビメーカーだ。サムスン電子に追いつき追い越せを目標に、M&Aに乗り出した。

 ハイセンスは17年11月、東芝から赤字が続くテレビ事業を買収した。東芝子会社の東芝映像ソリューションの株式の95%を、約129億円で取得(売却完了は18年2月)。ハイセンスは東芝映像ソリューションを通し、「レグザ」ブランドのテレビ開発や販売・保守サービスを展開している。

 ハイセンスの「打倒サムスン」の切り札となるのは、自前の液晶や有機ELパネルの開発・生産だろう。シャープは、画質や低消費電力に優れた「IGZO(イグゾー)」や自由な形状で量産ができる特殊ディスプレーなど、技術を持つ。これが、ハイセンスがシャープ買収に動くのではないかとみられる理由だ。

 果たして、シャープが中国企業に転売される日は、やってくるのだろうか。

(文=編集部)


 

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コメント
1. 2018年8月22日 09:59:49 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[1260] 報告

国家や保護主義が好きなOldTypeにとっては気になるのだろうが


台湾は中国

ホンハイも中国企業

つまりシャープは既に中国傘下だが

国籍にこだわるのは、グローバル経営では、あまり意味はないし

シャープのような小さなサプライ部門が、どこに所属しようが、大した問題ではない

それよりも今後は、技術革新による高度人材の獲得が課題になっていくだろう


 

サプライチェーン・マネジメントの終焉

アラン・ライアル,ピエール・メルシエ,ステファン・シュテットナー:サプライチェーンと小売業の専門家。
2018年8月22日
新たなテクノロジーはビジネス環境を日々大きく変容させているが、筆者らによると、今後5〜10年の間に、人がサプライチェーン・マネジメントを行う時代は終わりを迎えるという。ロボティクスやアナリティクスから成る「デジタルの管制塔」が、サプライチェーンを自動で動かす未来とは。

 サプライチェーンは、企業のオペレーションの心臓部だ。マネジャーは、最善の決定を下すためには、自社のサプライチェーンに関するリアルタイムのデータにアクセスする必要がある。だが、旧世代の技術の限界により、末端から末端までの透明性という目標を果たせない場合がある。
 しかし、そのような日々は、じきに過去のものとなるだろう。
新たなデジタル技術が、サプライチェーン・マネジメント(SCM)をまるごと引き受ける可能性を秘めており、従来のやり方に破壊的変化をもたらしつつある。あと5〜10年もすると、サプライチェーン管理という職能は廃れるものと思われる。それに取って代わるのは、円滑に稼働する自己制御型の機能であり、末端から末端までのワークフローを最適に管理し、人間の介入をほとんど必要としない。
 企業は、デジタル技術を基盤とすることで、リアルタイムの高品質なデータの保存、分析、統合、容易なアクセス、解釈ができるようになる。このようなデータは、業務プロセスの自動化、予測的アナリティクス、人工知能、ロボティクスといった、じきにサプライチェーン・マネジメントを引き受けることになる技術を活気づけるだろう。

 先駆的な企業はすでに、可能性を模索している。

 その多くはロボティクスや人工知能を利用して、購買、請求、買掛金の処理、顧客サービスの一部などの、労働集約的で反復的な仕事やプロセスを、デジタル化・自動化している。
 予測的アナリティクスは、企業が需要の予測を向上させるのに役立っている。これにより、変動性の抑制や適切な対処、資産活用の増加、適度なコストで顧客に利便性を提供することなどができる。

 一部の製造企業は、機械の使用状況とメンテナンスを検知するセンサーのデータのおかげで、機械がいつ故障するかをより的確に推定できており、機械の停止時間を最低限に抑えられている。
 ブロックチェーンは、柔軟な供給ネットワークにおける企業間の協働のあり方に、革命を起こし始めている。
 ロボットは、小売業界で倉庫と発送センターにおいて、生産性と利益率を高めている。配達用ドローンや自動運転車が普及する日は、そう遠くない。

 世界的な鉱業・資源会社のリオ・ティントは、鉱山から港まで輸送するオペレーションを、デジタル技術でいかに自動化できるか模索中だ。同社は、無人電車、ロボット・オペレーター、カメラ、レーザー、追跡センサーを利用することで、サプライチェーン全体を遠隔操作で管理できるようになるだろう。同時に、安全性を向上させ、人里離れた場所で人間が働く必要性を減らすこともできる。

 このような企業の多くが模索している主要なコンセプトは、「デジタルの管制塔」だ。グローバルなサプライチェーンにおいて、リアルタイムに末端から末端まで見通せる、バーチャルな意思決定センターである。

 大手小売企業の一部では、このような管制塔はオペレーションの中枢となっている。典型的な「塔」は、実際には物理的な部屋で、データ・アナリストのチームがフルタイム・年中無休で常駐し、壁いっぱいに広がる高解像度の画面を監視している。画面は、サプライチェーン上の発注から配達までのあらゆる段階について、リアルタイムの情報と3Dグラフを映し出す。ビジュアルの警報が、在庫の不足やプロセスの障害を未然に警告してくれるので、現場のチームは、潜在的な問題が現実のものとなる前に素早く軌道修正できる。

 リアルタイムのデータ、疑う余地のない正確性、絶え間ない顧客重視、プロセスの卓越性、アナリティクス班のリーダーシップが、このような小売オペレーションの管制塔を下支えしているのだ。

 工業系の企業も、「デジタルの管制塔」のコンセプトを採用している。あるメーカーでは、複雑なネットワークによって、1日に100万個以上もの部品が動かされている。同社の管制塔は、供給上の潜在的な問題が発生すると、警告を発し、問題の影響を計算する。そして、事前に決められた対処法を用いて問題を自動的に修正するか、あるいは、エスカレーション(上位者に問題解決への関与を仰ぐこと)担当チームに注意喚起してくれる。
 同様に、ある鉄鋼会社では、独自の供給計画立案ツールを管制塔のプラットフォームに組み込むことで、サプライチェーンの反応性と回復力を高めている。このツールは、想定外の重大な装置の故障、いわゆる「大打撃」が事業にどのような影響を及ぼすかをシミュレーションし、最善のリスク軽減策を示してくれる。

今後、サプライチェーン・マネジメントで必要とされる人材とは

 サプライチェーン・マネジメントにおける潮流は明らかだ。技術が人に取って代わり、かつ、人より優れた仕事をしている。
 自動化されたプロセス、データによる統制、高度なアナリティクス、センサー、ロボティクス、人工知能、絶え間なく繰り返される学習――これらによって、将来的に人間の必要性が最小限になることは想像に難くない。では、計画立案、購買、製造、受注処理、物流がほぼ自動化されたあかつきには、サプライチェーンの専門家には何が残されているのだろうか。

 サプライチェーンを担当する経営幹部は、短期的には、ほぼ反復的・処理的な作業をしている従業員の管理をしている現状から、重点をシフトする必要がある。高度な専門技能を持つ限られた数の担当者とともに、情報と物の流れを設計・管理する、というやり方に変えるのだ。

 近いうちに、「サプライチェーン・アナリスト」の需要が高まるだろう。データを分析し、データセットを構成・検証し、デジタルのツールとアルゴリズムを活用して、効果的に予測することのできる人材である。

 より長期的には、ごく一握りの専門家のみに、ハイテク主導のサプライチェーン・エンジン――常に変化していく事業上の戦略、要件、優先順位をシームレスに支える機能――を構築することが求められるだろう。そのエンジンを稼働させ続けるために、オペレーションと技術が交差する分野での新たなスキルを持つ少数の人材を、採用か訓練によって得なければならない。

 この新たな役割に必要とされるスキルは、現在は容易には手に入らない。したがって、企業にとって最大の難題は、サプライチェーンの将来のビジョンを描くことと、その重大な役割を果たす人材の獲得戦略を考案することであろう。
 我々が知っているサプライチェーン・マネジメントの終焉が、目の前に迫っているのは明らかだ。現在のスキルとプロセスを更新すべく取り組んでいるマネジャーと企業こそが、やがて勝者になるだろう。

HBR.ORG原文:The Death of Supply Chain Management, June 15, 2018.
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アラン・ライアル(Allan Lyall)
サプライチェーンと小売業の専門家。かつてアマゾンで欧州オペレーションのバイスプレジデントを12年間務め、アップルや英小売のテスコでも幹部を務めた。
ピエール・メルシエ(Pierre Mercier)
ボストン コンサルティング グループ(BCG)のシニアパートナー兼マネージングディレクター。サプライチェーン・マネジメントと小売業界を専門とする。前職では、ミッチェル・マディソン・グループとデロイト・コンサルティングに勤務。
ステファン・シュテットナー(Stefan Gstettner)
ボストン コンサルティング グループのアソシエートディレクター。消費財小売企業で最高業務責任者として6年間の経験があり、サプライチェーン専門家のネットワークを運営していた。現在は、サプライチェーンのデジタル変革を専門分野としている。


 


 
米金融街で消滅、技術者とトレーダーの垣根
スポーツマンタイプのトレーダーが金を稼ぎ、プログラマーは後方支援という時代は終わった
やり手のトレーダーにとってもプログラミングは必須技能になりつつある SCOTT ANDERSON
By Liz Hoffman and Telis Demos
2018 年 8 月 21 日 11:23 JST 更新

 「ストレーダー」と呼ばれる人たちがいる。

 ある時はリスクを負うトレーダー、ある時はコンピューターに精通する「ストラテジスト」として、彼らはゴールドマン・サックスの廊下をせわしなく歩き回り、かつては厳然と存在したやり手のスポーツマンタイプと技術オタクの境界線を消し去った。

 「あなたがたの言う『トレーダー』がどういうものか、私には分からない」。ゴールドマンに16年間在籍するアダム・コーン氏はこう語る。「セールスやトレーディングの仕事に就く者は全員、プログラミングの仕方を覚えなくてはいけない」

 コーン氏はストレーダーの第一人者であり、彼らに象徴される金融世界を世の中に広める伝道師だ。米ウォール街では、電話口でがなり立てることによってのし上がったトレーダーが、今やプログラミングの授業に出席している。また、後方でそれを支援する役回りだったエンジニアが権限を与えられ、市場で腕試しをしている。

 これはトレーディングフロアの序列を覆すと共に、金融危機後の10年間に起きた現実に折り合いをつけるという意味合いもある。

 ウォール街のトレーダーは株式や債券、証券化されたクレジットカード債権、原油に至るまであらゆるものを売り買いする。2008年のメルトダウン以前は、自分の直感と独自に入手した情報を頼りに活躍した。彼らは電話を駆使してどの客が投資話に飢えているか、どの客が必死に飛びつきそうかを調べ、その弱みにつけ込んだ。「血のにおいがする」とモルガン・スタンレーのジョン・マック元最高経営責任者(CEO)は配下のトレーダーによく告げたという。「さあ仕留めに行くぞ」。彼らはそれを実行し、たっぷりと報酬を得た。


アダム・コーン氏はゴールドマン・サックスに初めて登場した「ストレーダー」の1人だった


 そうした時代はほぼ過去のものとなった。現在ではコードの塊(時にアルゴリズムと呼ばれる)がトレーダーの仕事の大半をこなす。自分たちのポジションを常に把握し、顧客に気配値を示し、売り手と買い手をマッチングし、見えないリスクに警告を発するといったことだ。

 セールスマンの仕事も次第にこの領域に入ってきた。最新のソフトウエアでは顧客の最近の投資実績を分析し、その客が関心を持ちそうな特定の株式や債券を提案することができる。アマゾン・ドット・コムが購入履歴に従っておすすめ商品を提案するのと同じことだ。

 自動化の台頭は、一つには金融危機やそれに続くさまざまな不正取引の発覚などが背景にある。金融機関はその反省から、ミスを犯しやすく、利己的な傾向がある人間の裁量を奪う方向に動いた。またウォール街とシリコンバレーの人材獲得競争が激しくなり、金融機関がハイテクに対する本気度を示したがっていることもこれに拍車をかけた。

 さらに、コンピューターを駆使した「クオンツ」ファンドの人気に対抗するためでもある。この手の投資家は従来の銘柄選びの手法を無視し、買いまたは売りの好機を示す市場のパターンを追求する。顧客はゴールドマンのような金融大手の担当者にも、例えば乳製品生産量のような指標についてではなく、データ処理のことを話したがる。「そうした話題についていける」ことが重要だとコーン氏は言う。

 トレーダーの成功を決定づけるのは、自分の直感を信じることより、むしろコンピューターの生み出す情報をいかに解釈するか、またどの情報を取り入れるべきかを判断することになりつつある。「自動車のクルーズコントロール(車速設定システム)と同じだ」とJPモルガン・チェースのトレーディング担当幹部マット・シャーウィン氏は言う。それを使えば「時速55マイルで走行し続けることは可能だが、『適正なスピードかどうか』は誰かが判断しなければならない」

 ハイテクの達人はウォール街の新参者ではない。彼らはトレーディングフロアにコンピューターを導入した1980年代に登場し、デリバティブと呼ばれる複雑な金融派生商品を評価する数学モデルをプログラムする仕事を担っていた。彼らのプログラムは、例えば米ドル相場が下落したらトウモロコシ価格にどう影響するのか、イタリア政府が利上げに動いた場合、フェラーリのローン債権をどう評価すべきかといったことを予測する。

 だが当時のプログラマーはトレーダーと区別され、明らかにトレーダーに従属する立場だった。彼らのモデルを使い、トウモロコシやフェラーリのローン債権をどのくらい実際に売買するかを判断するのはトレーダーだ。ゴールドマンで「ストラット(ストラテジスト)」と呼ばれたプログラマーは数字を処理し、トレーダーが利益をたたき出した。

 かつてはフロアの隅に追いやられていたストラットは現在、ゴールドマンの株取引フロアでトレーダーと並んで座っているだけでない。資格を取り、資金を動かす権限を与えられ、トレーダーの役割に近づいている。

 一方、プレッシャーのかかる状況下において素早く判断する能力や、これまでに培った幅広い人脈は依然として高い価値があるため、トレーダーが技術者に取って代わられることはない。むしろ両者の融合した「ストレーダー」がゴールドマンの中で存在感を増している。

 「10〜15年前なら、技術者は誰とも言葉を交わさず、朝からシャワーも浴びていないように見えた。トレーダーは、ブルックス・ブラザーズのカタログから抜け出したかのように身なりを整えていた」。人材あっせん会社セルビー・ジェニングスで金融業界の人材スカウトを担当するオリバー・クック氏はこう振り返る。「その境界線は基本的に消滅した」


ゴールドマン・サックスの本社でゲームをしてくつろぐアダム・コーン氏。隣は同社プロダクト・マネジャーのべーダ・バドヤー


 変わったのはファッションだけではない。かつて注文を叫ぶ大声が飛び交い、電話が鳴り響いたトレーディングフロアは、驚くほど静かになったと金融取引システムを販売するフィデッサのグループ戦略責任者、スティーブ・グロブ氏は話す。「大声で叫ぶことは少なくなった。タイムマシンで2006年から来た人はこの光景に驚くだろう」

 米銀大手シティグループでは、トレーダーは数理分析グループのプログラマーと共に働いている。6月にトレーダーを対象にプログラミング言語「パイソン」の3日間の初心者コースを行ったところ、非常に好評で、ベテランのトレーダーさえ通常業務を休んで参加したほどだった。シティは9月にも再び同様のコースを開く。

 ゴールドマンでは昨年、オンライン教育システム「edX」を通じてトレーダーにプログラミングの無料授業を提供し始めた。

 「プログラミングは『望ましい技能』から『必須技能』になりつつある」とコーン氏は言う。

 コーン氏の父は、ベル研究所で1980年代に基本ソフト(OS)「UNIX」の根幹の開発にかかわった人物だ。コーン氏はブラウン大学で応用数学と経済学をダブル専攻し、2002年にゴールドマン入社。同社のオフィスがあった「ワン・ニューヨーク・プラザ」50階の隅に集められた株式ストラットの1人として働いた。

 状況が変わり始めたのは2000年代前半だ。株式市場の電子化が進み、金融取引で優位に立つためにコンピュータープログラムの軍拡競争が始まった。ストラットは単なるトレーディングモデルではなく、トレーディングシステム全体を構築するようになった。

 技術が一段と高度化すると、トレーダーは機械の中で何が起きているのか理解できなくなった。アルゴリズムの不具合を直そうとするトレーダーは、自宅のWiFi接続が切れて当惑した家主と同じように、ただ再起動してうまく行くことを願うしかなかった。「そこにリスクが生じた」とコーン氏は指摘する。

 2010年に米株式市場で発生した瞬間的暴落「フラッシュクラッシュ」で、数分間に時価総額1兆ドル(110兆円)が失われたことは、その後すぐに回復したものの、こうした懸念を一段と高めた。伝統的なトレーダーはほぼ頼りにならなかった一方で、変動の理由を説明できるエンジニアはそれに対応できる立場にはなかった。

 ただ、線引きが曖昧になることへの懸念も指摘されている。未熟な者が書いたわずか数行のコードが大惨事を引き起こしかねないからだ。証券仲介大手ナイト・キャピタル・グループほどの企業でも、コンピューターの障害による巨額損失が原因で経営難に陥った。

 JPモルガンやスイスの金融大手UBSでは、それぞれ数十億ドルの損害をこうむるトレーダーの不正事件が起きた。今後もし悪質なプログラマーが故意にコードを書き加えれば、同様の危険が想定される。

 UBSのマイク・ダーガン最高情報責任者は「責任について明確に記述する必要がある」と語る。ソフトウエアの機能の仕方について「トレーダーを教育する必要はある」と同氏は言う。「だが彼らにやってもらいたいのはトレーディングだ」

 規制当局も同様の懸念を示している。証券取引委員会(SEC)は2016年にルールを変更し、金融取引のアルゴリズムを設計または監視する責任がある者には「証券トレーダー」の資格取得を義務づけた。

 その狙いは、プログラムを書く人とそのプログラムが生み出す市場リスクの管理責任者の知識ギャップに起因する障害あるいは不正行為を封じ込めることにある。

 ゴールドマンでは、コーン氏が提案したストレーダー職を積極的に導入する一方、名称はより分かりやすく「プログラムを書くトレーダー」に改めた。現在、この職務に就く社員は約200人いる。

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2. 2018年8月22日 20:16:32 : maIBzYjaKk : WKNj51ZrpMo[21] 報告
まったくの浅知恵で書いています

中国のやり方
性能は劣っても、機能を限定し安い価格で市場をとり、それから機能をアップしていく
例えば、アップルに劣ってもいいから、まずは中国国内の巨大市場で製品を広める
それから、、、
ホンハイの中国中国企業へ転売は単純な転売ではないんじゃないかな

プログラミングも 一部の天才+人海戦術 と思うので意外に中国は早くキャッチアップするんじゃないかな

3. 2018年8月22日 21:09:00 : ZwvGzUDmxc : fXqah0SlEC8[11] 報告
恩を着せ 甦らせて 叩き売り

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