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カショギ惨殺事件がワシントンの話題を独占する4つの理由(ニューズウィーク)
http://www.asyura2.com/18/kokusai24/msg/423.html
投稿者 赤かぶ 日時 2018 年 10 月 30 日 21:48:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

カショギ惨殺事件がワシントンの話題を独占する4つの理由
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/10/4-63.php
2018年10月30日(火)16時00分 スティーブン・クック(米外交問題評議会上級研究員) ニューズウィーク


トランプ米大統領は記者殺害を命じたと疑われるサウジのムハンマド皇太子(左)と親密な関係を築いてきた Jonathan Ernst -REUTERS


<サウジアラビアと親密なトランプ政権にとって、事件の影響はあまりに大きい。ただ、今日までのサウジは悩みの種以外の何物でもなかった>




※この記事は本誌11/6号(10/30発売)「記者殺害事件 サウジ、血の代償」特集より。世界を震撼させたジャーナリスト惨殺事件――。「改革」の仮面に隠されたムハンマド皇太子の冷酷すぎる素顔とは? 本誌独占ジャマル・カショギ殺害直前インタビューも掲載。


仮にドナルド・トランプ米大統領がホワイトハウスの庭で誰かを殺したとしても、首都ワシントンではジャマル・カショギ殺害事件ほどの話題にはなるまい(大統領執務室での不倫疑惑でも浮上すれば話は別だが)。

トルコで起きた謎の殺人事件が、ほぼ1カ月もワシントンの話題を独占しているのはなぜか。理由は4つある。

まず、カショギは地元紙ワシントン・ポストのコラムニストだった。遠い異国の事件とはいえ、犠牲者は地元の言論界の仲間だ。

次にトランプ政権はサウジアラビア、とりわけカショギ殺害を命じた疑いのあるムハンマド・ビン・サルマン皇太子と深い関係にある。

さらに、サウジアラビアがアメリカの政界に対して持つ影響力について、不愉快な疑問が浮上している。

そして最後に、傲慢なムハンマドとトランプ政権の親密さに対する批判の高まりがある。この皇太子はカショギだけでなく、アメリカの中東政策をも殺しかねない。

トランプ政権が中東政策においてサウジアラビアを、そして実力者のムハンマドを重視すると決めたことには一定の合理性がある。トランプがホワイトハウスの主となった昨年1月、過去の中東政策を早速洗い直した外交スタッフは、サウジ以外の選択肢がないことにすぐ気付いたはずだ。他のアラブ諸国は頼りにならず不安定、そして国の規模が小さ過ぎる。

だからトランプはサウジを選んだ。そしてトランプが「イランとの核合意破棄」という選挙公約を履行する意思を表明すると、サウジは喜んでトランプを支持した。

トランプがテロ組織ISIS(自称イスラム国)を「完全に破壊」すると豪語してイスラム過激派に戦いを挑んだときも、サウジ政府は支援を表明した。パレスチナ問題でも、イスラエルべったりのトランプ政権に「協力」を約束した。アメリカの軍需産業を助けたいトランプの意向に応え、サウジは気前よく巨額なアメリカ製武器を買った。石油と並んで、武器・兵器は両国間の貿易で大きな比重を占めている。

■威勢はいいが、実績はなし

ムハンマドとトランプ政権の深い仲は周知の事実だ。サウジアラビアのサルマン国王はタフガイで鳴らす息子がお気に入りで、後継者に決めていた。トランプもタフガイは大好きだ。

そして米政権内の誰かが、トランプの義理の息子ジャレッド・クシュナー上級顧問(37歳だ)をムハンマド(こちらは33歳)に引き合わせるという妙案を思い付いたのだろう。もちろん前者に外交経験がなく、後者が世間知らずであることなど度外視だ。

いくら世間知らずでも、ムハンマドは自分の国が変化を必要としていることを理解していた。そして彼の掲げる経済と社会の改革は、アメリカにも好ましいものに見えた。

もちろん、サウジアラビアがアメリカにとって有益な存在だと考えるのは希望的観測の域を出ない。実際、今日までのサウジアラビアは悩みの種以外の何物でもなかった。

確かに皇太子は宗教警察の権限を縮小し、映画館の営業を認め、コンサートの開催を許し、女性による自動車の運転も解禁した。これらはどれも建設的な改革だった。

しかし一方で、サウジ社会における人権侵害や言論弾圧はひどくなっていた。政治力を蓄えたムハンマドは、どれほど遠く離れていようと、どれほど穏健であろうと、自分に反対する者は全て黙らせるつもりでいる。外国からの批判に対する彼の反論を要約すれば、「私はサウジ皇太子だ、邪魔をするな」とでもなるだろう。

それはアメリカに直接影響を及ぼすわけではないが、権力を追い求めるムハンマドの貪欲さが、微妙なバランスの上に成り立ってきたサウド王家を不安定化させているのではないか、というもっともな疑問も浮上している。

外交に関していえば、サウジアラビアのやってきたことは威勢がいいだけで、何も達成できていない。人権問題で優等生のカナダ政府がサウジ人権活動家の拘束を非難するツイートをしたときは、何とかカナダを悪者に見せようとやり返したが、かえって墓穴を掘った。

昨年6月にはエジプトや隣国のアラブ首長国連邦、バーレーンを味方に引き込み、イランに接近しているとの口実でカタールとの国交を断ち、経済封鎖に乗り出した。結果、一時的にはカタール経済も揺らいだが、すぐに立ち直り、今はサウジ同盟国との国交がなくともうまくやっている。

この騒動で得られた成果があるとすれば、何としてもイランを封じ込めたいトランプ政権の国防担当者の頭痛のタネを増やしたことくらいだ。

■裏目に出たサウジとの絆

パレスチナ和平に関しても、サウジアラビアが活躍できる見込みはない。トランプ政権がパレスチナ自治政府のマフムード・アッバス議長にイスラエルへの降伏を説くような状況で、パレスチナ側が親米派のサウジ政府に公平な仲介役を期待するわけがない。

最悪なのはシーア派武装勢力の増長を食い止め、アラビア半島の不安定化を防ぐためと称して始めたイエメン内戦への軍事介入が、全く正反対の事態を招いている事実だ。

アメリカは、勝ち目のない戦争に足を突っ込んだサウジアラビアの同盟国という厄介な立場に置かれている。サウジアラビアのイエメン介入を物資の面で支援する米政府は、自らが招いた人的被害に驚くほど無頓着な独裁国家の仲間と見なされている。8月にイエメンの子供が乗ったスクールバスを誤って空爆したときも、有志連合の中核を成すサウジ軍人たちはずっと「正当な軍事行動」だと主張していた。

そして今度は、およそ国家の安全を脅かすとは思えない人物を無惨に殺すことで国際的な騒動を起こした。

新しいサウジアラビアも、昔と変わらない無能さと傲慢さ、センスの悪さを発揮しているようだ。しかも以前よりたちが悪い。自分たちが偉大な存在だと信じ込んでいるからだ。

サウジ政府が10月16日、シリア再建資金としてアメリカに1億ドルを提供したのはいいことだ。だがこれまでのところ、サルマンとその息子の下で行われてきた政策はどれも役立たずで、さもなければ逆効果だった。

こういう批判に、彼らはこう反論するだろう。「アメリカ人は私たちに、自国の安全を守り共通の利益を推進するためにもっと責任を果たせと言う。だが私たちが行動を起こすと文句を言い、批判するばかり。いったいどうしてほしいのか?」

彼らの言い分にも一理はある。しかし、アメリカとの絆を守りたいなら答えは1つだ。もっと大人になれ。

※本誌11/6号(10/30発売)「記者殺害事件 サウジ、血の代償」特集はこちらからお買い求めになれます




 

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