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外国人材法案はブラック業界を助長し日本に新たな人権問題を生む(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/18/hasan129/msg/763.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 12 月 06 日 15:03:45: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

外国人材法案はブラック業界を助長し日本に新たな人権問題を生む
https://diamond.jp/articles/-/187621
2018.12.6 窪田順生:ノンフィクションライター ダイヤモンド・オンライン


政府がゴリ押ししている入管法改正案が通れば、外国人労働者が大勢日本に入ってくる。しかし、低賃金・長時間労働の劣悪業界に彼らを送り込むことは、徴用工問題や慰安婦問題に匹敵する、新たな人権問題を引き起こしかねない。(ノンフィクションライター 窪田順生)

2025年の日本は地獄絵図!?
増える外国人は社会問題になる



人手不足なのは、そもそも待遇がブラックだから。そこに外国人を押し込もうという安易な発想は、国際的な人権問題に発展するはずである Photo:PIXTA

 ある朝、目が覚めてテレビをつけたあなたの目に飛び込んだのは、もはや食傷気味となっていたいつもの話題だった。建設現場で日本人上司から執拗な「言葉の暴力」を受けていたベトナム人の若者が、SNSに家族への遺書を残して自殺をしたというのである。

 先週は、福祉施設で働く中国人女性が、施設長から「胸揉んでいい?」「結婚しよう」などと迫られ、それを拒否したら「お前らのような外国人労働者はいつでも日本から追い出せるんだからな」と脅された音声をウェイボー(中国のSNS)にアップして大炎上したばかりだ。

 今回も、BBCやCNNをはじめ世界中のメディアが、「日本がまた外国人差別」なんておもしろおかしく取り上げるのは間違いない。今や「Black Company」や「sakusyu」(搾取)という言葉は、「karoshi」(過労死)とともに世界に知れ渡ってしまっている。

「外国人差別や低賃金労働を強いる国なんて他にもいくらでもある」と、当初は欧米の理不尽なジャパンバッシングだと主張する評論家も多かったが、次第に皆「あれ?そんなこと言ってましたっけ」という感じで口をつぐんだ。

 日本中で無職の若者たちが無差別に外国人を襲う事件が続発し、「外国人は出て行け!」と声高に叫ぶデモも増え始めたからだ。小学校では、「日本の福祉目当てに来るな」と外国人の子どもへのイジメが問題となっている。大阪で万博開催を間近に控えているというのに、日本のいたるところで「外国人への憎しみ」が渦巻いているのだ。

 まったくどこのどいつだよ、「外国人労働者」で世の中が良くなるなんて言ってたのは。いや、というより、7年前になぜ我々は、あの法案がどんな未来を招くのかということをもっと真剣に考えなかったのか――。

 しょっぱなから一体なんの話だと戸惑う方も多いだろうが、これは2025年ごろ、あなたが目の当たりにしているかもしれない、日本社会の「未来予想図」である。

 現在、政府がゴリ押ししている入管法改正案は、低賃金労働の固定化や、社会保障をどうするのかなど、さまざまな問題が発生することが指摘されているが、実はその中で最も早く、誰の目に見てもわかりやすい形で顕在化してくることがある。

 それは、「外国人労働者」という弱い立場の方たちに対する、パワハラとセクハラの問題だ。

すでに外国人労働者への
セクハラ・パワハラは勃発している


「認定外国人労働者第一号」が来日をした当初は、雇用主たちも世間に注目されていることもあって、高度経済成長期の「金の卵」のように大事に扱うが、2年、3年も過ぎれば、日本の労働者に対しても行なっているようなパワハラ、セクハラがポツポツあらわれはじめるだろう。そこに加えて、どの開催国でも起きている「五輪不況」によって、外国人労働者を受け入れた業界も苦境に陥ることで、かつての派遣労働者のように「雇用の調整弁」として、外国人労働者を「雑」に扱う企業が増えていく可能性が高いのである。

 なぜそんなことが言えるのかというと、冒頭の「未来予想図」のプロローグ的なことが、すでに日本のそこかしこで進行しているからだ。

 例えば、2014年6月に来日したガンボジア人の技能実習生は、東京都内の建設会社で配管工として働き始めたが、上司から「アホ」「死ね」など暴言を吐かれたあげく、工具でヘルメットを思いっきり叩かれた。

 さらに、作業中に電気のこぎりで、左手人さし指の先端を切断したら、「金欲しさにわざと切ったのだろう」と執拗にディスられて、うつ病になり労災認定されている。

 茨城の大葉農家に住み込みで働いた実習生の中国人女性は、大葉を束ねる作業を「内職」とされ時給300円でこき使われたあげく、作業中に雇用主からお尻などのボディタッチをされた。また、「結婚してくれ」「子どもを産んでくれ」などと囁かれ、入浴中に踏み込まれもした。

 もちろん、これは氷山の一角に過ぎない。実習生の多くは、日本に来る際に渡航費などを借金として背負っているケースが多いので、どんな理不尽な目にあっても逃げられない。貧しい寒村から身売りされた「おしん」のように、じっと耐え忍んでいるからだ。

 外国人留学生や技能実習生でさえ、まともな賃金と待遇で迎えることができないのが、今の日本の現実なのだ。法改正によって外国人労働者の総数がドカンと増えれば当然、「被害」の声を上げようという人も増えていくのは、火を見るよりも明らかだ。

外国人労働者が増えると
ブラック職場も増える理由


 なんてことを言うと、「留学生や技能実習生の問題を解決するためにも、『外国人労働者』をしっかりと活用できるような法整備が待ったなしなのだ」などと、もっともらしい反論をする方もいらっしゃる。こうした方々は、「労働者数が十分に増えれば、待遇は自ずと改善する」という楽観論者でもある。しかし、どんなに立派な制度設計をしようが、何十万もの労働者を受け入れようが、今の方向性では、100年経っても、外国人にパワハラやセクハラをする事業者を撲滅することはできない。

 一度でも、給料安くて待遇最悪、パワハラも蔓延みたいな職場で働いたことがある方ならばよくわかっていただけるだろうが、「ブラック労働現場」というのは、どんなに「人手」が足りてきたとしても、「ホワイト労働現場」に変わらない。

 大量の労働者が職場に流れ込んでも、賃金も低いし、待遇も悪いので、フットワークの軽い人は逃げ出すし、責任感のある人は潰れていく――という感じで、単に入れ替わりが激しくなるだけ。ブラックぶりはまったく変わらない。

 むしろ、職場環境は間違いなく悪くなる。

 ちょっと考えれば当然だ。経営者からすれば、低賃金労働者がじゃんじゃん来てくれるのだから、賃金を上げる理由が見当たらない。離職率が高いというのも裏を返せば、堂々と「使い捨て」にできるということだ。つまり、労働者が増えれば増えるほど、福利厚生や労働環境の整備をする必然性がどんどん減っていくのだ。

 ここまで言えばもうお分かりだろう。「外国人労働者」という名の低賃金労働者がワッと入っても、人手不足に悩む業界がホワイト化することは断じてない。むしろ、労働環境はより悪化して、彼らよりも弱い立場の留学生や技能実習生をさらなる苦境へと追いやることになるのだ。

 そして実はこれも、すでに発生している現象から容易に予想できる。それは技能実習生の「失踪」だ。

 現在、国会でも野党が追求しているが、外国人技能実習生が、受け入れ先企業と揉めて、姿をくらますケースが右肩上がりで増えていて、2017年には7000人を超えている。

「真面目でよく働きます」というのが謳い文句の彼らが、なぜ仕事をおっぽり出して逃げるのかというと、人間関係もあるが、最大の原因は「雇用のミスマッチ」が発生していることだ。

 現在の職場よりも、金払いのいい仕事があると聞いて、そちらへ流れていく。つまりは、低賃金で辛い仕事に嫌気がさして、次の日から出社しなくなる日本の若者たちと、それほど変わらぬ力学が働いているのだ。

 これも冷静に考えれば当然だ。国会や一部のインテリは、「来るべき人口減少のためにも、外国人労働者の受け入れは待ったなし」なんて感じで、外国人労働者のことを、日本人が思いのままに動かせる「奴隷」か「部品」のように捉えているが、彼らは我々となんら変わらない「人間」である。

外国人労働者受け入れの前に
ブラック業界の待遇を改善すべき


 人がやりたくないような辛い仕事はやりたくないし、低賃金でコキ使われるのは嫌に決まっている。もっといい賃金、もっといい環境で働きたいと考えるのは当たり前だ。

 日本人は勝手に、賃金も低くて待遇も悪いがゆえに日本人の働き手が集まらない業界へじゃんじゃん送り込もうとソロバンを弾いているが、彼らにも職業選択の自由がある。しょうもない低賃金で搾取したり、パワハラやセクハラが蔓延したりというブラック業界からは当然、どんどん離れていく。その動かぬ証拠が、7000人の失踪者だ。

 この雇用ミスマッチは、「外国人労働者」を何十万人受け入れたところで、なにも変わらない。つまり、今回の法案をいくら気張って通したところで、「人手不足」は解消されず、不人気業界の「ブラック化」に歯止めはかからない、むしろ「被害」を訴える労働者はどんどん国際色が豊かになっていくので、冒頭のように、日本の労働現場における「外国人差別」を世界の隅々まで広めることにしかならないのである。

 こんな暗い未来が容易に想像できるのに、「それでも日本人は戦争を選んだ」というのと同じように、「それでも日本人は外国人労働者の受け入れを選んだ」と、避けられない運命みたいに格好良く押し通そうという人も多いだろう。

 ただ、太平洋戦争に負けるにしても、もっといい負け方があったように、外国人受け入れも、もっといい受け入れ方がある。筆者は外国人労働者を決して受け入れるな、などと極論を言っているわけではない。先ほども申し上げたように「人手不足」というのは、ブラック労働がもたらす雇用ミスマッチが大きい。賃金アップや待遇改善という基本的な問題を、まずは国内の経済政策で解決しなくてはならないのだ。

 そこにまず着手をして、現在の留学生や技能実習生の賃金や待遇を上げてから、外国人労働者も受け入れようというのならばわかる。しかし、ブラック労働という日本国内の問題をキープしたまま、労働力の頭数合わせ的に海外から受け入れても、必ずセクハラやパワハラという問題が表面化し、最悪、国際的な人権問題に発展する。

 つまり、受け入れるにしても、ちゃんと体制を整えてから受け入れなくては、我々の子どもや孫の世代にひどい負の遺産を残すといっているのだ。

 それを我々は歴史の教訓から、痛いほど知っているはずだ。

新たに徴用工や慰安婦問題に
匹敵する国際問題を作りかねない


 ご存じのように現在、日本は韓国から徴用工問題を蒸し返されているが、「外国人労働者の『輸入』が日本社会に100年の禍根を残す理由」で述べたように、この朝鮮人労働者問題も元を辿っていけば、当時の日本企業が炭鉱採掘現場の雇用ミスマッチを解消できず、安易に「労働力の輸入」に頼ったからだ。

 いまだに、何かにつけて政治的かけ引きにも利用される、「従軍慰安婦」の問題も同じだ。「朝日新聞」が担いだ吉田清治氏の嘘をいち早く指摘していた歴史学者の秦郁彦氏の「慰安婦と戦場の性」(新潮社)によると、朝鮮半島には1910年代から日本人の芸妓、酌婦、娼妓という「接客婦」も多く進出していた。しかし、戦況が悪化するにつれて「日本人接客婦の減少を朝鮮人女性で埋めようとして」(同書P42)、貧しい山村から身売りされた朝鮮人女性を扱う朝鮮人女衒への依存度が増していったのだ。

 この構図は、日本人労働者が減少するブラック業界に、ベトナムや中国のブローカーが、貧しい村の人間をそそのかし、日本人の穴埋めをするかのように送り込んでいるのと、まったく変わらない。

 嘘だデタラメだ、といくら叫んでも、この2つの労働者トラブルが長い時を経て、いまなお日本を悩ます「人権問題」となっているのは、紛れもない事実だ。

 この歴史の教訓に学べば、外国人の働き手に対して、雇用主がセクハラやパワハラを行なっているこの現状が、これからどのような「人権問題」に発展する可能性があるのかもわかるはずだ。

 なぜ我々の親世代は、こんなバカな法案を通したのだ――。なんて調子で、70年後の日本人たちに呆れられないように、政治家のセンセイたちには、目先の参院選とかではなく、未来を見据えた議論をしていただきたい。

































 

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