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平成で「悪役」に転落、銀行が失った3つの価値 パウエルは様子見姿勢に転じつつある 米利上げが終わったと考えるのは大間違い
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投稿者 うまき 日時 2019 年 2 月 04 日 19:11:30: ufjzQf6660gRM gqSC3IKr
 

コラム2019年2月4日 / 10:54 / 7時間前更新

平成で「悪役」に転落、銀行が失った3つの価値
大槻奈那 マネックス証券 執行役員チーフ・アナリスト
4 分で読む

[東京 4日] - 平成元年に当たる1989年は金融業界の壮大な「夢」が終わった年だ。当時は、「普通にサラリーマンをやっていたのでは都内には住めない」という焦りを抱えた人々が、新規公開株やマンション投資に殺到した。

不動産バブルがピークに達し、最も成績優秀な大学生は、官僚の次に、当時の日本興業銀行(IBJ)や富士銀行を目指した。どちらもその後、数奇な運命をたどり、みずほフィナンシャルグループとして生まれ変わっている。

当時、大手行の株価収益率(PER)は50─60倍まで上昇。1桁台だった大手米銀の水準をはるかに上回っていたが、それでも保有資産の含み益を考慮すれば、まだ割安と言われていた。銀行セクターの時価総額は一時期、東証全体の4割を占めるほどに膨らんだ。大規模増資を行っても事業成長のシグナルとみなされ、希薄化を招くにもかかわらず、株価を押し上げる要因となった。

そんな強気市場に魅せられたのは投資家や学生だけではない。1989年には、中小企業を顧客とする相互銀行が普通銀行に転換し、上場を試みた。第二地銀に看板を架け替えた相銀は60行以上、普通銀行の数は132行に膨らんだ。

<バブル期の「非道」が尾を引く>

こうした過度な競争が、ピークに差し掛かっていた資産バブルに最後の一押しを加えた。銀行預金は、89年末から90年末までの1年間で、5割近く増加した。第二地銀に至っては、普銀転換直後の89年3月末時点で実質預金の増加額が前年比7倍にも膨らんだ。

預金が増加した分だけ運用に圧力がかかり、不動産向け貸出しはこの間に1割増加した。

その後、行き過ぎたバブルが崩壊。銀行は、社会の「悪役」へと転落した。1997年の北海道拓殖銀行の破綻をきっかけに整備された一時国有化スキームを使い、不良債権処理に苦しむ金融機関向に対して政府が次々と行った公的資金注入は、国民の血税を使うのかと厳しく糾弾された。

批判は尾を引き、その後も銀行員の高給や高飛車な態度、中小企業に対する貸し渋りなどが、ことごとく非難の的となった。銀行によるバブル期の非道ぶりを描いた小説をテレビドラマ化した「半沢直樹」(2013年)は、銀行幹部への痛快な「倍返し」で高視聴率を稼いだ。

銀行は海外でも悪役と化した。

米国の「サブプライム問題」を発端とする2008年からの世界金融危機では、銀行などが公的資金で救済され、金融機関は、日本と同様に広く世論の批判を浴びた。2011年にニューヨークから全米各地に広がった、格差是正を訴える反ウォール街デモ「Occupy Wall Street(ウォール街を占拠せよ)」には、数万人の一般市民が参加した。

<金融危機で銀行が失ったもの>

平成時代に発生した金融危機で、世界の銀行は3つの大きなものを失った。

まず、「信頼」だ。銀行は決してつぶれず、行員も品行方正で、良い銀行と取引することが企業の信用力につながっていた。しかし、日本長期信用銀行(長銀)と日本債券信用銀行(日債銀)を代表とする相次ぐ経営難や不祥事で、銀行の「信頼」という無形資産は大きく毀損(きそん)してしまった。

次に「収益力」だ。かつて銀行は「もうけ過ぎ」という批判を受けていた。しかし、金利が低下し続ける中で銀行収益は大きく落ち込んだ。1989年に開示が始まった総資産利益率(ROA)は大手行で1%程度あったが、直近2018年時点では、0.4%を下回る水準にまで低下した。PERも7─8分の1程度にまで落ち込んだ。

さらに平成の後期に入って失われたのが「イノベーション」だ。

国際決済銀行の自己資本規制「BIS規制」が1993年に日本で導入されて以来、政府から保護されていた銀行セクターは段階的に厳しい規制を受けるようになった。こうした規制の結果、銀行は新しい業務に挑戦することが難しくなった。例えば銀行が行う資金決済業務は、他のITベンチャーなどの参入が認められたが、銀行はベンチャー企業が携わる広範な業務を行うことは許されていない。

また、サブプライム問題を契機に、顧客側も複雑なスキームを用いた金融製品などの新奇性を求めなくなった。こうしたニーズの低下も銀行の改革意欲を削いだと思われる。

<失われた既得権益、銀行は二極化へ>

今後厳しくなりそうなのは国内小口決済の手数料や資金利益だ。大手行は現在、年間1000億円を超える収益を内国為替業務、すなわち国内送金や現金自動受払機(ATM)手数料で挙げている。この分野は、銀行業界の独占状態で、一部ではいまだに高い手数料率を設定している。

例えば、一般的にATMを使った3万円以上の自行本支店宛の現金振込みでは324円の手数料を課している。他行宛の現金送金では648円だ。600万円を1年間定期預金に預けてようやく得られる金利が、1回の他行送金で吹っ飛ぶ計算だ。

しかし、近時の電子マネーやモバイル決済などのキャッシュレス化の進展で、異業種が相次いで小口決済分野に参入している。

 2月4日、平成元年に当たる1989年は金融業界の壮大な「夢」が終わった年だ。写真は都内で2018年撮影(2019年 ロイター/Toru Hanai)
カード子会社がモバイル決済とひもづくことで銀行もグループとして収益の一部を得ているが、参入業者があまりに多く、かつ大規模なキャンペーン合戦となっていることから、この分野の収益率は間違いなく落ちていくだろう。小口決済の手数料は、将来的にゼロとなる可能性も否定できない。

また、マイナス金利の長期化により、資金利益も厳しい。かつては短期の預金を預かり、それより少し長めの国債を買うだけでももうかった。ほどんど「フリーランチ」の状態だ。しかし今は、海外貸出や、レバレッジドローン、カードローンなど、より大きなクレジットリスクを取らなければ稼ぎにくくなっている。

こうした状況下で、自己資本利益率(ROE)が3%台まで低下した地域金融機関も出てきた。議決権行使助言会社ISSが定める上場企業のROE基準5%を大きく下回っている状態だ。

とはいえ、全ての銀行が収益向上を最優先課題においている訳ではない。東証全銘柄の株価純資産倍率(PBR)ランキングをみると、1月末現在でワースト20のうち17社が銀行だ。

こうした銀行は、地元に寄り添うという、平成以前の経営に回帰している。投資家もこれらの銀行の株式は「割安」とは捉えないし、手も出さない。ならば、世界の投資家から成長を強いられる株式市場からは本来距離を置くべきなのかもしれない。

平成の時代に、銀行は多くの既得権益を失った。次の世代では、これを新しいリスクテークとイノベーションで補完していく大手行グループと、むしろ、平成以前の地場銀行に回帰するグループとに大きく二極化することになろう。銀行は、ステークホルダーを整理し、新しい金融機関の形を模索する時に来ている。

*本コラムは、ロイター特集「平成を振り返る」に掲載されたものです。筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

大槻奈那氏 マネックス証券 執行役員チーフ・アナリスト(写真は筆者提供)
*大槻奈那氏は、マネックス証券の執行役員チーフ・アナリスト兼マネックスユニバーシティ長。東京大学卒業。ロンドン・ビジネス・スクールで経営学修士(MBA)取得後、スタンダード&プアーズ、メリルリンチ日本証券などでアナリスト業務に従事。2016年1月より現職。名古屋商科大学大学院教授、二松学舎大学客員教授、クレディセゾン社外取締役、東京海上ホールディングス社外監査役を兼務。財政制度審議会財政制度分科会委員、東京都公金管理アドバイザリー会議委員などを務める。
https://jp.reuters.com/article/column-heisei-nana-otsuki-idJPKCN1PT02Q


 

米ミネアポリス連銀総裁:パウエル議長は様子見姿勢に転じつつある
Jenny Leonard
2019年2月4日 13:25 JST
金利据え置きが経済を「基本的に健全」な軌道に維持するのを助ける
経済に成長余地、拙速なブレーキだけは避けよう−カシュカリ総裁
米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は3日、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が賃金とイ

ンフレ率が加速するのを待ってから追加利上げを行うとの見解に「転じつつある」とし、直近の米金利据

え置きが経済を「基本的に健全」な軌道に維持するのを助けるだろうと指摘した。

Federal Reserve Bank of Minneapolis President Neel Kashkari Speaks At NABE Conference
米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁写真家:Andrew Harrer / Bloomberg
  カシュカリ総裁はミネソタ州ロングレークのトリニティ・ルーテル教会主催のイベントで、「職を望

む人々はもっといると考えられる。今後も景気拡大を持続させ、賃金とインフレに加速の兆候が見られれ

ば、いつでもブレーキを踏むことができる。拙速にブレーキをかけることだけはないようにしよう」と発

言。「米経済にはなお成長の余地があると思う」と述べた。

  カシュカリ総裁は今年の連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持たない。

原題:Fed’s Kashkari Says Powell ‘Coming Around’ to Wait-and-See View(抜粋)


米利上げが終わったと考えるのは「大間違い」−テンプルトン
Natasha Doff、Cecile Gutscher
2019年2月4日 14:09 JST
「景気の勢いの強さが続いている」とソナル・デサイ氏
米国にリセッションが迫っているとは思われない−ブログに投稿
The Marriner S. Eccles Federal Reserve building stands in Washington, D.C.
The Marriner S. Eccles Federal Reserve building stands in Washington, D.C. Photographer:

Andrew Harrer/Bloomberg
米金融当局が利上げを長期にわたって停止するとの見方に基づいた賭けに、市場は先走り過ぎていると、

フランクリン・テンプルトンで債券グループの最高投資責任者(CIO)を務めるソナル・デサイ氏が指

摘した。

  同氏は先週のブログ投稿で、「米当局が今年1回も利上げをしないという市場の仮定は、景気の勢い

の強さが続いていることに照らして、大間違いだ」とし、「米国の景気サイクルが終わりに来つつあると

いう予想も行き過ぎている」と論じた。

  デサイ氏は米国の賃金の伸びがインフレをあおるリスクに対応するため金融当局が今年、少なくとも

2回の利上げをすると予想している。一方、トレーダーらは今年の利上げなしを想定、来年の利下げ見込

みを強めている。

Long-bond rally exposes the risks of negative-duration bets
  同氏は「世界中が米インフレではなく米リセッション(景気後退)のことを考えているようだが、大

きな外的ショックがない限り、米国にリセッションが迫っているとは思われない。米国の労働市場は強く

、それが賃金を押し上げ始めている。また、消費堅調が企業の価格決定力を支える」と記した。

原題:Bond Titan Blasts ‘Very Misguided’ Bet That Fed Hikes Are Over(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE
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米ミネアポリス連銀総裁:パウエル議長は様子見姿勢に転じつつある
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-02-04/PMDUSQ6KLVR401?srnd=cojp-v2
 

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コメント
1. 2019年2月05日 19:19:30 : aPd8HhulI2 : llWc5WIRbxw[33] 報告
銀行に 負わせて逃げる 真のワル

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