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米国の世界戦略をめぐり、ネオコンとジャボチンスキー派の対立が激化している可能性(櫻井ジャーナル)
http://www.asyura2.com/18/kokusai22/msg/388.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 4 月 07 日 09:47:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

米国の世界戦略をめぐり、ネオコンとジャボチンスキー派の対立が激化している可能性
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201804060000/
2018.04.07 櫻井ジャーナル


 ドナルド・トランプ大統領はアメリカ軍をシリアから引き揚げると口にする一方、中国に経済戦争を、またロシアに外交戦争を仕掛けている。ロシアとの国境近くで軍事力を増強、ロシアから「レッド・ライン」を超えたと非難されている。中露に対する挑発は冷戦の成功体験にすがってのことかもしれないが、以前とは状況が違う。アメリカはシリア侵略に失敗、撤退は間違った政策ではないが、石油資源をアメリカ支配層が諦めることはないだろう。つまり支配層との対立が激しくなる。イスラエルやサウジアラビアはイラン攻撃をアメリカへ要求、この方面も撤退には反対だろう。

 1992年2月に国防総省のDPG草案という形で作成された世界制覇プラン、いわゆるウォルフォウィッツ・ドクトリンからも推測できるように、ネオコンのプランには中東全域の石油資源支配も含まれている。そこでイラク、シリア、イランという自立度の高い体制を破壊しようとしたわけだ。

 何度も書いてきたが、1991年の段階でポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)はイラク、シリア、イランを殲滅すると語っていた。これはウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官が2007年に語っている。(​​3月​10月

 クラークによると、2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されてから10日ほどのち、統合参謀本部で攻撃予定国のリストが存在することを知らされたともクラークは語っている。まずイラク、ついでシリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そして最後にイランの順だったという。2003年3月にイラクをアメリカ主導軍が先制攻撃した後、2011年2月にリビアへ、そして同年3月にシリアへアル・カイダ系武装集団、つまり1970年代の終盤に作られた傭兵システムを使って侵略したわけだ。

 リビアとシリアを侵略した黒幕はアメリカ、イスラエル、サウジアラビアの三国同盟、イギリスとフランスのサイクス-ピコ協定コンビ、オスマン帝国の復活を夢想していたトルコ、そして天然ガスのパイプライン建設をシリアに拒否されたカタールなどだ。そのうちトルコとカタールはすでに離脱している。

 リビアのムアンマル・アル・カダフィ体制はNATOとアル・カイダ系武装集団が連携して2011年10月に破壊したが、シリアのバシャール・アル・アサド政権を倒すことはできなかった。シリア政府の要請でロシア軍が2015年9月30日から軍事介入、いまではアル・カイダ系武装集団やそこから派生したダーイッシュ(実態に大差はない)は壊滅状態。そこでアメリカはクルドを新たな手先にしてイラクからシリアにいたる地域に「満州国」を建設しようとしたが、トルコ軍の軍事侵攻でアメリカとクルドとの関係は微妙になっている。

 アメリカ軍は勝手にシリアで基地を建設してきた。トルコ政府によると、アメリカ軍が建設した基地の数は13だが、ロシアの安全保障会議はアメリカ軍は20カ所に基地を作ったとしている。トランプ大統領は自国軍を引き上げると言っているが、アメリカ、フランス、イギリスの3カ国はシリアに展開している特殊部隊を増強中だ。トルコでの報道によると、フランスはシリアの北西部、トルコとの国境近くに5つの秘密基地を建設済み。

 アメリカの場合、特殊部隊はCIAとの関係が深く、統合参謀本部の意向に関係なく侵略戦争を継続する可能性もある。CIAを創設したのはウォール街の大物たちで、トランプの仲間とは言えない。クルドを使うだけでなく、シリア侵攻の黒幕たちは新たな武装集団を編成して侵略戦争を継続しようとする可能性もある。特殊部隊の動きを見る限り、シリアから撤退するようには見えない。

 マイケル・フリン元DIA局長が解任されたあとに国家安全保障補佐官に就任したH・R・マクマスター中将はデビッド・ペトレイアス大将の子分として有名。そのペトレイアスは中央軍司令官、ISAF司令官兼アフガニスタン駐留アメリカ軍司令官、CIA長官を歴任した人物で、リチャード・チェイニー元副大統領やヒラリー・クリントン元国務長官に近い。この人脈には世界的な投機家として知られているジョージ・ソロスも含まれ、議会はその影響下にある。つまりネオコンだ。

 それに対し、ジョン・ボルトンはトランプ大統領と同じように、シェルドン・アデルソンの影響下にある人物。必然的にイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相につながる。以前にも何度か書いたが、ネタニヤフ首相の父親、ベンシオン・ネタニヤフはニューヨークでウラジミール・ジャボチンスキーの秘書として働いている。

 ジャボチンスキーは1925年に戦闘的シオニスト団体の「修正主義シオニスト世界連合」を結成した人物で、1931年にはテロ組織と言われているイルグンを組織した。そこから飛び出したアブラハム・スターンが1940年に創設した新たなテロ組織がレヒ、いわゆるスターン・ギャングだ。スターン・ギャングが作られた年にジャボチンスキーは心臓発作で死亡した。

 ネオコンの思想的な支柱と言われている人物はシカゴ大学の教授だったレオ・ストラウスで、ウォルフォウィッツは同教授の下で博士号を取得している。戦略面はやはりシカゴ大学の教授だったアルバート・ウールステッターが大きな影響を及ぼした。

 後にネオコンと呼ばれる集団の中核を占める人々は若い頃、ヘンリー・ジャクソン議員の事務所で訓練を受けていた。1972年の大統領選挙で戦争反対を訴えていた民主党の大統領候補、ジョージ・マクガバンを落選させるため、民主党内に反マクガバン派のCDM(民主党多数派連合)を編成している。このCDMからネオコンは生まれるが、その集団に「元トロツキスト」も多い。レオン・トロツキーの信奉者だった、あるいはそう名乗っていたということだ。投機家のジョージ・ソロスやヒラリー・クリントンもこの人脈に属している。

 現在、イスラエルではソロスとネタニヤフが戦っているようだが、当然だろう。ボルトンはネタニヤフ側だ。ボルトンがシオニストであることは確かだが、ネオコンと呼ぶべきではないかもしれない。

 トランプ政権はCIAやFBIという機関と対立しているが、ボルトンはイスラエルの情報機関モサドの長官と接触していると言われている。モサドはジャボチンスキーの人脈と関係が深い。

 サウジアラビアのモハメド・ビン・サルマン皇太子もアデルソンに近く、イスラエルとの同盟関係を隠そうとせず、反パレスチナを公言している。こうした発言やエルサレムへのアメリカ大使館移設は中東の人々を必要以上に刺激すると中東支配という目的にとってマイナスになると考えているネオコンとは意見が違うが、この段階になると、ネオコンは修復できないだろう。


 

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