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世界最古級の「おしろい」か 中東の約4000年前の古墳で発見/nhk
2025年11月5日
https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10014967391000
中東・バーレーンのおよそ4000年前の古墳で、世界でも最古級の「おしろい」とみられる化合物を日本の研究グループが発見しました。人類の化粧の歴史をたどるうえで貴重な成果だとしています。
「おしろい」とみられるものが見つかったのは世界遺産に登録されている、バーレーンの古代文明「ディルムン」の「アアリ古墳群」です。
ことし1月、東京文化財研究所などのグループが古墳群にあるおよそ4000年前の古墳で石室を発見し中から副葬品とみられる大量の二枚貝が発掘されました。
貝殻の中には白い粉が付着していて、成分を分析したところ「ラウリオナイト」と呼ばれる人工の鉛の化合物だとわかったということです。
「ラウリオナイト」は古代エジプトで王族が「おしろい」として使っていたことで知られ、今回見つかった化合物は、エジプトなどとならんで世界でも最古級の「おしろい」の可能性が高いということです。
調査を行った東京文化財研究所の安倍雅史 保存計画研究室長は「古代のバーレーンでは階層化が進む中で、日に焼けていない白い肌が労働をしない高貴な身分を示す象徴となり、おしろいが普及したのではないか。人類の化粧の歴史をたどるうえで貴重な発見だ」と話しています。
世界と日本の「おしろい」の歴史
東京文化財研究所などによりますと、「おしろい」の歴史は古く、およそ4000年前の古代エジプト文明や、古代メソポタミア文明でも使われていたことが確認されています。
一方で、日本の「おしろい」の歴史は、記録に残っている中では7世紀の終わりごろまでさかのぼります。
中国から来た僧が、持統天皇に鉛の成分を含んだ「おしろい」を献上したところ、喜ばれたという記載が「日本書紀」にあります。
当初は身分の高い人を中心に広まり、江戸時代になると庶民にも普及しましたが、「おしろい」に含まれる鉛で中毒になる危険性が指摘されるようになり、昭和9年には鉛を含んだものの製造が禁止されました。
現在は「おしろい」が日常の化粧として使われることはあまりありませんが、舞台や歌舞伎の世界などでは広く使用されています。
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