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週刊SPA!炎上は出版業界に突きつけられた「お前らつまんねえよ」である 西武・そごうCM炎上「女に生まれたら罰ゲーム」を
http://www.asyura2.com/18/hasan130/msg/537.html
投稿者 うまき 日時 2019 年 1 月 11 日 14:10:22: ufjzQf6660gRM gqSC3IKr
 

(回答先: 加害者に「親密」な人たち 「たったひとり」をあなどるなかれ  投稿者 うまき 日時 2019 年 1 月 11 日 02:16:02)

ネット炎上のかけらを拾いに

週刊SPA!炎上は出版業界に突きつけられた「お前らつまんねえよ」である

2019/01/11

網尾歩 (コラムニスト)

 学生に怒られる大人たち。


*画像はイメージです(zoom-zoom/iStock/Getty Images Plus)
ランキング作成者自ら「主観だった」と謝罪
 ついに掲載された5大学すべてが抗議声明を出すに至った週刊SPA!の「ヤレる女子大学生ランキング」。署名が始まってから1週間も立たないうちにテレビにも取り上げられ、編集部が謝罪を出すまでの燃えっぷりとなった。

 まず騒動を振り返ってみたい。発端となったのは12月25日号「ヤレる『ギャラ飲み』」特集の中の囲み記事「ヤレる女子大学生RANKING」。5大学がランキング付けされているが、その根拠は編集部が「ギャラ飲み」マッチングサービスの運営者に聞いただけ、である。

 記事には、「ギャラ飲みには女子大生も多い。ヤレる可能性の高い大学を、ランクづけしてもらった」とある。これに応えるかたちで運営者が語っているのだが、ランクづけの根拠は、

「キャンパスが渋谷にあって遊んでいるコが多い」

「男ウケの良さを磨いている」

「横浜方面にすんでいて終電が早い」

「大企業を狙えるか狙えないかの中間に位置するMARCHのなかでも(略)就活相談で仲良くなれるチャンスが多い」

「キャンパスが遠いので、都内へ出て“遊んで帰る”マインドのコをよく見かけます」

 と、まったくの主観である。運営者はこの件を取り上げたTV番組のインタビューで自ら、「本当にこれは大学に申し訳ないんですけど自分の主観で大学を決めてしまいました」と語っている。

署名発信者の女子大生は編集部との対話を希望
 このランキングがツイッター上で「大学の名前だけでこんなランキング作られる世の中辛すぎる」というつぶやきとともに拡散され始めたのが1月2日。そして1月4日、現役の女子大生による署名「女性を軽視した出版を取り下げて謝ってください」がスタートした。

 キャンペーンの文章には「日本で初めてのG20が今年、2019年に開催される中新年早々こんなランキングを出版するのは、冗談にもほどがあると思います」とあり、なかなかパンチが効いている。G20サミット(金融・世界経済に関する首脳会合)が今年日本で開催されることや、ブエノスアイレスで行われた前回のG20では「女性の視点」が共同宣言にふんだんに盛り込まれ、続く日本にも期待がかかっていることを、情報として脳にインプットしている社会人はどれほどいるだろうか。

 署名はあっという間に賛同が集まり、すでに4万4000人以上が署名している。

 販売元の扶桑社は1月9日付けで公式ホームページに、編集長と発行人名による謝罪文を発表。また9日までに、ランキングに掲載された5大学すべてが抗議や遺憾の意を表明した。

 署名の発信者である女子大生は、9日に情報を更新。週刊SPA!の謝罪文は「『論点が全くズレている』と思っています」と書いている。さらに「私達は、お互いを批判し合うだけの非建設的な争いを望んではいません」「今回の件を発端として私達と御社で社会をこれからどう変えていけるかを一緒に考えていければと思います」と、編集部に対して対話を望んでいる。

編集者は心から「ヤレるランキング」を面白いと思っているのか
 学生からの「一緒に考えていければと思います」という提案はとても面白い。週刊SPA!編集部は、学生からこのような申し出を受けること自体、屈辱に感じるだろう。

 インターネット時代となり、マスコミは「唯一の発信者」の座から引きずり降ろされた。マスコミが一方的に発信し、受け手がそれを見るだけだった時代はもうとっくに終わった。今や、やり方次第で、一般人がツイッターやYouTubeやTiKToKで有名になり、影響力を持てる。子どもたちが芸能人よりもユーチューバーに憧れるように、今の若者にとってマスコミは絶対的な存在ではない。昔のように、雑誌の編集者やテレビ局のディレクターに気に入られなければ世に出ることができないわけではないのだ。編集者の目に止まる前にネット上でファンがつく作家もいる。就職先としてマスコミの人気は昔ほどではないのは周知のことだ。

 誰でも抗議の声をあげて賛同を集めることができ、また自分の意見や企画を発信して世の中に提示することができる現代において、今回の騒動は、「マスコミは一体何をしているのか」を考えさせられた。

 週刊SPA!の中にもいろいろな記事があり、多様な編集者・ライターが関わっているだろうが、「ヤレる女子大学生RANKING」については、どう見ても一部の読者ウケを狙った惰性記事である感が否めない。あの記事の編集担当者の意気込みと、署名を集めた女子大生、どちらの熱量が高いか。筆者は後者だと思う。

 あの記事は女性蔑視であり、署名は女性蔑視を温存している社会への抗議であるとも思う。一方で、出版業界関係者は、業界に年始早々振り落とされた鉄槌だと考えるべきではないか。

 長く出版不況と言われ、「とにかく売れればいい」と読者に媚びを売るのはSPA!だけではないはずだ。売るためにエロや貧困、副業、鬱といったネタを使い回す。表現の自由はあっても「売らんかな」の制約に出版業界は縛られている。貧すれば鈍する、負のスパイラルから抜けるきっかけが今回の騒動にあればいいのだが。
http://wedge.ismedia.jp/articles/print/15044

 
ネット炎上のかけらを拾いに

西武・そごうCM新春初炎上「女に生まれたら罰ゲーム」をパイ投げで再現か

2019/01/04

網尾歩 (コラムニスト)


(wildpixel/Getty Images)
 笑って立ち上がらせるなら、せめてパイを投げ返させてくれ。

「女性差別もあったけど、『わたしは私』です」ってこと?
 西武・そごうといえば、2016年に放映された樹木希林出演のオリジナルムービーだ。「歳をとったら、歳相応の服を着なさいとか、妻や母親、祖母という役割に自分を合わせなさいとか、周りの人と同じように振る舞いなさいとか。そんな窮屈な常識は、もういらない」という力強いメッセージ。周囲との軋轢を避けようとすればするほど枠にはめられやすい日本社会の狭量さを鮮烈に描写してもいた。

 しかし同じ企業の広告が年始から炎上している。安藤サクラが出演する「わたしは、私」。

 少し長くなるが、コピー全文を引用する。

=====
女だから、強要される。
女だから、無視される。
女だから、減点される。
女であることの生きづらさが報道され、そのたびに、「女の時代」は遠ざかる。

今年はいよいよ、時代が変わる。
本当ですか。期待していいのでしょうか。
活躍だ、進出だともてはやされるだけの「女の時代」なら、永久に来なくていいと私たちは思う。

時代の中心に、男も女もない。
わたしは、私に生まれたことを讃えたい。
来るべきなのは、一人ひとりがつくる、「私の時代」だ。
そうやって想像するだけで、ワクワクしませんか。

わたしは、私。
=====

 「女だから減点される」は、明らかに東京医大などの不正入試を意識したものだろう。「強要される」は、#metoo以降に告発が相次いだ「性的強要」を意味しているはずだ。「無視される」は具体的事例に悩むが、あえていえば「土俵から降りてください」の件で、女性の働きがさっくり無視されたことかもしれない。

 企業の広告で、性暴力をイメージさせる「強要」の言葉を使うのは、思い切った試みだと思う。広告において明るいエロは歓迎されても、性的強要はタブー中のタブーだからだ。また、ローラが「辺野古の海を守ろう!」と言えば政治的発言ダーっ!の大号令がかかる昨今において、財務省のセクハラや議員の関与も指摘されている不正入試を容易に推測させる言葉を入れたり、政府が推進する「女性活躍」に疑問を呈していくのは、それなりに覚悟のある態度ではないか。

 しかし、この広告は批判されている。理由は主に、コピーの後半部分と映像にある。

都合よく「私たち」を使っていないか
 「強要、無視、減点」はそのとおりである。すでに述べたとおり、ここに言及するのは覚悟のある態度だと感じる。しかし「女であることの生きづらさが報道され、そのたびに、「女の時代」は遠ざかる。」から、急によくわからなくなる。

 女の生きづらさが報道されると、「女の時代」は遠ざかるのか。報道されず無視されていた時代よりは、まだマシではないのか。もしかして報道されなかった女性差別はないと思っている人がムービーを制作しているのか。そしてここから、さらに迷走する。意地悪くて申し訳ないが、一行ずつツッコミたい。

 「今年はいよいよ、時代が変わる。」

 根拠を希望する。

 「本当ですか。期待していいのでしょうか。」

 言い切ったことに保険をかけておくかのような問い返し作業。誰に期待するのか。もしかして男社会なのか。

 「活躍だ、進出だともてはやされるだけの「女の時代」なら、永久に来なくていいと私たちは思う。」

 「男社会」にもてはやされるだけの「女」ならいらないって意味であれば同意である。ただ、「女の権利を主張してもしょうがない」と言うために、都合よく「私たち」を使っていないか。

 「時代の中心に、男も女もない。」以降は急に、「個の時代(=わたし)讃歌」となる。映像では、安藤サクラに白いパイがぶつけられ、彼女は倒れる。ちなみに、このシーンで真っ先に思い出したのは、避妊クイズに間違えると粉をぶっかけられる女性の動画である(※参考:「粉をぶっかけられる女の横で、放っておかれる男の性」)。ちなみについでに言うが、通常、「わたしは、私」などとあえて主張する女は、それだけで古臭い価値観の方々から煙たがれるか小バカにされる。しかし、「女性差別はあるけれど、わたしは私」となると話は別である。一転して「わかってる女」になることができる。

パイなんていらねえよ、新春
 このムービーに欠如しているもの。あるいは徹底的に排除されたものは、怒りなのだと思う。怒りが排除され、「怒るな」の意が遠回しに込められている。

 「差別もあったけど、前向きに頑張ります」って態度がスマートかのように言わないでくれ。女ってだけで「強要、無視、減点」されたら、怒って当然じゃないか。「まあまあ、いったん座りましょう」ではなく、「いったん怒りましょう」でいいじゃない。

 でもやっぱり、世の中は女に怒らせない。「男とか女とか言うのやめましょ!」に持っていこうとする。自称中立派の定石である。「フェミニストって言葉もなくなればいいよね。ほら、個の時代だから! ワクワクするね!」と、足元の課題を解決せぬまま、百歩先の話をしようとする。

 散々「女だから」という理由で「男より劣る」社会で差別されてきた側に、「時代の中心に、男も女もない」と言わせる空恐ろしさ。大企業のトップに居座る男が土下座しながら「男も女もない」と言うなら、いや、「男とか女とかで差をつけてすみませんでした。男に下駄を脱がせます」と言うならわかる。実際は、パイをぶつけられながらも女が立ち上がり「男も女もない」と笑顔で言わされているのである。まじかよ2019年。

 せめて安藤サクラが既得権益を象徴するおっさんにパイを投げてほしかった。おっさんにパイをぶつけること、あるいは「強要、無視、減点」の責任の所在を明らかにしておっさんの機嫌を損ねることは、エッチな描写や#metooなんて目じゃない、日本社会最大のタブーなのかもしれない。ムービーの中には当たり前だが、財務省の福田前事務次官も「セクハラ罪はない」の人や「待機児童なんていない」の人も東京医大も土俵も、そのほか#metooされた方々も出てこない。パイを投げた彼らに対して、あなた「時代の中心に、男も女もないですよね」って言いますか? 「今なんでパイ投げたんですか」って聞かないか。まず。

 「男も女も関係ないってメッセージ、素敵やん。うちの妻もそう言ってる」などとまだ言っている人がいるのであれば言おう。パイを投げつけられた黒人が「時代の中心に黒人も白人もない」と笑う広告があったとしても、あなたは何も思わないか。今ある問題から目をそらせようとする圧力を感じない人は、とてもハッピーな頭をしている。
http://wedge.ismedia.jp/articles/print/14969  

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