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幹部逮捕のファーウェイ「中国封じ込め」の矢面に 米中対立、貿易以外でも幅広く悪化 中国で跋扈する「赤ちゃんのような大人」
http://www.asyura2.com/18/hasan129/msg/771.html
投稿者 うまき 日時 2018 年 12 月 06 日 19:48:17: ufjzQf6660gRM gqSC3IKr
 

(回答先: 長期投資家、日本株に見切り 強まる米景気の減速懸念 クレジット市場は「バブルの状況」パウエル過去利上の効果顕在化まで時間 投稿者 うまき 日時 2018 年 12 月 06 日 19:39:54)

コラム2018年12月6日 / 15:29 / 1時間前更新

幹部逮捕のファーウェイ「中国封じ込め」の矢面に
Christopher Beddor
2 分で読む

[香港 6日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]は今や、地政学的な嵐の中心に完全に入ってしまったようだ。

カナダ司法省は、米制裁措置に違反している疑いで、同社の孟晩舟(メン・ワンツォウ)最高財務責任者(CFO)をバンクーバーで逮捕したことを明らかにした。

今回の逮捕は、ファーウェイに対する各国の風当たりが強まる中で行われた。サプライヤーも影響を受けることは必至だ。逮捕は中国を封じ込めようとする取り組みの「縮図」なのかもしれない。

ファーウェイ創業者の娘でもある孟氏は、米国に身柄が引き渡される可能性がある。7日には法廷審問が予定されている。

複数の報道によると、孟氏には米国の対イラン制裁に違反した容疑がかけられている。また、関係筋が4月、ロイターに明らかにしたところによると、米当局はファーウェイを以前から捜査していた。

孟氏の逮捕により、ファーウェイが米国のサプライヤーと取引を継続できるのかという疑問が生じている。現在は解除されたが、同じく中国のライバル企業、中興通訊(ZTE)(000063.SZ)は今年、米企業との取引禁止という制裁を受けた。ファーウェイは、孟氏のいかなる不正も承知していないとしている。

逮捕はファーウェイの問題をこじらせる。各国が次世代高速通信「5G」技術を構築する中、同社はこの数週間、多くの政治的抵抗に直面していた。

米紙ウォールストリート・ジャーナルは先月、米国が同盟諸国に対し、ファーウェイを使わないよう求めたと伝えた。オーストラリアは8月、同社とZTEを締め出した。ニュージーランドも同様の措置を講じている。また、英通信大手BT(BT.L)は5日、5Gだけでなく、既存の3Gと4Gの基幹ネットワーク部分から同社を排除すると表明した。

投資家には今後の影響がより明らかとなりつつある。米企業からファーウェイを排除することの影響は計り知れない。欧州からの緩やかな排除でさえ痛手となるだろう。

米投資銀行ジェフリーズによると、同社は欧州市場の4割を占める。欧州大陸における通信分野の設備投資は、世界全体の少なくとも4分の1に達する。ファーウェイが今年の売上目標1000億ドル(約11兆円)を達成するのは、ますます困難になるだろう。

ZTE Corp
19.89
000063.SZSHENZHEN STOCK EXCHANGE
-1.20(-5.69%)
000063.SZBT.L
また、孟氏の逮捕が、すでに緊張が高まっている米国と中国の通商交渉に悪影響を及ぼす可能性がある。両国間の調整に度々携わってきたポールソン米元財務長官は先月、世界で今後「経済的な鉄のカーテン」が下ろされると警鐘を鳴らした。

それは、ファーウェイから始まるのかもしれない。



華為CFOをカナダで逮捕、米国が引き渡し求める−中国は抗議
Josh Wingrove、Natalie Obiko Pearson、Mark Gurman
2018年12月6日 16:34 JST
創業者の娘である孟晩舟CFOは1日、バンクーバーで逮捕された
華為とZTEは「同じコインの表裏」−バンホーレン米上院議員
中国のスマートフォンメーカー、華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)の孟晩舟最高財務責任者(CFO)兼副会長が米国の対イラン制裁に違反した疑いでカナダで逮捕された。中国側は激しく反発しており、重要な局面に入ったばかりの米中通商協議が一段と複雑になる可能性がある。

  華為創業者の娘である孟CFOは12月1日にバンクーバーで逮捕され、米国から身柄の引き渡しを求められている。カナダ司法省のイアン・マクラウド報道官が5日の声明で発表した。米司法省は4月、対イラン輸出に対する米国の制裁にもかかわらず、華為がイランに製品を販売したかどうかについて捜査に着手していた。


華為技術の孟晩舟CFO(2014年)写真家:Alexei Druzhinin / TASS / Alamy
  孟CFOの逮捕後、在カナダ中国大使館は直ちに抗議し、米国とカナダが「不正行為を是正」し、同CFOを釈放するよう求めた。米中は数日前に貿易戦争の「休戦」で合意したばかりで、今回の逮捕は両国間の緊張を高める公算が大きい。同CFOの逮捕についてはカナダ紙グローブ・アンド・メールが先に報じていた。

  米司法省は逮捕についてコメントを控えた。カナダ政府へも問い合わせたが、トルドー首相の報道官は同国司法省に質問をするよう求めた。

  華為は文書で、逮捕は米国の要請に基づくもので孟CFOは米国に送還され「詳細不明」の罪状で訴追される可能性があると説明。その上で、孟CFOの容疑に関してほとんど情報を提供されておらず、同CFOによる不正行為を認識していないとし、華為は「カナダと米国の法律制度が最終的に正しい結論に達すると考えている」と主張した。


華為がロンドンに置く拠点を訪れた中国の習近平国家主席(左、2015年10月)フォトグラファー:Matthew Lloyd / Pool via Bloomberg
  米商務省は今年、イランと北朝鮮への不正輸出を巡る以前の制裁措置に絡んだ合意条件に違反したとし、中国の中興通訊(ZTE)に制裁を発動。罰金支払いや経営陣刷新などの米国が示した条件をZTEが受け入れ制裁は解除されたが、同社は事業停止の瀬戸際に追い込まれた。

Six Top Companies by Worldwide Smartphone Shipments

Data: IDC

  米上院のクリス・バンホーレン議員(民主、メリーランド州)は5日夜、華為とZTEは「米国の国家安全保障に対する根本的なリスクとなり得る中国の通信機器会社という同じコインの裏表」だとの声明を発表。「今回のニュースは商務省がZTEに焦点を絞っている間、華為も米国の法律に抵触していたことを裏付けている」とコメントした。


バンホーレン米上院議員フォトグラファー:Patrick T. Fallon / Bloomberg
原題:Huawei’s CFO Arrested at U.S. Request, Sparking Outrage in China(抜粋)
https://jp.reuters.com/article/column-huawei-idJPKBN1O50HC?il=0

 


2018年12月6日 Kate O’Keeffe
米中対立、貿易以外でも幅広く悪化 投資や人権問題、軍事面など

https://diamond.jp/mwimgs/1/e/600/img_1e5ff1fc4fadb9c8df9dc8536b4bd64320167.jpg

 米国と中国の対立は和らぐどころか悪化する一方かもしれない。

 この2超大国は貿易紛争で注目を集めてきたが、他の分野でも対立が激化しつつある。米政府は、投資とインフラ融資を通じて世界中に影響力を拡大する中国政府の動きに対抗しようとしている。

 南シナ海では領有権を主張する中国をけん制するため、米軍の艦船や航空機が日常的にパトロールを行っている。折しも中国は軍事支出を拡大している。また米トランプ政権は、中国が特に米国企業の技術を入手するために用いている方策を妨害するために、さまざまな手段をとっている。

 双方とも相手の攻撃的姿勢を非難しているが、トランプ政権は特に強い行動に出ている。対中強硬姿勢が歴代政権と大きく異なり、新たな強硬姿勢が当分続くことを示すためだ。

マイク・ペンス副大統領は10月に保守系シンクタンクのハドソン研究所で行った政策講演で「歴代政権は中国の行動をほとんど無視してきており、多くの場合、その行動に手を貸してきた」と主張し、「こうした日々は終わった」と述べた。

エスカレートする手段
 2超大国の対立の中心にあるのは、米国の貿易赤字は米国の富の喪失に等しいというドナルド・トランプ大統領の信念である。米国の貿易相手国の中で中国は最も優位にあり、対米貿易黒字額は年間3750億ドル(約42兆3000億円)に上る。

 トランプ政権はこうした不均衡を是正するため、中国からの2500億ドル相当の輸入品に制裁関税を課し、一方の中国は米国からの輸入品に報復関税を課してきた。米産業界はこうした関税措置について、国内市場と消費者にとって利益より打撃が大きい手法とみなし、総じて不快感を示している。

 週末の20カ国・地域(G20)首脳会議の閉幕後、中国と米国は貿易戦争の一時休戦で合意し、米側は制裁関税の税率引き上げ計画を先送りした。これまでほぼ解決不可能とみられていた一連の問題について両国が協議することになったが、米国が設定した交渉期間はわずか90日だ。

 米国のさまざまな利益団体のうち、産業界は中国に味方して当然だと長年みられてきたが、トランプ政権の動きに直面する中で中国擁護の姿勢が弱まっている。主な理由は、米国の技術を入手しようとする中国政府の政策に不満が蓄積していることだ。こうした技術の中には軍事的に利用できるものもある。

 中国政府は、外国企業が巨大な中国市場へのアクセスを得る条件として、中国の提携相手と技術を共有することをさまざまな手段を使って求めている。また、中国企業が米国の技術を盗んだり、中国企業の購入を阻止するプロセスの迂回(うかい)を試みたりするケースもある。

 中国が米産業界の支持を失ったことは、米中間の緊張が今後何年も続く可能性があることを示す兆候だと見る向きもある。無党派の非営利団体「アジア・ソサエティ」の中国問題専門家オービル・シェル氏は「中国の政策を支持する最後の集団がビジネス界の人々だった。ビジネス界が『不支持』の側に移ったとき、潮目が変わった兆候を私は強く感じた。これを元に戻すことは非常に難しいだろう」と語る。

 トランプ政権はこの変化を利用して、最近新たな計画に着手した。輸出管理や訴追などの手段を使い、中国の知的財産窃盗に対抗し始めたのだ。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は先月、関係者の話を引用してこれを報じた。

 新たな戦略の第一歩は、商務省と司法省が中国国営の半導体メーカーを締めつけるという形で表れた。関係者によると、米政権はこのメーカーが米半導体大手マイクロン・テクノロジーから企業秘密を盗んだとし、それが自国の半導体業界構築を目指す中国政府の取り組みの一環だったと非難した。

 一方で、財務省率いる省庁間委員会の対米外国投資委員会(CFIUS)は、国家安全保障の脅威になると思われる中国のハイテク分野での取引を阻止する上で大きな役割を担っている。その対象には、中国企業が関わっていないが米中関係に影響をもたらしかねない案件も含まれる。

 CFIUSは今年、シンガポールの半導体大手ブロードコムが米同業のクアルコムを1170億ドルで買収するのを阻止するようトランプ大統領に助言した。この際、中国の華為技術(ファーウェイ)が通信機器業界で優位に立っていることを引き合いに出した。

 この案件に関わる企業はどちらも中国企業でなかったが、CFIUSはこの取引がクアルコムを弱体化させる恐れがあることを懸念した。クアルコムは無線技術の特許をめぐりファーウェイと競合関係にある。新たな施策が共和、民主両党の幅広い支持を得て議会を通過したことを受け、CFIUSは今後、前例がないほど多くの案件を見直す予定だ。特に中国のハイテク分野の取引に焦点を当てることになる。

人権問題
 米中両国は、人権問題を含む政治的な問題でも対立を強めている。中国の人権問題などを調査する連邦議会の超党派委員会の委員長を務めるマルコ・ルビオ上院議員(共和、フロリダ州)と、上院外交委員会のメンバーであるボブ・メネンデス議員(民主、ニュージャージー州)は先月、中国・新疆ウイグル自治区に住む少数民族の人権政策に関する法案を提出した。同法案は、同自治区のウイグル族――大半はイスラム教徒――のうち約100万人が中国当局によって強制収容所に収監されているとみられることや、米国籍を持つ人や米国在住者を中国共産党が脅迫しているとされることに対応したものだ。

 法案は、ウイグル族の人権問題を取り扱う新たな役職を米国務省に創設すること、ウイグル族抑圧に対する制裁措置の適用、米国籍を持つ人や米国在住者が家族の失踪や拘束に関する情報を提供できるデータベースの構築――などを提案している。

 二国間の緊張は軍事面でも高まりつつある。特に南シナ海で顕著だ。中国中央軍事委員会は今年に入り、沿岸警備を担当する中国海警局を直接の指揮下に置き、南シナ海での警備を強化している。

 米議会指導者に超党派で選ばれた専門家の委員会は、最近の報告書で、中国が沿岸警備隊を「威圧行為の手段」として利用することに関し、国土安全保障省に分析を指示することを議会に提案している。

 米中間の問題には複数分野にまたがるものもある。例えば、中国共産党は米国の大学の技術を狙い、学問の自由を脅かしているが、米政府はこうした大学を保護するための政策策定に苦慮している。この問題がとりわけ難しいのは、門戸開放は米国の学術制度の誇りであるうえ、多くの中国人学者が米大学に専門知識と資金をもたらしているからだ。

 オーストラリア政府系の無党派シンクタンクがまとめた最新の報告書によれば、中国の軍の科学者は、時にその所属を明確にしないまま、米国などの技術先進国の学者との共同研究を著しく拡大している。分野は量子物理学、暗号解読技術、自動運転技術などだ。

 ペンス副大統領は先の演説で、「中国は経済の自由化により米国や世界との連携を強めることになると米国は期待していた」と述べた。「しかし中国は経済的侵略の道を選び、その結果、増大しつつある軍をつけあがらせてきた」
https://diamond.jp/articles/-/187658

 


2018年12月6日 莫 邦富 :作家・ジャーナリスト
中国で跋扈する「赤ちゃんのような大人」が改革・開放を脅かすリスク
北京大学で学生と交流する安倍首相

安倍訪中時の座談会で
礼儀を欠いていた大学生

 2012年の尖閣諸島(中国名は釣魚島)事件以来、こじれていた日中関係は中国の李克強首相の訪日に続いて、10月の安倍晋三首相の中国訪問により、大きく関係改善の方向に動き出した。訪日ビザのさらなる緩和、第三国での日中共同提携、新潟産米の中国輸入の解禁など、安倍首相訪中後の日中間が喜ばしい進展がいくつも見られた。

 安倍首相は、訪中時に北京大学を訪問し、大学生と座談会を行った。ニュースとしては日本のメディアではそれほど大きく取り上げられていなかったが、座談会を報じた鳳凰衛星テレビの記事に、私の目を引いた1枚の写真があった。

 豪華な会場の真ん中に設けられた主賓席には、安倍首相と大学関係者3人が座り、その両側には大学生らが広げられた翼のように座っていた。主賓席に一番近い2人の女子大生が長いコートを着たままの姿で座っており、厚い防寒服を脱がなかった学生もいた。

 私はこの写真を見て、中国版SNS「新浪微博」に次のように書き込んだ。

「北京大学の学生も礼儀を学ぶべきだ。一般常識では客人を訪問するときや会議に参加するときは、会場へ入る前にコートや分厚い上着は脱ぐはずだ。安倍首相の座談会に参加する学生は、きっと選りすぐりの人だろう。しかし基本的な服装の礼儀を分かっていないようだ。誰か北京大学の学生に、この類の常識の補習授業でもしてやったらどうか」

 すると、驚くべき現象が起きた。この書き込みは話題になり、わずか1日で135万ものネットユーザーが読んでくれ、関心の高さがうかがえた。その後も増え続け、本稿執筆前日にはすでに262万人に達していた。シェアした回数は1464回、コメントを残した人数はのべ1659人、いいねを押したのは339人といった状況だ。

 自分が提起した問題に、多くの人々が関心を持ってくれたことはもちろん嬉しいが、コメントなどを読むと、不快な思いに駆られるものもかなりあった。

大人になっても赤ちゃんのように
考え行動する「巨嬰」
 私の考えや主張に共鳴しなくてもいい。反論を加えられても全然平気。長年、著述業の仕事をしてきただけに、他人の意見や主張に耳を傾ける習慣ぐらいは持っている。しかし、反対意見の多くに私はある危険なものを見いだし、それを不快に思っているのだ。

 危険なものとは何か。簡単に言うと、批判を容認せず、非常に幼稚な論理で自らの行動を正当化することだ。

 近年、中国社会でよく使われる言葉がある。巨大な嬰児(赤ん坊)を意味する「巨嬰」だ。大きくなっても赤ん坊のような思考回路で物事を考え、行動する大人を揶揄する言葉だ。しかもこういう“巨大な赤ん坊”は1人や2人ではなく、一種の社会現象を作り出すほど膨大な人数に上っている。

 前述した大学生の服装問題をめぐる「巨嬰」たちの論理を見てみよう。

「ここは中国だ。なぜ外国の習慣を求めるのか」

 これは“中国特殊論”と読めなくもない。幼稚な愛国主義者がよく使う論理だ。

「正装の着用を求めるなら、服装代を出せ」

 これは論点のすり替えで、まさに「巨嬰」たるところだ。

集中砲火を浴びせ
自己主張を正当化
「この私が北大の学生に正装を着なくていいと教えている。水曜日は私の授業だ。文句を言いたいなら、こちらにこい」

 これは、「王門張氏」というハンドルネームの“自称大学教員”の発言で、その非常識さに脱帽する。

「太ももをあらわにして、生足にハイヒールの姿で出席した方が礼儀正しいとでも言いたいのか」

 対象、場所、タイミングを判断せずに自己主張するのも典型的な「巨嬰」の症状だといえるだろう。

「日本人の尻を舐めたいから、こう発言したのだろう」

 ここまでくると、日本の「ネトウヨ」と瓜二つだ。

「会場の天井が高く、室内が寒いから」

 主賓席の安倍首相らでもコートなどを着込んでいないのだが…。

 中には、その数日前に私が杭州で講演した際に、ネクタイを締めていなかった写真を引っ張り出してきて、「これが正式な場所での礼儀なのか」と噛みつく人までいた。

 その講演は、浙江省での視察を終えて上海に向かう道中、情報をキャッチした地元の大手弁護士事務所に無理やりに頼まれて登壇したもので、ネクタイはすでにスーツケースに収めた後だった。こうした前後の文脈を完全に無視して「ネクタイを締めていない」という1点に集中砲火を浴びせることで、自己主張を正当化する。これも「巨嬰」たちがよく使う手段だ。

 こうした書き込みを読んでから、私はあるいたずらをした。

「あの日に限って言えば、たとえ私がランニングシャツのまま登壇しても誰からも文句を言われなかっただろう」とわざと挑発的なコメントを書いた。そうしたところ、まるでハチの巣をつついたようにな騒ぎになり、猛烈な攻撃を受けざるを得なくなった。

 ただ、公平な視点で見ると、これは北京の大学生に限った現象ではなく、長年いびつな教育が行われた中国社会に広く見られる社会現象だ。

 例えば11月18日、蘇州市で行われた蘇州マラソン女子の部で、ゴール直前に最後の力を絞り出してアフリカの選手とデッドヒートを繰り広げていた中国人の女子選手・何引麗(ホー・インリー)が、コース上で2度もボランティアと思われる人物に中国国旗を手渡されるという事件が起きた。雨に濡れた国旗が重く、何選手はバランスを崩してしまい、失速して2位に終わった。

 議論の余地もない“妨害事件”に、中国のネット上では評価が真っ二つに割れ、「マラソンの成績と国旗、どちらが重要なのか」というくだらない問題へとエスカレートしてしまった。

 重くて国旗を落としてしまった何選手の行動を「国旗への侮辱」と捉え、批判する人も結構多かった。これに対し、何選手は中国のSNS微博で「国旗を投げ捨てたのではなく、腕がこわばって落ちてしまった。とても申し訳ない」という謝罪に追い込まれてしまったほどだ。

 文化大革命時代を思わせる時代錯誤的な発言も出てきて、思わず背筋に冷たいものが走った。

氾濫する「巨嬰」が
改革・開放を脅かす存在に
 ただ、幸いなことに、中国社会の健全さもまだ残っている。何選手の行動を支持する人も多く、国旗を強引に持たせようとする行為を「安っぽい愛国主義」と容赦なく批判している姿が見られるからだ。

 しかし、主催者である智美体育集団の責任者が、批判に対して、「ラストスパートをかける段階で、選手に国旗を持たせることはこのマラソン大会の慣例で、中国選手に対する礼儀でもある。これからもこの国旗手渡し行為を継続する」と答えている。

 国旗を武器に、愛国主義を濫用する主催者は、往時の紅衛兵を思い出させ、それこそまさに現代の「巨嬰」に映る。筆者は、「改革・開放路線の最先端を走ってきた蘇州に、そんな企業が安っぽい愛国主義をまき散らしているのを許してはいけない。今日のスポーツ大会の主催者としては失格だ」とメディアを通して批判した。

「巨嬰」の氾濫ぶりに、何かあると扇動されて暴走しやすいという中国社会のある側面を見ることができる。だが、そんな「巨嬰」は、改革・開放の流れを脅かす危険な存在になる恐れがある。日中間の交流、特に民間交流においては、こうした勢力の動向に十分な注意を払う必要があるといえる。

 その後、また「巨嬰」に関するニュースが入ったので、ここに追加しておきたい。

 1つは、「巨嬰」が中国の今年の流行新語トップ10にランク入りしたことだ。「巨嬰」がすでに社会現象というレベルにまでなっていることを物語っている。軽視してはいけない現象だ。

 もう1つは、広西チワン族自治区南寧市で行われたマラソン大会で、ゴールインしたアフリカ系のマラソン選手が記念撮影に強引に引っ張られ、転倒してしまったそうだ。主催者の「巨嬰」ぶりに憤慨を覚えざるを得ない。

(作家・ジャーナリスト 莫 邦富)
https://diamond.jp/articles/-/187619  

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コメント
1. 2018年12月06日 21:56:57 : ZzavsvoOaU : Pa801KbHuOM[182] 報告
サマーズ元米財務長官が寄稿:米、現実的な対中戦略持て
2018/12/6 15:05日本経済新聞 電子版
Financial Times
 

■ローレンス・サマーズ(米元財務長官、米ハーバード大学教授)

中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席とトランプ米大統領は12月1日、アルゼンチンでの20カ国・地域(G20)首脳

会議閉幕後に会談し、米国が年明けに発動すると表明していた中国への追加関税は猶予し、貿易協議を再開することで合

意した。

クリントン政権後半に米財務長官、オバマ政権で国家経済会議委員長を務めたサマーズ氏は、米国は対中政策で現実的な

戦略を持つべきだと指摘する=ロイター
クリントン政権後半に米財務長官、オバマ政権で国家経済会議委員長を務めたサマーズ氏は、米国は対中政策で現実的な

戦略を持つべきだと指摘する=ロイター

 これは確かにもう一つの策(追加関税の発動)よりはましだが、米中の経済摩擦の根底にある問題には全く対処してい

ない。

 中国が自国経済の在り方を国際社会のルールに合致したものにするのであれば、知的財産権や外国人投資家の権利、国

営企業への補助金などの分野で大きな変革を進める必要があるという点に異論を差し挟む者はいないだろう。

■ワシントンにもはや「親中派」はいない

 中国の経済面における慣行に反感を持つのはトランプ氏だけではない。ここ数カ月、過去の米政権高官や著名な中国専

門家、米経済界による米中の経済関係に対する批判がいろいろと表面化している。つまり、ワシントンにはもはや「親中

派」はいないということだ。各国政府は何よりトランプ氏への不満はあるものの、中国の商慣行にもいら立ちを募らせて

いる。

 それでも中国政府の指導者らが、自分たちには独自の政治体制を選ぶ権利があるし、経済交渉ではイデオロギーの問題

ではなく、互いにウィンウィンな機会につながるような現実的事項に専念すべきだと主張することには共感はできる。

 ただ、同時に、歴史的知識を少しでも持つ者なら、中国が国内での弾圧を強化し、習氏一人に権力を集中させ、軍事費

を急拡大し、さらに世界で自国が果たすべき役割は拡大していくべきだといった発言をするにつけ、同国への懸念を抱か

ずにはいられないだろう。

 米国が中国に対し抱いている不満は正当なものであり、米国に今、必要なのはその不満に対処できる実効性のある戦略

だ。残念ながら、激しい怒りを見せたり、「米国第一」などと宣言したりすることは戦略とはいえない。アメとムチを織

り交ぜながら実現可能な目標を明確に伝え、成功の基準を定めて、受け入れる意思があれば成果を上げられるだろう。

 米国が対中経済戦略を策定するにあたって、その問題の核心となるのは次のような不都合な分析だ。ちょっと想像して

みてほしい。もし、中国があらゆる貿易や投資のルールを完璧に守り、似たような所得水準の最も開放的な国と同様に開

放的だったとする。その場合、中国は改革をもっと迅速に進め、さらに急成長を遂げたかもしれない。あるいは、政府に

よる補助金が今ほどの規模でなければ、海外との激しい競争にさらされ、もっと緩やかな経済成長にとどまったかもしれ

ない。だが、いずれの場合でも、その成長率の違いは1ポイント以内にとどまった可能性が極めて高い。

 同様に、米企業の一部が中国事業でもっと利益を上げ、中国政府の補助金のために一部の米製造業が人員削減を余儀な

くされたとしても、中国の不公正な貿易慣行のせいで米国の経済成長率が年0.1%でも影響を受けたとは真顔では主張で

きないだろう。

■米国が世界最大の経済大国の地位を失う時

中国は早晩、経済規模で米国を抜くのだから、今こそ米国は現実的に中国と交渉すべきだとサマーズ氏は指摘する(写真

は12月1日の米中首脳会談)=共同

 中国が、現在の国際秩序に対する脅威ではないと言っているのではない。そして、米国が1世紀に及ぶ支配の末に世界

最大の経済大国の地位を失うことになれば、それは極めて重大な事態だ。米国は今後10年の間にIT(情報技術)、人工

知能(AI)、バイオ技術の分野で確実ではないものの覇権を失う可能性がある。そうなった場合、国際秩序が大きく変

わることに伴うトラウマは一段と大きなものになるだろう。

 米国は、自国の経済規模が世界最大の国の半分になっている2050年の世界を想像できるだろうか。たとえ想像できたと

しても、米国の政治リーダーはその現実を認め、そんな中にあっても世界を形づくるような交渉をすることができるだろ

うか。米国にとって経済規模で抜かれる事態は受け入れられないかもしれない。しかし、これを止める手段があるだろう

か。米国は衝突を起こさずに中国を抑えつけることができるだろうか。

 これらは明確な答えがない非常に難しい問題だ。だが、だからといって、こうした問題を無視して目先の不満だけに集

中するという言い訳は通用しない。中国が繁栄し、成長する権利を米国が受け入れるのであれば、中国は個々の貿易問題

については対応する姿勢を見せている。人口の多さから早晩、世界最大の経済大国になると分かっているからだ。

■米国は今のうちに中国と向き合うべきだ

 これは、米国が今のうちに向き合うべき問題だ。世界経済のグローバル化がここまで進んだ今、中国を脅すことはでき

ても、抑えつけることはできない。無理を押し通そうとすれば、中国政府内の最も強硬な反米派を勢いづかせることにな

る。

 トランプ氏は欠点も多いが、歴代の米大統領が避けてきた手を使って中国に経済問題に取り組ませている。問題は、同

氏がこれを重要な成果につなげられるかだ。米国は話せば分かる相手だと中国を納得させる手腕と、貿易について小粒な

交渉に終わらせない意思がトランプ氏にあるかがカギとなる。我々は望みを持つことはできるが、あまり期待しすぎない

ほうがいい。

(2018年12月4日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/

(c) The Financial Times Limited 2018. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing

this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or

quality of the translation.

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