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最も稼ぐ30歳未満のセレブ、首位は21歳 年収190億円 急増する定年女子を襲う厳しすぎる現実 無給で働く医師、必要悪 
http://www.asyura2.com/18/hasan129/msg/687.html
投稿者 うまき 日時 2018 年 12 月 01 日 02:24:30: ufjzQf6660gRM gqSC3IKr
 

(回答先: 新卒採用を欧米流に改革すると日本の若者はブラック職場行き 欧州「薄給ブラック」に耐えやっと就職 間違いだらけの新卒採用 投稿者 うまき 日時 2018 年 12 月 01 日 02:16:30)

最も稼ぐ30歳未満のセレブ、首位は21歳 年収190億円




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Hayley C. Cuccinello ,
FORBES STAFF
I write about film and television

カイリー・ジェンナー(Photo by Noam Galai / FilmMagic)
リアリティ番組の「カーダシアンファミリー」の末っ子として知られるカイリー・ジェンナーは、今年7月のフォーブスの「アメリカで最も成功した女性」(America’s Richest Self-Made Women)ランキングに、弱冠20歳で登場した。

現在21歳の彼女はわずか2年前に、コスメブランド「Kylie Cosmetics」を設立し、30歳未満のセレブリティとしては最多の年収を稼ぎ出す存在となった。ジェンナーは2017年6月1日からの1年間で1億6650万ドル(約190億円)の収入を得て、今年のフォーブスの「世界で最も稼ぐ30歳未満のセレブリティ」ランキングで1位に立った。

2位に入ったのはエド・シーランで年収は1億1000万ドル。27歳の英国のシンガーソングライターの収入の大半は、ツアー活動からだが、ストリーミングからも膨大な報酬を得ている。

3位はブラジルが生んだサッカー界のスーパースターのネイマールで、年収は9000万ドル(約102億円)だった。30歳未満で最も稼ぐセレブリティのほぼ半数がスポーツ選手だ。上位10名の内訳は、リアリティ番組出身のスター(カイリー・ジェンナー)が1名、ミュージシャンが4名、残りの5名がアスリートだった。

本ランキングのもう一つの特徴といえるのが、女性が少ないことで、トップ10に入った女性はジェンナーとテイラー・スウィフトのみとなっている。

ただし、アルバム「Reputation」の成功や同名のワールドツアーから年収8000万ドルを稼ぎ出したテイラー・スウィフトは巨大な存在感を誇り、4位にランクインした。スウィフトは先日、ユニバーサルと新たなレコーディング契約を交わし、前払金の額は2億ドルに及んだとも報じられている。この金額を算定に入れれば、彼女は本ランキングの首位に立つこともできた。

ボクシング界ではフロイド・メイウェザー・ジュニアが引退して以降、急激に注目を集めているのがカネロ・アルバレスだ。彼とゲンナジー・ゴロフキンの対戦は、130万人がペイパービュー視聴を行い、アルバレスは4450万ドルの報酬を得た。

現在28歳のアルバレスはスポーツに特化したストリーミングサービス「DAZN」と、5年間11試合の配信契約を交わし、契約金は最低でも3億6500万ドルと報じられている。

フォーブスは本ランキングの集計にあたり、各人の2017年6月1日から1年間の収入を推計した。金額は税引前のもので、エージェントやマネージャー、弁護士への支払い費用は差し引かれていない。推定にあたってはポーラースタープロのデータを参考にしたほか、関係者へのインタビューも行った。

下記にランキングの上位10名を掲載する。

1. カイリー・ジェンナー
年収:1億6650万ドル(約190億円)
職業:パーソナリティ

2. エド・シーラン
年収:1億1000万ドル
職業:ミュージシャン

3. ネイマール
年収:9000万ドル
職業:サッカー選手

4. テイラー・スウィフト
年収:8000万ドル
職業:ミュージシャン

5. ザ・ウィークエンド
年収:5700万ドル
職業:ミュージシャン

6. ジェームズ・ハーデン
年収:4640万ドル
職業:バスケットボール選手

7. アンドリュー・タガート(ザ・チェインスモーカーズ)
年収:4550万ドル
職業:ミュージシャン

8. カネロ・アルバレス
年収:4450万ドル
職業:ボクシング選手

9. デレック・カー
年収:4210万ドル
職業:アメリカンフットボール選手

10. ジョーダン・スピース
年収:4120万ドル
職業:プロゴルフ選手
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編集=上田裕資
https://forbesjapan.com/articles/detail/24132

 


これから急増する「定年女子」を襲う厳しすぎる現実
人口減少日本で、女性に起きること
河合 雅司
プロフィール
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10年後、20年後の日本にいったいどんな未来が待ち受けるかをリアルに描いた『未来の年表』(約51万部)、『未来の年表2』(約19万部)は、累計70万部を突破している。それらの著者でジャーナリストの河合雅司氏が、「定年女子」を待ち受ける雇用環境こそ、この先非常に厳しくなると分析する。
女性の2人に1人が90歳まで生きる
日本は「おばあちゃん大国」への道を邁進している。

昨年の敬老の日に合わせて、総務省が発表した推計(2017年9月15日現在)によれば、65歳以上の高齢者は前年比57万人増の3514万人だが、これを男女別にみると男性1525万人、女性1988万人で女性が463万人多い。

女性100人に対する男性の人数でみても、15歳未満では105.0、15〜64歳は102.3と男性が上回るものの、65歳以上になると割合は逆転する。男性は76.7にまで落ち込んでいるのだ。

総じて女性のほうが長寿であるためだ。厚生労働省の「簡易生命表」によれば、2017年の日本人の平均寿命は男性81.09歳、女性は87.26歳となり、ともに過去最高を更新した。ちなみに、戦後間もない1947年は男性が50.06歳、女性53.96歳であった。

この頃「人生100年時代」と言われるようになったが、「簡易生命表」で確認してみよう。2017年生まれが90歳まで生きる割合は、女性が2人に1人(50.2%)、男性も4人に1人(25.8%)だ。95歳までなら、女性25.5%、男性9.1%に上るという。

各年齢の平均余命をみると、2017年時点で40歳だった人の平均余命は男性42.05年、女性は47.90年だ。70歳だった人は男性15.73年、女性20.03年である。

「おばあちゃん大国」となった日本では、80代ガール≠ェファッションリーダーとなり、今では考えられないような流行やブームが到来するかもしれない。

高齢女性が流行を牽引する時代へ(photo by iStock)
かつてない規模で「定年女子」が誕生する
だが、長寿を喜んでばかりはいられない。

平均寿命が延びたといっても、「若き時代」が増えるわけではない。老後がひたすら延び続け、戦後間もない時代の高齢者には想像もできないほど膨大な時間を過ごすことになる。それは、老後の収入をどう安定的に確保するかを考えなければならないということに他ならない。

「簡易生命表」の数字を見るかぎり、誰が100歳まで生きなければならないか分からない。とりわけ確率が高い女性の場合、人生100年を前提してライフプランを立てておいたほうが無難だ。

もちろん、これからの「おばあちゃん像」は大きく変わる。一昔前に比べて若々しい人が目立つようになったが、変わるのは容姿だけではない。1986年に男女雇用機会均等法が施行されて以降、女性の社会進出が進んだ。

もうすぐ、われわれは、日本のビジネス史において経験したことがない場面に遭遇することだろう。かつてない規模での「定年女子」の誕生だ。

総務省による2017年の「労働力調査(速報値)」を見ると、55歳から64歳の女性の正規職員・従業員は131万人いる。45歳から54歳となると、250万人だ。

65歳を定年と見なして、この女性たちが定年を迎える場合、10年後には131万人の女性が定年を迎えており、20年後にはさらに250万人の女性が定年に達している。合わせると、約380万人の女性が定年後の生活を歩むことになるのだ。

男女雇用機会均等法の施行以降、オフィスの風景は様変わりした。寿退社が多く、コピー取りやお茶汲みが女性の仕事とされた時代は完全に終わり、今後は1つの会社に勤め続けて定年退職を迎える女性社員が増えてくる。

統計の数値がそれを先取りしている。総務省の「労働力調査(基本集計)」の平均速報(2017年)によれば、定年まで10年以内の55?59歳の女性の就業率は、2007年の59.5%から2017年には70.5%へ上昇した。60?64歳も2007年の41.0%から2017年は53.6%に増加した。

内閣府の「男女共同参画白書」(2016年版)は、「子供ができても、ずっと職業を続ける方がよい」と考えている人は45.8%だと伝えている。1つの会社に勤め続け、昇進する女性も珍しくなくなり、女性役員も次々と誕生した。厚生労働省の「雇用均等基本調査」(2016年度)によると、課長相当職以上の管理職の12.1%は女性である。

男女雇用機会均等法の施行年に四年制大学を卒業して就職した女性の多くが、2024年には60代に突入する。この世代は途中で退職した人も少なくないが、彼女たちより少し後の世代は働き続けている割合が増えてきており、定年まで働き続ける女性はさらに増え続けることが予想される。

「人生100年時代」を展望したライフプランを考えるとき、定年後も働くというのは大きな選択肢の一つとなろう。ところが、定年女子を待ち受ける雇用環境は、現時点では決してバラ色ではない。定年退職を迎える女性の場合、厳しい現実が立ちはだかっている。

年金を増やすために

オールド・ボーイズ・ネットワークとは?
第一生命経済研究所が定年前後に再就職した60代に調査を実施しているが、男性は「退職前から(再就職先が)決まっていた」が36.8%、「満足のできる再就職先がすぐに見つかった」が30.3%と、70%近くが定年後の人生の選択をスムーズに決めている。

これに対して女性はそれぞれ22.2%、17.8%と、苦戦ぶりをうかがわせる数字が並んでいる。男性以上に、長い老後のライフプランを描き切れない女性が増えることが予想される。

男女の差が生じる要因としては企業側の責任も小さくない。男性の場合、「前の勤め先が紹介してくれた」が26.3%なのに対し、女性はわずか4.4%にすぎない。

50代後半の女性の53.0%は勤務先から定年後の仕事に関するアドバイスや情報提供を受けておらず、多くはハローワークや友人・知人、インターネットを使って自ら情報を集めているのである。

男性と同様に65歳までの再雇用制度も利用できるが、前出の第一生命経済研究所の調査によれば、男性の6割ほどの水準だ。むしろ、以前から関心のあった資格を取得するためにスクールに通うなど、「第2の人生」を切り開こうという傾向も見られる。

定年女子の再就職を厳しくしている要因の一つに、「オールド・ボーイズ・ネットワーク」の存在がある。

「オールド・ボーイズ・ネットワーク」とは、排他的で非公式な人間関係や組織構造のことだ。伝統的に男性中心社会であった企業コミュニティーにおいて、暗黙の内に築き上げられてきた。

社内派閥や飲み仲間、業界の勉強会、経営者の親睦団体など、ネットワークの形態はさまざまだ。多くの男性はこうした人脈を通じて情報交換をしたり、仕事上の便宜を図ったりしている。

女性たちは、ほとんどが蚊帳の外に置かれているため、組織の文化や暗黙のルールも伝わりにくい。

ポストは居酒屋で決められる!?(photo by iStock)
重要な人事異動や新規プロジェクトが、仕事帰りの居酒屋などの会話の中で決まることも少なくない。女性の昇進を妨げている大きな要因として挙げられるが、定年後の好条件のポストについても例外ではないということだ。

そうでなくとも、女性の場合、これまで1つの企業で働き続ける人が少なく、定年後の生活について参考にできる先輩がなかなか見つからない、相談できる仲間がいないという事情があった。

企業には女性が定年退職まで働くことすら、あまり想定してこなかったところさえある。企業経営者は、定年女性の再就職の受け皿づくりを急ぐべきである。

わが子に先立たれる女性も増える
とはいえ、企業経営者の奮起を待つだけでは心許ない。人生100年をにらんで自ら準備できることは、若いうちから実践に移しておくに越したことはない。

では、長き老後の生活費を、どうやり繰りすればよいのだろうか。

よほどの資産家は別にして、多くの人の老後の生活資金の主柱といえば公的年金であろう。女性は男性に比べて賃金が抑え込まれたり、途中で寿退社したりする人も多いため、退職金や年金受給額も低い傾向にある。賃金構造基本統計調査(厚労省、2017年)によれば、女性の賃金は男性の73.4%だ。

この男女格差を引きずったまま、高齢期に入る女性は多い。男性よりも老後が長いことを考えれば、少しでも受給額を増やしたいところだ。

公的年金は受給開始後、生きている限り受け取れるし、長い年月の間の物価上昇にも対応している(民間の個人年金や企業年金は必ずしもそうではない)。

まず選択として考えたいのが、「年金の受給開始年齢の繰り下げ」だ。むろん、受給開始年齢の繰り下げは男性にとっても大きな選択肢であるが、寿命の長い女性のほうがそのメリットは大きい。

年金額を少しでも増やしておきたい理由は、寿命の長さが「独り暮らしになる可能性」の大きさと抱き合わせになっていることにもある。

夫のほうが年上という夫婦は多いだろう。男女の平均寿命の差も考え合わせれば、連れ合いを亡くしてから独りで暮らす時間はかなりの長さとなる。

さらに考えなければならないのが、人生100年時代においては、年老いた子供に先立たれる女性が増えてくる点だ。「高齢化した高齢者」となって身内が1人もいないとなれば、頼れるのは年金だけとなろう。

女性の8割が個人事業主


具体的に説明すると、現行では公的年金の受給開始年齢は原則65歳である。だが、本人の希望で60?70歳の間で選択できる。受け取り開始時期を1ヵ月遅らせるごとに、受給額は0.7%ずつ増え、最も遅い70歳からもらい始めれば、受給額を42%も増やすことができる。

70歳の受給開始から12年弱で、原則として、65歳から受給を開始した場合と年金総額は等しくなるという試算もある。これに従うならば、70歳まで受給を遅らせて81歳以上生きればより多くの年金をもらえることになる。

女性は、かなりの人が100歳近くまで生きるとみられているのだから、得をする人は多そうだ。

ただし、男女を問わず、年金受給開始年齢を繰り下げようと思えば、その間収入の算段をしなければならない。それは「働けるうちは働く」とセットとなろう。

とはいえ、先述したように「定年女子」の再就職は難しいという現実もある。

定年後の好条件ポストを確保するには、「オールド・ボーイズ・ネットワーク」を崩さざるを得ないが、長い時間をかけて築き上げてきたアンダーグラウンド組織の強固な結びつきを断ち切るのは難しい。ならば、メンバーに加わるのも手だ。

ただメンバーに加わろうといっても、ハードルが低いわけではない。そこで対抗策として考えたいのが、性別を超えたディスカッションの場を設けるよう会社側に働きかけることだ。

就業時間内になるべく多くの接点をつくっていくことで、「オールド・ボーイズ・ネットワーク」に風穴を開けられれば、今よりキャリアアップしやすくなり、定年後の選択肢も広げやすくなる。

「起業」を考えよう
それでも、高齢になって自分らしく働ける仕事はなかなか見つからないものだ。そこでさらなる選択となるのが「起業」だ。起業ならば、「第2の定年」を心配しなくてよい。

男性に比べて勤務先からの情報が少ないという状況を見越してか、定年前に60歳以降も働ける会社に転職したり、起業に踏み切ったりする女性は増加傾向にある。

もちろん、そのすべてが安定的な収入に結びつくとは限らない。勝算があって踏み切る人ばかりでもないだろう。退職金をつぎ込んだ挙げ句、事業に失敗したとなったら目も当てられないと尻込みしたくなる人も多いだろう。

こうしたリスクをできるだけ減らすためには、定年間際になって慌てて準備をするのではなく、老後の長さを考え、むしろ若い頃から将来的な起業をイメージし、人脈づくりやスキルアップを計画的に進めるぐらいの積極的な発想がほしい。起業を念頭に置いて資格取得やスクールに通うのもチャンスを拡大する。

内閣府男女共同参画局の「女性起業家を取り巻く現状について」(2016年)によれば、女性の起業が最も多い年齢層は35?39歳の12.1%である。次いで30?34歳の10.4%だ。一方で55?59歳以降も上昇カーブを描き、65歳以上も9.9%と3番目に高い水準となっている。

起業を志した理由のトップでは「性別に関係なく働くことができるから」が80.8%と最も高く、「趣味や特技を活かすため」(66.7%)、「家事や子育て、介護をしながら柔軟な働き方ができるため」(54.4%)などが男性に比べて大きくなっている。

子育てや介護に一段落ついたタイミングで、いま一度、「自分らしさ」を見つめ直し、「仕事と家庭の両立」を求めて起業に踏み切っている人が、すでに相当数に上っているということである。

女性の場合、78.6%が個人事業主である。起業にかけた費用や自己資金をみても、50万円以下が25.2%とトップで、比較的低額で開業する傾向にある。経営者の個人保証や個人財産を担保とはしていないとした人も73.6%を占め、手元資金の範囲で堅実に始めるという人が多い。肩肘張らずに考えれば、案外、始めやすい。

女性は男性に比べて子育てや介護といった生活ニーズに根ざした「生活関連サービス、娯楽」(18.8%)、趣味や前職で身につけた特技を生かした「教育、学習支援」分野での起業が多いのも特徴の一つだが、今後、勤労世代が減っていく中で、生活関連サービスのニーズは大きくなる。

こうした分野で小回りのきくサービスを展開する企業が増えることは、社会全体にとってもプラス効果が期待できる。

大きなリスクを背負わない人が多い分、女性起業者の起業後の手取り収入は少なく、月額「10万円以下」が26.7%、「10?20万円以下」が22.5%と、半数近くは20万円以下にとどまる。だが、これでも長い老後を踏まえて、「老後資金の蓄え」、「年金の足し」として考えれば大きい。

女性に限らず、男性だって、長い老後を、いかに「自分らしく」生きるかは大きなテーマであろう。現役時代から入念な準備を進めておかなければできないことは多い。少子高齢社会にあってのライフプランづくりは、実に計画的でありたい。

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https://gendai.ismedia.jp/articles/-/56630


 
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河合 雅司
プロフィール
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発売1年も経たずして、45万部を超える大ベストセラーとなった『未来の年表』。その著者でジャーナリストの河合雅司氏が、いよいよその続編『未来の年表2』を刊行する。今回のウリは、人口減少で起きることを年代順に追った「人口減少カレンダー」ではなく、あなたの身の回りで起きることを一覧にした「人口減少カタログ」だ。発売に先立って、『未来の年表2』の一部を特別に先行公開する。

街は高齢者だらけ
日本が少子高齢社会にあることは、誰もが知る「常識」である。だが、自分の身の回りでこれから起きることをわかっている日本人は、いったいどれくらいいるだろうか?

日本は劇的に変わっていく。例えば、25年後の2043年の社会を覗いてみよう。

年間出生数は現在の4分の3の71万7000人に減る。すでに出生届ゼロという自治体が誕生しているが、地域によっては小中学校がすべて廃校となり、災害時の避難所設営に困るところが出始める。

20?64歳の働き手世代は、2015年から1818万8000人も減る。社員を集められないことによる廃業が相次ぎ、ベテラン社員ばかりとなった企業ではマンネリ続きで、新たなヒット商品がなかなか生まれない。

高齢化率(総人口に占める65歳以上人口の割合)は36・4%にまで進む。高齢者の数が増えるのもさることながら、80代以上の「高齢化した高齢者」で、しかも「独り暮らし」という人が多数を占める。

こうした高齢者が街中に溢れる社会とは、一体どんな様子だろうか?

いま、東京や大阪といった大都会では、ラッシュアワーには5分と待たずに電車やバスがやってくる。なぜ、そんな過密ダイヤで運行できるのかといえば、乗客の大多数が人の流れについていける「若い世代」だからだ。

たまに、杖をついた高齢者が、駅員の手を借りて乗降する場面に出くわす。ただ、それはあくまで少数派であり、駅員の手際よい作業でそんなに多くの待ち時間を要するわけではない。

しかし、2043年とは、総人口の7人に1人が80歳以上という社会だ。独り暮らしであるがゆえに否応なしに外出する機会は増えるが、若い世代の「流れ」についていける人ばかりではない。こんな過密ダイヤはとても続けられない。

〔Photo〕 iStock
80代ともなれば、動作は緩慢になり、判断力も鈍る人が増える。こうした高齢者が一度に電車やバスを利用するのだから、駅員は乗降のサポートに追われ、ダイヤ乱れなど日常茶飯事となるのだ。

新幹線や飛行機だって同じだ。現在でも空港の保安検査場に長い列ができているが、機内への移動も含め、スムーズな移動は年々期待できなくなる──。

ダチョウの平和
残念ながら、皆さんが生きている間は、人口減少や少子高齢化が止まらない。過去の少子化の影響で、今後は子供を産むことのできる若い女性が激減していくためだ。

人口減少のスピードは凄まじい。国立社会保障・人口問題研究所(以下、社人研)の推計によれば、2015年の国勢調査で約1億2700万人を数えた総人口は、わずか40年後には9000万人を下回り、100年も経たずして5000万人ほどに減少する。

われわれは、極めて特異な時代≠生きているのである。


ただ、こうした数字を漫然と追いかけ、社会の変化を大くくりに把握していたのでは、少子高齢化や人口減少問題の実像はつかめない。ましてや、それが自分の暮らしにどう関わってくるのかを理解できないだろう。

それでは、いつまで経っても真の危機意識が醸成されないではないか。もっと、リアリティーをもって、「未来」を想像する力が求められている。

人間というのは不都合な真実≠ノ直面したとき、往々にして見て見ぬふりをするものだ。それどころか、気休めにもならない楽観的なデータをかき集めて、不都合な真実≠否定しようとする人さえ出てくる。

皆さんは、「ダチョウの平和」という言葉をご存じだろうか?

危険が差し迫ると頭を穴の中に突っ込んで現実を見ないようにする様を指した比喩だ(実際のダチョウの習性とは異なるとの指摘もあるようだが)。日々の変化を把握しづらい人口減少問題こそ、この「ダチョウの平和」に陥りがちな難題である。

それは切迫感が乏しいぶん、どこか人ごととなりやすい。何から手を付けてよいのか分からず、現実逃避をしている間にも、状況は時々刻々と悪くなっていく。そして、多くの人がそれを具体的にイメージできたときには、すでに手遅れとなってしまう──。

どこかズレている
「ダチョウの平和」ですぐ思い起こすのが、他ならぬ安倍晋三首相の発言である。

2017年10月の総選挙に際して行った記者会見で、少子高齢化を「国難とも呼ぶべき事態」と位置づけ、突如として、増税される消費税の使途変更を宣言した。

国の舵取り役たる総理大臣の言葉は重い。首相の発言を耳にした私は、「ようやく、少子高齢化への対応に本腰で取り組むことにしたのか」と期待を抱かずにはいられなかった。

だが、それが全くの「ぬか喜び」であったことを思い知らされるのに、多くの時間を要しなかった。

安倍首相の口から続けて飛び出した対策が、幼児教育・保育、高等教育の無償化だったからである。「国難」と大上段に構えた割には、スケールがあまりに小さい。スケールの大小だけでなく、「どこかズレている」と感じた人も多かったのではないだろうか。

深刻な少子化にある日本においては、子育て世代が抱える不安を解消しなければならない。だから、教育・保育の無償化について、「全く無意味だ」などというつもりはない。

だがしかし、今後の日本社会では高齢者が激増する一方で、少子化が止まる予兆がない。このままでは勤労世代が大きく減り、社会システムが機能麻痺に陥る。日本という国自体が無くなってしまうことが懸念されるからこそ、「国難」なのである。

その対応には、ダイナミックな社会の作り替えが不可避だ。私が首相に期待したのは、人口が激減する中にあっても「豊かさ」を維持するための方策であり、国民の反発が避けられない不人気な政策に対し、真正面から理解を求める姿であった。

「具体的な変化」に置き換える
「ズレ」は、首相や議員だけでなく、イノベーション(技術革新)や技術開発の現場にも見つかる。少子高齢化に伴う勤労世代の減少対策として、人工知能(AI)やロボットなどに期待が高まっているが、開発者たちは本当に少子高齢社会の先を見据えているだろうか?

その典型が、話題の超高精細映像システム「8K」だ。鮮明な画像で楽しみたいと心待ちにする人も少なくないだろう。「8K」技術そのものに、ケチをつけるつもりは毛頭ない。むしろ、厳しい開発競争に打ち勝った技術者たちの努力には賞賛の拍手を送りたい。

〔Photo〕iStock
ただし、超高齢社会を睨んだとき、追い求めている技術が果たして、超高精細映像システムでよいのかが疑問なのである。今後どんなにクリアな画像を実現したとしても、老眼鏡ではせっかくの性能を楽しめない。

高齢者たちが求めているのは高画質ではなく、むしろ「音」にある。耳が遠くなり、ボリュームを大きくしてテレビを見ている人は多い。聞き取りやすい小型スピーカーを搭載したテレビを安く手に入れたいという声は少なくないはずだ。

技術開発とは、社会の課題克服のためにある。ならば、開発者たちは高齢者のニーズをもっと聞くべきであろう。

ネット通販は切り札か?


「ズレ」といえば、最近普及してきたインターネット通信販売(以下、ネット通販)もそうだ。買い物難民¢ホ策の切り札の如くに語る人も少なくない。

だが、ちょっと待っていただきたい。ネット通販が本当に切り札と言えるのだろうか?

荷物を運ぶ人手は少子化に伴って減りゆく。買い物難民¢ホ策だと言って普及させればさせるほど需要が掘り起こされ、トラックドライバー不足はより深刻になる。

無人のトラックが走り回る時代も遠くないとされるが、トラック自らが荷棚から個別のお届け物をより分け、重い荷物を玄関先まで運んでくれるわけではあるまい。少子高齢社会において、ネット通販が遠からず行き詰まることは簡単に想像できよう。

こうした「ズレ」をなくすには、少子高齢化や人口減少によって起こる大きな数字の変化の意味を、想像力を豊かに働かせて、あなたの身の回りに起こる「具体的な変化」に置き換えるしかない。

全く新しいアプローチで
『未来の年表2』は、タイトルでもお分かりのように、ベストセラーとなった前著『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』の続編である。今後続く私の「未来シリーズ」の第2弾という位置づけだ。


2017下期新書1位、45万部超の大ベストセラー!
ベストセラーの続編というのは、大概が前著の余勢を駆った二匹目のどじょう狙い≠ナある。しかし、本書に限っては決して二番煎じをしようというものではない。

前著において私は、少子高齢社会にあって西暦何年に何が起こるかを「人口減少カレンダー」を作成することで俯瞰した。こうしたアプローチは多くの読者の支持を得た。「人口減少の危機をかなり具体的にイメージできた」という感想も多く頂いた。

他方、私は限界も感じていた。前著では、少子高齢化や人口減少を、全体の姿をなかなか現さない巨大なモンスターにたとえたが、「人口減少カレンダー」だけでは、モンスターの全貌をとらえきれないと思ったのだ。

安倍首相や8Kテレビ開発者の「ズレ」も、モンスターの図体が大き過ぎるからこそ、生じたのだろう。ならば、今回は全く新しいアプローチで迫ろうと思う。

そのヒントは、読者の皆さまから頂いた。

私はかねて講演に招かれる機会が多いのだが、前著『未来の年表』を刊行して以降、その数は激増した。はるかイギリスのテレビ局をふくめ、バラエティ番組やラジオ番組、月刊誌や週刊誌などさまざまなメディアからインタビューを受ける機会も増えた。

数多くのお便りも頂戴した。その中でとりわけ多かったのが、「自分の日常生活で何が起こるのかを教えてほしい」というリクエストである。

ある講演会が終わったときのことだ。数年後に定年を迎えるという女性会社員に呼び止められた。そしてこう言われたのである。

「私が聞きたかったのは、政府や国会議員にならなければできない政策ではなく、自分の定年退職後にどんな社会が待っているのかということです。私たちがいま備えておくべきこと、これからできることは何なのかを知りたいと思っている人は多いはずです」

また、年配の中堅企業経営者からのお便りにはこう綴られていた。

「人口減少の深刻さはよく分かりました。企業レベルとしてもできることはあるはずです。どこから始めればよいのかを知りたい」

前述した電車やバスの乗降問題などはほんの一例だが、人口減少や少子高齢化をより正確に、より深く理解しようと思うならば、個人の身の回りで起こり得ることを、より具体的にイメージする必要がある。

少しばかり想像力を働かせてみることが、「ちょっと方向違い」な政策や商品開発を減らすことに間違いなくつながってゆく。

ギフトカタログのように
そこで『未来の年表2』は、あなたの身近なところで起こる変化を、より具体的にイメージするための手助けをしようと思う。

今回は、少子高齢化や人口減少が人々の暮らしにどのような形で降りかかってくるかを、あなたの生活に即しながら明らかにする。言うなれば、これからあなたに起きることを、お中元やお歳暮のギフトカタログのように一覧してみようというのだ。

もちろん、それは個人的な妄想や願望、思い込みではいけない。データや知見に基づいた精緻な予測を前提とする必要がある。

人はいろいろな顔を持って暮らしている。職場や地域社会、家庭といったどの生活シーンにおいても少子高齢化や人口減少の影響を避けられない。しかも、その人の年齢や住む場所、性別などによって、見える未来も、降りかかる影響も大きく異なることだろう。

この問題を真に理解し、うまく立ち回っていくためには、さまざまなシーンを「あなた自身の問題」として具体的に置き換えなければならない。

ビジネスに役立つカタログ


したがって第1部では、少子高齢化や人口減少によって起きるであろうことを、家庭、職場、地域社会といったトピックスに分けてカタログ化する。若い読者にもわかりやすく内容を理解してもらうために、「人口減少カタログ」を各トピックに載せた。

 
あなたにの身に起きることが、ひと目で分かる人口減少カタログ(一部抜粋)

第1部目次(抜粋)
◎伴侶に先立たれると、自宅が凶器と化す
◎亡くなる人が増えると、スズメバチに襲われる
◎東京や大阪の繁華街に、「幽霊屋敷」が出現する
◎高級タワマンが、「天空の老人ホーム」に変わる
◎80代が街を闊歩し、窓口・売り場は大混乱する
◎オフィスが高年齢化し、若手の労働意欲が下がる
◎親が亡くなると、地方銀行がなくなる
◎若者が減ると、民主主義が崩壊する
◎ネット通販が普及し、商品が届かなくなる
◎オールド・ボーイズ・ネットワークが、定年女子を「再就職難民」にする


前著『未来の年表』が年代順というタテ軸を用いて俯瞰したのに対し、本書は「人口減少カレンダー」で起きる出来事を「ヨコ軸」、すなわち面としての広がりをもって眺める。そうした試みによって、人口減少社会とはどんな姿なのかをより立体的に把握できると考えたからだ。

もちろん、すべての生活シーンを再現できるわけではない。「これから儲かるビジネスは何ですか?」などというストレートな質問を頂くことも少なくないが、私はジャーナリストであり、ビジネスコンサルタントやマーケットリサーチャー、ましてや予言者ではない。

人口動態から社会の変化の兆しを先読みすることはできても、あまたある職種に今後起こりうることをすべて知る術を持っているわけではない。

しかし、主だった生活シーン、ビジネスシーンへの影響をデータの裏付けをもって疑似体験できるように描けたならば、それが結果として、ビジネスチャンスや個々人のライフプランづくりに役立つことになるだろう。

小さな子供を持つ親御さんならば、「子供の将来」への不安も小さくないだろう。『未来の年表2』はそれを考えるヒントにもなる。

第2部では、個々人や会社などで「今からでも始められる対策」を中心に選択肢としてメニュー化した。

どこかズレている政治家や官僚、古い体質の企業経営者の変化を待っているだけでは、もはや遅い。地域や一般社員、個々人のレベルで「今できること」を着実に進めることが極めて重要となってきている。

一人ひとりの取り組みが日本社会の価値観や常識≠変え、いつか世論となり、社会ニーズとなっていく。われわれが政府や企業を動かしていかなければ、この国は衰退の道を歩み続ける。

私は少子高齢化を「静かなる有事」と名付けたが、近年の出生数の減り幅の拡大ぶりを見ると刻々と進んでいる印象だ。人口減少のスピードは思ったより速くなるかもしれない。まさにいまが日本の正念場ともいえる。

時間はさほど残されているわけではない。過去の成功体験にしがみつき、人口減少や少子高齢化対策に逆行するような愚行は許されないのである。

『未来の年表2』が、あなたを救う一助にならんことを願う。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/55466?page=4


 

無給で働く医師、必要悪の理由第38回 まだまだ遠い働き方改革への道

一介の外科医、日々是絶筆
2018年11月29日(木)
中山 祐次郎
 こんにちは、総合南東北病院外科の中山祐次郎です。現在京都大学大学院で勉強中です。
 さて、まずは近況から。
 秋が深まり、京の街は徐々に色づいて参りました。観光に来られるお客さんが増えるとともに道路は渋滞し、バスは満員になり、ただでさえあまり良くない交通状況はさらに悪化しました。
 そんな中、私はこの1年のみの京都滞在ということで、あちこち紅葉を見に行っております。いくつか写真でご覧いただきたいと思います。

永観堂、人が多くて参りました

清水寺

鞍馬山、ずいぶん階段を登っていくとあります
 このように永観堂、清水寺、鞍馬寺というメジャーなところのみならず、街を歩いていても色づく葉を楽しむことができました。

京大前で見つけた紅葉
医師だけには認められていない働き方改革
 では本題に入りましょう。本タイトルにもある「無給で働く医師」について、今回は皆様にご紹介したいと思います。
 皆様ご存じの働き方改革ですが、先日医療の分野でもついに働き方改革が導入されました。こんなポスターが厚生労働省によって配布されています。

 パッと見、「医療機関で働くすべての人に適用されます!!」と大々的に書かれています。
 これは働き方改革関連法の施行に伴うもので、いやあ、やっと医療業界もちょっとはブラックではなくなるのかな……と思いました。しかし、注目していただきたいのが真ん中辺りの赤字。「医師については応召義務等の特殊性を踏まえ、2024年度から適用されます」とあります。
 実はコレ、医者だけは働き方改革の導入が延期されているのです。
認めたら医療が崩壊するという現実
 あまりご存じない方が多いかもしれません。働き方改革法案の議論のさなか、医者だけは適応を延期することになったのです。まあ厚生労働省の気持ちも分かるのですが、だったら医者だけじゃなく医療職全体にしてくれないと医者の過労は加速するではないか……と私は思っておりました。
 しかしなぜ、医者だけ延期になったのでしょうか?
 これは病院で働いていたら当然のように納得できるのですが、もし医者もすぐに適応したら医療が崩壊するのからです。日本の医療は、医者の多大なる自己犠牲の下に低コストで世界最高レベルの質を保っているのです。自己犠牲は、常態化している36時間以上の連続勤務や、ほぼ毎年のように発生している過労死する医師のニュースから見ても明らかです。
 そんな中、一つのニュースが飛び込んできました。「無給医」(むきゅうい)という聞き慣れない単語です。NHKが2018年11月の初めに「ニュースウォッチ9」という番組で特集したことから、この問題に火が付きました。
 無給医とは、無給で働く医師のことです。いやいや待てよ、医師は高給取りで有名で、ましてや無給で働くなんてこの現代日本にあるはずがないじゃないか……そんな声が聞こえてきそうです。しかし、無給医は確実に存在します。
 ここからは、NHKやjoy.net、m3.comという媒体の調査結果に加え、私がSNS等で独自に呼び掛け、実際に無給医から聞いた内容から実態をお示ししたいと思います。

なぜ無給で働く? 医師兼大学院生のカラクリ
 ではなぜ、医師は無給で働くのでしょうか? そもそも医師の給与は高く、拙著「医者の本音」にも書いたように、だいたい勤務医の平均年収は1500万円、開業医は2500万円です。にもかかわらず、無給で働く医師がいる場所があります。
 それは、大学病院です。大学病院では、主に医師のライセンスを持った大学院生が無給で医師の仕事をしています。大学病院の医局に所属する医師の多くは、一度医師となり臨床現場で働いた後、数年してから大学院に入ります。医師を4〜 5年経験してから大学院に4年間通うのが、定番コースと言ってもいいでしょう。この4年間は大学院生ですから、学生として研究を行い、論文を書いて学位審査で認められれば「医学博士」となります。授業料を4年間納め、学生証ももらいます。
 しかし実のところ、かなりの割合の医局では丸々4年間、学生をさせてくれるわけではないのです。様々な理由で、4年間のうち1〜 2年は医者として働く場合が多いのですね。このとき、「無給医」になってしまうケースが多々あります。
若手医師が「無給医」を容認する理由
 様々な理由とは、このようなものが考えられます。
1. 慣習・人手不足
2. アカデミック・ハラスメントやパワーハラスメント
3. そもそも条件交渉の文化が皆無
1. 慣習・人手不足
 恐ろしいことに、「昔からそうだったから」という理由で無給医というシステムが続いていることがあります。大学病院では多くの仕事があるそうですから、それらをやるためには医師歴が4〜10年目くらいの医師ってちょうどいいのですよね。何でもだいたい一人でできる年代ですし、もっと上になるとフットワークが重くなりますから。実にちょうどいい。
 人手不足のところに、「院生を割り当てる」ことで診療を維持させている医局は実に多いのです。まあこれは何も強制労働ではなく、院生側の希望のこともあるでしょう。院生は医者です。若い医者は普通、「臨床現場から4年間まるごと離れると技術や知識が落ちるのが心配」と考えます。その気持を受け止めてくれるのが、院生の間の1〜2年を働くパターンです。これは、フルタイムで給与が付いて働く人もいれば、週に3日だけで時給1000円という人もいるようです。
 時給1000円でも、大学卒で専門職を働かせるにはなかなかの低額です。アルバイト医師の時給の相場はだいたい5000〜1万円です。さらに問題なのは、もっと安い給与の場合もあり、時給は最低賃金を下回っているケースもありました。
2. アカデミック・ハラスメントやパワーハラスメント
 そういう状況であっても、医師は黙々と働きます。なぜなら、医師の世界は非常に強い縦社会。一つでも上の学年の医師には絶対に逆らえません。これは医局に入っていなくてもまあまあ感じますし、医局ではかなり強固でしょう。
 さらには、院生のボスである教授は、医学博士の学位を院生に取らせるかどうかという立場にあります。気に入ったかどうかで学位授与を決める浅ましい教授はいないでしょうが、院生の研究に協力したり、研究がうまくいくような状況を提供したりする可能性はあります。このような学位授与と労働・雇用の権力が医局の上層部に集中するため、間違っても院生は文句が言えないでしょう。ここには、パワーハラスメントやアカデミック・ハラスメントの成分が含まれています。
 文句を言うとしたら、それは医局を辞めるということになるでしょう。
3. そもそも条件交渉の文化が皆無
 そして、そもそも医師には条件を交渉するというスキルがある人はとても少ないのです。初めての就職はマッチングというシステムで厚生労働省が決めますし、医局に入れば後はどの病院に勤めても労働条件は医局との間で決まっており、医師個人がすることは稀です。ですから、もともと悪い条件を言われてもYesと言うしか選択肢がないのです。
 これらの理由が複合的に合わさって、無給医というシステムは何十年も存続してきました。そして今回NHKが取り上げなかったら、私も取り上げる勇気がなかったでしょうから、「医者なら誰でも知ってるけど、誰も言わない」状態が続いたことでしょう。
「無給医は必要悪」と医者自身が言う理由
 m3.comが行った無給医の調査では、実に198人の医師が「無給医経験あり」と答え、さらに「計34大学」もの名前が勤務先の大学病院として挙がったそうです。日本には約80しか大学病院がありませんから、およそ半数ということになります。恐ろしい。
 そしてこの調査では、「無給医は必要悪である」という、医師自身からの意見が複数寄せられていたことも特記すべき点です。医局の維持のためには、無給で院生を働かせなければ仕方ない、ということでしょうか。 大学病院経営は厳しさを増しているそうですし、教育や高度な治療を担っている大学医局をただ非難すればいいというものではありません。しかし、体制を維持せねばならないことと、医師を無給で働かせていいということは全く別の問題です。
 冒頭に述べたように、医師以外の医療職は働き方改革で残業が減るでしょう。そのしわ寄せは医師に来ます。経営者であれば、文句を言わず安い人件費で働いている医師に仕事を回すのは当然ですから。
文科省、調査へ
 この報道を受けて、ありがたいことに文部科学省が調査することになりました。柴山昌彦大臣は、「5年前の調査で、すべての大学院生の雇用契約が結ばれていることを確認しているが、改めて実態把握を行うことを検討したい」( NHK NEWS WEB の2018年11月22日付記事)と発言しました。存在は認めていないものの、まずは実態調査をするということ ですね。https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181122/k10011719941000.html 
 ただ、きちんと実態調査ができるかどうかは非常に難しいと思います。だって院生は大学を経由して書類などを受け取るでしょうから、正直に書けるかどうか、改ざんがないかどうか。骨抜きにならないことを祈りつつ、今回はお開きとさせていただきたいと思います。医師だけのサイトなどでは「ドレ医」(奴隷)と揶揄されていますが、このような人がいなくなるといいですね。
 なお、無給医は大学院生以外でも存在します。詳細は私が書いたこの記事をご参照ください。
https://news.yahoo.co.jp/byline/nakayamayujiro/20181028-00102034/ 


このコラムについて
一介の外科医、日々是絶筆
現役の外科医(2017年2月〜3月は福島県の高野病院院長)として働く筆者が、時事ニュースをメスで切り込んだ解説や、健康や病気にまつわるお話、他所では言えない医者の本音などをつづるコラム。月2回くらい(緊急ニュースがあればこれに限りません)のペースでお届けします。

https://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/16/011000038/112800050


なぜタダで働くのか?「無給医」たちの現実 〜医師の視点〜
中山祐次郎 | 一介の外科医 10/28(日) 10:30 無給医ー給料をもらわずに医者の仕事をする人々

 先日、NHKのニュースウォッチ9で「無給医」(むきゅうい)についての放送があり、話題になりました。本記事では、実際にいる無給医の実態と、その実状を医師の立場から解説します。なお、筆者は外科医師で、部分的に無給だった勤務経験があります。
なぜ無給なのか?
 まず、「無給医」とは、無給で働く医者のことです。無給といっても意味が通じないかもしれませんが、色々な理由で本当に給料をもらわずに労働している医師が存在するのです。ほとんどは医師になって3〜12年目くらいの若手・中堅医師です。私の知人医師にも経験者は何人もいます。
 無給医は大きく3タイプに分かれ、それぞれによって無給である理由が微妙に異なります。
無給医には3タイプ
 ここで3タイプの無給医を紹介しましょう。順に説明します。
1. 「勉強したいから無給」医
2. 「大学院生で無給」医
3. 「医局の都合で無給」医

1. 「勉強したいから無給」医
 「勉強したいから無給」医は、言葉のとおり「この病院で働きつつ高度なスキルを勉強したいから、無給で働かせて下さい」というもの。実は私も若い頃、月15日の給料のみという契約でしたが勉強したかったので月22日勤務していたことがあります。事務方からは、「その7日は趣味で来ているということにして下さい」と言われていました。私の先輩医師には、完全フルタイムで働きつつ無給で勤務した医師も数人います。
 この「勉強したいから無給」というスタイルは、医師の世界ではそれほど特殊なことではありません。なぜなら後述するように、医師は超長時間労働さえ覚悟すればアルバイトで生計を立てられるからです。
2. 「大学院生で無給」医
 次に、大学院生で無給というスタイルがあります。医局に入局した医師の多くは、だいたい卒業まで最短で4年かかる大学院に入学します。そこで大学院生として講義に出たり研究をしたりしながら、その4年のうち1、2年は大学病院で給与は出ないまま医師の仕事をするパターンが非常に多いのです。
 調査したわけではありませんが、耳に入ってくる医師の大学院生は8割以上がこれに当たります。下手をすると、「人手が足りないから」という理由で大学院に進学したが研究をする時間を与えてもらえず、ずっとタダ働きをしていたなんてこともあるのです。その結果研究が進まず論文が完成しないため、大学院には行ったが卒業できなかった、又は博士号が取得できなかったというケースも存在します。
3. 「医局の都合で無給」医
 最後は医局の都合で無給医をやっている医師です。このタイプが人数としては一番多いかもしれません。こちらは、医局が「大学病院に有給職として雇えるのは○人」と決まっており、しかしそれでは人手が足りないため無給医として大学病院に勤務させるというもの。
 そんなひどい話があるのか、それなら医局を辞めればいいのでは、という声も聞こえてきそうです。が、やはりアルバイトで生計がある程度立ってしまうのと、医局をやめることは大学病院医師としてのキャリアを失うことになります。さらには医局の人間のつながりがあり、「人助け」が信条の医師はついその立場に甘んじてしまうこともあるでしょう。また、大学病院でしかできない病気の治療や高度な治療、そして稀な病気の治療や研究に携わりたい人もいます。
 また、女性医師は妊娠・出産・子育てに関連して有給→無給医と命じられることがあります。実際にそれを言われた女性医師がNHKのニュースウォッチ9(2018/10/26放送)で出演していました。さらにjoy.netというサイトでも無給医のリアルな声が多数寄せられています。
勤務証明がないので認可保育園に入れない
 無給医は、その勤務実態を証明する勤務証明がなく、従って社会保障がありません。また、認可保育園に入園することもできないのです。joy.netにはこのような声が寄せられています。
無給の場合は実際に働いていても勤務証明を出してもらえないので、認可保育園に入園することができない。
出典:joy.net
 若い医師がタダ働きをしたあげく、社会保障がなく、保育園でも苦戦する。これが今の大学病院の現状です。
なぜいま無給医が取り上げられるのか
 この無給医、なぜ今まで問題にならなかったのでしょうか。重要なポイントは2つあります。
 1点目は「医師はアルバイトで食っていける」という点です。医師には、アルバイトというシステムがあります。医師がするアルバイトは、普通のアルバイトと同じで時給か日給で一日〜数日間など病院で働いてアルバイト代をもらうもの。中には金曜日の朝から日曜日の夜までぶっ通しで働くものがあり、割がいいのです。これだけ毎週やっていれば、年収は800万円を超えます。詳しくは日経ビジネスオンラインの記事にも書きましたが、アルバイトだけで生計が立つのです。ですから、本業(フルタイムの仕事)は無給でもやっていけるという事情があります。もちろん、労働時間は超長時間にはなりますが。
 もちろん、「食っていけるからフルタイムは無給でいいだろう」という論理は誤りですが、場合によっては無給医みずからがそう考えていることもあります。
 2点目として、私は労働体制に文句が言えない業界体質を指摘します。医師の大多数は大学医学部の医局という組織に所属し、基本的にその医局の人事で動いています。医局とは教授をトップとするピラミッド型の構造で、多くの場合給与や階級(職位)はおおむね年功序列です。
 私は大学病院と無縁に働いているためこういった発言ができますが、大学病院勤務、あるいは医局に所属する医師にはまず不可能でしょう。大学病院を辞めても他の病院で働けばいい、という話はありますが、大学病院は多くの都道府県では1つしかなく、県内じゅうの大きな病院は医局が強い影響力を持っています。医局との関係が悪くなれば、そのエリアでは働きづらいという状況に陥る可能性もあるのです。
解決策は?
 では、この問題の解決策はあるのでしょうか。残念ながら現段階では、厚生労働省などから強い力で無給医問題に取り組んでもらうことくらいしかないと考えます。問題の根本には、大学病院にはそもそも多くの医師を有給で雇う経済的余裕がない点があります。大学病院は好き好んで無給医のシステムを取っているわけではありません。これが解決しないうちは、無給医はいなくならないでしょう。現在厚生労働省は「医師の働き方改革」を進めていますが、その中身であるタスクシフティングなどがすぐに解決に繋がるとは考えづらい状況です。
最後に
 無給医を取り上げたNHKの番組では、大学病院を所管する文部科学省が「無給医は存在しない」とコメントしたと紹介しています。しかし全国には、無給で、あるいは過酷な待遇で働く医師が存在しています。本問題の闇は深く、光を当てることさえままなりません。
 しかし、無給という待遇は当然ではありません。この記事では問題提起のため、無給医を取り上げました。


中山祐次郎一介の外科医

1980年生。聖光学院中・高卒後2浪を経て、鹿児島大学医学部卒。都立駒込病院で研修後、同院大腸外科医師(非常勤)として10年勤務。2017年2月から福島県高野病院院長、現在福島県郡山市の総合南東北病院外科医長として、手術の日々を送る。資格は消化器外科専門医、内視鏡外科技術認定医(大腸)、外科専門医など。モットーは「いつ死んでも後悔するように生きる」。著書は「幸せな死のために一刻も早くあなたにお伝えしたいこと」(2014年幻冬舎)、「医者の本音」(SBクリエイティブ 2018年)。Yahoo!ニュース個人では2015年12月、2016年8月、2017年6月、2018年6月のMVA賞を受賞。
• NakayamaYujiro
• yujiro.nakayama
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https://news.yahoo.co.jp/byline/nakayamayujiro/20181028-00102034/

 

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