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世界に比類なき日本文化 _ 名誉白人認定されたいアホ右翼は欧米人に金渡して「日本スゴイ!」と言わせている
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/235.html
投稿者 中川隆 日時 2019 年 2 月 12 日 10:54:38: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 

(回答先: チャンネル桜の常連 西岡力 の悪質な詐欺の手口 投稿者 中川隆 日時 2019 年 2 月 05 日 11:48:55)

世界に比類なき日本文化 _ 名誉白人認定されたいアホ右翼は欧米人に金渡して「日本スゴイ!」と言わせている


2019.02.09
【トンデモ】世界に比類なき日本文化【和菓子、絵文字、かわいい、etc etc】
https://rondan.net/13727


Contents

1 日本文明スゴイ、日本文化スゴイ
2 記紀は全て事実
3 日本文明は1万2000年前からある
4 emoji
5 かわいいとコスプレ
6 和菓子文化
7 偏見の塊


日本文明スゴイ、日本文化スゴイ

保守論壇の重鎮・加瀬英明氏は「日本スゴイ!」と言ってくれる外国人タレントを発掘する天才として知られます。かのケント・ギルバート氏を育て上げた人物でもあります。つまり、外国人の日本を褒めさせるという市場を開拓した一人と評価できるでしょう。

そんな加瀬氏は、これまで多くの外国の方々との対談・共著本を出していますが、そのいずれも「日本スゴイ!」で埋め尽くされています。

しかし対談相手となっている外国人の「日本スゴイ!」が余りに熱烈かつワンパターンなので、「ほんとにそんなこと言っているのか?」「何か忖度して語っているのか?」と疑いたくなってくるレベルです。

今回は、そんな不思議な加瀬氏と、ヘンリー・H・ストークス氏との共著(実質的には加瀬氏の単著?)である『英国人記者が見た 世界に比類なき日本文明』(祥伝社, 2015)を紹介していきたいと思います。

記紀は全て事実

日本が大好きなH・S・ストークス氏は、『古事記』『日本書紀』(記紀)の記述が全部事実だと考えています。何故か加瀬氏が連れてくる外国人タレントは、必ずと言っていいほど記紀を熱烈に称賛するのですが、H・S・ストークス氏の熱意は特にスゴイものがあります。


私は『古事記』を呼んで、最新の近代科学との近さに、驚いた。今日、物理学者のあいだで定説となっている、「ビック・バン学説」とまったく変わらないことに気づかされた。
p. 52

「最新の現代科学」ではなくて「最新の近代科学」となっているところがミソですね。どういう科学なんでしょうか。

しかし『古事記』の天地開闢のどこをどう読めば「ビック・バン学説」に接近するのか知りたいところです。

まぁH・S・ストークス氏は、母国イギリスのアーサー王伝説は信じないのに、記紀神話の歴史性を確信して神武天皇の実在を信じてしまう変わった方なので、天地開闢くらい信じても不思議ではないか…。

日本文明は1万2000年前からある

そして度が過ぎた尚古主義がちらほら。古代四大文明よりも古くから日本文明があったと主張。


まな板を台形にしたような形の「石皿」は、木の実をすりつぶす時に使われたと思われる。推定年代は、約一万二〇〇〇年前だという。これは聖書の世界である六〇〇〇年前の倍も古い。だが問題は、物的証拠があることだ。

そのような時代に、極東の島国に文明が開化していたと、信じる者はまずいない。世界史で古代四大文明として知られる、エジプト文明(紀元前三〇〇〇年ごろ)やメソポタミア文明(紀元前三五〇〇年ごろ)、インダス文明(紀元前二三〇〇年ごろ)や、黄河文明(紀元前五〇〇〇年ごろ)と比較しても、日本には、より古い文明があったことになる。
pp. 60-61


たかだか「石皿」くらいで、文明扱いかよ!(笑)

と思って調べたところ、アフリカで約28万年前の「石皿」が見つかっているそうです。よって日本文明はたかだか1万2000年、アフリカ文明は28万年となるので日本の圧倒的敗北。(更科功『絶滅の人類史』NHK出版, 2018, 185頁)

emoji

この他にも日本発祥のものがどんどん絶賛。

コスプレ、アニメ、テレビ・ゲームを称賛しつつ、特に絵文字(emoji)について御注進。


emojiが全世界を席捲するようになっているが、アメリカのホワイトハウスのソーシャル・メディアによっても、使われるようになっている。
p. 111


世界に認めれたメイド・イン・ジャパン!

調べましたところ、確かに絵文字(emoji)が積極的に取り入れられたのは、日本の携帯会社の企業努力の賜物だそうです。

しかしこれを日本文化論と結びつけるのは余りに安直というもの。中国の甲骨文字といった象形文字や、マヤ文明のマヤ文字なども絵文字の一種ですから、これは人類普遍のものでしょう。

しかし本書によれば、日本の精神がemojiを生み出したとされます。


海外でも日本語のままemojiと呼ばれており、いまや世界語の仲間入りを遂げているが、きっと俳句のように省略する精神が、生んだものなのだろう。
p. 112


いやいや…俳句とemojiを結び付けるって流石にこじつけでしょ…。ここまで無理して日本文化を褒めだすと、逆に情けなくなります。

きっと、こういう安直な考えの人にとっては「碁」ですらも日本文化になってしまうのでしょうね…。中国では碁(go)とは表記しませんので。

かわいいとコスプレ

また日本文化を称賛しつつも、保守論壇の宿命か、女性差別的要素が頻出します。「かわいい」と「コスプレ」について次のように力説。


西洋では女性はハイティーンになったことから、一人の自立した女――ウーマンwomanになることが求められる。

ところが、日本では女性が成人して中年、高齢となっても、「かわいい」ことが期待される。

日本の女性は歳をとっても、女性的でかわいいところがあって、緊張を和らげてくれるのだ。このようなところも、和の社会をつくるのに役立っている。日本ではこの二〇年ほどのところ、“コスプレ文化”が生まれたのは、日本社会が西欧化してしまって、刺々しくなったことに対する反発だと思う。
pp. 112-113


トンデモ理論であることは言わずもがな、なんなんでしょこの女性蔑視…。


「日本女性は自立した女性になることを求められていない」とでも言いたいのでしょうか。きっと言いたいんでしょうね。加瀬氏の著作にはアナログ的な「男らしさ」「女らしさ」論が頻出します。

もっとも男は褌(ふんどし)を履けば「男らしく」、女は箒(ほうき)で軒先を履けば「女らしく」なるという安直な理論なのですが。

和菓子文化

和菓子文化賞讃に至っては、トンデモ言説が頻出。


世界のなかで、もっとも精緻で美しい菓子といえば、日本の和菓子と、ヨーロッパの洋菓子しかない。
中華料理はフランス料理と並ぶ、世界の二大料理だといわれるが、菓子となると月餅ぐらいしかない。

韓国には米などの粉の生地を油で揚げた、ハングァがあって、高麗朝に生まれたというが、土産に買って帰りたいとは思わない。
東南アジア諸国や、インド、中東にも、感心するような菓子がない。
p. 150

単に嗜好の問題か、それとも日本とヨーロッパのお菓子しか知らないだけだろ(笑)

こんな文章読んで喜ぶ日本人というのは、そんなに名誉白人認定されたいのでしょうか?

しかも日本とヨーロッパで菓子文化が発達した理由がスゴイ。


日本とヨーロッパで、突出した菓子文化が発達したのは、女性が自由だったからだ。
中国では、良家の女性は幼い時から、纏足が施されていたから、自由に行動できなかった。

韓国では、上流社会の両班の妻や娘たちは、墓参り以外には、外出することができなかった。中東では、今日でも女性は、家族の男性にともなわれなければ、家から外へ出られない。
日本とヨーロッパでは、女性が自由に行動することができたから、女どうしの付き合いがあったため、菓子文化が発達した。
pp. 150-151


「日本において女性が自由だった」という虚言は、保守論壇の常套句。しかしその本音は次のようなもの。


ジャーナリズムが、女性の不満を煽り立てて、女性は外へ出るべきだ、という夢物語を、飽きることなく繰り返しているのは、腹立たしいかぎりである。
p. 155


結局、保守論壇が言う所の「女性の自由」というは、所詮この程度でしかないわけです。

偏見の塊

最後の偏見の塊の一文を紹介します。


女だけによって育てられた男は、男らしく育つはずがない。
母親によって独占されて育った男の子は、依頼心の強い人間となる。……不甲斐ない人間に、なるだけのことだ。

p. 160


はぁ…。

片親の家庭の子は、不甲斐ない人間になるとでも言いたいのでしょうか?

この様な偏狭な言説が保守論壇を覆い尽くしている以上、良識ある国民がそれを支持することは決して無いでしょう。

https://rondan.net/13727
 

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コメント
1. 中川隆[-12250] koaQ7Jey 2019年2月12日 11:00:18 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22234] 報告

日本すごい! - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%99%E3%81%94%E3%81%84%21&sp=mAEB

Cool Japan - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=Cool+Japan+&sp=mAEB

2. 中川隆[-12249] koaQ7Jey 2019年2月12日 11:07:19 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22234] 報告

2019.02.09
【トンデモ】『日本が果たした人類史に輝く大革命:
「白人の惑星」から「人種平等の惑星」へ』H・S・ストークス×植田剛彦(自由社, 2017)
https://rondan.net/114


Contents

1 「白人の惑星」から「人種平等の惑星」へ人類史に輝く大革命
2 『日本が果たした人類史に輝く大革命』の目次
3 「人種平等の惑星」の大革命を達成したはずの日本がとる偏狭な態度

「白人の惑星」から「人種平等の惑星」へ人類史に輝く大革命

今回は、


H・S・ストークス×植田剛彦『日本が果たした人類史に輝く大革命:「白人の惑星」から「人種平等の惑星」へ』(自由社, 2017)
https://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%8C%E6%9E%9C%E3%81%9F%E3%81%97%E3%81%9F%E4%BA%BA%E9%A1%9E%E5%8F%B2%E3%81%AB%E8%BC%9D%E3%81%8F%E5%A4%A7%E9%9D%A9%E5%91%BD%E3%83%BC%E3%80%8C%E7%99%BD%E4%BA%BA%E3%81%AE%E6%83%91%E6%98%9F%E3%80%8D%E3%81%8B%E3%82%89%E3%80%8C%E4%BA%BA%E7%A8%AE%E5%B9%B3%E7%AD%89%E3%81%AE%E6%83%91%E6%98%9F%E3%80%8D%E3%81%B8-%E3%83%98%E3%83%B3%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BBS%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%82%B9/dp/4915237990


という自画自賛にも程があるタイトルの書を紹介したいと思います。

本書は、もとは2015年に刊行された『目覚めよ!日本』(日新報道)の改訂版のようで、新たにケント・ギルバート氏の解説を加えたようです。

タイトルからも予想できるようにその内容は、アジア太平洋戦争(大東亜戦争)を「人類史に輝く大革命」と位置づけ、その大革命によって地球は「白人の惑星」から「人種平等の惑星」になったと主張します。

実際にあった出来事の主語と述語を極限まで拡大解釈して、自身の思想理念を語らせてしまうことは保守界隈の常套手段ですが、本書はその典型例でしょう。本書のタイトルにある内容が事実であれば、大東亜戦争を起こした日本はノーベル平和賞を受賞していてもおかしくないはずなのですが、そのような気配は一向に見られません。どうも保守界隈の認識というものは、世界の常識とはかけ離れているようです。もちろんこの常識を修正することが保守の目標なわけですが、あまりに荒唐無稽な理論を展開してしまうと、かえって目標を達成できなくなってしまうのないかと危惧します。

『日本が果たした人類史に輝く大革命』の目次

まずは目次を確認してみましょう。細目まであげます。


まえがき ヘンリー・S・ストークス

第一章 日本よ、目覚めなさい!連合国戦勝史観の呪縛からの脱却
 東京裁判は勝者の復讐劇≠セった
 ペリーが種を播き、マッカーサーが刈りとった
 反日思潮に惑わされず、歴史の真実を学び、誇りある国へ
 アジアを独立させたのは日本の進攻だった

第二章 「朝日新聞」の売国キャンペーン≠許してはならない
 日本を攻撃する中韓両国と、手を貸す朝日新聞
 韓国は日本の善意を蔑ろにした
 NHKまで中韓のプロパガンダのお先棒をかついでいる
 慰安婦とは売春婦そのものだった
 無責任な平和主義が日本人の背骨を冒している
 慰安婦をなくすのは戦争をなくすのと同じように難しい
 韓国はソウルの国会前とアメリカ大使館前に「慰安婦像」を設置すべきだ
 日本人が日本を貶める醜さ
 謝罪は罪を認めること、認めれば償いが伴う

第三章 日本なしに中国、韓国は近代化はできなかった
 満州国士官学校に血書志願した朴正煕大統領
 朝鮮は日韓併合によって近代国家になった
 日本はアジアを大きな家族と見て、朝鮮を豊かに発展させた

第四章 原爆許すまじ
 裁かれるべきはアメリカだ
 日本国憲法は日本「属国化」のための手枷足枷である
 大東亜戦争によって世界の秩序を変えた日本
 「大東亜戦争」を「太平洋戦争」にすり変えたアメリカの奸計
 日本はイギリスをモデルにして「諜報世界」に強くなる必要がある

第五章 南京大虐殺のウソ
 大東亜戦争は自衛戦争であり、同時にアジアを解放した
 東京裁判は「裁判」の名を偽った復讐劇だった
 東京裁判がデッチあげた南京大虐殺

第六章 三島由紀夫とは何だったのか
 三島由紀夫は「殉教」を選んだ
 三島は日本のダヌンツィオ≠セった
 いつ、三島の心≠ェ理解されるのか

第七章 日本の再生に向けて、過去を脱却し力強い未来を築け!
 世界一の日本文化をもっと発信しよう
 危機にあって、なお光る日本人の「思いやり」 ここが共通するイギリス人と日本人
 ユーモア感覚 イギリスと日本は共通項が多い
 日本は異質なものまで受け入れ、昇華して独自の文化を育んだ
 島国にはハイブリッドの文化が醸成される 日本は日本を取り戻せ

解 説 ケント・ギルバート


目次からも明らかなように、実際には「人類史に輝く大革命」だの「白人の惑星」だの「人種平等の惑星」だのといった大げさな話は殆ど出てきません。むしろ、朝日新聞批判、中韓批判、原爆投下批判、南京大虐殺否定論、慰安婦批判などがコンテンツの大部分を占めています。タイトルが内容がほとんど一致しないという点も、昨今の保守本の傾向の一つです。

「人種平等の惑星」の大革命を達成したはずの日本がとる偏狭な態度

この手の保守本に散見される矛盾が本書にも如実に現れるので、その点を指摘したいと思います。

著者の一人、植田剛彦氏は、黒人のオバマ大統領が登場したのは日本が白人支配を一掃したからだとか、日本人は他のアジア人を身近な兄弟として感じていたとか、日本には民族平等の世界を実現したいという悲願があったとか、日本人がいかに平等を尊び慈愛と思いやりに満ちた善良な存在であるのかを強調しています。

にもかからず中国・韓国については「韓国は日本の善意を蔑ろにした」とか、「中国と、韓国は日本の国際的な評価を傷つけて」いるとか、「韓国は世界最大の売春婦の輸出国」だとか、「日本なしに中国、韓国は近代化はできなかった」とか、「慰安婦は売春婦そのものだった」とか、極めて偏狭な言説をしています。

これらの中韓への発言は、彼らが強調していた日本人の美徳と、全く矛盾しているように思えます。著者の植田剛彦氏は、自身を「品行方正な男性」とまで自画自賛していますが(p. 66)、このような矛盾に全く気がついておられないところに、保守論壇の視野の狭さを感じずにはいられません。


https://rondan.net/114


3. 中川隆[-12248] koaQ7Jey 2019年2月12日 11:09:49 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22234] 報告

日本のアホ右翼は太平洋戦争はアジアを植民地支配から解放する為にやったというデマを流しているが…


今週、チャンネル桜で大東亜戦争についての討論会があったけど、出演者の知的レベルがあまりにも低いので驚いた。
とりわけ酷いのは、小堀桂一郎や高山正之、田中英道、岩田温であった。

彼らは大東亜戦争を検討するにあたり、日本の「自存自衛」を強調していたが、これは戦後になってから偽装保守が吹聴した言い訳である。

かつての大日本帝国の行いを何とかして正当化し、美化したい人たちの中には、

「米英に対する日本の戦争(大東亜戦争)は、アジア人を欧米人の頸から解放する為の戦争だった」

と今なお強弁する人もいるが、もしそうなら、蒋介石政府と事を構える必要はなく、そのまま仏印や蘭印に攻め込めばよかった訳だし、韓国には「韓国人による韓国人の為の政府」を作るように促せばよかったのだ。

一般の兵卒は、大切な家族、郷里の先輩後輩、親友、祖国、皇室のためなら歯を食いしばって戦うが、見ず知らずの南方土人を救うために、自分の命を「鴻毛」の如く考えることはない。作戦参謀や政治家が、前線の若者に向かって

「可哀想なフィリピン人やビルマ人のために、女房子供、両親兄弟を諦めて命を懸けてください」

と言えるのか?

普通の日本人がアジア人に接すれば、「何だ、こいつらは !」と生理的な拒絶反応を抱いてしまうだろう。
例えば、漢文の教科書に登場する支那人は、君子とか詩人、大人(たいじん)といった立派な人物なのに、大陸で目にする支那人は、詐欺師よりも悪質な嘘つきで、弱者に対して残酷、強者に対して卑屈であったりする。
朝鮮人の場合は、もう救いようがないアカンタレで論外。小便で洗顔し、糞で作った薬を飲むような賤民には、なるべく近寄りたくない。

▲△▽▼

【アホ右翼の討論】もし大東亜戦争の開戦が無かったら?[桜H30-8-11] - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=mZ0_wOxSUyY

◆もし大東亜戦争の開戦が無かったら?

アホ右翼のパネリスト:
 岩田温(政治学者・大和大学政治経済学部専任講師)
 上島嘉郎(元産経新聞社『月刊正論』編集長・ジャーナリスト)
 小堀桂一郎(東京大学名誉教授)
 山正之(コラムニスト)
 田中英道(東北大学名誉教授)
 西岡力(「救う会」全国協議会会長・モラロジー研究所歴史研究室室長)
 林千勝(戦史研究家)
 宮崎正弘(作家・評論家)
司会:水島総

▲△▽▼


無敵の太陽 高山正之の異常な怨念 - 自存自衛を掲げて隷属国となった日本 2018年08月15日
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68729501.html


チャンネル桜の蛸壺会議
Takayama 1(左 / 高山正之 )

  保守派論客と称される知識人の中には、常識に欠ける人が珍しくない。今週、チャンネル桜で大東亜戦争についての討論会があったけど、出演者の知的レベルがあまりにも低いので驚いた。とりわけ酷いのは、小堀桂一郎や高山正之、田中英道、岩田温であった。彼らは大東亜戦争を検討するにあたり、日本の「自存自衛」を強調していたが、これは戦後になってから偽装保守が吹聴した言い訳である。もし、我が国の自存自衛を考えるなら、東南アジアにある西歐の植民地支配を攻撃せず、満洲を狙うソ連に向かって進撃すべきであった。つまり、「南進」という愚策を捨て去り、真に重要な「北進」へと舵を戻すべきであったのだ。

  ところが、小堀・高山・田中・岩田の四氏は、歐米諸国の人種差別を理由にして、日本軍の南進を正当化していたのである。南進や海軍の害悪については、中川八洋先生が『大東亜戦争と「開戦責任」』(第三章)と『山本五十六の大罪』(pp.225-253)で詳しく述べているから、ここでは立ち入らない。ただ、我々は大東亜戦争の本質を確認すべきだ。先の大戦は日本の独立や安全の為ではなく、祖国を英米とぶつけて疲弊させ、あわよくば壊滅的状態に持ち込み、共産主義革命を実現したいと願う左翼分子の画策であった。日本の軍部や政界、官界、学界などに潜む反日分子は、自分達が司令塔になって社会の隅々までをも支配したい、出来ればソ連の傘下に入って官僚主導の統制経済や全体主義を実現したいと望んでいたのだ。

  現在の日本人からすればアホらしく思えるけど、経済を知らない武闘派軍人や議会を嫌う革新官僚からすれば、自分達の命令通りに動く統制社会は素晴らしい。エリート意識の強い大蔵官僚とか観念型の中堅軍人は、自分の知能・知識で社会を設計できると思い込む。つまり、知的設計主義(intellectual constructivism)に流れる傾向が強い。共産主義に憧れる連中というのは、だいたいが試験秀才で、自惚れ屋というのが定番だ。彼らは「難しい試験に落ちた庶民は、優秀な俺たちの云う事を聞いていればいい!」という傲慢な態度に出やすい。しかし、生身の人間が暮らす社会を理性で設計なんて考えは最初から間違っている。だいたい、莫大な数の材料や商品を、役人が一つ一つ計画し、合理的に生産して流通させて行くことは現実的に有り得ず、失敗するのがオチだ。実際、ソ連の計画経済は破綻し、従った民衆が塗炭の苦しみを味わったじゃないか。

  保守派知識人の議論は本質と周辺部分をごちゃ混ぜにして議論するから、一般国民は何が何だか分からなくなる。日米開戦となった時、なるほど普通の日本人は祖国のためと思って闘ったし、アメリカの理不尽な圧力に対して怒っていたことも確かだ。しかし、その一方で、ソ連とその手先となった日本人が、日本を英米と戦わせ、漁夫の利を得ようと謀っていたのも事実である。近衛文麿や昭和研究会に集まった左翼知識人、「良識派」を装った海軍の極悪人である米内光政、陸軍の松村知勝・作戦部長、浅田三郎・情報課長などを思い出せば察しが付くだろう。本来なら、チャンネル桜に出演する言論人は、政府や軍部に蔓延る赤い人物を炙り出す役目を担っているのに、それを故意に避けているのか、それとも頭が悪くて見抜けないのか、ことさら国民の目を西歐の人種差別に向けさせる。こんな論調は一種の陽動作戦だ。

  外国人工作員にとって、反日左翼とボンクラ保守を操るのはいとも簡単。日本人が好む「エサ」を目の前にばらまけば直ちに食いつき、好きな方角に誘導できるからだ。日本人は本質的に西歐白人に憧れ、彼らと対等になりたいと望むから、その願望が打ち砕かれてしまうと、理性を失った変質者になってしまう危険性がある。戦前の日本人を見ていると、まるで「俺が愛していると告白したのに、あの女め、俺様に肘鉄を喰らわしやがった。おのれぇ〜、刺し殺して家に火をつけてやる !!」と憤慨するストーカーとそっくり。西歐人の白人至上主義とか植民地支配を非難する人ほど、白人に対する横恋慕が強い。だいたい、イギリス人やフランス人がアジアないしアフリカを征服したからといって、なぜ日本人が「解放」の天使になる必要があるのか? 何千、何万もの日本人が失う生命と、だらしないアジア人の独立が釣り合うとは思えない。たとえ、征服されたアジア人が日本の犠牲で白人支配から抜け出せても、我が国が帝國陸海軍を失い、米国の属州になってしまうのなら、何の為の戦争なのか分からなくなる。日本人は武士の伝統があるから「独立不羈」を渇望するが、アジア人は隷属が“自然状態”となっているので、独立しても少し時間が経つと、再び誰かの支配下になって元の木阿弥だ。第一、マレー人やインド人、ビルマ人、フィリピン人が真に自国の独立を望むなら、まず自分自身で強くなってから蹶起すべきで、日本人が流血を伴って支援すべき事柄ではない。

Colonial rule 1Colonial rule 2
(左: 西歐支配下のアジア人 / 右: 帝国時代のアフリカ人 )

  そもそも、安全地帯にいる作戦参謀や政治家が、前線の若者に向かって「可哀想なフィリピン人やビルマ人のために、女房子供、両親兄弟を諦めて命を懸けてください」と言えるのか? 一般の兵卒は、大切な家族、郷里の先輩後輩、親友、祖国、皇室のためなら歯を食いしばって戦うが、見ず知らずの南方土人を救うために、自分の命を「鴻毛」の如く考えることはない。機関銃を知らず鉛筆くらいしか持たない知識人は、勝手な「アジア人像」を拵えて、「アジア解放の大義に基づく聖戦」とか「東亜の新秩序」なる宣伝文句を口にするが、普通の日本人がアジア人に接すれば、「何だ、こいつらは !」と生理的な拒絶反応を抱いてしまうだろう。例えば、漢文の教科書に登場する支那人は、君子とか詩人、大人(たいじん)といった立派な人物なのに、大陸で目にする支那人は、詐欺師よりも悪質な嘘つきで、弱者に対して残酷、強者に対して卑屈であったりする。朝鮮人の場合は、もう救いようがないアカンタレで論外。小便で洗顔し、糞で作った薬を飲むような賤民には、なるべく近寄りたくない。

  日本国内で東南アジアを論じる知識人は、現地人の実態に触れず、もっぱら西歐白人に虐げられた憐れな東洋人と位置づける。しかし、実際に南方へ出向いた日本人には、違う感情が渦巻いていた。例えば、シンガポールには日本企業から派遣されたビジネスマンとか、ひと稼ぎしようと目論む商売人が結構住んでいた。当時の日本人居留者は、主に二つのグループに分かれていたという。一つは、「グダン族」と呼ばれる人々で、三井物産や台湾銀行、横浜正金銀行、日本郵船の支店などに勤めるエリート社員たちだ。もう一つは、「下町族」と呼ばれる人々で、南洋に骨を埋めるつもりでやって来た流れ者たちである。この移住者たちは、これといった学歴も無く、総領事やエリート社員たちとは違った世界に住んでいたようだ。つまり、一流企業に勤める「グダン族」とは口をきくような間柄ではなく、気心の知れた者同士で寄り添い合う庶民である。

  ただし、ほとんどの在留邦人は南洋に移り住んでも、おしなべて「日本的生き方」を貫こうとした。なぜなら、彼らは日本に帰っても幸せになれぬ人を除いて、誰しも日本に帰ることを希望していたからである。特に、エリート社員の日本人は、常日頃から「純粋なる日本人」を心掛けていたそうで、「現地の“土人”とは違うんだ」という意識が強かった。「グダン族」にはカイゼル髭を生やし、西洋帽子を被っていた者もいたらしい。中には、五つボタンが附いた詰襟の洋服を着ていた者まで居たというから驚きである。太陽が照りつけるインドシナの気候で、この服装だとかなり暑かったんじゃないか。現在でも、きちんとした服装を心掛けるサラリーマンは、真夏でも背広を着込んで山手線に乗ったりするけど、日本の気候でイギリス人紳士を真似るなんて馬鹿げている。敬虔なピューリタンでもないのに、ダーク・スーツを身に纏う日本人は滑稽だ。蒸し暑い日本なら、アロハ・シャツの方がよっぽどいい。

  もっとも、「南洋」支店に“飛ばされた”「本土族」の中には、「場末」に左遷されたと歎く者もいたそうで、日本人の見栄をかなぐり捨てて、だらしないステテコ姿になっていた人もいたようだ。しかし、選良族であれ下町族であれ、在留邦人が共通して持っていたのは、華僑や土民とはちがう「一等国民」という矜持(プライド)だった。スポーツを楽しむ時も、エリート社員はテニスやゴルフに興じ、下町族は野球や武道、相撲大会などを開いていたそうだ。確かに、立派な帝國海軍を持つ日本人には、アジア人とは違った上流意識があり、自分の身に何かあれば祖国の戦艦が助けてくれるという安心感と自慢があった。だから、「俺たちはヨーロッパ人の支配に甘んじている南洋土人なんかとは同類じゃない。日本は一等国だ。こんな茶色い連中と一緒にされては困る」と思っていた。こんな調子だったから、いくらインテリどもがアジア人との連帯を叫んでも、現地の日本人には通じなかったのである。

  世界の情勢に直面するとき、日本人の精神は矛盾と欺瞞に悩まされる。西歐列強のアジア支配に危機感を覚えてアジア民族との連携を考えるが、実際のアジア人を見ると、「こんな奴らが本当に頼りになるのか?」と不安になるし、「科学技術や生活水準で劣った民族」にしか思えないから、対等な民族とは考えない。むしろ、日本人にとって「お荷物」になる可能性の方が高いと見なしてしまう。実際、台湾は蛮族が棲息する島国だったし、朝鮮は乞食より貧乏なエタが住む後進国だった。日本の周辺を見渡すと、本当に情けない国ばかり。日韓併合なんて、腐った鶏肉を食べたようなものだ。いざ、朝鮮民族を統治してみると、支配による利益より、民度を高めるために投じた資金の方が大きく、税金の無駄遣いという後悔の方が強かった。今では常識になっているが、朝鮮半島に注ぎ込むお金があるなら、東北地方の日本人に投資した方がよっぽど有意義である。日本の議員や官僚は、幕府側についた日本人を無視するかのように、碌でなしの朝鮮に立派な学校や道路、橋、ダム、発電所など建設するんだから、冷血漢としか言いようがない。また、朝鮮に大量の税金を注ぎ込むことで、南満洲の防禦策が手薄になり、対ロシア戦略にとってマイナスとなった。

白人を憎むコラムニスト

  日本の保守派言論人は、こうした生々しいアジアを語らず、矢鱈と西歐白人に敵意を燃やす人が多い。例えば、ジャーナリストの高山正之は異様なくらいアメリカに憎悪を抱くが、日本の国益を考えればアメリカ人を味方につけた方が賢いはずだ。チャンネル桜の討論会に出演した高山氏は、セオドア・ローズヴェルト大統領が「白人の重荷」となる朝鮮を日本に押しつけたと憤る。(高山正之 / 藤井厳喜、 「新・大東亜戦争肯定論」、『WiLL』8月増刊号p.24) しかし、朝鮮半島を併合したかったのは、伊藤博文や陸奥宗光らを嫌った山縣有朋たちの一派だ。そもそも、なぜ伊藤博文が暗殺されたからといって、あの愚劣な朝鮮を吸収せねばならないのか? それに、伊藤が暗殺されたとき、兇弾の入射角度に疑問が湧き上がったが、なぜか調査は行われずうやむやにされてしまった。これはどう考えてもおかしく、普通なら納得できない。いくら何でも、総理大臣になった元勲が殺されたというのに、科学的検証が中止されたのだから、裏に何かあると思われても仕方ないだろう。筆者は陰謀論に組しないが、こうした“いかがわしい”事件が起きた場合、たいてい内部犯行という線が濃厚だ。(案外、伊藤を邪魔に思っていた山縣の差し金だったりして。)

Theodore Roosevelt 1Ito Hakubun 2Mutsu Munemitsu 1Yamagata Aritomo 1
(左: セオドア・ローズヴェルト / 伊藤博文 / 陸奥宗光 / 右: 山縣有朋 )

  高山氏は米国のフィリピン領有にも怒っていたけど、米国海軍がフィリピンに駐留することで我が国の背後が安全となったから良かったじゃないか。原始的なタガログ族とかイロカノ族を日本が統治したら、税金の浪費にしかならず、日本国民の方が搾取されてしまうだろう。でも、高山氏は日本がフィリピンを占領した方が国益に適うと考えているようだ。アメリカ白人に対し私怨でも抱いているのか、 高山氏は米国がハワイを占領・併合し、フィリピンまでも支配して、日本包囲網を構築したと述べていた。しかし、アメリカ国民に我が国への領土的野心があったのか? 合衆国政府にさえ日本占領の意思はなく、それどころか帝國海軍に対する脅威の方が強かった。日本だって米国との対決は望んでおらず、昭和天皇が英米との友好を望まれていたことは有名だ。日露戦争で苦労した帝國陸軍に至っては、ロシアが一番の敵であり、北進が伝統的な基本方針だったはず。しだかって、日本が英米を敵に回すのは愚の骨頂である。逆に、アメリカやブリテン、オーストラリアと組んでロシアに対抗するのが正論だ。「白人がアジア諸国を蹂躙したから、奴らを叩きのめせ !」というのは幼稚な書生論で、日本の国家戦略を考える大人の意見ではない。

  討論で熱弁をふるっていた高山氏は、西歐白人の植民地支配を激しく非難していたが、インドネシアやビルマ、インド、フィリピンが白人に征服されると、具体的にどんな被害が日本に及ぶのか教えてもらいたい。フランス人がベトナムを支配し、オランダがインドネシアで御主人様になってもいいじゃないか。日本の戦国時代を思い出せば分かると思うが、強い軍隊を持つ武将が他の領地に攻め込むのは当り前だった。現在の日本人は西歐列強の植民地を一方的に非難するが、植民地経営はそれほど儲からず、却って何かと出費が嵩むし、現地人の叛乱が起これば鎮圧部隊を派遣せねばならぬから、ひと苦労だ。日本人は根が真面目だから気付かないが、ビルマ人やインド人に手こずる英国の苦境は日本にとって好都合。中立的な日本が「善意の第三者」を演じて、叛乱軍と話をつければイギリス人に「貸し」を作ることができるし、現地人も非白人の日本人なら面子を保つことが出来るので妥協の余地が生まれてくる。日本の保守派知識人は無邪気にインドやビルマの独立を後押しするが、そうなると日本の重要性が減ってしまうので、我々にとってはマイナスだ。

  韓非子的な考え方になるけど、イギリス人に厄介者を持たせ続けて、「悩みの種」を増やすことは、日本人への依存度を高めることになるから、我々にとっては得策である。異民族支配に多額の税金を使う英国は、極東地域にまで艦隊を派遣する余裕が無くなるので、必然的に我が国と組もうとするはずだ。そこで、一流の諜報組織を持つ英国と昵懇になれば、日本にとって有益な情報が流れてくるから、我が軍の将兵の命が助かる場合も出てくる。また、オーストラリアを攻撃して反日感情を高めるなど暴挙としか言いようがなく、オーストラリアの白人を取り込んで英国社会に浸透する方が得である。西歐の上流社会にはお金を浪費するボンボンが多く、体面を保つためにお金で寝返る奴もいるから、そうした馬鹿を利用して人脈を開拓し、良質な情報を掴んだり、日本側にとって都合のいい情報を流すことも可能となるはずだ。「白人はケシカラン !」と興奮する高山氏は幼稚で、日本の為に友好関係を結ぶ方が遙かに賢明である。

Franklin Roosevelt 1Herbert Hoover 2Hamilton Fish 1
(左: フランクリン・ローズヴェルト / 中央: ハーバート・フーヴァー / 右: ハミルトン・フィッシュ )

  日本人は戦艦や戦闘機の製造・開発になると才能を発揮するが、宣伝戦や心理戦になると極端に能力が低下する。高山氏は合衆国政府の対日政策やアメリカのマスコミ界を糾弾するが、当時のアメリカ国民にはグローバリストが少数派で、自国優先主義に賛成する国民の方が多かった。したがって、日本政府は米国内の社会主義者や介入主義者を標的にした対外工作を実行すべきだった。日本の味方になりそうな保守派議員と民間団体を取り込み、彼らに赤いグローバリストを批判させれば対日戦争は回避できたし、米国内にジャパン・ロビーをつくれたはずだ。日米開戦となって日本兵が大量に死ぬことを考えれば、世論工作に大量の資金を投じた方が安上がりである。日本はローズヴェルト大統領や赤いニューディーラーに反対する保守的な大学生やキリスト教徒を育て、ハーバート・フーバー元大統領やロバート・タフト(Robert A. Taft)上院議員、ハミルトン・フィシュ(Hamilton Fish)下院議員、ジョン・W・ブリッカー(John W. Bricker)上院議員、ヘンリー・スタイルズ・ブリッジ(Henry Styles Bridge)上院議員などの政治家と連携すればよかった。特に、アメリカの内部には保守的な民衆党員が多かったので、ソ連を支援するようなユダヤ人官僚とか共産主義にかぶれたピンク左翼の正体を暴いて、民衆党員同士を反目させることも出来たはずである。

John Bricker 1Henry Styles Bridge 1Robert Taft 1
(左: ジョン・ブリッカー / 中央: ヘンリー・スタイルズ・ブリッジ / 右: ロバート・タフト)

朝鮮人並の感情論

  とにかく、アメリカ人やヨーロッパ人を酷評する高山氏の表情を見ていると、何らかの個人的な恨みでもあるのかと邪推したくなる。「白人だから悪い」とか「アメリカ人は根っからの悪党だ」との前提で国際政治を判断すると、物事の本質が見えなくなる。たとえ、日本人を嫌うアメリカ白人がいたとしても、どんな魂胆で反日言論を展開しているのか分からない。単に挑発的な記事や刺戟的なネタを書いて注目されたい記者かも知れないし、外国からお金をもらって故意に反日論評を書いているのかも知れないのだ。そもそも、日本人を称讃する良識的な記事より、残虐な日本人をテーマにして特集を組んだ方が編集部のウケがいい。また、アメリカの一般国民は驚くほど無知だから、嘘のような記事でも簡単に信じてしまう癖がある。

  高山氏が念頭に置く「アメリカ白人」とは、日本を貶すことで快感を得る下郎のジャーナリストか、地理を勉強したこともない底抜けの馬鹿、白人であること以外に自慢が無いクズ、「日本批判なら問題なし」と思っているリベラル派とかじゃないのか。産経新聞社時代、高山氏はロサンジェルス支局に勤めていたというが、どのようなアメリカ人と接触し、如何なる情報を貰っていたのか? 優秀なジャーナリストであれば、上質なネタを仕入れるために、ワシントンの政界やウォール街に詳しいアメリカ人と個人的に親しくなるはずだが、高山氏には何人くらい現地の友人がいたのか? もし、白人の友人が一人もいなくて、アジア系やヒスパニック、黒人ばかりだとネタが偏ってしまう危険性がある。アメリカで良質な情報を得ようとすれば、やはり上流階級にコネを持つ白人の存在が不可欠で、上院・下院議員はもちろんのこと、連邦政府の高級官僚、ペンタゴン勤務の軍人、政党の中堅職員、国際金融業界や軍需産業に顔が利くビジネスマン、大手シンクタンクの上級研究員などの人脈が必要だ。ジャーナリストが情報源を隠すのは分かるけど、高山氏は過去にどんな人物と会っていたのかを告白すべきだろう。

  これは筆者の勝手な推測だが、高山氏には個人的に親しいアメリカ白人が居なかったんじゃないか。日本での取材なら、仕事を離れた場所でも人脈を築くことができる。それに、いくら口の堅い官僚や議員といえども、長く付き合っていれば情が湧いてくるから、時折、上等なネタをリークしてくれるし、酒場で雑談しながら内部情報を聞き出すことも可能だろう。しかし、アメリカだと日本国内のように簡単ではない。まず、言葉と容姿が違うから、西歐系アメリカ人に近づくのが難しいし、たとえ接触できても親しくなるまでが大変だ。だいいち、高山氏にアメリカ人を籠絡するほどの英語力があるとは思えない。外人訛りの発音だと聞き取りづらいので、日本人と話していると鬱陶しく思うアメリカ人は結構多いのだ。でも、いくら日本人記者だからとはいえ、プロのジャーナリストであれば、「道具」としての英語は身に付けておくべきだろう。最もキツイのは、日本人に興味の無いアメリカ人を振り向かせるために、ユーモアのセンスを磨き、アメリカ人が好みそうな笑い話やジョークを予め仕込まねばならない事だ。落語家のように普段からネタ話を練習し、英語であっても流暢に披露できるよう準備せねばならない。官僚の留学なら気楽だが、民間企業から派遣される日本人は、現地で人脈を広げるために相当苦労する。

Korea old times 9Korea old time 4
(写真 / 貧乏時代の朝鮮人)

  これは言いづらい事だが、白人の植民地支配にケチを附ける高山氏を眺めていると、日本を激しく罵る夜郎自大な朝鮮人に見えてくる。外国の歴史や冷徹な国際政治を知らない朝鮮人は、国内で勝手な意見を吐くことで有頂天になるが、いざ日本に留学してみると、自分の愚かさと視野の狭さに気づくことがある。朝鮮の若者は同胞の教師から「日帝は朝鮮人の国土や文化、名前、言語を奪った。しかも、日本兵は朝鮮の少女を攫って性奴隷にしたんだ」と習う。ところが、先進国の日本に留学し、一次資料を調べてみると、朝鮮人教授の話が嘘っぱちだと分かる。また、アメリの名門校に留学すると、朝鮮人など全く相手にされず、朝鮮が何処にあるのかも知らないアメリカ人が多い事に驚く。朝鮮が「世界五大文明の一つ」という“歴史”は明らかな妄想である。

  日本にやって来て目が覚める朝鮮人はまだマシな方で、日本語が苦手で日本人との交流が少ない朝鮮人は、思い出に残るような喜びを味わえず、日本人の友人すら作れず日本を去ることになるる。こうした朝鮮人は、日本での孤独感や屈辱感を抱いたまま帰国するので、朝鮮に戻ってからも反日言論を繰り返し、冷たかった日本人への復讐に燃えてしまうのだ。もし、憧れの日本で優しい友人を持ち、日本人との親睦を通して朝鮮の過去を調べれば、朝鮮人の不甲斐なさに気付き、一方的な反日史観に疑問を抱くようになるだろう。高山氏はふて腐れた朝鮮人と似たような心情を抱き、邪悪なアメリカ人を主流とする合衆国を思い描いている。確かに、合衆国政府の閣僚や補佐官などには、他国を征服し、裏から操って覇権を握ろうとする連中がいるのも事実だが、その一方で、米国の介入主義と帝国主義に反対する保守派が少なくない。

Robert E. Wood 1(左 / ロバート・E・ウッド)

  とにかく、国際社会は弱肉強食の世界で、認識の甘いボンクラ国家が強国の餌食になってしまうのは常識だ。もし、米国が宣伝工作で日本の権益を脅かすなら、日本も米国社会に(第五列の)工作員を浸透させ、ワシントンの政界を攪乱すればいい。高山氏は支那人を使った反日宣伝を非難するが、それなら我が国も保守的アメリカ人を買収して、民衆党政権に反撃を企てればよかった。

日本の知識人は米国の心理戦を批判するばかりで、積極的な対策や攻撃を提案しない癖がある。1930年代とか40年代には、国際介入を目論むグローバリストに反対する保守派がいたから、日本政府は国内優先主義(アメリカ・ファースト)の勢力を支援すべきだった。

例えば、共和党系の軍人であったロバート・E・ウッド(Robert E. Wood)将軍、シカゴの名門家族出身で「シカゴ・トリビューン」紙の発行者であったロバート・R・マコーミック(Robert Rutherford McCormic)、毛沢東の共産党に反対していたウィリアム・ノウランド(William Knowland)上院議員、「ミスター・リパブリカン」と呼ばれたロバート・タフト上院議員、さらにネバダ州の有力者であったパトリック・マッカラン(Patrick A. McCarran)上院議員、ミシシッピー州の大物ジェイムズ・イーストランド(James Eastland)上院議員などを加えてもいいだろう。

Robert McCormic 1William Knowland 1Patrick McCarran 1James Eastland 2
(左: ロバート・マコーミック / ウィリアム・ノウランド / パトリック・マッカラン / 右: ジェイムズ・イーストランド )

  感情的にアメリカを批判する高山氏は、パワー・ポリテックスを知らない朝鮮人と同じで、もし、高山氏が軍事大学の教授や欧州貴族の外政官を前にして、自説を披露すれば大爆笑間違いなしだ。地政学や核戦略を勉強する日本人が高山氏を見れば、同胞として恥ずかしくなり、「日本では言論の自由があるので、ああいう人も存在可能なんです」と言い訳するしかない。

昭和初期における日本の軍事力や経済力、ソ連の侵掠的脅威、庶民の生活水準を熟知している人は、英米との衝突を避けるべきと考えるはずだ。亡くなった岡崎久彦大使は、若い頃から歴史に詳しく、戦後ケムブリッジ大学で英国の教養人と接触した外政官だから、日英の格差をよく判っていた。しかも、特命全権大使として活躍し、自衛隊の装備や米軍との関係にも精通していたから、アングロ・サクソンとの協調が日本の安全保障になると確信していた。

  戦前もそうだったが、敗戦後の日本人は戦国時代の思考を忘れている。生死を賭けた戦(いくさ)に邁進した大名たちは、決戦はもちろんのこと、小競り合いにまで細心の注意を払い、敵陣の籠絡、情報攪乱、内部分裂の工作活動などにも熱心だった。秀吉や家康は「戦わずして勝つ」ことを狙って、他の武将を自陣に寝返らせたり、スパイを送り込んで偽情報を流していたという。心理戦に長けた秀吉は猜疑心も強く、軍師の黒田官兵衛にさえ疑念を抱き、豊臣家の安泰を考えていた。家康の方も用心深く、自分の軍事力が強大になるまで辛抱を貫いた。若い頃は今川家や織田家に服従していたし、秀吉が天下人になれば、その傘下に入って機会を伺っていたんだから狡猾だ。領地と家臣を守る為に、家康は多くの屈辱に耐え、将来を見据えていたから凄い。中国の覇者だった毛利家も「おしん」の典型で、コ川時代に領地を激減され、萩に暮らす羽目になっても爆発しなかった。コ川家のイジメによく200年以上も堪えたものである。支那事変の頃の日本人も、世界情勢を考慮して、どの国と妥協して、如何なる同盟を組み、誰を敵とするかを考えるべきだった。高山氏が好きな「植民地解放の為に西歐と戦う」という戯言(たわごと)を秀吉や家康が聞いたら、「この、たわけ者 !」と怒るに違い。戦国武将なら必ずや英米を味方につけ、ロシアの東進に対抗しようとするはずだ。戦争は国家の命運を賭けた外政だから、軽率なスローガンで始めてはならない。「歐米諸国の植民地統治を完全にひっくり返したから、政治的に勝ったのは日本だ」(上掲対談 p.21)と発言する高山氏には附ける薬が無い。米軍の補助部隊に零落れた自衛隊を毎日見る自衛官に意見を聞いてみたいもんだ。
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68729501.html

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「日韓併合」の正当性を唱える人たちへの最終メッセージ 2013年10月28日
松本 徹三

ここ数週間はデジタル教科書問題を書いてきたが、その前の6週間は日韓問題ばかり書いた。その為に今でも私のTwitterではこの関係の議論が多い。

そこでの最も典型的な私への反論は、「日本による韓国の併合は正当なものであり、あの時代に韓国が自らの力で完全な独立を維持する事は元々不可能だったのだから、韓国にとってもむしろ一番良いシナリオだった。だから日本があれは悪い事だった等と認める必要はないし、謝罪等は論外」という趣旨のものだ。


しかし、日本人がこう言い募っている限りは、日韓のわだかまりは永久になくならないだろう。しかも、こういう人たちに限って、当時の韓国人の近代文明への理解の低さをあげつらって、無神経な論調に終始するのだから、反発が収まらないのは当然だ。

いつも申し上げているように、私は歴史問題を議論する時には「事実関係」と「評価(善悪)」を明快に切り分けて議論すべきだと考えている。

「慰安婦問題」などで韓国側が言い立てている事(元を質せば、一人の奇妙な日本人が売名の為に言い出し、朝日新聞などが自らの思惑によって拡散し、最後は宮澤首相—河野官房長官が「臭いものに蓋」の感覚で認めてしまった事なのではあるが)は、「事実関係」が歪められている故に、韓国と韓国人に対して相当強い親近感を持つ私自身でさえも承服し難いのだが、「日韓併合の正当性」という事になると、これは「評価(善悪)」の問題になるから、これを肯定する多くの日本人と私は真っ向から議論したい。

「日韓併合の正当性」を肯定する論者の論点は、
1.遅ればせながら世界の列強の仲間入りをしつつあった日本としては、至極当たり前の行動であり、列強もこれを認めたのだから、今から遡ってとやかく言われる筋合いのものではない(まして「謝罪」を求められるのは筋違い。それなら、欧米各国は、アジア、アフリカ、中南米の各国にそれに数百倍する謝罪を繰り返さなければならない事になる)。

2.当時の日本にもしそうするだけの国力がなかったら、当然ロシアが韓国を支配下に置いたであろうし、自国と合体させて多額の投資を行った日本に比べ、ロシアの場合は単に植民地として収奪の対象としただけだっただろうから、韓国民にとっては遥かに良かった筈だ。そのように考えると、日本による併合は、結果として韓国民の為に良かった筈なのだから、感謝こそされ、恨まれる筋合いはない。
3.日韓併合は、「二国間の条約」に基づいてなされたものであり、国際法に照らしても合法である。韓国の皇帝はハーグの国際司法裁判所に密使を送ってこの非をなじろうとしたが受け入れられず、頼みのロシア皇帝の支援も取り付けられなかったのだから仕方がない。当時の韓国は国際世論から見捨てられていたのだから、その事実を遡って覆そうとしても無理。

上記の何れに対しても、私は、特に「事実関係」が歪められているとは思っていない。しかし、上記に言われていない事が下記の通り幾つかあるので、その事をきっちりと付け加えた上で、あらためて「評価(善悪)」の議論に進みたい。
1.当時の大韓帝国(清の冊封国家だった李氏朝鮮が、日清戦争の結果として清がその地位を失った為、清と同格の帝国となった)の主権者は皇帝の高宗であり、彼と彼を支える人たちは日本の支配を望まず、むしろロシアとの関係強化を望んでいた。

2.しかし、日露開戦を間近に控えた日本にとっては、兵站の輸送経路である韓国が「局外中立」であっては絶対に困るので、武力を背景に威嚇し、日本側が望む形での「議定書」を締結。日露戦争に勝利した後は、欧米諸国の暗黙の了承のもとに、次第に権益を拡大して、遂には「併合条約」の締結に至った。その全ての局面で、韓国政府は常に武力による恫喝の下で交渉せざるを得なかった。
3.「併合条約」締結後は「大韓帝国」は国号を「朝鮮」と改称させられ、朝鮮総督府が支配する「植民地」として運営された。伊藤博文等は、悪質な日本人が善良な韓国人の利益を不当に害する事のないように気を使ってはいたが、実際には悪質な日本人も多かったので、恨みを買う事も多かった。
4.また、この間、日本の歴史学者たちは、「日韓同祖論」をベースに、強引な「同化政策」の推進に加担した。「同祖論」といっても、「神功皇后による三韓征伐(日本書紀)」という真偽も定かでない一つの「伝承」だけをベースに「古来日本は韓国を支配下においていた」と論ずるとか、その時点での経済力のみを比較して「日本は成功した本家で、朝鮮は落ちぶれた分家」と勝手に決め付けたりしての議論であり、際立って公正さを欠いていた。

さて、私は、「日韓併合条約」は「日本が自らの利己的な目的(国益)の為に、独立国であった大韓帝国の主権者の意志に反して、武力による威嚇を背景に強制的に締結したものである」と理解している。この理解が正しくないと考える人は、上記に含まれる「利己的な目的」「主権侵害」「武力による威嚇」の三要素がなかったと主張されるのだろうから、もしそうであるなら、その根拠を示して頂きたい。先ずは、「それが事実だったかどうか」のみに絞って議論して頂き、その上でその事の「善悪」についてのコメントが欲しい。

次に、私は、日韓併合を正当化する論者に、私が追加した上記四点の最終項目である4)と、日韓併合期間中に日本人の多くが持っていたと思われる「日本人の優越意識と朝鮮人蔑視」についてのコメントを聞きたい。先ずは「そういう事実はあったのかなかったのか」についての考えを聞かせて頂き、次に、その事の「妥当性」及び「善悪」についてはどう考えられるかを聞きたい。

そして、最後に、正当化論者が常に挙げる前述の三点についての私の見解を下記の通り申し上げたい。
1.当時は列強による植民地争奪戦が世界の常識だったのだから、日本人がこの事に何等「道義的な罪悪感」を持っていなかったのは当然であり、私もその事を難詰するつもりはない。しかし、もし現時点で、「それが道義的に良い事だったかどうか」と問われれば、控え目に言っても「現時点での道義観から言えば、良い事ではなかったと思う」と答えるのが当然ではないだろうか?

ちなみに、「インカ帝国を滅ぼして大量の金を奪ったスペインの行為をどう思うか」「清国に対してアヘン戦争を仕掛けた英国の行為をどう思うか」という質問も同時にすればよい。肯定であれ否定であれ、この二つの質問に対する答えは、「日韓併合」についての質問に対する答と同じであるのが当然だ。

要するに、これまでの人類の歴史は、「基本的に暴力が全て正当化される歴史」だった訳だが、現代においてはそれが反省され、暴力ではなく「法と正義」「人道と人権」が全ての行動規範となるべきだというのが世界の常識になっている。そうであれば、「日韓併合」を今の時点で論じるに際しては、そのような「現時点での道議的評価」がなされて然るべきだ。

「謝罪」については、「英国やスペインが謝罪していないのだから、我々も謝罪する必要はない」とするのは全く意味をなさない。他者がどうであれ、自らが「謝罪に値する」と考えれば謝罪すればよく、そう思わなければしなければよいのだ。それは自らの認識と評価の問題である。その上で「欧米列強も過去の行為に関しては、日本同様に公式に遺憾の意を表するべきだ」とコメントするのは一向差し支えないし、むしろそうするべきだろう。

(なお、かつての大日本帝国の行いを何とかして正当化し、美化したい人たちの中には、「米英に対する日本の戦争(大東亜戦争)は、アジア人を欧米人の頸から解放する為の戦争だった」と今なお強弁する人もいるが、こんな欺瞞に満ちた綺麗事を言うのはやめてほしい。もしそうなら、蒋介石政府と事を構える必要はなく、そのまま仏印や蘭印に攻め込めばよかった訳だし、韓国には「韓国人による韓国人の為の政府」を作るように促せばよかったのだ。「欧米の真似をして植民地が欲しかった」と正直に言った方が、余程話が簡単になる)

2.当時の日本が韓国を支配下におさめようとしなかったら、ロシアがそうしたであろう事は勿論だろう。しかし、当時の韓国の主権者がそれを望んだのだとしたら、それが結果として韓国の民衆の為になったかどうかは別として、それを尊重すべきというのが道義的には妥当である。
当時は「民主主義」は普遍的な価値観としては未だ確立されていなかったので、「絶対君主が民衆の利益を害している事が明らかなら、周辺国がその事態を正そうとするのは道義的に妥当」という論議は、誰が「民衆の利益」についての判断をするかが明確でないので、容易には受け入れられないだろう。

現在でも、「他国の主権尊重の原則」に優先するのは、「自国の主権に対する侵害」「自国の安全への直接的な脅威」「国際法への明確な抵触」「人道と人権の侵害」「核兵器、生物兵器の拡散の可能性」位である(「民族自決原則の侵害」は微妙なところ)。また、これらの理由があっても、実力行使に至るまでには、国際連合等の場での誠実な協議が求められている。

しかし、この議論に関連してそれ以上に問題なのは、「ロシアの支配より日本の支配の方が良かった筈」という「日本人の立場からの決め付け」をする「独断的な姿勢」である。そんな事は、日本人ではなく、当の韓国人が考える事だ。

成る程、「支配層だけと手を結んで、ひたすら民衆からの収奪だけを考えただろう当時の帝政ロシアの支配」よりは、「資本主義に目覚めつつあった日本の支配」の方が、経済的には韓国にプラスとなったかもしれないが、人間は経済のみによって生きるものではない。

日本人の優越性を露骨に前面に打ち出して、一方的な同化政策を推進し、先祖伝来の姓を捨てさせたり、神社への参拝を強制したりする日本よりは、そんな事には関心のないロシアのほうが、韓国人にとっては「誇りを傷つけられる」事がないだけ良かったかもしれないではないか。

3.これは簡単な問題で、条約の形式的な合法性などには、誰も関心を持っていない。誰がやろうと、外部からの批判を受けぬよう、形式を整えるのは当然の事だからだ。武力による威嚇をもってすれば(場合によれば反対者を事故を装って謀殺したり、或いは決定的な場面に居合わせる事が出来ないように幽閉したりすれば)このような形式を整える事は比較的容易である(アメリカのハワイ併合条約も、反対者だった女王を監禁する事によって締結が実現したと聞いている)。

以上、私がこの問題に殊更熱心なのには理由がある。自己本位で、「相手の心情を推し量ろう」等という考えはさらさらなさそうな「国粋的(国家主義的)な人たち」の、過去を引き摺った「上から目線」の「論の立て方」と「言葉遣い」に、心底辟易しているからだ。この人たちの存在は、日本が「公正で偏らない判断をベースにした是々非々の議論」を行い、近隣諸国との友好関係を確立する事の阻害要因になっている。
http://agora-web.jp/archives/1565424.html

4. 中川隆[-12247] koaQ7Jey 2019年2月12日 11:28:07 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22234] 報告

世界で一番他人(ひと)にやさしい国・日本 (祥伝社新書) – 2016/11/2
マンリオ・カデロ (著), 加瀬 英明 (著)
https://www.amazon.co.jp/%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%A7%E4%B8%80%E7%95%AA%E4%BB%96%E4%BA%BA-%E3%81%B2%E3%81%A8-%E3%81%AB%E3%82%84%E3%81%95%E3%81%97%E3%81%84%E5%9B%BD%E3%83%BB%E6%97%A5%E6%9C%AC-%E7%A5%A5%E4%BC%9D%E7%A4%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%87%E3%83%AD/dp/4396114885


商品の説明


内容紹介

来日して40年、サンマリノ大使にして在京各国大使を束ねる「駐日外交団長」として、宮中の公式行事では天皇陛下に御挨拶申し上げる立場にあるマンリオ・カデロ大使と加瀬英明氏による日本文化論。

大使は熱心なカトリック教徒である一方で、日本の神道を高く評価し、サンマリノに欧州初の神社を建立した。神道は宗教ではなく、自然と一体となった「生き方」であるとして、その精神が世界の中でもまったく類を見ない、日本人の他人に対する思いやり、やさしさの元になっていると分析する。この自然と一体となる日本人の独自の世界観を世界中に敷衍することが、世界の将来を救うとまで述べる。

ほかにも、おおらかで臨機応変、柔軟な考え方、美味な料理文化、マザコン文化など、日本とイタリアに多々共通する要素も指摘。一方で、日本の若い世代があまりにも悪しきアメリカ文化に毒されていること、あまりに自国の歴史や文化を知らず、一部のゆがんだ歴史観に犯されていることを嘆く。

出版社からのコメント

日本人のやさしさの源泉をさぐる 来日して40年、サンマリノ大使であると同時に、在京各国大使を代表する「駐日外交団長」として、宮中の公式行事では天皇陛下に御挨拶申し上げる立場にもある著者による、異色の日本文化論。 大使は熱心なカトリック教徒である一方で、日本の神道を高く評価し、サンマリノに欧州初の神社を建立した。神道は宗教ではなく、自然と一体となった「生き方」であるとして、その精神が世界の中でもまったく類を見ない、日本人の他人に対する思いやり、やさしさの源泉になっていると分析する。

内容(「BOOK」データベースより)

来日して40年、サンマリノ大使であると同時に、在京各国大使を代表する「駐日外交団長」として、宮中の公式行事では天皇陛下に御挨拶申し上げる立場にもある著者による、異色の日本文化論。大使は熱心なカトリック教徒である一方で、日本の神道を高く評価し、サンマリノに欧州初の神社を建立した。神道は宗教ではなく、自然と一体となった「生き方」であるとして、その精神が世界の中でもまったく類を見ない、日本人の他人に対する思いやり、やさしさの源泉になっていると分析する。

著者について

マンリオ・カデロ Manlio Cadelo
イタリアのシエナ生まれ。高等学校卒業後、パリのソルボンヌ大学に留学。フランス文学、諸外国語、語源学を習得。
1975年に来日し、ジャーナリストとして活躍。
1989年、駐日サンマリノ共和国領事、2002年、駐日サンマリノ共和国特命全権大使を任命され、2011年5月、駐日各国大使の代表である「駐日外交団長」に就任。イタリア共和国騎士勲章など多くの勲章を受章。著書に『だから日本は世界から尊敬される』(小学館新書)ほか。

加瀬英明(かせ ひであき)
1936年東京生まれ。外交評論家。慶應義塾大学、エール大学、コロンビア大学に学ぶ。
「ブリタニカ国際大百科事典」初代編集長。1977年より福田・中曽根内閣で首相特別顧問を務めたほか、日本ペンクラブ理事、松下政経塾相談役などを歴任。祥伝社新書に『ジョン・レノンはなぜ神道に惹かれたのか』『日本と台湾』ほか。ヘンリー・S・ストークス氏との共著に『なぜアメリカは対日戦争を仕掛けたのか』『世界に比類なき日本文化』。


著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

カデロ,マンリオ
イタリアのシエナ生まれ。高等学校卒業後、パリのソルボンヌ大学に留学。フランス文学、諸外国語、語源学を習得。1975年に来日し、ジャーナリストとして活躍。1989年、駐日サンマリノ共和国領事、2002年、駐日サンマリノ共和国特命全権大使を任命され、2011年5月、駐日各国大使の代表である「駐日外交団長」に就任。イタリア共和国騎士勲章など多くの勲章を受章

加瀬/英明
1936年東京生まれ。外交評論家。慶應義塾大学、エール大学、コロンビア大学に学ぶ。「ブリタニカ国際大百科事典」初代編集長。1977年より福田・中曽根内閣で首相特別顧問を務めたほか、日本ペンクラブ理事、松下政経塾相談役などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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2019.02.09
【トンデモ】女から箒(ほうき)、男から褌(ふんどし)が失われて日本はダメになった説
(マンリオ・カデロ×加瀬英明『世界で一番 他人(ひと)に優しい国・日本』祥伝社, 2016)
https://rondan.net/1067

Contents

1 外国人発掘のプロ
2 昔はよかった…
3 「女らしさ」は箒
4 「男らしさ」は褌


外国人発掘のプロ

加瀬英明氏は、外国人保守タレントを発掘する天才。ケント・ギルバート氏やヘンリー・ストークス氏などをプロデュースしたのはまさにこの加瀬氏です。今回取り上げるのはそんな加瀬氏と、マンリオ・カデロ氏との共著『世界で一番 他人(ひと)に優しい国・日本』です。

本書を一読して驚かされることは、加瀬氏よりカデロ氏のほうが遥にマトモな感覚を持っているということです。もちろんカデロ氏は、イタリアに神社を建てちゃったり、日本の風土や文化を褒めちぎってヨイショしてくれたりして少々痛い奴なのですが、ヘイト要素は少なく、さらに日本製品に外国語表記が少ないだの日本をより良くする常識的なアドバイスもしてくれています。

一方の日本人の加瀬秀明氏は、恐るべきコテコテの保守ぶりを本書でも発揮し、戦前回帰の極みのような発言を繰り返すその姿は、もはや老害といえるレベルです。

昔はよかった…

このような加瀬氏の戦前回帰的妄言を拾い出せばきりがないのですが、その極みともいえるもののひとつを紹介したいと思います。加瀬氏は、老害オヤジのテンプレである「昔はよかった。人と人との温かい結びつきがあった」論を次のよう煽情的に語り出します。


日本は世界で一番、やさしい文化である。……
褌を締めて、暑さを凌ぐために、浴衣の前を大きく広げていた。ときどき、手にした団扇で褌の奥をあおいでいた。
男たちは、ステテコのまま、近所に出かけた。
近所の大人の男女が、片手にセルロイドの石鹸箱と手拭いを持って、銭湯から戻ってくるのに、よくであった。
家の縁側にも、人が集まった。縁側も、社交場だった。
蝉の声のなかで、団扇を使った。子どもたちが、庭先で線香花火を楽しんだ。
人々はいつも気を遣い合った。みんな、顔見知りだった。行き会うと、立ち止まって、ちょっとのあいだ、おしゃべりをした。
今日の日本では、どのような重要な用があるのか、よく分からないが、全員がいつも急いでいる。隣人の顔も知らないし、思い遣る余裕がない。
家族の温もりも、大切にしなくなったから、隣人と親しくしようとしない。

 マンリオ・カデロ×加瀬英明『世界で一番 他人(ひと)に優しい国・日本』祥伝社, 2016, pp. 174-175

ホントこういう老人のお言葉には耳にタコができますね…。「人々はいつも気を遣い合った。みんな、顔見知りだった」などという社会はもはや恐怖のディストピアでしかありません。そんな社会に真剣に戻りたいと思っているのは、こういう保守老害だけではないでしょうか。

「女らしさ」は箒

まだまだ老害は続きます。それどころか「女らしさ」「男らしさ」というジェンダー論まで入ってきます。


マンションは「機能的」なことを売り物としているが、周りから謝絶された牢屋のようだ。
私は母が箒で夏座敷を掃いたのを、思い出す。箒は女の心の延長だった。……主婦が、早朝に家の前の路地を掃いて、箒目をつけたから、朝を感じることができた。
醜いアスファルトによって、覆われてからは、箒目をつけようがない。
 マンリオ・カデロ×加瀬英明『世界で一番 他人(ひと)に優しい国・日本』祥伝社, 2016, pp. 175-176
箒(ほうき)が「女の心の延長」って一体…。きっと掃除機とかブロワーじゃダメなんでしょうね。ともかく加瀬氏は現代テクノロジーを否定したがります。テクノロジーの進歩で、時間的束縛から解放されてより創造性のある活動に長時間従事できるようになったという発想は全くないようです。

そして別の箇所では、なんと「紫式部がパソコンを使って、『源氏物語』を書くことが、できたものだろうか?」「和泉式部が、あの胸に迫る恋歌をワープロによって、詠むことができただろうか」とか言っています。どんな状況を想定しているのか解りませんが、もちろん「できた」に決まってるでしょ! もしパソコンがあったら何度も著者校正ができますから紫式部の『源氏物語』はもっと読みやすくなっていたでしょう。それにそもそもワープロは恋歌を「打ち込む」ものであって、「詠む」ものではありません…。

「男らしさ」は褌

そして女の象徴が箒ならば、男の象徴は褌(ふんどし)です…。


褌がなくなってから、日本の男性から男らしさが、失われてしまった。
私は英語遣いを生業としているが、「褌を締めてかかる」を英語で言おうとすると、”Roll up his sleeves.”(袖をまくりあげる)とか、”Pull up his sockes.”(靴下を引き上げる)というから、すっかり間が抜けてしまう。
凛としたところが、ない。やはり手の先や足先では、男の大切なものから遠いからなのだろう。

 マンリオ・カデロ×加瀬英明『世界で一番 他人(ひと)に優しい国・日本』祥伝社, 2016, p. 176
褌が無くなったから男らしさが失われたって、「褌を締めさえすれば男らしくなるのかい!」と、突っ込まずにはいられません。

このように加瀬氏は、「日本らしさ」と言うものを定義するにあたって、様式から、形式から、外面から整えようとします。ひとまず外面さえとりあえずソレらしければ、内面は二の次なのかもしれません。ともかく「昔の日本は良かった」系の典型的老害と、その老害の目指すウザ過ぎるコミュニケーション社会の姿が、この加瀬氏の発言から確認できるのではないでしょうか。

https://rondan.net/1067


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2019.02.09
【トンデモ】スカイツリーは偽りの伽藍(マンリオ・カデロ×加瀬英明『世界で一番 他人(ひと)に優しい国・日本』祥伝社, 2016)
https://rondan.net/1072


Contents

1 老害保守は続く
2 スカイツリーは偽りの大伽藍!
3 決めつけは加速する

老害保守は続く

近年の保守・ネトウヨと呼ばれる勢力は、若者ではなく高齢者が中心なんだそうです。前回別の記事では、保守界の重鎮・加瀬英明氏が主張する、男らしさは褌(ふんどし)に、女らしさは箒(ほうき)に象徴され、テクノロジーの進歩とともにそれらが用いられなくなったことで、「男らしさ」「女らしさ」が失われたというトンデモ説を紹介しました。

このような老害発言は何も加瀬氏だけに限るものではありませんが、加瀬氏のそれはともかく話が極端で、その勢いについつい唖然とさせらてしまいます。加瀬氏は、これ以外にも「昔はよかった…」的老害ぶりを存分に発揮していますので、今回はそれを紹介していと思います。

スカイツリーは偽りの大伽藍!

老害による「昔はよかった…」説には、現代のテクノロジーを碌に調査することなく精神論に基づいて批判してしまうという悪い傾向があるかと思います。

この法則に則り加瀬氏は、東京スカイツリーが「何の目的で建てられたのか、さっぱり分からない」にもかかわらず批判しはじめます。


東京スカイツリーという、巨大な建造物が、完成した。
私には、いったい、何の目的で建てられたのか、さっぱり分からないが、港区や、千代田区の離れているところからも、望見できる。完成した頃は、マスコミがさかんに囃し立てた。

 マンリオ・カデロ×加瀬英明『世界で一番 他人(ひと)に優しい国・日本』祥伝社, 2016, p. 192
分からないなら誰かに聞くなりして調べてから批判してくれよ、と言わずにはいられません。

言わずもがな東京スカイツリーは、東京タワーと同じく電波塔として建てられたものです。このような情報は調べれば誰でもすぐに解ることなのですが、加瀬氏は調べもせず、東京スカイツリーの役割を次のように決めつけます。


古代の飛鳥時代から、仏教の伽藍が建つと、人々がそれを話題にして憧れ、心が慰められたに違いない。……
東京スカイツリーは、奇妙な形をしているが、今日の日本人にとって大伽藍に当たるのに、ちがいあるまい。
 マンリオ・カデロ×加瀬英明『世界で一番 他人(ひと)に優しい国・日本』祥伝社, 2016, p. 192


東京スカイツリーには、寺院建築と同じ役割があると勝手に思い込んでいます。この二つが同じものであると想い込める想像力には恐れ入りますが、どこをどう勘違いすれば東京スカイツリーが「大伽藍」になるのかさっぱり分かりません。

決めつけは加速する

更に決めつけは加速します。東京スカイツリーを現代日本人にとって「大伽藍」で決めつけた後、「伽藍」の語義釈を次のように提示します。


人は伽ぎ、磨ぎ、研ぐことによって、成長し、救われるといわれてきた。伽藍はその場だった。
 マンリオ・カデロ×加瀬英明『世界で一番 他人(ひと)に優しい国・日本』祥伝社, 2016, p. 193


まぁこういう通俗語源解釈(ダジャレ)もいいですが、考え過ぎというものでしょう。そしてもちろん、東京スカイツリーは大伽藍に相応しくないと決めつけます。


感謝する気持ちが失われると、焦ら立ちやすく、心が疲れはてる。まさか、東京スカイツリーに昇ったら、心が癒されるのだろうか。
東京スカイツリーが、東京に聳える、偽りの大伽藍になっている。


 マンリオ・カデロ×加瀬英明『世界で一番 他人(ひと)に優しい国・日本』祥伝社, 2016, p. 195

いやいやいやいや。東京スカイツリーを勝手に「大伽藍」と決めつけたのは貴方でしょうとツッコまずにはいられません。にもかかわらず再び勝手に「偽りの大伽藍」になっていると決めつけるなんてどういう自分勝手な理論でしょうか。

「感謝する気持ちが失われると、焦ら立ちやすく、心が疲れはてる」などと感傷に耽りながら、それとは全く無関係の東京スカイツリー批判を繰り広げるその有り様は、まさに老害の鑑と言えるでしょう。

https://rondan.net/1072

5. 中川隆[-12206] koaQ7Jey 2019年2月13日 10:15:02 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22237] 報告

2019.02.09
【トンデモ】白人による世界制覇を防いだ日本人
(安住順一『日本がますます好きになる歴史クイズ』明治図書出版, 2000)
https://rondan.net/54

Contents

1 保守的歴史クイズ
2 『日本がますます好きになる歴史クイズ』の目次
3 白人による世界制覇を防いだ日本人!
4 世界に感謝される日本スゴイ!世界を変えた日本スゴイ!


保守的歴史クイズ

小中学校教育雑誌で

「日本は、大東亜戦争で人類最高のよいことをしたのだ」(詳細)
https://rondan.net/14

という衝撃タイトルの論文を発表した安住順一先生が、なんと『日本がますます好きになる歴史クイズ』という教育書を執筆されているという情報をいただき、早速入手してきました。

出版社の説明によると、本書は…


日本のすばらしさを子どもたちに少しでも味わってもらいたいという願いから作られた書。日本の伝統技術や特質のすばらしさを伝えられるような内容をたくさん掲載。また、日本人として、ぜひ知っておいてほしいすばらしい先人も紹介している。
「BOOK」データベースより

異文化理解を進めるためには当然自国文化を理解する必要がある。今まで曖味にしか思っていなかった日本文化の意義を歴史上の事実を通して鮮やかに示す。
「MARC」データベースより


とのことです。また本書の「まえがき」にも、著者の安住氏は、日本の歴史観を学ぶにあたって渡部昇一氏などの著書に感銘を受けたとの旨が記されており、既に読む前から内容に察しがつきますね。


『日本がますます好きになる歴史クイズ』の目次
https://rondan.net/54

百聞は一見に如かず。少々長くなりますが、まずは目次を見ていただきましょう。

これでもかというほど「日本スゴイ」アピールで溢れています…。歴史クイズと言いつつ記紀神話を取り上げたり(クイズ1, 2, 3)、二宮尊徳を持ち出したりするところに(クイズ39)、逃れることのできない戦前回帰の保守性が現れていますね。

白人による世界制覇を防いだ日本人!

このような日本礼賛本が、実際に学校教育で用いらているのか、どれくらい学校図書室に収載されているのかは解りませんでした。

日本礼賛すること自体は別に構いませんが、度を超した解釈が見られるクイズも多いように見られます。その典型例はクイズ45「世界の流れを変えた日露戦争――白人による世界制覇を防いだ日本人」です。なんと日露戦争が、白人による世界制覇を防いだ戦いと評価されています。

確かに、当時の日本・中国の両政府が、この戦争を白人vsアジア人という人種戦争に見立てて、悪役のロシアに対して中国と日本の連帯を図る言説をしていたことは事実です(吉澤誠一郎「日露戦争と中国」『日露戦争と東アジア世界』ゆまに書房, 2008)。

しかしそれらの言説は、戦争を正当化するための口実、いわば「大本営発表」です。 あたりまえですが日露戦争は朝鮮半島の利権を争って起きた戦いです。ですから、安住氏のように、(自らの思想理念に合致する)大本営発表だけを鵜呑みにして、「白人による世界制覇を防いだ」というのは明らかに極端な拡大解釈でしょう。

世界に感謝される日本スゴイ!世界を変えた日本スゴイ!

そして、日露戦争に関するクイズも明らかに変です。このクイズ45「世界の流れを変えた日露戦争――白人による世界制覇を防いだ日本人」には次の三問が置かれています。


Q1 日露戦争で日本がロシアに勝つと、大喜びして「東郷ビール」と呼ばれるビールをつくった国はどこでしょう。

 ア イギリス
 イ フィンランド
 ウ トルコ


Q2 日露戦争で日本がロシアに勝つと、大喜びして、生まれた男の子に「トウゴウ」や「ノギ」という名前を付ける人が多かった国はどこでしょう。

 ア インド
 イ フィンランド
 ウ トルコ


Q3  日露戦争で日本がロシアに勝ったのをきっかけに教育制度をかえた国はどこでしょう。

 ア 中国
 イ インド
 ウ フィリピン


正解 Q1 イ Q2 ウ Q3 ア 

日露戦争の本筋から離れたクイズであることは瞭然です。せめて日本海海戦の日本側の司令官は誰にして欲しいところです。「日本が世界から感謝されている」という点を強調したがるという点で、現代の保守運動の傾向と見事に一致しています。

この回答に対する解説も酷いものです。Q1の解説だけあげます。


https://rondan.net/54


この解説からも、著者の安住氏が読者に伝えたいことが、「世界に感謝される日本スゴイ!世界を変えた日本スゴイ!」に集約されることがお分かりいただけると思います。

果たしてこのようなクイズをして、本のタイトルにもあるような「楽しいクラスづくり」ができるのでしょうか。

なお、同著者による衝撃(?)の論稿「日本は、大東亜戦争で人類最高のよいことをしたのだ」の論評については下記を参照ください。


【トンデモ】「日本は、大東亜戦争で人類最高のよいことをしたのだ」(安住順一『現代教育科学』49(8), 2006, pp. 49-52)
2018年10月15日
https://rondan.net/14


またTOSS教育というのもスゴイので是非ご参照ください。


【トンデモ】保守による「命」の授業(長野藤夫「命は他人事ではない:自尊心が当事者性を生み出す」『中学生に「命」の輝きを教える』明治図書, 2004)
2018年10月19日
https://rondan.net/191


https://rondan.net/54

6. 中川隆[-12173] koaQ7Jey 2019年2月14日 07:38:43 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22240] 報告

大東亜戦争は日本が勝った -英国人ジャーナリスト ヘンリー・ストークスが語る「世界史の中の日本」 – 2017/4/17
https://www.amazon.co.jp/%E5%A4%A7%E6%9D%B1%E4%BA%9C%E6%88%A6%E4%BA%89%E3%81%AF%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%8C%E5%8B%9D%E3%81%A3%E3%81%9F-%E8%8B%B1%E5%9B%BD%E4%BA%BA%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88-%E3%83%98%E3%83%B3%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%81%8C%E8%AA%9E%E3%82%8B%E3%80%8C%E4%B8%96%E7%95%8C%E5%8F%B2%E3%81%AE%E4%B8%AD%E3%81%AE%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%80%8D-%E3%83%98%E3%83%B3%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BBS%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%82%B9/dp/4802400292


内容紹介

「太平洋戦争」はアメリカの洗脳だった
この書は日本のプロパガンダではない。史実である。

日本よ 呪縛から解放されよ!

ヘンリー・S・ストークス 来日50年の総集編

世界史を俯瞰して明らかになった
大東亜戦争の真実

共産党などの左翼は、大東亜戦争は「侵略戦争」であったと言う。
そうであろうか? 史実を検証すると、そこには明らかに「アジア解放戦争」の側面が見て取れる。
アメリカの侵略戦争や、大英帝国の植民地支配での戦争とは、明らかに違った姿を現じている。

私は、大東亜戦争を日本がなぜ戦ったのか、その結果、何が世界に起こったのかは、世界文明史的な俯瞰をもってしてはじめて、明らかになるものだと、そう思い始めた。

世界文明史の中で、大東亜戦争を位置づけようというような野心的な試みは、一冊の本で果たせるものでもないが、その第一歩を英国人ジャーナリストの私が切り開くことで、世界中に多くの賛同者が出てくると、そう確信している。(本文より)


1章 日本が戦ったのは「太平洋戦争」ではない!
2章 「太平洋戦争」史観で洗脳される日本
3章 日本は「和」の国である
4章 世界に冠たる日本の歴史
5章 オリエントにあった世界の文明と帝国
6章 侵略され侵略するイギリスの歴史
7章 アメリカの「マニフェスト・デスティニー」
8章 白人キリスト教徒による太平洋侵略
9章 マッカーサー親子によるフィリピン侵略
10章 大日本帝国と西欧列強の帝国主義の違い
11章 大日本帝国は「植民地支配」などしていない!
12章 日本は中国を侵略していない
13章 アメリカによる先制攻撃の「共同謀議」
14章 大統領がアメリカ国民を欺いた日
15章 大英帝国を滅ぼしたのは日本だった!


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日本が果たした人類史に輝く大革命ー「白人の惑星」から「人種平等の惑星」へ – 2017/4/12
ヘンリー・S・ストークス (著), 植田剛彦 (著)
https://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%8C%E6%9E%9C%E3%81%9F%E3%81%97%E3%81%9F%E4%BA%BA%E9%A1%9E%E5%8F%B2%E3%81%AB%E8%BC%9D%E3%81%8F%E5%A4%A7%E9%9D%A9%E5%91%BD%E3%83%BC%E3%80%8C%E7%99%BD%E4%BA%BA%E3%81%AE%E6%83%91%E6%98%9F%E3%80%8D%E3%81%8B%E3%82%89%E3%80%8C%E4%BA%BA%E7%A8%AE%E5%B9%B3%E7%AD%89%E3%81%AE%E6%83%91%E6%98%9F%E3%80%8D%E3%81%B8-%E3%83%98%E3%83%B3%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BBS%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%82%B9/dp/4915237990

内容紹介

外国特派員協会の最長老が語った歴史の真実とは――

黒人のオバマ大統領や政治家、スポーツ選手達は、第2次大戦中の日本のめざましいアジア進攻がなければ、誕生しなかった…
人種差別の時代に、日の丸が燦然と輝き、アジア、アフリカの植民地は、次々と独立を果たし、世界の歴史は大転換した!

人種平等の、いまある世界を築いたのは、日本であった。

英国人ジャーナリスト、ストークス氏は、50余年前に来日、大英帝国の植民地をすべて奪った日本に、深い憎悪をいだき、邪悪な野蛮な残酷な民族である、との認識をもっていた。「日本=戦争犯罪国家」「南京大虐殺」を信じ込んでいた。

しかし、第三者的視点で日本とアジアの歴史を俯瞰したとき、その見方が誤りであると気づき、「欧米帝国主義下でのアジアや、アフリカの植民地支配と、日本の朝鮮、台湾統治やアジア同胞との関係は、まったく違ったものであることを、ハッキリと世界に知らせる必要がある」と語る。

植田剛彦氏は、150社が加盟する「マスコミ研究会」代表。韓国、朝鮮に精通している他、日本、欧米の近現代史に詳しい。幅広い教養、豊富な内外の情報にストークス氏も舌を巻き、「心から楽しみつつ、日本が取るべき道について、大いに実りある対談ができた」と絶賛。

出版社からのコメント

ヘンリー・S・ストークス氏は、64年、来日。『フィナンシャル・タイムズ』初代東京支局長、『ロンドン・タイムズ』東京支局長、『ニューヨーク・タイムズ』東京支局長を歴任。外国特派員協会の重鎮。

「私はフェアでありたい」と英国ジェントルマン精神を発揮、東京裁判、南京虐殺、従軍慰安婦等の戦勝国プロパガンダの欺瞞を明確に指摘した『英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄』は、10万部超のベストセラーとなった。

ベテランジャーナリスト・植田剛彦氏との対談は、日本近現代史の裏表をくまなく明かし、ケント・ギルバート氏が「私には教えられることが多く、知的興奮をおぼえながら読んだ」と後書きに記している。


人種平等の世界を築いたのは、日本であった!
日本のめざましいアジア進攻がなければ黒人のオバマ大統領や政治家、スポーツ選手等は誕生しなかった。イギリス人の大記者と熱く語る。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

ストークス,ヘンリー・S.
1938年、英国生まれ。61年、オックスフォード大学修士課程修了後、64年、来日。『フィナンシャル・タイムズ』初代東京支局長、67年、『ロンドン・タイムズ』東京支局長、78年、『ニューヨーク・タイムズ』東京支局長を歴任。三島由紀夫と最も親しかった外国人記者としても知られる

植田/剛彦
評論家、ジャーナリスト。1945年、甲府市生まれ。マスコミ研究会代表。報知新聞社、国際ニュース『ニューストラック・ジャパン』編集長などに就任後、執筆活動に入る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)



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2019.02.09
【トンデモ】『大東亜戦争は日本が勝った』H・S・ストークス|ハート出版, 201
https://rondan.net/624


Contents

1 自画自賛の変容
2 『大東亜戦争は日本が勝った』の目次
3 神武天皇の実在は信じるのに、アーサー王の実在は信じない不可思議さ
4 まとめ


自画自賛の変容

自分で自分を褒めてもみっともない。ましてや日本人が日本人を褒めだすというのは恥ずかしい。そこで、外国人に日本を称賛させようという、さらに恥ずかしい本が最近増えています。


たとえば、井上和彦『ありがとう日本軍:アジアのために勇敢に戦ったサムライたち』(PHP研究所, 2015)は、東南アジア諸国を歴遊して、日本を褒めてるくれる人にインタビューして、それを纏めて「日本スゴイ」本にしてしまったという恐るべき書です。

保守が言われる「美しい日本の心」を持っているのならば、とてもではないがそんな恥ずかしい本は出せない筈なのですが、この井上和彦氏はこの様な類書を数多く刊行されています。

また、外国人著者による日本語の「日本スゴイ」本も興隆を極めています。

ケント・ギルバート氏はこの典型であり、これまでに三十冊以上の書籍を刊行しています。もちろんこれはケント・ギルバート氏が一人で書いたものではなく、いわばプロデューサーがいて、代筆する人がいて、それを「ケント・ギルバート」というブランドで出すという意味です(『ニューズウィーク日本版』2018.10.30)。

したがってケント・ギルバート本は、同氏の思想を語るものではなく、それをプロデュースしているチームのイデオロギーを反映するものです。つまり、日本人が愛国嫌韓嫌中の発言をしても説得力が無いので、権威がありそうな外国人に語らせているだけのことです。

これとよく似た構造は、ヘンリー・S・ストークス氏の著書にも確認されます。同氏は植田剛彦氏との対談本『日本が果たした人類史に輝く大革命:「白人の惑星」から「人種平等の惑星」へ』を刊行しています。

この恥ずかしすぎるタイトルが物語っているように、内容は

「大東亜戦争は植民地解放の聖戦であり、そのおかげで有色人種が白人の植民地支配から脱却できた」

というものです。

今回取り上げたいのは、このヘンリー・S・ストークス氏の単著『大東亜戦争は日本が勝った』(訳・構成:藤田裕行)です。これまた恥ずかしすぎるタイトルですが、このオカシナ本を検討していきたいと思います。


『大東亜戦争は日本が勝った』の目次


目次を見れば、その内容に察しが付くため、少々長いですが目次をあげます。(興味のない方は飛ばされても大丈夫です)


はじめに

第一章 日本が戦ったのは「太平洋戦争」ではない!
 日本は本当に敗戦国だったのか?
 大英帝国を滅ぼしたのは誰か?
 大東亜戦争に勝ったのは日本だった!

第二章 「太平洋戦争」史観で洗脳される日本
 大東亜戦争の果たした世界史的な偉業
 日本が閣議決定した正式な戦争名を、日本のメディアが使えない
 アジアを日本が侵略した?
 『人種戦争』が描く、大東亜戦争の姿
 世界で最初に、人種平等を訴えた日本
 有色人種に同胞意識を持っていた日本
 『人種戦争』による日本の戦争の大義
 中国人は、日本軍を救世主と崇めた
 日本軍を手助けし、イギリス人と戦った中国人
 全く逆転した人種の立場
 日本はアジアの「希望の光」だった

第三章 日本は「和」の国である
 日本人は、対立概念を超克しようとする
 神道は「エコ信仰」──二十一世紀の「世界の信仰」のモデル
 『古事記』に描かれた宇宙創始の世界
 日本では、神々も相談して物事を決める
 日本に民主主義をもたらしたのは、アメリカではない!

第四章 世界に冠たる日本の歴史
 古代からひとつの王朝が続く日本
 産経新聞の『歴史戦』コラムで取り上げられる
 物事は、見る人によって違って見える
 日本を西洋の尺度で測った愚かさ
 日本が世界に誇れる「万世一系」
 天皇によって一つの王朝を続けてきた日本
 先史時代の文明が断絶されているアメリカ
 地政学的に似ている日本とイギリス
 四千五百年前の遺跡「ストーン・ヘンジ」
 五千五百年前に地上六階建てのマンションと同じ高層建築物を建てていた日本
 世界四大文明よりも古い日本の文明
 旧石器時代から侵略されることなくずっと民族が続いて現在に至る国
 日本には、世界を驚愕させる古代からの来歴がある
 神武天皇は、実在した!

第五章 オリエントにあった世界の文明と帝国
 千年、万年のスパンで見なければわからない
 日本文明を独立したものと位置付けたハンチントン
 かつて偉大な文明は全てオリエントにあった
 混迷するイラクは、聖書の地
 古代メソポタミアの民族興亡
 独立し安定していたエジプト文明
 ギリシア文明は、西洋の文明にあらず
 ペルシア戦争とギリシア文化の広がり
 古代ローマとエジプトの接触
 短期間に巨大帝国となったイスラム
 「ユーラシアの覇者」モンゴル帝国
 インド・ムガール帝国の興亡

第六章 侵略され侵略するイギリスの歴史
 侵略されることから始まるイギリスの歴史
 ブリタニアの時代のブリテン島
 イギリス人の神話としての『アーサー王物語』
 ブリテン島におけるキリスト教の歴史
 イングランド王国の誕生とその波乱の歴史
 ブリテン島をめぐる四カ国の歴史
 ノルマン朝とイングランド王ヘンリー一世
 イギリスとフランスの関係を語る「二重王国」と「百年戦争」
 大航海時代の幕開け
 帝国を築く礎となった海賊たち
 清教徒革命の勃発
 イングランド共和国の樹立
 軍を抑制し始めた議会
 王政復古とその条件
 なぜ王政は、危機に陥ったのか
 国王の権力と暴力革命を抑制したイギリス議会
 太陽が沈まない帝国の誕生
 英仏によるインド争奪戦
 世界で始まった大英帝国による覇権戦争
 大英帝国の日本侵略「長崎フェートン号事件」
 支那で勃発した「アヘン戦争」
 インドにおけるイギリス植民地支配への抵抗運動

第七章 アメリカの「マニフェスト・デスティニー」
 「先コロンブス期」の南北アメリカ
 アメリカ大陸を植民地化したノース人
 秀吉の「伴天連追放令」の背景
 聖書の神のモーゼへの命令
 鎖国政策を取った幕府の鋭い外交方針
 ローマ法王によって、加速された大虐殺と奴隷制度
 新大陸で悲惨に酷使された黒人奴隷
 奴隷制度を支持したアメリカ民主党と廃止を訴えた共和党
 共和党初代リンカーン大統領就任と南北戦争
 アメリカの黒人奴隷時代に、日本では世界一の都市と文化が栄えていた
 江戸の治安は、東京よりも良かった
 江戸の庶民は、世界一文化的な生活を送っていた
 江戸の日本は、世界史に類例のないほど教育が普及していた

第八章 白人キリスト教徒による太平洋侵略
 黒船艦隊はシェルガンで武装し、日本をキリスト教化しようと脅迫した
 ヨーロッパのアジア侵略に慄然としたペリー提督
 「マニフェスト・デスティニー」の西部開拓は、太平洋の侵略へ
 大航海時代のスーパースター「クック船長」の大冒険物語
 クックの最期
 尊王攘夷は、日本防衛と国体護持のためだった
 ジャーディン・マセソン商会の暗躍

第九章 マッカーサー親子によるフィリピン侵略
 白人キリスト教徒によるフィリピン侵略
 ホセ・リサールとフィリピン独立運動
 米西戦争で、アメリカがスペインにとって代わる
 独立軍を殲滅にかかったマッカーサー親子
 日露戦争での日本の勝利に歓喜したフィリピン民衆

第十章 大日本帝国と西欧列強の帝国主義の違い
 大日本帝国は、侵略ではなく、防衛のための帝国だった
 白人帝国ロシア南下の脅威
 三国干渉という白人列強の侵略行為
 日英同盟はなぜ締結されたのか
 日本による人種差別撤廃提案はなぜふみにじられたか
 日英同盟廃止を望むアメリカの思惑
 ワシントン軍縮会議の謀略

第十一章 大日本帝国は「植民地支配」などしていない!
 日本はアジア最後の砦だった
 日本の朝鮮統治は「植民地支配」ではない
 日本の統治についてデタラメを書く韓国の国定教科書
 人種平等の理念に基づいた「皇民化」教育
 朝鮮王族に嫁いだ日本の皇族・李方子女王
 八紘一宇は、「世界は一家、人類は皆兄弟」という日本の理想
 大和の国・日本には、八百万の神々がいる

第十二章 日本は中国を侵略していない
 国連で「侵略戦争」が定義されたのは「一九七四年十二月」
 日本の満洲への進出は、侵略ではない
 日露戦争の勝利で満洲の権益を獲得した日本
 中国には匪賊が各地に割拠していた
 満洲の在留邦人の保護
 五族協和・王道楽土の満洲国
 日本の大陸への進出は、「パリ不戦条約」を侵していない!
 支那事変は、日本の侵略戦争ではない!

第十三章 アメリカによる先制攻撃の「共同謀議」
 我々は、もっと真実を知る必要がある
 中国の航空部隊のパイロットは、アメリカの偽装「退役軍人」だった
 戦争を仕掛けたのは、アメリカか、日本か
 日本軍航空部隊との交戦
 中国で航空ビジネスを仕掛ける
 ルーズベルト大統領が、チャイナ・ロビーに応えた
 共同謀議をしていたのは、アメリカだった!
 シェノールトの「日本爆撃計画」
 武器貸与法を議会に提議したルーズベルト大統領
 アメリカによる対日経済封鎖と輸送船への攻撃
 日米戦争を引き起こした元凶の書

第十四章 大統領がアメリカ国民を欺いた日
 大統領による裏切り行為
 日本に対米戦争を起こさせるための八項目
 挑発目的での巡洋艦の出没
 合衆国艦隊司令長官がルーズベルトに反旗
 暗号解読を活用したマッカラム
 「真珠湾の奇襲」は、アメリカの罠だった!
 泳がされていた帝国のスパイ
 太平洋戦争は、アメリカの「侵略戦争」だ

第十五章 大英帝国を滅ぼしたのは日本だった!
 大東亜戦争の虚妄と真実
 大東亜戦争開戦七十周年記念での講演
 大英帝国が刺し違えた日本
 大東亜戦争を高く評価したイギリス人
 大東亜戦争は、アジア解放戦争だった
 “空の神兵”の偉業
 アジアの人々は、日本軍を歓喜して迎えた
 日本よ、大東亜戦争の大義を世界に伝えよ!
 神州不滅を期して


この目次の構成を見ていただければ解るように、タイトルと本の内容にはかなり隔たりがあり、大東亜戦争だけに絞った内容ではなく、保守が主張する歴史修正のエッセンスを散りばめた体裁とっています。

タイトルにもある「大東亜戦争は日本が勝った」とする根拠は、単に

「大東亜戦争は植民地解放戦争で、戦後、アジア諸民族は独立できたので当初の目的は達成された。ゆえに日本の勝利」

という逆切れ理論であり、これの独自性を検討しようにも、それ以上でもそれ以下でもない誠にありふれた保守言論のコピペです。

ところでヘンリー・ストークス氏はイギリス人だそうですが、イギリス的要素は、「第六章 侵略され侵略するイギリスの歴史」と、「第十五章 大英帝国を滅ぼしたのは日本だった!」くらいしかありません。

この様な構成内容からも、本書が「ヘンリー・ストークス」ブランドによって出された保守本であることは明確でしょう。


神武天皇の実在は信じるのに、アーサー王の実在は信じない不可思議さ

こういうSF小説を真剣に読んで粗探しすること自体エレガントではないのですが、既に目次の表題の段階で不思議な箇所もあるので指摘しておきます。

それは、第四章に収載される「神武天皇は、実在した!」項と、第六章に収載される「イギリス人の神話としての『アーサー王物語』」項です。

なんとストークス氏は神武天皇の実在を信じてしまい、それが信じられないのはGHQの占領政策の影響であり、これらは「神話」ではなく「現実の来歴」であると断言します。


古事記の中の天皇に関する記載が、神武天皇は多いのに、その後の八代の天皇の事績に関しては極めて少ない。そこで「欠史八代」などと言って、神武天皇の実在を疑問視する進歩的文化人が終戦後から跋扈し始めた。これもGHQの占領政策の影響である。
 ヘンリー・S・ストークス『大東亜戦争は日本が勝った』ハート出版, 2017, p. 77


これは「神話」ではなく現実の来歴であるが、外国人の私には、まるで「神話」のように、御伽噺のように聞こえてしまうのだ。それほど「有り得ない」ことが、この地上で起こっているのが、日本という国なのである。日本人は、このことに大いに誇りを持つべきだ。
 ヘンリー・S・ストークス『大東亜戦争は日本が勝った』ハート出版, 2017, p. 76
……。

いやいやいやいや、その古事記の記述は「神話」ですって! 
なんで、神話的記述が実際に起こったと信じれて、「日本スゴイ」って結論になるのよ!? 

と突っ込まずにはいられません。歴史家でもないストークス氏に神武天皇の実在性を語らせて何の意味があるのでしょうか。

一方、ストークス氏は、こんなに記紀神話をヨイショしてくれるのに、自国の誇りアーサー王については「神話」であって実在しないとあっさり片付けます。


ブリトン人のアーサー王については実在したという説もあるが、あくまで伝説である。五世紀頃のことがイギリスでは「神話」になっていると言ってもいい。
 ヘンリー・S・ストークス『大東亜戦争は日本が勝った』ハート出版, 2017, p. 102



皆さんどう思われますか? 紀元前660年ごろにいたとされる神武天皇の実在は信じられるのに、紀元後5世紀ごろにいたとされるアーサー王の実在が信じられないイギリス人って一体。

たとえば、ある日本人がいて、歴史の専門家でもないのに、檀君(西暦前2370年ごろいたとされる古朝鮮の王)の実在を主張して、聖徳太子(紀元後6世紀ごろ)の実在を否定する人物がいたら(しかも韓国で活動していたら)、普通「ちょっと半島に関係されているイデオロギーの持ち主なのかなぁ」と考えて、その人のその発言を「歴史」としては信用しませんよね。

これとほぼ同じ構造の発言をヘンリー・ストークス氏は平然としてしまっているのです。いったいプロデューサー達は何を考えているのか…。



まとめ

本書は「神武天皇の実在は信じるのに、アーサー王の実在は信じない」というイギリス人ジャーナリストに、歴史を語らせてしまったという奇書でしょう。この本が語る歴史を信じる読者がいるということに驚きです。

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7. 中川隆[-12172] koaQ7Jey 2019年2月14日 07:53:57 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22240] 報告

2019.02.09
【トンデモ】『日本が果たした人類史に輝く大革命:
「白人の惑星」から「人種平等の惑星」へ』H・S・ストークス×植田剛彦(自由社, 2017)
https://rondan.net/114


Contents

1 「白人の惑星」から「人種平等の惑星」へ人類史に輝く大革命
2 『日本が果たした人類史に輝く大革命』の目次
3 「人種平等の惑星」の大革命を達成したはずの日本がとる偏狭な態度


「白人の惑星」から「人種平等の惑星」へ人類史に輝く大革命

今回は、H・S・ストークス×植田剛彦『日本が果たした人類史に輝く大革命:「白人の惑星」から「人種平等の惑星」へ』(自由社, 2017)という自画自賛にも程があるタイトルの書を紹介したいと思います。

本書は、もとは2015年に刊行された『目覚めよ!日本』(日新報道)の改訂版のようで、新たにケント・ギルバート氏の解説を加えたようです。

タイトルからも予想できるようにその内容は、アジア太平洋戦争(大東亜戦争)を「人類史に輝く大革命」と位置づけ、その大革命によって地球は「白人の惑星」から「人種平等の惑星」になったと主張します。


実際にあった出来事の主語と述語を極限まで拡大解釈して、自身の思想理念を語らせてしまうことは保守界隈の常套手段ですが、本書はその典型例でしょう。

本書のタイトルにある内容が事実であれば、大東亜戦争を起こした日本はノーベル平和賞を受賞していてもおかしくないはずなのですが、そのような気配は一向に見られません。どうも保守界隈の認識というものは、世界の常識とはかけ離れているようです。

もちろんこの常識を修正することが保守の目標なわけですが、あまりに荒唐無稽な理論を展開してしまうと、かえって目標を達成できなくなってしまうのないかと危惧します。



『日本が果たした人類史に輝く大革命』の目次

まずは目次を確認してみましょう。細目まであげます。


まえがき ヘンリー・S・ストークス

第一章 日本よ、目覚めなさい!連合国戦勝史観の呪縛からの脱却
 東京裁判は勝者の復讐劇≠セった
 ペリーが種を播き、マッカーサーが刈りとった
 反日思潮に惑わされず、歴史の真実を学び、誇りある国へ
 アジアを独立させたのは日本の進攻だった

第二章 「朝日新聞」の売国キャンペーン≠許してはならない
 日本を攻撃する中韓両国と、手を貸す朝日新聞
 韓国は日本の善意を蔑ろにした
 NHKまで中韓のプロパガンダのお先棒をかついでいる
 慰安婦とは売春婦そのものだった
 無責任な平和主義が日本人の背骨を冒している
 慰安婦をなくすのは戦争をなくすのと同じように難しい
 韓国はソウルの国会前とアメリカ大使館前に「慰安婦像」を設置すべきだ
 日本人が日本を貶める醜さ
 謝罪は罪を認めること、認めれば償いが伴う

第三章 日本なしに中国、韓国は近代化はできなかった
 満州国士官学校に血書志願した朴正煕大統領
 朝鮮は日韓併合によって近代国家になった
 日本はアジアを大きな家族と見て、朝鮮を豊かに発展させた

第四章 原爆許すまじ
 裁かれるべきはアメリカだ
 日本国憲法は日本「属国化」のための手枷足枷である
 大東亜戦争によって世界の秩序を変えた日本
 「大東亜戦争」を「太平洋戦争」にすり変えたアメリカの奸計
 日本はイギリスをモデルにして「諜報世界」に強くなる必要がある

第五章 南京大虐殺のウソ
 大東亜戦争は自衛戦争であり、同時にアジアを解放した
 東京裁判は「裁判」の名を偽った復讐劇だった
 東京裁判がデッチあげた南京大虐殺

第六章 三島由紀夫とは何だったのか
 三島由紀夫は「殉教」を選んだ
 三島は日本のダヌンツィオ≠セった
 いつ、三島の心≠ェ理解されるのか

第七章 日本の再生に向けて、過去を脱却し力強い未来を築け!
 世界一の日本文化をもっと発信しよう
 危機にあって、なお光る日本人の「思いやり」 ここが共通するイギリス人と日本人
 ユーモア感覚 イギリスと日本は共通項が多い
 日本は異質なものまで受け入れ、昇華して独自の文化を育んだ
 島国にはハイブリッドの文化が醸成される 日本は日本を取り戻せ

解 説 ケント・ギルバート


目次からも明らかなように、実際には「人類史に輝く大革命」だの「白人の惑星」だの「人種平等の惑星」だのといった大げさな話は殆ど出てきません。むしろ、朝日新聞批判、中韓批判、原爆投下批判、南京大虐殺否定論、慰安婦批判などがコンテンツの大部分を占めています。

タイトルが内容がほとんど一致しないという点も、昨今の保守本の傾向の一つです。

「人種平等の惑星」の大革命を達成したはずの日本がとる偏狭な態度

この手の保守本に散見される矛盾が本書にも如実に現れるので、その点を指摘したいと思います。

著者の一人、植田剛彦氏は、

黒人のオバマ大統領が登場したのは日本が白人支配を一掃したからだとか、
日本人は他のアジア人を身近な兄弟として感じていたとか、
日本には民族平等の世界を実現したいという悲願があったとか、
日本人がいかに平等を尊び慈愛と思いやりに満ちた善良な存在であるのか

を強調しています。

にもかからず中国・韓国については

「韓国は日本の善意を蔑ろにした」とか、
「中国と、韓国は日本の国際的な評価を傷つけて」いるとか、
「韓国は世界最大の売春婦の輸出国」だとか、
「日本なしに中国、韓国は近代化はできなかった」とか、
「慰安婦は売春婦そのものだった」とか、

極めて偏狭な言説をしています。これらの中韓への発言は、彼らが強調していた日本人の美徳と、全く矛盾しているように思えます。

著者の植田剛彦氏は、自身を「品行方正な男性」とまで自画自賛していますが(p. 66)、このような矛盾に全く気がついておられないところに、保守論壇の視野の狭さを感じずにはいられません。

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8. 中川隆[-12170] koaQ7Jey 2019年2月14日 08:08:02 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22240] 報告

2018.12.09
「ケント・ギルバート現象」に思う論壇の行方
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Contents

1 ケント・ギルバート現象
2 考察
3 課題

ケント・ギルバート現象

『ニューズウィーク日本版』(2018.10.30)に「出版業界を席巻するケント・ギルバート現象の謎」という興味深い記事が掲載されました。その概要はネットでも読むことが出来ます
(リンク@・A)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/10/post-11174.php
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/10/post-11191.php

その全容を知るためにはぜひ雑誌をお手に取ってということになりますが、特に筆者が興味深く感じた点をまとめれば次のようになります。

1 2013年〜2014年を境に外国人タレントから保守論客へ転向。

2「ケント・ギルバート」本のプロデューサーは植田剛彦氏と加瀬英明氏。

3「ケント・ギルバート」本のファクトリーは、アメリカ発ネットワークビジネスのレクソールの日本人スタッフ。

4著書の中で「日本解放第二期工作要綱」という偽書を引用した間違いについて、ケント・ギルバート氏は「僕の書いたことをうのみにしなくてもいい」「これ(工作要綱)はスタッフが調べてきた」と弁明。

5講談社の『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』のプロデューサーは、同社の間渕隆氏。間渕氏にイデオロギー的動機はなく、単にマーケティング的理由から。講談社内でも出版したことに批判の声。

6ケント・ギルバート氏曰く「僕は中道より少し右側」「「日本を好きになっていいんだ」というメッセージを発しているだけ」とのこと。

7『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』に、特定の民族を対象にした差別的な記述がある問題については「全員がそうだとは言わない」「文化としてこういう傾向があると知っておかないと、正しい付き合い方ができない」と回答。

8『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』の読者は、都心以外の60歳前後の高齢者が中心。



考察

特に興味深い事実は、Gケント・ギルバート氏の愛読者が「若者」ではなく「高年齢者」であったという点です。

幾つかの調査でも高年齢程愛国傾向になることを報告しており、本記事のライターは

「年齢が上がるほど愛国的」
「嫌韓ムーブメントは当初反権威主義的な若者が担い手だった」
「今は高齢者が中心となって『儒教』もその風に乗った」

と結論づけています。

しかし「若者ほど自民党支持者が多い」というような、これと逆の流れを示唆するデータも数多くあるので、高年齢者ほど愛国的と憶断するのは危険でしょう。

また、購入層が高年齢だからと言って、若年層がリベラルとも必ずしも言えないでしょう。利用者の中心が若年層であるYoutubeにおいて、保守のYoutuber(KAZUYA氏や竹田恒泰氏)はいても、リベラルのそれは見当たりませんので。

また、保守は商業的に回転しやすいという点が強みだということがよく解ります。いわば、ファクトリーで量産された本が、バンバン売れるのです。

心血そそいで一冊のリベラル本を仕上げたとしても、売れないというのは致命的です。これは単に「買い手が保守ばっかりだ」と決めつけてしまうのではなく、市場のニーズにあう保守本が多く、非保守・反保守はそのニーズに答えられていないと評価すべきではないでしょうか。

現状、全く売れていない非保守・反保守こそが、市場のニーズをしっかり分析して情報を発信できるようになれば、保守と対等に戦えるかもしれません。

課題

ここで私が言いたいことは、研究書のように真面目な非保守・反保守の書籍を仕上げても、それを読む人がいなければ意味がないということです。ある意味で非保守・反保守の本は、何らかの形で「日本スゴイ」を否定する内容を含みますので、日本人からすれば読むのが苦痛になるのではないでしょうか。

ビジネスとして回らない以上、保守側の圧倒的な物量の前には勝てません。
この点を大いに反省すべきだと思います。

しかし「ではどうすればよいのか」と言われても、何か妙案があるわけではありません。ですが、早川タダノリさんの『「日本スゴイ」のディストピア:戦時下自画自賛の系譜』(青弓社, 2016)など一連の書籍は、その可能性を大いに感じます。

この一連の書籍の優れた所は、当時の広告やプロパガンダなどを通して、どれだけ戦前・戦中の日本が馬鹿らしかったかが直感的に解ること、それと同時に現在の保守勢力が進めている戦前回帰もどれだけ馬鹿らしいかが煩瑣な説明なしに解るところです。

かつて「女性の会」といえば左向きの団体ばかりだったのに、いまでは「女性の会」を名乗る右向きの団体が多くなってきました。保守にこそ、非保守は学ぶべき時かもしれません。

https://rondan.net/628

9. 中川隆[-12169] koaQ7Jey 2019年2月14日 08:15:37 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22240] 報告

出版業界を席巻するケント・ギルバート現象の謎
2018年10月25日 安田峰俊(ルポライター)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/10/post-11174.php


保守派の書籍が多い近年の出版業界でもギルバートの多作ぶりは際立つ SOICHIRO KORIYAMA FOR NEWSWEEK JAPAN

<往年の著名外国人タレントから、次々にヒットを飛ばす論客へ。保守派の「新星」はいかに生まれたか。その背景には、日本の保守系論壇における2人の大物の存在があった>

※本誌10/30号(10/23発売)は「ケント・ギルバート現象」特集。ケント・ギルバートはなぜ売れっ子になれたのか? 読者は「ネトウヨ」なのか? 本人にもインタビューし、言論界を席巻する「ケント本」現象の深層、さらにはデータから読者層の謎を読み解いた。
(この記事は本誌「ケント・ギルバート現象」特集の1記事「出版業界を席巻するケント・ギルバート現象」の一部を抜粋したもの)

現在、30代後半以上の日本人ならば、彼の名前を知らない人のほうが少ないのではないだろうか。80〜90年代、人気番組の『世界まるごとHOWマッチ』や『関口宏のサンデーモーニング』のほか、ドラマや映画にも盛んに出演していたアメリカ人、ケント・ギルバート(66)のことである。

1952年アイダホ州生まれのユタ州育ち。端正なマスクと、流暢で知的な日本語の語り口を武器に、往年の「外タレ(外国人タレント)」ブームを牽引するお茶の間の顔だった。

だが、1997年頃の『サンモニ』の降板以降、テレビで彼の姿を見る機会は減った。もはや「あの人は今」的な存在となって久しい──はずだったが。

近年になって、初老を迎えたギルバートは意外な再ブレイクを果たした。『まだGHQの洗脳に縛られている日本人』(PHP研究所、以下『GHQ』)、『米国人弁護士だから見抜けた日本国憲法の正体』(KADOKAWA)など、日本の保守派に寄り添う論調の著書で次々とヒットを飛ばすようになったのだ。

なかでも2017年2月に出版された『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』(講談社、以下『儒教』)は、電子書籍版と合わせて51万部もの版を重ねた。日本人の「高い道徳規範」を称賛し、「非常識」な儒教国家である中国・韓国・北朝鮮に立ち向かうことを説いた同書は、2017年の年間ベストセラーの第6位に入る健闘ぶりだ(出版取次最大手・日本出版販売調べ)。

他にも小学館や宝島社など有名出版社から著書を出し、2017年だけでも12冊以上、2018年も9月末までに12冊以上を出版(共著含む)。書店の店頭で彼の名前を見ない日はない。とどまるところを知らぬ勢いは、まさに「ギルバート現象」と呼ぶにふさわしい。

そんな彼の主張の根幹を成すのは、日本人が敗戦後に「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム(WGIP)」と称する連合国軍総司令部(GHQ)の洗脳工作を受け、それが現代の日本の政治や社会に問題をもたらしているとする歴史観である。例えば彼はこう主張する。

「(GHQは)日本人を徹底的に洗脳し、武士道や滅私奉公の精神、皇室への誇り、そして、それらに支えられた道徳心を徹底的に破壊することで、日本人の『精神の奴隷化』を図ろうと試みたのです」

「GHQが去った後(中略)、『精神の奴隷化』政策を継続したのは、日本の政治家と教育界、そして左傾化したマスコミです」(以上、『GHQ』)

終戦直後、GHQが日本で一定の世論工作を実施したことは客観的にも確かだろう。だが、メディアや教育界が70数年後の現在までそれに支配され、国民を「反日」的に洗脳したり、中国や韓国と結託して日本をおとしめたりしている──というのがギルバートの主張だ。慰安婦問題や南京事件への解釈も、日本の保守派寄りのものである。

ギルバートは過去の「外タレ」時代から、日本社会の矛盾点を歯に衣着せず指摘するタイプではあった。だが、現在のような言論を開始したのは2013〜14年頃からだ。

ギルバート現象はいかなる事情で生まれたのか。彼の第2の人生が始まった背景には、日本の保守系論壇における2人の大物の存在があった。

言論人への「転向」の立役者

「2013年10月に私が編集・刊行した『不死鳥の国・ニッポン』(日新報道)は、ケントの『転向』の大きなエポックメイキングだった。一時期低迷していた彼に、第2の出発点を準備できたと自負している。私は彼に『これからのあなたは芸能人ではなく文化人だ』と伝え、背中を押した」

そう話すのは、同書を手掛けたフリー編集者で実業家の植田剛彦(73)である。

三島由紀夫をはじめ、長嶋茂雄などスポーツ界・政財界に幅広い人脈を持つ彼は、ギルバートの「転向」以前にも複数の著書の編集を手掛けてきた。1989〜95年にはケント・ギルバート外語学院(既に閉鎖)の理事長を務め、長年のビジネスパートナーでもあった。

だが、植田には別の顔がある。出版社・自由社の代表として、保守系市民団体「新しい歴史教科書をつくる会」(以下「つくる会」)が編纂した中学生向け教科書や、杉田水脈、藤岡信勝、倉山満といった保守系言論人の著書を多数刊行しているのだ。彼はこうも言う。「『不死鳥』刊行時のケントには理解不足な面があり、政治的発言を行う覚悟が不十分だった。だが、私が特攻隊についての英文資料を渡したり、勤勉なケント自身が勉強して理解を深めたことで、彼は完成していった」

翌2014年8月、朝日新聞が慰安婦問題に関する過去の誤報を認めた際、ギルバートは自身のオフィシャルブログでこれを批判する。記事はネットユーザーの間で評判になり、同年秋から産経新聞系の夕刊フジが寄稿を打診するようになった。

やがて「理解」を深めたギルバートは、2015年から「正論」「WiLL」など右派系論壇誌の常連寄稿者となり、複数の保守派系市民団体に名を連ねるなど、急速に右旋回を強めていく。

同年末には、過去の歴代受賞者に元自衛隊航空幕僚長の田母神俊雄や元海上保安庁職員の一色正春らタカ派的な著名人が並ぶアパ日本再興財団の懸賞論文で、最優秀藤誠志賞を受賞。保守系言論人としての地位を確立した。

「ケントは正しいことを正しいと言う、真っすぐな人間だ。最近、『WGIPを指摘したらアメリカに帰れなくなるのでは?」と尋ねたが、ケントは『気にしない』と言っていた」(植田)

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/10/post-11174_2.php

本誌21ページより、


2015年以降は
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/10/post-11174_3.php


加えてもう1人、「転向」に影響を与えた人物がいる。保守論壇の重鎮で外交評論家の加瀬英明(81)だ。90年代に植田がギルバートを引き合わせ、共著を出して以来の縁である。「長年、ケントに忍耐強く説いていった。彼は真面目なので、話を聞いてくれた。われわれがケントを変えたんだ」

加瀬は安倍政権とも関係が深い日本会議の代表委員や「つくる会」の顧問、歴史問題の否定を訴える「慰安婦の真実」国民運動や「南京事件の真実を検証する会」などの保守系市民団体の会長も務める。彼はこうも言う。

「バテレン(筆者注・戦国時代のキリシタン)を改宗させたようなものだ。最初はヘンリー・ストークスを10数年かけて『調教』したのだが、ケントはその次だった。最初はいずれも、慰安婦や南京の問題について、日本が(悪事を)やったと考えていたんだ」

ヘンリー・ストークスとは、フィナンシャル・タイムズやニューヨーク・タイムズの東京支局長も歴任した知日派のイギリス人ジャーナリストだ。近年は靖国参拝を行ったり、加瀬との共著や『大東亜戦争は日本が勝った』(ハート出版)といった著書を刊行するなど保守派寄りの姿勢が目立つ。

「高齢で体調がすぐれないストークスに代わって、最近のケントは著書を多く出して頑張っている。『転びバテレン』だからこそ、彼は自分でしっかり勉強をしているみたいだ」(加瀬)

もっとも、言論人ギルバートを生んだ立役者は植田と加瀬だけではない。近年の著作のほぼ全てに携わり、イデオロギー面でのサポートも行ってきたスタッフが存在するのだ。


▲△▽▼

データで読み解くケント・ギルバート本の読者層
Newsweek Japan WHAT THE DATA REVEALS
2018年10月29日 高口康太(ジャーナリスト)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/10/post-11191.php

<50万部超というケント・ギルバートの著書の売れ方は「ほかの本と違う」。購入者の年齢層と立地の数値に表れた謎を追う>

※この記事は本誌10/30号「ケント・ギルバート現象」特集より。ケント・ギルバートはなぜ売れっ子になれたのか? 読者は「ネトウヨ」なのか? 本人にもインタビューし、言論界を席巻する「ケント本」現象の深層、さらにはデータから読者層の謎を読み解いた。

新書ノンフィクションの2017年ベストセラー第1位の座を獲得したのは、ケント・ギルバート著『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』(講談社、以下『儒教』)だった(出版取次最大手・日本出版販売調べ)。本稿では内容面に関する論評については対象としない。筆者が興味を持っているのはただ一点、「ギルバートの本の読者は誰なのか?」だ。

というのも、電子書籍版を含めて51万部を超えるベストセラーともなれば、周囲に一人ぐらいは読んだ人がいそうなものだが、筆者の周りには誰もいなかった。ほかのベストセラー本ではそうそうあり得ない話だ。この「謎」をどう考えるべきなのだろうか。本稿ではこのテーマについて客観的な統計データから迫ってみたい。

参照したのは、TSUTAYAとTポイント提携書店のPOSデータ分析サービス「DB WATCH」だ(対象期間は2017年1月1日〜2018年8月31日に設定)。また、同サービスでこの期間、全国でほぼ同数の売上冊数を記録した河合雅司著『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』(講談社、以下『未来』)を比較対象として選んだ。2冊のベストセラー本を同一条件で比較することによって、読者層の違いが明らかになる。

まず検討したのは併買データだ(下表)。『儒教』『未来』を購入した人が、調査期間内にほかにどのような書籍を購入したかを示している。それぞれ上位10冊の顔触れを見てみよう。

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本誌26ページより

『未来』の併買データだが、続編の『未来の年表2』を筆頭に近年のベストセラーがずらりと並んでいる。さもありなんという結果だが、『儒教』のランキングは大きく異なる。続編にあたる『中華思想を妄信する中国人と韓国人の悲劇』などギルバートの著作2冊が入っているほか、同じく保守系作家として知られる百田尚樹の著作が2冊入っている。保守系の書籍はある特定のグループで重点的に売れていることを示唆するデータだ。

都心以外の高齢者が中心

続いて購入者の人口構成を分析した。下の図は『儒教』『未来』そして新書全体について、同調査期間内の購入者の分布をグラフに表したものだ。新書全体で見ると、購入者の平均年齢は50.09歳、最頻値は49歳だ。『未来』は平均年齢49.66歳、最頻値は48歳と新書全体とほぼ同じ傾向を示している。ところが『儒教』は平均年齢が59.69歳と『未来』よりも約10歳高い。最頻値に至っては68歳と、なんと20歳もの差が出た。50歳以上の購入者が占める比率を算出してみると、『儒教』は78.6%。『未来』の50.5%、新書全体の53.1%と大きな開きがある。『儒教』は圧倒的に高齢者に読まれていることが明らかとなった。

magSR181029graph1-2.pngmagSR181029graph2-2.png

本誌27ページより、

「新書全体」のグラフは
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/10/post-11191_2.php

ほかに、立地ごとの売れ行きでも顕著な違いが見られた。DB WATCHは加盟店の立地を都心、駅前、郊外ロードサイド(幹線道路沿い)、地方ロードサイドの4つに分類している。『儒教』と『未来』を比較すると、駅前、郊外ロードサイド、地方ロードサイドではほぼ同様の傾向が見られるが、都心では『未来』が『儒教』の2.5倍以上もの売れ行きを記録している。

POSデータから見ると、ギルバートの主要な読者は、都心以外に住む高齢者で、大ベストセラーの『儒教』以外の保守系書籍も購入するなど熱心なファン......という像が透けて見える。

それにしても、なぜ高齢者、なぜ都心以外なのだろうか。

この疑問にヒントを与えてくれそうな統計がある。それが内閣府大臣官房政府広報室による「外交に関する世論調査」だ。この調査では年齢が高くなればなるほど、中国や韓国に親しみを感じない傾向が明らかになっている。

「韓国に対する親近感」という項目では、18〜29歳の50.6%が「親しみを感じる」か「どちらかというと親しみを感じる」と回答。だが、30〜39歳が41.5%、40〜49歳が41.2%、50〜59歳が36.1%、60〜69歳が36.6%、そして70歳以上が30.5%と年齢が上がるにつれて親近感は減少している。

対中国でもこの傾向は同様だ。「親しみを感じる」か「どちらかというと親しみを感じる」との回答は18〜29歳で31.5%。そしておおむね年齢が上がるにつれ減少し、70歳以上の16.8%にまで低下している。

「外交に関する世論調査」には、都市の規模と親近感に関する数値もあるが、規模が小さいほど中韓に対する親近感は低下する。韓国に対して「親しみを感じる」か「どちらかというと親しみを感じる」との回答は大都市が39.6%だが、町村は34.7%にとどまる。対中国では大都市が21%、町村が13.2%という結果になっている。

年齢が高く田舎に住んでいる人ほど、中国・韓国に対する親近感が低い。そして、この傾向はギルバートの本の主要な読者層と一致している。

年齢が上がるほど愛国的

近年、社会的分断という言葉が注目を集めている。年齢や居住地、所得、学歴、人種によって、政治的意見や信条が異なる閉鎖的なグループが生まれている状態を指す。2016年のブレグジット(英EU離脱)国民投票、ドナルド・トランプの米大統領選勝利では、英米両国の社会的分断が満天下にさらされた。英調査機関ロード・アシュクロフトによると、ブレグジットの投票では、65歳以上は60%がEU離脱へ投票したが、18〜24歳では離脱に投票したのは27%にすぎなかったという。

社会的分断が深まれば、グループ間には対話不可能な溝が生まれる。議論によって合意を導き出すという民主主義の基盤を危うくする問題だ。

ギルバートの著作が「都心部以外に住む高齢者」を中心に売れる現象は、日本にも欧米同様の社会的分断が存在することを示しているのだろうか。

この疑問について、計量調査によって日本人の政治意識、対外国人意識を研究している早稲田大学文学学術院の田辺俊介教授に話を聞いた。

田辺が2009 年から継続的に実施している調査でも、確かに年齢が上がるほど、愛国主義が強まる結果が出ている。また別の調査では、アジアよりも欧米を上と見なす「西高東低」の価値観も年齢が上がるほど強まるとの結果が出た。その意味でギルバートの本の読者層とは一致する。ただし、いわゆる「反中嫌韓」のムーブメントが始まった当初から高齢者がその担い手だったわけではないという。

嫌韓感情について田辺が分析したところ、2009年の調査では年齢が若く反権威主義的であることが特に強い嫌韓感情と関連していたが、2013年の調査では反権威主義・低年齢との相関は消えてしまったという。若者から高齢者へ、嫌韓の担い手が変わったという可能性を示唆する結果だ。

初期の嫌韓ムーブメントを牽引した漫画家、山野車輪も同様の見解を示している。

「黎明期の嫌韓は、『マスコミが報じない本当の韓国を知ろうよ』という純粋な啓蒙活動。今の嫌韓は、韓国批判がタブーだった時代が終わり、タブーとされていたこと自体が半ば忘れられている中で、保守勢力や愛国精神と密接に繋がっている」(日刊SPA!)

若者を主体に始まった反権威的ムーブメントが、気付けば高齢者を中心とした保守的な潮流にのみ込まれたという転換であり、『儒教』のベストセラーはその追い風に乗ったと言えるのかもしれない。

ただし、ギルバートの著作はある特定の社会グループに支えられてベストセラーとなったとはいえ、欧米のような社会的分断と日本では状況が異なると田辺は指摘する。

「欧州では実際に移民が国内に入ってきて、『俺たちの職が脅かされる』という生活面の不安が排外主義の発端となった。一方で日本は『治安不安』、現実には治安は悪化していないが、外国人が増えると犯罪が増えるのではないかという不安から始まり、歴史教科書や従軍慰安婦、尖閣、竹島といった国家間の問題によって拡大したという異なる経緯をたどっている」

日本では生活と懸け離れた曖昧な不安でしかなく、欧米ほど社会的分断は激化していないとの見立てだ。しかし、技能実習生の範囲拡大など、受け入れ対策が不十分なまま実質的な移民拡大が進むなか、今後は「職をめぐる競合」という認知にも発展しかねないと田辺は警鐘を鳴らす。

『儒教』の大ヒットに関しては、書き手の思想や出版社の姿勢が問われてきたが、社会問題の側面もあるのではないか。ベストセラー本の背後に日本社会に走る亀裂が見え隠れしている。

(筆者は1976年生まれ。著書に『現代中国経営者列伝』『なぜ、習近平は激怒したのか』。執筆協力:伊藤亜聖・東京大学社会科学研究所准教授)

10. 中川隆[-10532] koaQ7Jey 2019年4月28日 12:44:55 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1554] 報告
内田樹の研究室 涅槃状態に入った安倍政権 2019-04-26
http://blog.tatsuru.com/2019/04/26_0924.html

北方領土問題の解決が政府のアジェンダから消されました。

そんな問題ははじめから存在しなかった、ということにすれば政権の失策は問われない。

これは安倍政権になってから、重要な問題のすべてについて政権が採用してきた遁辞です。

それについて去年ある大学での講演でしゃべったことの一部を再録しておきます。

 そして、2012年から安倍政権が始まる。これが僕の戦後史第五段階論の第五段階に相当するわけですけれども、これはもう切るカードが何もないわけですね。経済カードも政治カードも、新しいカードは何もない。やれることは外交的には全面的な対米従属、アメリカの企業に対する市場開放と、日本の公共財の切り売り。

 とりあえず、それさえしておけば政権は延命できる。

 とにかく「やってはいけないこと」だけはわかっている。

 それは鳩山政権がやったことです。

「国土を返してくれ、国家主権を返してくれ」ということはおくびに出してもいけない。それを言った瞬間に政権が崩壊することだけはわかっている。だから、対米交渉は一切何にもしない。全部アメリカの言う通りにするということだけが決まっている。

「対米交渉」というのは、交渉らしきものをしているただの時間つぶしです。安倍政権の国会運営と同じです。「やっているふり」をしているだけです。最終的にはアメリカの要求を全部丸のみにする。それがわかっているから、アメリカは安倍政権の延命を許している。さすがに対米自立のために何もしなかった政権というのは戦後初めてです。

 日本は主権国家であって、望むものはもうすべて手に入れているので、要求することはなにもない。完全に満たされているというのが安倍政権下の日本国民が享受している「妄想」です。

 もう全部達成し終えた。国土も回復したし、国権も奪還した。だから、世界中から日本は尊敬されている。世界中の人が日本をすばらしい国だとあこがれている。「日本すごい」とか、「世界が尊敬する日本」とかいうテレビ番組や書物が溢れていますけれど、これが第五段階の特徴です。

 もう達成すべき目標がなくなった。すべては手に入ったので、何の努力も要らない。涅槃状態のうちにある。それが現在の日本です。

 敗戦後の国民的な課題であったはずの「国土の回復、国権の回復」は実はとっくの昔から達成されていたので、そんなことは今さら考えるに及ばない。それどころか、明治維新からあと先の大戦までの近代日本がやってきたことはすべて「すばらしい達成」ばかりであって、そのせいで世界中の人々から、とりわけアジアの被侵略地や旧植民地の人たちから感謝され、尊敬されているというような妄説に人々が取り憑かれている。

 沖縄の基地問題に対する日本国民の無関心、北方領土に対する無関心、北朝鮮の拉致問題に対する無関心、すべて同根です。今の日本は最高の状態で、安倍政権がやっている政策は外交も経済すべて成功しているという話のうちに眠りこけているのが現代日本人が落ち込んでいる「ニルヴァーナ状態」です。

 その病的な「努力したくない」感は自民党改憲草案の前文に徴候的に現れています。そこにはこんなことが書いてあります。

「我が国は、先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展し、今や国際社会において重要な地位を占めており、平和主義の下、諸外国との友好関係を増進し、世界の平和と繁栄に貢献する。」

 これを日本国憲法の前文と比べると、その異様さが際立ちます。憲法前文にはこうあります。

「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う」

 自民党改憲案は「占めており」、現行憲法は「占めたいと思う」です。

 自民党草案を起草した人間の脳内では、日本はすでに国際社会において重要な地位を「占め終わっている」。

 だとすれば、いったいこれ以上何を努力する必要があるのか。
 実現困難な理想を掲げて、それに向けて鋭意邁進するというタイプの文言はもう使わないということについてどうやら起草委員たちはひそかに合意していたようです。

 日本にはもう努力目標が存在しない。

 アメリカからの国家主権の奪還は不可能なので、それについてはもう語らない。アメリカとロシアからの領土の回復は不可能なので、それについても、もう語らない。安保理の常任理事国入りについても、もう語らない。

 それが21世紀の日本人が落ち込んでいる国民的規模での「涅槃」状態です。

 これは重い病気に罹った人間が「私はまったく健康である。他の人たちが私の健康を羨ましがっているほどだ」とへらへら笑っているのと変わらない。主観的にはいい気分かも知れないけれど、そうやっているうちに手当をしない患部はどんどん壊死している。(後略)
http://blog.tatsuru.com/2019/04/26_0924.html

11. 中川隆[-13664] koaQ7Jey 2020年3月20日 22:33:08 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1218] 報告
外国人に「日本べた褒め」させているマスコミに喜んでいたら最後に痛い目に遭う │ ダークネス:鈴木傾城
https://bllackz.com/?p=7365

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